輸出入手続

最終更新日:2023年10月30日

輸出入許可申請

輸出入許可申請は不要だが、商業目的の輸入には事前に輸入者登録が、輸出には事前に輸出者登録が必要(「貿易管理制度」のページ参照)。
なお、輸出入法(1975年法律118号)施行規則(貿易産業省令2005年770号)で品質検査などが義務付けられている品目については、事前に輸出入管理公団の承認が必要である。
また、船積み貨物の輸入通関には、エジプト向け輸出者、輸入者等による貨物情報の事前申告が必要。

輸出入法(1975年法律118号)施行規則(貿易産業省令2005年770号)

第102条:輸入に際して品質検査が必要な品目は、次の条件を満たしていることが必要。

  1. 機械・装備
    本体および包装に原産国名が、アラビア語・英語・仏語のいずれかで刻字されていること。
  2. 加工された家禽・鶏肉・肉
    1. 貨物は、原産国からエジプトへ直送されること。
    2. 商品は衛生基準を満たし、きちんと包装されていること。包装ごとに、アラビア語で次の情報が記載されているラベルが貼られていること。
      1. 原産国
      2. 生産者名
      3. 食肉処理場名
      4. 加工日
      5. 輸出者の氏名および住所
      6. シャリーア(イスラム法)に基づいて加工工程を監督した団体名(原産国の商務部で認可されていること)
  3. 衣服・家具・カーペット・織物・キリム(靴下で、医療用・工業安全用のものを除く)
    商品ごとに、アラビア語で次の情報が縫製されていること。
    • 生地の種類
    • 原産国
    • 輸入者名

輸入貨物情報の事前申告制度

2021年10月1日より、オンラインによる輸入貨物情報の事前申告制度(Advance Cargo Information:ACI)の運用が開始され、税関や各監督官庁、輸入者などの手続きを一元化したプラットフォーム「Nafeza外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が立ち上げられた。エジプト側輸入者はNafezaに登録し、輸入ごとにACID番号の発行が必要。

エジプト向け輸出者は、輸出者用のプラットフォーム「CargoX外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」に登録し、輸出ごとに貨物情報入力や輸入者発行のACID番号を記載した書類をオンライン上で申告し、手数料を支払うことが求められる(CargoXへの申告はNafezaと連動)。運用開始後のルール変更もあり、最新情報は現地の輸入業者や関係機関に確認が必要。

航空貨物についてもACIの対象となると発表されており試験運用が始まっているが、ACI利用義務付けの具体的な日程は決まっていない。

詳細については、次のジェトロの記事および資料も参照。

航空便によるACI利用義務付けが延期に(エジプト)」(2022年9月22日付)
財務相、輸入貨物の事前申告制度の対象に航空便も追加と発表(エジプト)」(2022年2月22日付)
輸入貨物情報の事前通告システム、10月1日に正式運用の見込み(エジプト)」(2021年9月27日付)およびその添付資料『エジプトにおける貨物情報の事前通告システム(ACI システム)』」(2021年9月19日セミナー資料を基にジェトロ作成)も参照。
新たな通関システムの正式導入を10月1日に延期(エジプト)」(2021年6月24日付)
新たな通関事前申告システム導入で混乱(エジプト)」(2021年6月8日付)
輸入通関の事前申告システムを新たに導入、試験運用開始(エジプト)」(2021年5月21日付)

必要書類等

通関には、船荷証券、インボイス、パッキング・リスト、原産地証明書が必要。

原産地証明書については、担当当局(機関)発行のものが必要とされる。

ただし、次の場合には、原産地証明書の提出は免除される。

  • 輸出入法[1975年法律118号]施行規則[貿易産業省令2005年770号]付表2に掲げられた中古物品
  • 保健・人口省、および農業・土地造成省の担当部局によって認められた物品
  • メーカー(Producing Company)が作成した、原産国が明記されたインボイスがある物品

根拠法:輸出入法施行規則「2005年貿易産業省令770号第14条項」

詳細は、輸出入法(1975年法律118号)施行規則(貿易産業省令2005年770号)および関税法(1963年法律66号)施行規則(2006年大統領令10号)に記載。

査証

領事査証が必要な場合がある。

中東アフリカ地域の多くの国に向けて輸出する場合、輸出に先立ち、輸出者は輸出国における最寄りの大使館や領事館で、インボイスおよび原産地証明書に査証を受ける必要がある。
エジプト側の輸入者によっては不要ということも多く、実際、領事査証なく通関できているケースも多い。また、2021年の通関事前申告制度(ACI)の導入により不要になったケースもある。
ついては、その都度、現地の輸入者等に確認することが必要である。

その他

外国工場・企業のエジプト輸出入管理公団への事前登録義務(貿易産業省)および船積み前検査証明書。

貿易産業省は、2016年43号省令により、外国の工場や企業が同省令指定の食品・家電・生活雑貨を含む25分類に該当する品目をエジプト向けに輸出する場合、事前に同工場・企業をエジプト輸出入管理公団に登録することを義務付け、2016年3月16日から施行された。2020年NFSA令6号にて、食品の安全性と品質を確保するため、食品輸入者(個人および法人)は、輸入業務を開始するにあたりNFSA(国家食品安全庁)からの許可が必要となった。2022年省令第195号により登録手続きは一部簡略化され、外国貿易関連大臣の認可は不要となった。

ジェトロの記事「外国工場・企業のエジプト向け輸出制度が変更に-貿易・産業省、3月16日から施行-」(2016年3月2日付)を参照。

エジプト輸出入管理公団(GOEIC)ウェブサイト “Ministerial decisions外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます”(4ページ目)“Ministerial decree No. (43/2016) concerning modifying the organizing rules of qualified factories registration to export their products to Egypt”(アラビア語)を参照。

特定の品目の輸入に求められる船積み前検査証明書について、ジェトロ「貨物の船積前検査:エジプト向け輸出」を参照。