新たな通関システムの正式導入を10月1日に延期

(エジプト)

カイロ発

2021年06月24日

エジプト財務省は6月23日、船積み貨物の輸入の事前申告制度(Advanced Cargo Information:ACI)の正式運用開始を、当初予定していた7月1日から3カ月延長し、10月1日にすると発表した。政府は通関時間を短縮するため、新たにACIシステムを4月から試験的に運用していた(2021年5月21日記事参照)。しかし、試験運用でシステムのトラブルなどが既に散見されている。ジェトロの現地ヒアリングでも、複数の日系企業が技術とコンセプト両面で多くの課題を指摘しており、エジプト国内や各国の輸出入関係者に混乱を招いている。複数の国内経済団体や在エジプト各国外交団は政府に正式運用の延期を要請していた(2021年6月8日記事参照)。

財務省によると、エジプトの輸入者が利用するACIシステムのポータルサイトNafeza(National Single Window for Foreign Trade Facilitation)への登録は徐々に増えており、約1万社の輸入者が会社登録された。一方で、エジプト商工会議所連盟によると、登録者数は輸入者全体にからみてまだ少ないとしている。

エジプト向け輸出者は、事前通達するために書類のデータをオンライン上で提出するため、CargoX外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの開発したシステム利用が求められる。しかし、提出などの実務まで進めている企業は少ないのが現状だ。今回の業界団体などからの改善点指摘により、試験運用期間が延長されたが、運用方法などが今後変更になる可能性もある。エジプト向け輸出者は、NafezaやCargoXのウェブサイトなどで最新情報を確認する必要がある(以下参照)。

輸出側と輸入側での手続きの問い合わせ先

・CargoX(エジプト向け輸出者が利用するシステム)

問い合わせ先:support@cargox.io外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

※CargoX登録後、同システム内にチャット機能あり。

参考情報:CargoXManual外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

・Nafeza(エジプト側輸入関係者が利用するシステム)

問い合わせ先:ACI.CAMPAIGN@MTS-EGY.COM外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

※MTS(Misr Technology Services)がNafezaを運用。

Nafeza Website外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの「Contact Us」からも問い合わせが可能。

参考情報:「Nafeza FAQ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

Advance Cargo Information(ACI)System Procedures外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

What is Advance Cargo Information System?外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

なお、本件に関する実務上の相談については、ジェトロの貿易投資相談窓口でも受け付けている。

(井澤壌士)

(エジプト)

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