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緩やかなドローン規制や連邦工科大学人材で、起業多数(スイス)
EUや米国との制度整合が課題

2021年3月5日

スイスでは、スイス連邦工科大学のあるローザンヌとチューリッヒ近辺でドローン産業が発達している。これら地域で、関連スタートアップの数は40とも70とも言われている。その理由として、同地域にロボティクスや画像認識に用いる人工知能(AI)技術などの技術的優位性を持った企業や研究機関によるエコシステムが形成されていること、ドローンの規制を担当する連邦民間航空局(FOCA)が新規事業に寛容で規制が緩やかなことなどが挙げられる。

本稿では、スイスにおけるドローンのイノベーションとスタートアップの状況について報告する。

ローザンヌやチューリッヒの周辺にドローン企業群が集積

スイスでは、ユニークな技術を持ったスタートアップが集積し、それを束ねた協会が設立されている事例が幾つかある。ツーク州近郊のブロックチェーンを用いた暗号資産(仮想通貨)技術のスタートアップを支えるクリプトバレー協会外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますや、ローザンヌ近郊で食品・栄養・ホテルサービス関連技術のスタートアップを支えるフード・ニュートリションバレー協会外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、同じくローザンヌ近郊でデジタルトラスト技術とサイバーセキュリティー関連のトラストバレー協会外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますなどだ。

「バレー」というのは、シリコンバレーにちなんだ産業クラスターの名称だ。もっとも、スイスでは主要都市が氷河湖沿いに発達していることから、地形的にも「バレー(谷)」だ。スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)でオープンイノベーションを担当するギーゼンダーナー=トーベン教授によると、これらのほか、ヌーシャテル州の精密機械の産業クラスターは「プレシジョンバレー」、ジュネーブ州のバイオテックの産業クラスターは「ヘルスバレー」と呼ばれるという。

ドローンについては、EPFLやチューリッヒ連邦工科大学(ETHZ)から多数のスピンオフ企業が登場している。このほか、近隣のナノテク研究機関CSEM(ヌーシャテル)、AI研究機関IDIAP(バレー)などとも連携して、ローザンヌ近郊とチューリッヒ近郊に企業群が集積しつつある。この産業集積のことを、EPFLやETHZ、貿易投資機関S-GEは「ドローンバレー」と呼ぶ。地域振興機関のグレーター・チューリッヒ・エリア(範囲はチューリッヒからスイス東南部の各州)やグレーター・ジュネーブ・ベルン・エリア(同ジュネーブからベルンにかけてのスイス西部各州)は、スイスのことを「ホーム・オブ・ドローン」と呼んでいる。

このほか、スイス郵便、スイスコム、チューリッヒ工科大学やFOCAが参加し、ドローンビジネスの展開を狙うオートノマス・バレー(「自律飛行の谷」という意味)が2020年に設立されている。また、南部ティチーノ州ルガノでは、病院間の血液サンプル輸送の実証試験を行っており、チューリッヒやダベンドルフ空港(チューリッヒ近郊の軍港)近郊の企業が中心となって活動しているもようだ。

産業集積が進む中で、ドローンのスタートアップが多数登場。さまざまなアクセラレーションプログラムや表彰制度で取り上げられている。連邦政府のイノベーション機関イノスイスが支援するベンチャー企業の表彰制度「ベストスタートアップ100」では、毎年のようにドローン関連のスタートアップが選ばれている(2020年4位、2019年1位、4位、2018年4位、7位)。

