税制

最終更新日:2018年11月14日

法人税

ニュージーランドの企業は、利益に対して法人税28%を支払う。(内資、外資とも同じ税率)

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二国間租税条約

日本など主要貿易投資相手40カ国・地域と二重課税防止条約を締結。

ニュージーランド・日本新規二国間租税条約(New Japan/NZ Double Tax Agreement:DTA)

日本の税居住者へ次の支払が行われる場合、源泉徴収税率は次の通りとなる。

  1. 利息:10%
  2. 特許権使用料:5%
  3. 配当金:10%以上の議決件をもつ非居住者へ、税支払が行われた収入からの配当金への源泉徴収税0%。
  4. 配当金:その他の場合15%

税務については、複雑で専門分野となるため、専門家にアドバイスを求めることが望ましい。

多国籍構成が使用される場合、条約の恩恵適用を制限する各種「恩恵制限」条項がある。
条約の改定で、個人によるサービス提供には183日ルール、特定自然資源探査/搾取タイプの活動には90日ルールなどの「安全圏(safe harbors)」を導入した。

個人が居住者となる場合、ニュージーランド、日本両国の税法で、二国間租税条約に伴い「タイブレーカー(tie-breaker)」テストが適用される。
個人が日本とニュージーランド両国での税居住者の場合、1つの国においてのみ全世界所得に対する税金を支払うことになる。しかし、もう一方の国での源泉所得にも課税される。

その他税制

所得税、物品・サービス税(GST)、居住者源泉徴収税(RWT)、付加給付税(FTB)、強制労働保険(ACC)、固定資産税、その他の税がある。不動産購入税、相続税などはない。

所得税(Income Tax

課税対象:賃金、自営業所得、国民年金、投資所得、家賃収入、固定資産売却益(個人資産の売却を不動産業者が行った場合、もしくは居住用不動産を2年以内もしくは5年以内に売却した場合(以下キャピタルゲイン税参照)、海外から得た所得。

ニュージーランドでの税居住者は、通常全世界からの収入に対し、所得税が課税される。

税居住者とは、ニュージーランドに連続12カ月のうち183日以上滞在しているか、もしくは「永住の拠点」があるとみなされた個人である。
「永住の拠点」とは、個人がニュージーランドに家や家族を持っていたり、社会との繋がりがある場合を言う。
ただし、税務居住者とみなされる判断基準は、必ずしも明確ではない場合がある。

新しい移住者には一時的税務免除期間があり、税務居住者となってから49カ月以内は、外国からの不労所得は課税対象とはならない。

個人所得の税率(ニュージーランド・ドルを「NZドル」と略す)
年間所得 税率
14,000NZドル以下 10.5%
14,001~48,000NZドル 17.5%
48,001~70,000NZドル 30.0%
70,001NZドル以上 33.0%

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国内取引・資産等への課税

物品・サービス税(Goods and Services Tax:GST)

一般の商品・サービス価格には通常、物品・サービス税(GST)が含まれている。

  1. 税率:15%
  2. 居住用家屋の家賃、銀行ならびに他の金融機関の手数料は対象外。
  3. 輸出品はゼロレート(0%)のGST対象。

年間売上高6万NZドル以上の事業者はGST登録の必要があり、同6万NZドル以下の場合も登録は可能。
ニュージーランド消費者にリモートサービスを提供する非居住者事業者は、GST登録を行っていないニュージーランド消費者への年間売上高が6万NZドル以上の場合、もしくは6万NZドル以上と予想される場合、GST登録する必要がある。リモートサービスの例には、電子書籍、オンライン映画、オンライン新聞購読、海外より行われるコンサルティング業等。
条件が満たされた場合、ニュージーランドで事業を行っていない非居住者業者もGST登録が可能な場合もある。GST登録を行う事により非居住者業者はGSTの還付を受ける事ができる(例としてニュージーランドにて開催された会議費用)。
ニュージーランド消費者へ商品を販売する非居住者事業者は、GST登録を行っていないニュージーランド消費者への年間売上高が6万NZドル以上の場合、もしくは6万NZドル以上と予想される場合、GST登録を行う必要があるとの改定が発表された。GST登録を行う義務のある非居住者事業者は、1,000NZドル以下の商品にGST課税が義務付けられる見込み。1,000NZドル以上の商品には、引き続き関税よりニュージーランド消費者にGSTが課せられる。改定の施行は2019年10月1日の見込み。
複雑で専門分野となるため、専門家にアドバイスを求めることが望ましい。

