ナイジェリアの貿易投資年報

要旨・ポイント

  • 2025年のGDP成長率は3.9%と堅調で、石油部門の回復が成長を牽引。
  • ダンゴテ製油所・肥料工場の稼働により輸入代替と輸出拡大が進展。
  • 貿易黒字を維持し、アジア・中東・アフリカ向け取引が拡大。
  • 対内投資は急増したが、証券投資が85%を占めFDIは限定的。
  • 日本の対ナイジェリア輸出は輸送用機器の増加で拡大。

公開日:2026年9月30日

マクロ経済

石油部門の回復に支えられた2025年のナイジェリア経済

ボラ・ティヌブ政権は2023年の発足以来、燃料補助金の撤廃や、為替レートの統一などに取り組んできた。燃料補助金の撤廃に伴うガソリン価格の高騰はインフレを助長してきたが、政府はインフレ抑制のための高金利政策を維持している。国内ではアフリカ有数の実業家であるアリコ・ダンゴテ氏がダンゴテ製油所を稼働させ、国内での燃料生産を進めており、輸入代替を図るだけでなく、石油精製品の輸出にも力を入れている。

ナイジェリア統計局が発表する実質GDP(2019年固定価格)を見ると、2025年の成長率は全体で3.9%となった。産業別では、工業が4.6%増と最も高い成長率を示し、サービス業も4.1%増となった。農業も2.9%増と安定成長を維持しており、全ての主要産業でプラス成長を記録した。GDP構成比では、サービス業が55.7%を占め最大の産業となっており、農業が27.5%、工業が16.8%で続く。

石油・非石油の部門別で見ると、2025年の石油部門の成長率は8.5%と非石油部門(3.7%)を大きく上回った。原油盗難対策や生産設備の稼働率改善を背景に石油部門が回復し、経済成長を押し上げた。ナイジェリア経済は石油に依存しているとみなされがちだが、GDP構成比では非石油部門が96.5%を占めている。

表1-1 ナイジェリアの実質GDPおよび主要産業の成長率(産業別)(単位:%)〔注〕四半期の伸び率は前年同期比
項目 2024年 2025年
年間 Q1 Q2 Q3 Q4
実質GDP成長率 3.4 3.9 3.1 4.2 4.0 4.1
農業 1.7 2.9 0.1 2.8 3.8 4.0
工業 2.8 4.6 3.4 7.5 3.8 3.9
サービス業 4.4 4.1 4.3 3.9 4.1 4.2

〔注〕四半期の伸び率は前年同期比

〔出所〕ナイジェリア国家統計局(NBS)

表1-2 ナイジェリアの実質GDPおよび主要産業の成長率(非石油、石油部門別)(単位:%)〔注〕四半期の伸び率は前年同期比
項目 2024年 2025年
年間 Q1 Q2 Q3 Q4
実質GDP成長率 3.4 3.9 3.1 4.2 4.0 4.1
非石油部門 3.3 3.7 3.2 3.6 3.9 4.0
石油部門 5.5 8.5 1.9 20.5 5.8 6.8

〔注〕四半期の伸び率は前年同期比

〔出所〕ナイジェリア国家統計局(NBS)

外貨準備高は2024年の386億ドルから2025年には430億ドルへ増加した。2025年のインフレ率は低下傾向にあるものの依然20%を超えており、政策金利は26.5%と高止まりしている。世界銀行によれば、2025年には国民の約63%が所得面または生活環境面で深刻な制約を抱えている。また、約2,700万人が食料不安に直面しており、経済成長が続く中でもその恩恵は十分に浸透していないと指摘している。

貿易

ダンゴテ効果で輸入代替が進展、ナイジェリア貿易は黒字を維持

2025年のナイジェリアの貿易は、輸出が85兆1,262億ナイラ(前年比9.9%増)、輸入が67兆3,469億ナイラ(11.2%増)となり、貿易黒字を維持した。

輸出の大半(構成比86.3%)は鉱物性製品が占めており、前年比6.7%増の73兆4,591億ナイラだった。しかし原油は14.2%減となり、輸出全体に占める割合は前年の71.4%から55.7%に低下している。その一方で、2025年の輸出には、鉱物性製品のなかにジェット燃料(3兆5,873億ナイラ)と尿素(3兆2,985億ナイラ)が計上されている。