連邦工科大学の存在感が大きいエコシステム

スイスでドローン産業が成長している最大の理由は、関連研究を行う連邦工科大学からの人材輩出だ。EPFLはロボティクスで知られた存在だ。同大学のインテリジェントシステムラボ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(LIS)では飛行ロボットが研究されている。そのほか、コンピュータビジョンラボ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(CVLAB)では画像利用関連の研究が進められている(例えば、ドローンで撮影したカメラ画像からの3Dデジタルマップ作成や物体検出など)。2019年のベストスタートアップ100で1位に選ばれたフライアビリティ(2019年9月17日付ビジネス短信参照)や、同年にヨーロッパビジネスアワードを受賞し、パロに買収されたセンスフライ(後述)をはじめ、EPFLからスピンオフした企業も多数ある。また、EPFLに併設されたイノベーションパーク(スイスに5つある連邦政府認定の産学連携工業団地の1つ)では、政府機関や産業界を集めた会議「EPFLドローンデー」を毎年開催している(2020年は中止)。

EPFLドローンデー2019におけるドローンレースのもよう(ジェトロ撮影)

一方、ドイツ語圏に所在するチューリッヒ連邦工科大学(ETHZ)では、自律システムラボ(ASL)が、ロボットやその他のシステムが外部環境の動的な変化に対して自律応答できるシステム開発を続けている。ウィングトラ(後述)、ボリロ、アトランクックソーラーなどのドローン関連のスタートアップを生み出した。そのほか、2020年のスイス経済フォーラムでベストスタートアップに表彰されたANYボティクス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(4脚ロボット)などもスピンオフしている。ASLを率いるローランド・シーグワルト教授は、チューリッヒ大学(州立)とETHZで連携したスタートアップ育成機関ビス・チューリッヒの創設者でもある。ビス・チューリッヒは、スイス出身のハンスヨルグ・ビス氏の寄付により設立され、主に再生医療とロボティクス分野の研究施設としてスタートアップを支援している。また、ETHZの動的システム制御研究所(IDSC)も、ドローン関連で積極的な研究活動を行っている。

スイスでもう一つ特徴的なのは、ドローン制御のOSとも言える共通ソフトウエア「PX4」の存在だ。まず、ETHZで2009年に始まった制御装置の開発プロジェクト「ピックスホーク(Pixhawk)」がきっかけとなり、その後、オープンソースの飛行制御プログラムを採用するドローンサービスが増えていった。2011年から「ピックスホーク」プロジェクトのスピンオフ企業オーテリオンがPX4の開発に着手し、開発キット(SDK)の提供や画像分析プログラムが追加された。現在、PX4は米国陸軍やウォルマート、アマゾンなどでも使用されているという。2020年の「ベストスタートアップ100」に入っているウィングトラも、PX4を使用している。

また、ウィンドシェイプのように、ドローンの研究開発段階で必要な風洞実験や耐空検査サービスを提供するスタートアップも存在し、スイスのドローン開発を支えているといえる。

2020年11月から12月にかけては、スイスのドローンエコシステムに関するウェブセミナー「スイスドローンインダストリーツアー」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが開催されている。ここでは、ドローン産業を支えるさまざまなプレーヤーが体系的に紹介された。ドローン規制を担当し、産業界との対話を積極的に行っているFOCA、ドローンのEUとの規制整合化を調整しているドローン産業協会(DIAS)、ドローンのリスクアセスメントを行うCertX、連邦工科大学やCSEM、IDIAP、IDSIA(ティチーノ州のAI研究機関)などが参加した。これを見ると、スイス国内でドローン研究に携わる人材育成や協力体制、認証など関連サービスも登場してきていることがわかる。

機体開発から自律飛行、画像分析まで、さまざまビジネスモデル

地図測量分野では、機体開発から自律飛行、画像分析までさまざまなドローン関連企業がビジネスを展開している。2009年創業のセンスフライ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、垂直離発着可能な固定翼タイプで高速移動可能なドローンを開発。より効率的、広範囲に地表面の3D 画像を撮影できるドローンを提供している。なお、同社はフランスのドローン大手パロに買収され、その子会社になった。また、ドローンの画像解析をAIで行うPix4Dがさまざまなドローン企業の撮影データ処理サービスの提供を行っている。

