香港政府と深セン市金融監督管理局が共同でグローバル・フィンテック・ハブ建設のアクションプランを発表
(香港、中国)
香港発
2025年11月26日
香港特別行政区政府(以下、香港政府)の財経事務・庫務局(FSTB)と深セン市金融監督管理局は11月19日、香港・深セングローバル・フィンテック・ハブの建設に関するアクションプラン(2025~2027年)を共同で発表した。主な施策は、次のとおり。
- 深セン市に拠点を置く金融機関の香港におけるフィンテック子会社設立の推進
- 両地域によるフィンテック・インキュベーターの共同開発に向けた支援
- 深セン市のテクノロジー企業の香港での資金調達を行う上での支援策活用の奨励(バイオテック企業や専門的技術を有する企業、テクノロジー企業による香港での上場など)
- 深セン市企業による香港でのオフショア人民元建てサステナブル債発行の奨励
- デジタル人民元の応用シナリオに関するイノベーション継続の促進
- 両地域共同による「mBridge」プロジェクト(注1)の研究開発や実用化への参画支援
このほか、本アクションプランにおいては、両地域におけるフィンテック人材の育成推進や、業界との連携・協力の強化に関する施策として、「深セン・香港・マカオフィンテック専門人材プログラム」の円滑な推進や、両地域の業界団体や金融機関によるフィンテックイベントの共同開催の促進、両地域における大規模なフィンテックイベントの連携強化などについても盛り込まれた。
許正宇(クリストファー・フイ)財経事務・庫務局長は、香港政府はフィンテックの発展促進を非常に重視しているとした上で、「最新のグローバル金融センター指数において、香港はフィンテック分野で世界第1位を獲得した(2025年10月16日記事参照)。本アクションプランではデジタル金融、テックフィン(注2)、グリーンファイナンス、金融包摂(注3)、年金ファイナンスなどの分野をカバーするさまざまな主要施策が示されており、両地域のフィンテック分野における協力を拡大、深化させることを目指している」と述べた。
香港政府のウェブサイト
で本アクションプランの全文
(中国語版のみ)が確認できる。
(注1)各国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)システムを相互接続させて行うクロスボーダー決済のプラットフォーム。2024年に実用化。
(注2)テクノロジー企業が、データや技術力などを生かして金融分野に進出すること。
(注3)全ての人々が適切で持続可能な金融サービスを利用できる状態を指す。
(越川剛)
(香港、中国)
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