源泉徴収税

  1. 居住者源泉徴収税(Resident Withholding Tax:RWT)

    配当金、利子所得には、通常、居住者源泉徴収税(RWT)が差し引かれた金額が支払われ、確定申告の際、税額控除として申告できる。源泉徴収の税率は、個人の所得額によって選択できる。法人の場合は28%。

    歳入庁:居住者源泉徴収税ガイド(Forms and guides:RWT on interest - payer's guide(IR283)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

  2. 非居住者源泉徴収税(Non Resident Withholding Tax:NRWT)

    非居住者に支払われる配当金、利子所得に対するNRWTは、二国間租税条約に基づき、税率が異なる。
    納税上の「非居住者」になるためには、12カ月のうち325日以上海外に居住し、かつニュージーランドとの永続的な関係がなくなるという条件を満たす必要がある。

    日本の居住者に対するNRWTは、利子所得10%、ロイヤルティー所得5%。

    配当金は通常15%。ただし、10%以上の議決件をもつ非居住者へ、税支払が行われた収入からの配当金への場合は0%。

  3. 居住用土地源泉徴収税(Residential Land Withholding Tax:RLWT)

    非居住者による居住物件の売却に対して、購入後2年以内にもしくは5年以内(購入日によって異なる)に再販した場合には、再販価格の10%か、利益の28%(法人の場合)・33%(トラストと個人の場合)かのどちらか低い方が課税される。次のブライトライン・テスト参照。

非居住請負人税(Non-resident contractors’tax (NRCT))

非居住請負人税とは、ニュージーランド税非居住者(個人、会社、その他の団体)がニュージーランドにて契約業務を施行し働いている場合に課せられる税となる。支払者は、ニュージーランド非居住者により記入された「請負業者に対する税率通知(IR330C)」を保管し、税率通知の税率にて非居住請負人税を差引く必用がある。税率通知を保持していない場合、非居住請負個人の場合1NZドルにつき45セント、非居住請負会社の場合1NZドルにつき20セントの税を差引く必要がある。租税条約のもと税金控除項目が存在し、非居住請負人が税務局へ免除証明書の申告後、免除を取得している場合、支払者は非居住請負人税を差引く必要がなくなる。

キャピタルゲイン税

キャピタルゲイン税は通常適用されないが、次の場合、利益は税の対象となる。

  1. 資産(土地と建物を含む)の再販売を目的に購入した場合
  2. 特定の資産を事業活動の一環で購入した場合
  3. ブライトライン・テストの対象となる、住宅不動産のキャピタルゲイン。

個人が所有する現金や資産には、通常、課税されない。
外貨の場合、為替差損差益は、課税対象となる場合がある。

ブライトライン・テスト(bright-line test
2018年3月29日以降に居住不動産の購入契約を締結し、5年以内に売却して得られたキャピタルゲインは、免除が適用されない場合、課税対象となる。
2015年10月1日から2018年3月28日期間に居住不動産の購入契約を締結し、2年以内に売却して得られたキャピタルゲインは、免除が適用されない場合、課税対象となる。
住居不動産購入者がメインホームとして居住、または相続の一つとして名義変更が行われた場合等は免除となる。

歳入庁:諸税と税率(2015年5月付)(Forms and guides:Taxes and duties guide(IR295)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