インフラなどの点検・観測のために、屋内や狭い配管内でのドローンによる安定的な飛行・点検サービスを提供する企業もある。例えば、EPFLスピンオフのフライアビリティは、原子力発電所やガス配管などの狭隘な場所での点検サービスを提供する企業だ(注)。同じくEPFLスピンオフのドローニスティクス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、フライアビリティと似た、折りたたみ可能な籠状のドローンを開発する。その特徴は、万が一の人体接触でもリスクが少なく、ユーザーの手元ゼロセンチまでの輸送に特化しているところにある。

農業分野では、AERO41外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、ブドウ畑と斜面地の景観が世界遺産に登録されているボー州で、ブドウに対する薬剤散布のサービスを行っている。

前述のとおり、薬品や郵便物などの輸送分野では、スイス郵便がスイス南部のティチーノ州で自律飛行の実証試験を実施。また、スタートアップのリギテクノロジー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、血液検査のためのサンプル輸送をアフリカなど27カ国で展開している。これらの輸送対象物は、まだ各国で現在行われている実証試験の域を出ない。とは言え、スイスの緩やかな飛行規制を生かして有視界外・有視界輸送の実証試験を積極的に進めていることが特徴だ。

スイスで近年、表彰、あるいはアクセラレーションプログラムに選出され、成長が著しいドローンスタートアップを列挙してみる(表1参照)。

表1:スイスにおける主なドローンスタートアップ
名称 概要 本拠地 設立年
Aerotain
(エアロタイン)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
気球状のドローンで空中浮遊視点からの画像を提供する。 チューリッヒ 2015
Brainwhere
(ブレインウェア)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
高空に係留したドローンを介して、風力発電による電力を地上に送電する。ベンチャーキックプログラム参加。 キルヒベルグ 2018
Daedalean
(ダエデリアン)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
カメラ画像解析で自機位置や周辺環境を把握し飛行制御を行う。2018年ベストスタートアップ100選出。 チューリッヒ 2016
Dronistics
(ドローニスティクス)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
プラスチックの籠で輸送物を防護し人口密集地でも安全な輸送を実現。EPFLスピンオフ。 ローザンヌ 不明
Fixposition
(フィクスポジション)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
マッチ箱サイズのカメラ画像解析システム。自機位置特定や飛行制御など。2020年ベストスタートアップ100選出。 シュリーレン 2017
Flyability
(フライアビリティ)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
アクセス困難な箇所に設置された重要インフラなどの目視点検。2019年ベストスタートアップ100の中で首位。EPFLスピンオフ。 ローザンヌ 2014
Flybotix
(フライボティクス)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
屋内インフラ点検を安全、静かに実施。2020年ベストスタートアップ100選出。 ローザンヌ 2019
Gamaya
(ガマヤ)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
穀物の生育状況監視と農作業計画支援。ドローン画像も利用可。2020年ベストスタートアップ100選出。 モルジュ 2015
H55 電動飛行機の動力開発。無人航空機(UAV)から有人電動飛行機開発まで行う。2015年ベストスタートアップ100選出。 シオン 2015
Inergio
(イネルジオ)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
太陽光発電システム。インフラ監視用が主だが、ドローン搭載用も開発。 ローザンヌ 2000
Involi
(インボリ)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ドローンの航空管制システム。2020年ベストスタートアップ100選出。 ルネ 2017
Motionpilot
(モーションパイロット)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
片手のモーションコントローラーで操作できるホビー用ドローン。 エキュベン 2017
Perspective Robotics (パースペクティブ・ロボティクス)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 事故現場などの現状把握のため、ホバリングできるドローンで現地を上空から撮影。商品名フォトカイト。2019年ベストスタートアップ100選出。 チューリッヒ 2014
Pix4D外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます ドローンが撮影した画像をAI分析。測量、建設、農業、エネルギー、教育などに展開しユーザー数5万、日本支社あり。EPFLスピンオフ。 プリー 2011
Rigi Technologies
(リギテクノロジー)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
多目的配送ドローン。アフリカ27カ国で薬剤や血液サンプル輸送サービスを展開。 プリー 2016
senseFly
(センスフライ)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
自律飛行可能な飛行カメラ。フランスのドローン大手パロに買収された。 ローザンヌ 2009
Skypull
(スカイプル)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
高空に係留したドローンの牽引力で地上発電を行う。ベンチャーリーダーズ2020選出。 ルガノ 2017
Tinamu
(ティナム)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
屋内でのインフラ点検などのための自律飛行ドローン。ベンチャーキック2018選出。 チューリッヒ 2018
Twingtec
(トゥイングテック)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
高空に係留したドローンの牽引力で地上発電を行う。 ダベンドルフ 2013
Verity
(ベリティー)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
同期飛行する多数のドローンによるパフォーマンス。 チューリッヒ 2014
WindShape
(ウィンドシェイプ)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ドローンの研究開発に必要な風洞実験や耐空検査サービスを実施。EPFLスピンオフ。 ジュネーブ 2017
Wingtra
(ウィングトラ)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
固定翼タイプの地上観測用ドローンで、広範囲を迅速に撮影できる。ETHZスピンオフ。2020年ベストスタートアップ100の中で第4位。 チューリッヒ 2016