輸入についても、鉱物性製品の輸入額が前年比2.9%減、輸入全体に占める構成比も前年の38.6%から33.7%に低減している。これらはダンゴテ・グループの製油所や肥料工場による輸入代替と輸出への貢献が統計上にも表れたとみられる。輸入は機械・電気機器や輸送機器を中心に増加した。

表2-1 ナイジェリアの主要品目別輸出(FOB)〔通関ベース〕(単位:100万ナイラ、%)(△はマイナス値)
品目 2024年 2025年
金額 金額 構成比 伸び率
鉱物性製品 68,869,042 73,459,088 86.3 6.7
原油 55,285,398 47,430,654 55.7 △ 14.2
液化天然ガス 7,223,975 7,489,488 8.8 3.7
プロパン 27,698 240,679 0.3 768.9
ブタン 188,626 29,667 0.0 △ 84.3
輸送機器・同関連品 946,675 1,100,079 1.3 16.2
植物性生産品 1,586,093 1,539,823 1.8 △ 2.9
加工食品・飲料品 3,060,553 3,876,530 4.6 26.7
化学工業製品 1,334,649 3,373,280 4.0 152.7
卑金属・同製品 834,645 646,158 0.8 △ 22.6
プラスチック・ゴム製品 186,439 244,171 0.3 31.0
合計(その他含む) 77,442,099 85,126,203 100.0 9.9

〔出所〕ナイジェリア国家統計局(NBS)

表2-2 ナイジェリアの主要品目別輸入(CIF)〔通関ベース〕(単位:100万ナイラ、%)(△はマイナス値)
品目 2024年 2025年
金額 金額 構成比 伸び率
機械・電気機器・同関連品 9,723,747 11,765,080 17.5 21.0
鉱物性製品 23,389,539 22,713,272 33.7 △ 2.9
輸送機器・同関連品 4,488,802 5,917,726 8.8 31.8
化学工業製品 5,333,455 6,460,446 9.6 21.1
植物性生産品 2,386,069 2,921,490 4.3 22.4
卑金属・同製品 2,459,493 2,908,873 4.3 18.3
プラスチック・ゴム製品 3,456,317 3,953,949 5.9 14.4
加工食品・飲料品 2,794,111 2,921,237 4.3 4.5
動物性生産品 1,491,497 626,767 0.9 △ 58.0
木材パルプ・同製品 516,940 592,933 0.9 14.7
精密機器・同関連品 637,374 713,931 1.1 12.0
合計(その他含む) 60,590,549 67,346,929 100.0 11.2

〔出所〕ナイジェリア国家統計局(NBS)

輸出先では欧州が全体の38.7%を占める最大市場だったものの、前年比3.6%減となった。一方、アジア大洋州向け輸出は23.2%増加し、特にインド向けが54.0%増と大きく伸びた。また、西アフリカ諸国共同体(ECOWAS)を中心とするアフリカ向け輸出は50.3%増、中東向けも5.1倍となり、輸出市場の多様化が進んだ。

輸入面では、アジア大洋州が全体の51.8%を占める最大の供給地域であり、中国からの輸入が前年比39.9%増加して全輸入の29.4%を占めた。さらに、米国からの輸入が2.1倍となったことから、北米からの輸入も大幅に拡大した。一方で、欧州からの輸入は23.5%減少した。

総じて、2025年のナイジェリア貿易は輸出入ともに堅調に拡大した。欧州が最大の輸出市場である構造を維持しつつも、インドや中国を含むアジア、中東、アフリカ域内との取引拡大へと貿易構造の多様化が進展した。