贈与税

現在、贈与税制度はない。

付加給付税(Fringe Benefit Tax:FBT)

企業から従業員(役員も含む)に供与された経済的利益は、付加価値税(FBT)の対象となる。

  1. 社有車の供与
  2. 無料もしくは市場価格より安価での商品・サービスの提供
  3. 低利の貸付、保険料

付加給付税率は従業員の給料、供与されている付加価値の金額により異なる。付加給付税率は次の通りとなる。

付加給付税率
税金後の給料、供与された経済的利益の年間額 付加価値税率
0~12,530NZドル 11.73%
12,531~40,580NZドル 21.21%
40,581~55,980NZドル 42.86%
55,981NZドル以上 49.25%

住宅補助の供与は、通常、付加給付税ではなく、従業員の所得税の対象となる。短期の異動に伴う住宅補助に関しては、一定の控除が適用される場合もある。

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固定資産税

固定資産税には地方税的要素(上下水道・公園・道路・ごみ処理等)があり、税率は収入にかかわらず、不動産の価値によって決定される。

不動産売却税

一般的に不動産売却税はないが、一定の土地売却は居住用土地源泉徴収税の対象となる。前述「居住用土地源泉徴収税」参照。

海外投資、海外取引への課税

海外投資税(Foreign Investment Funds Tax

次の海外投資が5万NZドル以上の場合、海外投資税の対象となる。

  1. 株式保有率10%以下の株投資。ただし、オーストラリア上場会社への株投資のほとんどは、課税免除。
  2. 10%以下のユニット型投資信託
  3. 海外生命保険スキーム

新移住者の一時的免除期間内であれば、課税免除。
なお、税務は大変複雑なため、専門家にアドバイスを求めることが望ましい。

外国年金受給者への税金
  1. 年金基金、または一括受取金をニュージーランド(またはオーストラリア)のスキームに移動した場合、外国からの年金受給者に対し、税金支払義務が発生する。課税率はニュージーランドでの居住期間により変わる。
  2. 「移行期間居住者」ルールにより、新居住者には4年間これらの税金が免除される。
    例えば、移行期間居住者は、外国の年金をニュージーランドで課税されることなく、ニュージーランドに移動することができる。
  • ニュージーランド法規サイト :2007年所得税法(Income Tax Act 2007外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    セクションCF3に、年金に対する納税義務の規定(Withdrawals from foreign superannuation scheme)あり。
  • 歳入庁 :外国年金受給者への課税(Investment income:Foreign superannuation外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

移転価格税制(Transfer pricing)

移転価格はOECDの原則に基いたルールとなり、異なる2カ国で事業をしている関連会社間での取引は、第三者と同等の条件(arm’s length)で行われる必要がある。
これに違反した場合には、税務局(Inland Revenue Department:IRD)は移転価格税制のルールを適用し、ニュージーランド側の当事者の収入や費用を調整することがある。
日本を含む他の多くの国においても、同様のルールが適用されている。

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過少資本ルール(Thin capitalisation rules

過小資本ルールとは、非居住者が単独でニュージーランド会社の50%以上の株を所有、また有利子負債が会社資産の60%以上を構成している場合、利息控除を制限するものである。

過小資本ルールは、非居住者にも適用される。
非居住者が単独で50%以上の株を所有していない場合でも、ニュージーランドでの事業に関して「一致行動(act together)」をした場合、本ルールが適用される。

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(参考)強制労働保険(Accident Compensation Corporation:ACC)

強制労働保険はニュージーランド居住者、短期訪問者へ適用される、過失に関係なく個人の傷害を補償する包括的な制度のことである。
本制度は雇用者、従業員ならびに個人事業者から納められるACC税で成り立っている。
保険料は職種などにより異なり、毎年見直されている。
補償対象:ニュージーランド国民、長期滞在者、短期訪問者。

ニュージーランド政府 :強制労働保険(ACC外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
詳細は「外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用」を参照。