出所:各ウェブサイトなどの情報に基づきジェトロ作成

緩やかなドローン飛行規制、EUなどとの整合が課題

スイスでは、有人飛行機以外の飛行物に関する規制は連邦環境運輸エネルギー通信省(DETEC)が定める特別カテゴリー航空機政令(Ordinance on Special Category Aircraft、1994)に定められている。この政令が対象とするのは、ハングライダーや有人たこ、係留気球、パラシュート、ドローンなどの無人または動力のない有人飛行機だ。この規制によると、スイスでは直接視認できる限り、国内のほとんどの地域を連邦航空局(FOCA)の事前承認なくドローンを飛ばすことができる(表2参照)。その他、農薬散布に用いる場合など、ドローンレースのように直接視認でないドローン視点で飛行する際には特例がある。人口密集地を上空から撮影する場合などは、リスクアセスメントを行いFOCAの事前承認を得れば、ドローン飛行が可能になる(図参照)。

表2:スイスのドローン規制の概要
FOCA承認の要否 不要 必要
要件
  • 重量30キログラム以下。
  • 直接視認により飛行する。
  • 人口密集地から100メートル以遠または高度100メートル以内の飛行。
  • 管制空域の場合は高度150メートルまでの飛行。
  • 空港・飛行場から5キロメートル圏外、鳥獣保護区、警察出動など緊急時対応地点以外での飛行。
  • 重量30キログラム以上。
  • 直接視認によらず飛行する。
  • 人口密集地から100メートル以内かつ高度100メートル以上の飛行。
  • 管制空域における高度150メートル以上の飛行。
  • 空港・飛行場から5キロメートル圏内、鳥獣保護区、警察出動など緊急時対応地点での飛行。
備考
  • 不要要件の全てに該当する場合にだけ飛行可能。
  • 500グラム以上の機体を運行する場合には100万スイス・フラン(約1億1,700万円、CHF、1CHF=約117円)の 損害賠償保険加入が義務。
  • 必要要件のいずれかに該当する場合にはリスクアセスメントを行いFOCAの事前承認を得ることが必要。

出所:FOCAサイトからジェトロ作成

図:スイスのドローン飛行制限区域
ジュネーブ、ベルン、チューリッヒ、バーゼルなどの主要空港がある場所近辺は航空管制地域として飛行が制限されており、人口数万人以上の都市がある人口密集地域が数十程度あり飛行が制限されている。そのほか湖沼や山間部の鳥獣生息地域についても保護のため飛行制限されていることが図示されている。