表3 ナイジェリアの主要国・地域別輸出入〔通関ベース〕(単位:100万ナイラ、%)(△はマイナス値)〔注〕アジア大洋州は、ASEAN+6(日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、インド)に香港、台湾を加えた合計値
国・地域 輸出(FOB) 輸入(CIF)
2024年 2025年 2024年 2025年
金額 金額 構成比 伸び率 金額 金額 構成比 伸び率
アジア大洋州 20,846,253 25,687,230 30.2 23.2 29,345,055 34,897,182 51.8 18.9
日本 825,414 565,605 0.7 △ 31.5 458,156 580,483 0.9 26.7
中国 2,995,864 2,781,464 3.3 △ 7.2 14,147,322 19,788,948 29.4 39.9
韓国 953,651 561,290 0.7 △ 41.1 899,909 770,460 1.1 △ 14.4
ASEAN 7,590,599 8,549,372 10.0 12.6 2,092,107 1,837,039 2.7 △ 12.2
インドネシア 4,348,605 3,848,344 4.5 △ 11.5 470,106 676,232 1.0 43.8
タイ 762,471 694,903 0.8 △ 8.9 309,102 339,778 0.5 9.9
インド 5,787,525 8,910,911 10.5 54.0 6,178,024 6,593,831 9.8 6.7
オーストラリア 215,460 180,870 0.2 △ 16.1 44,342 37,919 0.1 △ 14.5
欧州 34,140,039 32,909,045 38.7 △ 3.6 22,800,112 17,444,470 25.9 △ 23.5
スペイン 8,129,096 7,448,344 8.7 △ 8.4 1,466,662 1,557,477 2.3 6.2
ベルギー 344,647 857,569 1.0 148.8 7,002,202 3,153,230 4.7 △ 55.0
フランス 6,956,209 6,088,573 7.2 △ 12.5 1,655,879 1,052,488 1.6 △ 36.4
英国 1,858,487 1,621,785 1.9 △ 12.7 1,034,026 1,828,799 2.7 76.9
中東 771,989 3,944,294 4.6 410.9 4,476,425 5,392,013 8.0 20.5
湾岸協力会議(GCC) 656,265 2,336,781 2.7 256.1 3,915,764 4,223,017 6.3 7.8
北米 9,745,874 9,544,663 11.2 △ 2.1 4,386,849 9,011,759 13.4 105.4
米国 5,518,722 4,541,610 5.3 △ 17.7 4,070,422 8,452,521 12.6 107.7
アフリカ 8,740,172 13,138,701 15.4 50.3 2,155,958 2,855,781 4.2 32.5
南アフリカ共和国 2,971,224 2,522,030 3.0 △ 15.1 755,092 535,291 0.8 △ 29.1
ECOWAS 5,283,740 7,805,264 9.2 47.7 600,596 729,193 1.1 21.4
EAC 2,844,467 16,146 0.0 △ 99.4 152,618 274,510 0.4 79.9
中南米 3,687,168 3,310,652 3.9 △ 10.2 1,888,111 2,854,648 4.2 51.2
ブラジル 1,302,145 2,000,608 2.4 53.6 1,358,901 2,145,351 3.2 57.9
合計(その他含む) 77,442,099 85,126,203 100.0 9.9 60,590,549 67,346,929 100.0 11.2

〔注〕アジア大洋州は、ASEAN+6(日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、インド)に香港、台湾を加えた合計値

〔出所〕ナイジェリア国家統計局(NBS)

対内投資

対内投資は急増するも、直接投資比率は依然として低水準

2025年のナイジェリアへの対内投資額(直接投資、ポートフォリオ投資、その他含む)は232億2,083万ドルとなり、前年比88.4%増加した。投資種類別では、ポートフォリオ投資が197億4,463万ドルと全体の85.0%を占め、前年の2.4倍となり対内投資の拡大を牽引した。特に、短期金融市場商品への投資が138億2,834万ドル、債券投資が48億9,264万ドルに達した。一方、直接投資(FDI)は9億2,301万ドルと36.8%増加したものの、構成比は4.0%にとどまり、対内投資全体に占める割合は依然として低い水準であった。その他投資は25億5,318万ドル(構成比11.0%)で、主に融資の減少により21.9%減となった。2024年以降、対内投資は生産設備や事業基盤の拡大につながる直接投資よりも、短期的な資金移動の影響を受けやすいポートフォリオ投資に大きく依存する構造となり、2025年はさらにその傾向が強まった。

表4 ナイジェリアの投資種類別対内投資額〔国際収支ベース、ネット、フロー〕(単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)
項目 2023年 2024年 2025年 構成比 伸び率
直接投資(FDI) 377 675 923 4.0 36.8
株式資本 377 666 868 3.7 30.5
その他資本 0 9 55 0.2 494.8
証券投資(ポートフォリオ投資) 1,153 8,379 19,745 85.0 135.7
株式 250 428 1,024 4.4 139.0
債権 474 999 4,893 21.1 389.8
短期金融市場商品 429 6,951 13,828 59.6 98.9
その他投資 2,376 3,269 2,553 11.0 △ 21.9
貿易信用 — — 20 0.1 全増
融資 2,308 3,207 2,487 10.7 △ 22.5
外貨預金 2 0 5 0.0 16,566.7
その他債権 66 62 42 0.2 △ 32.3
合計 3,906 12,322 23,221 100.0 88.4