(参考)キウィセーバー(Kiwi Saver

確定給付年金制度の政府による年金が、一定条件 (主にビザ条件とニュージーランドでの居住期間) を満たす65歳以上の人に支給される。その他に、任意の確定給付年金制度のキウィセーバーもある。
従業員がキウィセーバーに加入した場合、賃金および給与の年間所得の3%、4%ないし8%が控除される。
民間の投資管理会社(Scheme Provider)は、加入者が選択したプランに基づき資金を運用する。

雇用主は加入者である雇用者は、加入者の年間所得(税引き前)の最低3%分を負担することが義務付けられている。新採用の従業員はキウィセーバー加入が自動に行われるが、従業員は3~8週間以内に脱退する事ができる。
従業員が加入しない場合、または従業員がキウィセーバーを一時的にストップしている期間は、雇用主に3%の負担義務は発生しない。
他方、加入した場合は、加入者が満65歳になるまで、積立額の引出しは通常認められない。ただし、最初の家を買う場合や海外に永住する場合は例外。

その他

減価償却

減価償却は、事業活動で使用、保持するほとんどの資産で税務署が定めた率を適用できる。
耐用年数が50年以上の建物については、減価償却が認められていない。

歳入庁:減価償却の解説(business income taxDepreciation外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

混合使用資産 (Mixed-use assets

混合使用資産とは、個人使用目的と同時に、レンタル収入などを得る目的に使用する資産で、5万NZドル以上のレジャー用船舶(Boat)、飛行機・ヘリコプタ(air craft)、すべての休暇用住宅が該当。

当該資産の税控除は、その資産が個人使用・ビジネス使用にかかわらず、実際の使用日数に基づき割当てられる。
通常、損失は限定され、控除は資産が収益を出している場合にのみ適用される。また、利息控除で特別な規則が適用される場合もある。
複雑な分野なので専門家のアドバイスが必要である。

交際費(Entertainment

一般に交際費は50%税務費用計上となる。交際費税制度は、スタジアムのプライベート部屋、休日宿泊施設、ヨット、ボートなどにも適用される。

住宅賃貸物件の損失リングフェンシング(Ring-Fencing Residential Rental Property Losses

歳入庁は住宅賃貸物件の損失に対し、リングフェンシングを導入する提案を発表した。この提案は、住宅賃貸物件より発生した損失は、その他の収入(給与、事業所得等)と相殺ができないことを意味する。

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研究開発税優遇装置(R&D Tax Incentive

ニュージーランド政府は、10年間にてニュージーランド研究開発費をGDPの2%引き上げ目標を発表した。政府は研究開発税優遇装置を導入する事により達成を目指している。主な優遇措置は次のとおりとなる。

  • 15%の税額控除
  • 優遇措置対象となる費用は最大1億2,000万NZドル
  • 優遇措置対象となる最低額は年間5万NZドル
  • テクノロジー分野を含め、広い分野にて待遇が受けられるよう研究開発の定義設定

15%の税額控除は、2019税年度以降から有効になると予想されている。

ビジネス・革新技術・雇用省:研究開発税優遇装置(R&D Tax Incentive外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

不動産売買に関する税務登録、情報開示義務

ニュージーランド国内不動産の購入、販売時に、ニュージーランドの税務番号を提出する必要がある。非居住者が税務番号を取得する際には、ニュージーランドの銀行口座開設、もしくはニュージーランドにて報告義務がある機関に身元調査(due diligence)が必用となる。

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情報の自動交換

2017年7月1日より、ニュージーランドの金融機関は(免除がない限り)、非居住者が所有、もしくは(ある状況下で)運用している口座のレビューと情報を収集して、税務署に報告しなければならない。
必要に応じて、税務署は日本を含む特定諸国の税務当局とその情報を共有する。

ご相談・お問い合わせ

現地日系企業の皆様

最寄りのジェトロ事務所にご連絡ください。

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