税制

最終更新日:2025年09月19日

法人税

連邦・州レベルで、それぞれ課税される。

連邦法人税

連邦法人税の課税方法は、法人の形態によって異なる。米国の連邦法、州法に基づいて設立された法人(日本の株式会社に相当し、C corporationと呼ばれる)に対する税率は2017年12月に成立した税制改革法(Tax Cuts And Jobs Act)により、2018年1月1日より一律21%となった。税制改革に伴う税制変更の詳細については、内国歳入庁のウェブサイト参照。

2017年税制改革法"Tax Cuts And Jobs Act外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"
内国歳入庁(IRS)"Tax Cuts and Jobs Act: A comparison for businesses外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

税額の計算方法:総収入(Total Income)から所得控除(Deduction)および繰越欠損金(Net Operating Loss)を差し引いたものが課税所得(Taxable Income)である。これに法人税率(Tax Rate:21%)を乗じて算出された「税額(a)」から税額控除(Tax Credits)を差し引いたものが実際の課税額(b)となる。
所得控除(Deduction):営業費用、減価償却費、人件費、研究開発費など。
繰越欠損金(Net Operating Loss):前年度までの赤字分(課税所得の80%が上限)
税額控除(Tax Credits):外国税額控除(Foreign Tax Credit)、雇用創出税額控除(Work Opportunity Tax Credit)、投資税額控除(Investment Tax Credit)、研究開発控除(R&D Tax Credit)など、別途定められたもの。

このほか、税源浸食濫用防止税 (Base Erosion and Anti-abuse Tax、BEAT)が、2018年から導入されている。対象となるのは、グループ全体で[1]過去3年の平均総収入額が5億ドル以上、あるいは、[2]税源浸食額(国外関係者への支払い額)の割合3%以上(銀行・証券業の場合2%以上)の場合。BEAT税率は、2025年12月31日までに開始した会計年度では10%、2026年1月1日以降に開始する会計年度は10.5%に引き上げられる。銀行および証券業者についてはそれぞれ1%高い税率が適用される。BEAT課税額(c)とは、(通常課税所得+税源浸食額)にBEAT税率を乗じた金額から前述の「税額(a)」を差し引いた金額。
内国歳入庁(IRS)"IRC 59A Base Erosion Anti-Abuse Tax OverviewPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(632KBKB)"

このほか、大企業を対象に法人代替ミニマム税(Corporate Alternative Minimum Tax:CAMT)を適用する制度がある。CAMTの対象となる「適用法人」は、過去3年間の平均調整後財務諸表利益(Adjusted Financial Statement Income:AFSI)が10億ドルを超える企業、または外国親会社を持つグループの場合、グループ全体のAFSI(連結所得ベース)が10億ドル超、かつ米国内グループ会社のAFSIが1億ドル超である企業。
CAMTの税額はAFSIに15%の税率を乗じて算出する(これを暫定税額(d)とする)。
CAMT税額(d)とBEAT税加算済み法人税額(b+c)を比較して、高い方が納税額となる。
内国歳入庁(IRS)"Corporate alternative minimum tax外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

C corporation以外の形態の事業体には、[1]S Corporation、[2]パートナーシップ(Partnership)、[3]有限責任会社(Limited Liability Company、LLC)、[4]個人事業主(Sole Proprietorship)がある。これらの事業体は、事業所得にかかる法人税を事業体として支払うのではなく(注)、所有者(出資者)個人が納税主体となることから「パス・スルー(pass-through)事業体」と呼ばれている。事業形態によって、法人税申告書類の提出義務の有無、自営業税(Self-Employment Contributions Act Tax, SECA)と連邦雇用保険法税(Federal Insurance Contributions Act Tax、FICA、雇用関係税を参照)の支払い義務の有無が異なる。

注:LLCは、州法に基づいて設立される事業体のため、連邦税を支払う場合は法人税申告書の選択により、個人の所得として支払う方法と、C法人同様に事業所得に対する法人税を支払う方法のどちらかを選択可能。

内国歳入庁(IRS)"Business structures外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"
内国歳入庁(IRS)"Limited liability company (LLC)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