〔出所〕ナイジェリア中央銀行(CBN)

表5 ナイジェリアの国・地域別対内投資額〔国際収支ベース、ネット、フロー〕(単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)〔注1〕アジア大洋州は、ASEAN+6(日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、インド)に香港、台湾を加えた合計値 〔注2〕直接投資、ポートフォリオ投資、その他投資含む
国・地域 2024年 2025年
金額 金額 構成比 伸び率
アジア大洋州 394 333 1.4 △ 15.4
日本 27 19 0.1 △ 28.4
中国 59 39 0.2 △ 34.6
韓国 — 0 0.0 全増
ASEAN 248 205 0.9 △ 17.6
シンガポール 247 203 0.9 △ 17.9
マレーシア — 0 0.0 全増
インドネシア 1 2 0.0 57.0
タイ 0 — — 全減(げん)
インド 2 4 0.0 129.4
オーストラリア 2 28 0.1 1,373.7
欧州 7,880 13,736 59.2 74.3
EU27 1,561 1,497 6.4 △ 4.1
英国 6,279 12,211 52.6 94.5
中東 612 730 3.1 19.2
湾岸協力会議(GCC)加盟国 595 729 3.1 22.5
北米 932 3,067 13.2 229.3
米国 931 3,067 13.2 229.3
アフリカ 2,253 4,879 21.0 116.5
中南米 228 371 1.6 63.0
合計(その他含む) 12,322 23,221 100.0 88.4

〔注1〕アジア大洋州は、ASEAN+6(日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、インド)に香港、台湾を加えた合計値
〔注2〕直接投資、ポートフォリオ投資、その他投資含む

〔出所〕ナイジェリア国家統計局(NBS)

表6 ナイジェリアの業種別対内投資額〔国際収支ベース、ネット、フロー〕(単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)〔注〕直接投資、ポートフォリオ投資、その他投資含む。
業種 2024年 2025年
金額 金額 構成比 伸び率
株式 326 271 1.2 △ 16.8
農業 52 167 0.7 223.8
銀行業 7,000 13,529 58.3 93.3
飲料および菓子類 0 — — 全減(げん)
醸造 105 16 0.1 △ 84.6
建設 66 6 0.0 △ 91.0
コンサルタント 1 3 0.0 212.5
採掘 2 — — 全減
電気 121 719 3.1 495.3
金融 1,290 6,769 29.2 424.8
ITサービス 266 28 0.1 △ 89.6
マーケティング 1 3 0.0 162.8
石油・ガス 5 18 0.1 251.0
生産/製造 1,427 773 3.3 △ 45.9
サービス業 3 — — 全減
通信 457 496 2.1 8.7
貿易 1,171 250 1.1 △ 78.7
運輸 20 75 0.3 281.6
合計(その他含む) 12,322 23,221 100.0 88.4

〔注〕直接投資、ポートフォリオ投資、その他投資含む。

〔出所〕 ナイジェリア国家統計局(NBS)

2025年の主な対内投資案件を見ると、米・エクソンモービル(ExxonMobil)によるウサン深海油田向けの15億ドルの投資計画をはじめ、中国の大手国有企業、中国機械工業(SINOMACH)による10億ドル規模の砂糖加工工場建設・サトウキビ農園開発案件、米・エクイニクス(Equinix)による3億2,000万ドル規模のデジタルインフラ拡充投資、シンガポールのウィルマー・インターナショナル(Wilmar International)によるPZウィルマー(PZ Wilmar)の完全子会社化を通じたパーム油事業への追加投資など、大型案件が相次いで発表された。投資分野は従来の石油・ガスに加え、インフラ、農業・食品加工、デジタル分野などへ広がりをみせており、ナイジェリア政府が推進する経済多角化政策を反映した動きとなった。

表7 ナイジェリアの主な対内直接投資案件(2025年)
業種 企業名 国籍 発表時期 投資額 概要
砂糖 中国機械工業(SINOMACH) 中国 4月 10億ドル ナイジェリア国家砂糖開発評議会(NSDC)と覚書を締結し、砂糖加工工場の建設とサトウキビ農園開発プロジェクトを進めている。
データセンター・ITC エクイニクス(Equinix) 米国 4月 3億2,000万ドル ナイジェリアをはじめ西アフリカにデータセンターや光ファイバーケーブルを所有するナイジェリア企業メインワン(MainOne)を買収し、域内のデジタルインフラ拡充を図る。
石油・ガス エクソンモービル(ExxonMobil) 米国 5月 15億ドル ナイジェリアのウサン深海油田を中心とする追加投資計画(2025年第2四半期から2027年)を発表し、開発を加速している。
パーム油・食品加工 ウィルマーインターナショナル(Wilmar International) シンガポール 6月 7,000万ドル 英国のPZカッソンズ(PZ Cussons)との合弁企業であったPZウィルマー(PZ Wilmar)を完全子会社化し、パーム油・食用油の事業拡大を図る。

