ジェトロ、香港税関向け知財ワークショップを開催
(香港)
香港発
2025年12月19日
ジェトロと香港税関は12月11日、香港税関職員を対象とした知的財産権保護(IPR)ワークショップを共催した。香港税関は、域内で販売・流通される模倣品だけでなく、香港経由で再輸出される模倣品の撲滅に対しても積極的に対応する姿勢を示している(注1)。本ワークショップは、職員の知識向上による模倣品対策強化を目的に毎年、定期的に開催されている。
ワークショップには、企業の知財担当者や「有資格鑑定人」(注2)らが講師として登壇した。企業からの登壇者は、香港税関の要望を踏まえ、キャラクター、電気・電子機器、化粧品などを扱う日本企業5社から協力を得た。各社は、自社製品やライセンス商品の模倣被害事例や、模倣品対策のために採用している技術、真贋(しんがん)判定時に注意すべきポイントなどを説明した。質疑応答では、税関職員から多くの質問が投げかけられ、活発な交流が行われた。
ワークショップ会場には、日本企業から提供されたサンプル品(真正品および模倣品)を展示するスペースを設置。講師を務めた日本企業の担当者がサンプルを手に取りながら説明し、税関職員が確認する姿も見られた。
登壇した日本企業からは、香港税関との協力関係をさらに深め、模倣品対策に取り組んでいきたいとの期待が示された。
セミナーの様子(左)、展示スペースの様子(右)(ともにジェトロ撮影)
(注1)香港税関が公表している模倣品取り締まりの実績は、「税関の模倣品取り締まり実績」を参照。
(注2)香港では、知的財産権の事前登録手続きに際して、「有資格鑑定人」の登録が必須となる。同鑑定人の任命要件は、権利者である企業の歴史、製品ラインアップおよび生産設備などについて精通していることや、税関により押収された商品の真偽を判別できる能力があることなどの必須条件が定められている。詳細は、ジェトロ「香港の模倣品対策の鍵を握る『鑑定人制度』」(2025年9月3日付地域・分析レポート参照)を参照。
(南川泰裕)
(香港)
ビジネス短信 026f227bec085f7e




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