(青:航空管制空域、紫:人口密集地、黄:鳥獣保護区)
出所:FOCAサイトからジェトロ作成

スイス民間ドローン連盟(Swiss Federation of Civil Drones、SFCD)は2014年に設立された団体で、ドローン操縦者に対するライセンス試験を行っている。2019年現在、808の企業・個人会員が所属する。ライセンスは要求される専門的知識によりUNOとDUOに分かれる。ライセンス登録料はそれぞれ200スイス・フラン(約2万3,400円、CHF、1CHF=117円)と350CHFだ。スイスの現行規制上、30キログラム以下の機体などの条件で操縦者はライセンス不要だ。では何のためにこの制度が必要なのかと言うと、デモンストレーションなど操作の難易度に応じた操縦者の技術レベルを図る手段として運用されている。また、EU規制(後述)整合時には原則として全てのドローン飛行に操縦者のライセンスが必要になる。将来的にはこの対応も念頭に置いたものとみられる。なお、SFCDは、欧州航空安全機関(EASA、EUのドローン規制当局)と定期的に意見交換している。

規制に関する最近の話題は、2019年5月にEASAが発表したEUのドローン規制(EU実施規則2019/947外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)への国内法の整合化だ。EUでは、ドローンを3カテゴリーに分けた新たな規制体系(参考参照)を設定。2020年12月末から施行している。スイスにとって、ドローン事業をEUで展開する上でも、航空分野の協力協定順守の上でも、ドローンを含めたEUの航空規制への国内整合化は重要な課題だ。

これまでスイスでは、既述のとおりドローン飛行に関する規制が緩やかだった。特に操縦者の登録は、基本的に不要とされてきた。対照的に、EUの規制では250グラムを超える機体には操縦者登録が義務付けられることになる。この規制強化などへの反発から、EUの規制との整合化に反対する動議が国会に出されている。そのような状況下、当初、2021年1月に予定されていた整合化の延期をFOCAが発表するに至っている。新たな整合化期日は、今のところ明らかになっていない。

参考:EUにおけるドローン規制の概要(カテゴリー別)

オープン(比較的リスクの低いもの)
25キログラム以下
視認飛行のみ
高度制限120メートル
空港・飛行場から5キロメートル圏内、鳥獣保護区、警察出動など緊急時対応地点など飛行制限地域あり
250グラムを超える機体の場合、航空クラブ所属以外は操縦者に登録義務。2022年まで経過措置あり。
操縦者は12歳以上。
機体はCEマークが必要。
特定(オープンカテゴリーよりリスクの高いもの)
標準的手続きに従うことの宣言・航空耐空証明に準じた運行上の安全アセスメントを実施し、飛行前に承認
認証(有人航空機と同程度にリスクの高いもの)
有人航空機と同様の安全規制(機体および操縦者に対するライセンスが必要)

出所:EU実施規則2019/947と各種資料からジェトロ作成

もう一つ注目されるのは、米国連邦航空局(FAA)との協力だ。FOCAとFAAは2020年7月8日、無人航空機(UAS)に関する耐空証明、航空管制、訓練などの各分野での協力を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。FAAでも、アマゾンやスイス企業マッターネットを含む10社の企業のドローンに対して耐空証明手続を進めるなど、ドローンを用いたビジネスは実証段階に差し掛かっている。有人航空機は各国間で規制の整合化や航空機の乗り入れのため、国際的な協力活動が進む。しかし、UAS分野の規制の整合化や協力活動は遅れているのが実情だ。米国はスイスとの協力合意を皮切りに、今後、各国との協力を模索していくとみられる。


注:
フライアビリティには2018年、ジェトロがインタビューを実施した(2018年6月15日付地域・分析レポート参照)。
執筆者紹介
ジェトロ・ジュネーブ事務所長
和田 恭(わだ たかし)
1993年通商産業省(現経済産業省)入省、情報プロジェクト室、製品安全課長などを経て、2018年6月より現職。
執筆者紹介
ジェトロ・ジュネーブ事務所
マリオ・マルケジニ
ジュネーブ大学政策科学修士課程修了。スイス連邦経済省経済局(SECO)二国間協定担当部署での勤務を経て、2017年より現職。

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