〔出所〕 各社発表および報道などからジェトロ作成

対日関係

自動車関連品目が牽引し日本の輸出が拡大、輸入はLNGが中心

2025年の日本の対ナイジェリア輸出額は4億8,297万ドルとなり、前年比49.3%増と大幅に拡大した。一方、対ナイジェリア輸入額は6億9,994万ドルで、12.7%減となった。

輸出を品目別に見ると、最大品目の輸送用機器が3億1,742万ドル(前年比95.4%増)と大幅に増加し、輸出全体の伸びを牽引した。特に乗用車が1億3,548万ドル(2.0倍)、バス・トラックが1億1,198万ドル(2.2倍)となったほか、自動車の部分品も3,781万ドル(76.2%増)と好調だった。輸送用機器は輸出全体の65.7%を占め、輸出増加率に対する寄与度は47.9ポイントに達した。このほか、原料品が4,413万ドル(32.1%増)、化学製品が2,196万ドル(51.7%増)、原料別製品が2,671万ドル(51.9%増)と増加した。原料別製品では鉄鋼が1,510万ドル(8.9倍)と大幅に伸長した。化学製品では医薬品やプラスチックの輸出が増加した。一方、一般機械は4,012万ドル(42.1%減)と不振で、ポンプ・遠心分離機の落ち込み(90.6%減)が主因だった。

輸入を品目別に見ると、最大品目である鉱物性燃料が3億6,668万ドル(前年比2.7%増)となり、輸入全体の52.4%を占めた。全額を液化天然ガス(LNG)が占めており、輸入量も前年を上回った。一方、原料品は1億6,432万ドル(30.7%減)、原料別製品は1億6,169万ドル(20.9%減)となった。原料別製品のほぼ全額を占める非鉄金属は1億6,164万ドル(20.9%減)と落ち込み、輸入総額の減少要因となった。

表8-1 日本の対ナイジェリア主要商品別輸出(FOB)〔通関ベース〕(単位:1,000ドル、%)(△はマイナス値)
品目 2024年 2025年
金額 金額 構成比 伸び率
食料品 3,921 13,417 2.8 242.2
原料品 33,404 44,127 9.1 32.1
鉱物性燃料 15 3 0.0 △ 80.0
化学製品 14,482 21,964 4.5 51.7
有機化合物 4,018 4,415 0.9 9.9
医薬品 3,434 6,050 1.3 76.2
プラスチック 4,805 8,297 1.7 72.7
原料別製品 17,588 26,712 5.5 51.9
鉄鋼 1,690 15,103 3.1 793.7
非鉄金属 574 5 0.0 △ 99.1
金属製品 1,395 1,280 0.3 △ 8.2
織物用糸・繊維製品 2,264 3,622 0.7 60.0
非金属鉱物製品 406 347 0.1 △ 14.5
ゴム製品 11,242 6,306 1.3 △ 43.9
紙類・紙製品 — 36 0.0 全増
一般機械 69,300 40,122 8.3 △ 42.1
原動機 16,286 18,204 3.8 11.8
電算機類(含周辺機器) 346 358 0.1 3.5
電算機類の部分品 3 15 0.0 400.0
金属加工機械 — 2 0.0 全増
ポンプ・遠心分離機 37,606 3,520 0.7 △ 90.6
建設用・鉱山用機械 1,349 461 0.1 △ 65.8
荷役機械 3,678 736 0.2 △ 80.0
加熱用・冷却用機器 577 7,370 1.5 1,177.3
繊維機械 48 166 0.0 245.8
ベアリング 274 166 0.0 △ 39.4
電気機器 13,669 12,093 2.5 △ 11.5
半導体等電子部品 910 1,940 0.4 113.2
音響・映像機器 93 96 0.0 3.2
映像記録・再生機器 13 19 0.0 46.2
テレビ受像機 21 9 0.0 △ 57.1
音響・映像機器の部分品 5 19 0.0 280.0
重電機器 4,141 2,805 0.6 △ 32.3
通信機 253 73 0.0 △ 71.1
電気計測機器 902 511 0.1 △ 43.3
電気回路等の機器 2,516 3,182 0.7 26.5
電池 — 8 0.0 全増
輸送用機器 162,442 317,416 65.7 95.4
自動車 131,292 268,856 55.7 104.8
乗用車 66,172 135,480 28.1 104.7
バス・トラック 51,889 111,982 23.2 115.8
自動車の部分品 21,453 37,807 7.8 76.2
二輪自動車 7,277 7,867 1.6 8.1
航空機類 — 14 0.0 全増
その他 8,694 7,114 1.5 △ 18.2
科学光学機器 1,555 1,515 0.3 △ 2.6
写真用・映画用材料 358 106 0.0 △ 70.4
合計 323,515 482,968 100.0 49.3

(出所)財務省貿易統計

表8-2 日本の対ナイジェリア主要商品別輸入(CIF)〔通関ベース〕(単位:1,000ドル、%)(△はマイナス値)
品目 2024年 2025年
金額 金額 構成比 伸び率
食料品 3,534 2,829 0.4 △ 19.9
魚介類 127 158 0.0 24.4
野菜 32 13 0.0 △ 59.4
原料品 237,099 164,317 23.5 △ 30.7
鉱物性燃料 356,873 366,679 52.4 2.7
液化天然ガス 356,873 366,679 52.4 2.7
原料別製品 204,453 161,692 23.1 △ 20.9
非鉄金属 204,350 161,640 23.1 △ 20.9
非金属鉱物製品 103 49 0.0 △ 52.4
木製品等(除家具) — 3 0.0 全増
電気機器 — 4,155 0.6 全増
輸送用機器 — 2 0.0 全増
その他 192 267 0.0 39.1
合計 802,152 699,940 100.0 △ 12.7

(出所)財務省貿易統計

ナイジェリアの日系企業の動向として、2025年8月に横浜で開催された第9回アフリカ開発会議(TICAD9)に合わせて、各企業が覚書(MOU)を締結した。主な案件として、三井化学、ダンゴテ・インダストリーズ(Dangote Industries)、AAICホールディングス(AAIC Holdings)の3者が、ナイジェリアを中心とするアフリカ地域における協業可能性の検討に向けたMOUを締結した。また、豊田通商がシンガポールの複合企業体、トララム・グループ(Tolaram Group)とナイジェリア市場への進出支援に関するパートナーシップを締結した。このほか、大原薬品工業(滋賀県甲賀市)はナイジェリア国内の製薬大手フィドソン・ヘルスケア(Fidson Healthcare)と医薬品分野での更なる連携に向けたMOUを締結、マーケット・インテリジェンス・プラットフォームを開発・提供するKiAI(キアイ、茨城県日立市)はアブジャ商工会議所と中小企業向けAI活用促進に関するMOUを締結した。このようにMOUの対象は、製造業、医療、デジタル技術、投資促進など幅広い分野に及んでおり、日本企業とナイジェリア企業・機関との連携拡大が期待される。

基礎的経済指標

(△はマイナス値) 〔注〕 失業率:2023年は3Q、2024年は2Q 貿易収支:国際収支ベース(財のみ)
項目 単位 2023年 2024年 2025年
実質GDP成長率 (%) 2.7 3.4 3.9
1人当たりGDP (米ドル) 2,139 1,084 1,223
消費者物価上昇率 (%) 24.7 33.2 23.0
失業率 (%) 5.0 4.3 n.a.
貿易収支 (100万米ドル) 69 11,388 11,709
経常収支 (100万米ドル) 6,423 17,215 14,876
外貨準備高(グロス) (100万米ドル) 32,035 38,612 43,014
対外債務残高(グロス) (100万米ドル) 42,495 45,780 51,856
為替レート (1米ドルにつき、ナイラ) 645.194 1,478.965 1,518.381

〔注〕
失業率:2023年は3Q、2024年は2Q
貿易収支:国際収支ベース(財のみ)

〔出所〕
実質GDP成長率、1人当たりGDP、消費者物価上昇率、経常収支、外貨準備高、為替レート:IMF
失業率、貿易収支:ナイジェリア国家統計局(NBS)
対外債務残高:ナイジェリア債務管理事務所(DMO)