州法人税

州の法人税の課税形態は、州ごとに異なる。連邦税と同様に当該年度の課税所得に対して税率を設定して課す州法人税の形式をとる州が多いが、ネバダ州、オハイオ州、テキサス州、ワシントン州のように州法人税がない州もある。このうち、ネバダ州、オハイオ州、ワシントン州では代わりに総収入税(Gross receipts Tax)という名称で、その州での総売上高(総収入Gross receipts)に課税する税を導入している。

このほか、州法人税に加えてフランチャイズ税(Franchise Tax)を課している州もある。フランチャイズ税は、州内で事業を行う特権に対して税金を課すもので、会社の資産や資本金に対して課されることが多く利益がマイナスであった場合でも課税が発生する。また、州内に事業拠点を持つ全形態の事業体を対象にしており、C corporationに限らず、パス・スルー事業体も課税対象としている州もある。テキサス州は州法人税の代わりにフランチャイズ税を導入しており、同州のフランチャイズ税は総売上高を算出基準としている。

各州法人税率一覧:Federation of Tax Administrators "RANGE OF STATE CORPORATE INCOME TAX RATESPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(67KB)"
内国歳入庁(IRS):各州財務省へのリンク"State Government Websites外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

複数の州にまたがった事業活動をしている場合、州法人税をどこの州に納めるのかといった判断を余儀なくされるが、その判断根拠となるのが、ネクサス(nexus)基準である。ネクサスとは、当該州や自治体との「つながり」を意味し、従来の物理的拠点の有無に加え、売上高、資産規模、雇用規模などの「経済的ネクサス」に基づく課税が主流となっている州もある。

二国間租税条約

日米租税条約、日米社会保障協定、税務にかかわる環太平洋4カ国間における相互協議など。

日米租税条約

日米両国政府は2019年8月、日米租税条約の改正議定書を発効させるための批准書を交換した。最初の日米租税条約は1955年4月に発効した。その後、1972年に従来の租税条約が発効し、2004年、2019年に改正された。
戦略的同盟国家という経済的に緊密な日米二国間関係を前提に、投資交流を促進するために投資利得に関する源泉地国課税を大幅に軽減するとともに、それにともなう脱税防止を規定している。2019年の改正の要点としては、源泉地国免税の拡大、相互協議手続きにおける仲裁制度の導入、徴収共助の拡充が挙げられる。

日米租税条約の下、米国外の親会社などへの支払いに対しては、次の軽減税率が適用される。

  1. 親子間配当
    1. 持株割合50%以上:免税
    2. 持株割合10%以上50%未満:5%
  2. ポートフォリオ配当:10%

日本財務省:アメリカ合衆国との租税条約を改正する議定書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
内国歳入庁(IRS) "Japan - Tax Treaty Documents外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

日米社会保障協定

2005年10月に、米国で働き社会保障税を納めた日本人が米国の社会保障(年金)を受給できる資格要件が大幅に緩和された。
同協定は、日米両国で働くことで日本と米国の両方で年金制度に二重加入を余儀なくされる、あるいは、米国で働いた期間が短く年金受給要件期間を下回り、米国の社会保障税を納めたにもかかわらず受給できないという状態を改善することを目的としている。
同協定が締結された結果、両国の年金制度に二重加入する必要もなくなり、また、米社会保障税の納税期間の長短に関係なく、日本に帰国した後、ある一定年齢に達した時に米国の年金を受給できるようになった。
同協定によって、両国での加入期間を通算することで受給資格を満たせるようになり、両国の年金制度に加入した期間に応じた年金をそれぞれの国から受給できる。

在日米国大使館 "日米社会保障協定に基づく連邦年金申請外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"
外務省 "日・米社会保障協定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

その他税制

法人に関わる税:雇用関係税、売上税、消費税、固定資産税、不動産譲渡税、ほか。
所得税(個人):連邦個人所得税、州所得税など。
会計報告に伴う義務(サーベンス・オクスレー法)。

法人に関わる税

雇用関係税

雇用主は被雇用者の給与から所得税、連邦雇用保険法税(Federal Insurance Contributions Act Tax、FICA)を源泉徴収し、同額の雇用者負担分を拠出し、納付する義務を負う。FICAは、社会保障料(老齢・遺族・障害者年金、OASDI)、医療保険料(メディケア税)、追加医療保険料(追加メディケア税、被雇用者の年間給与が20万ドルを超える場合)から成る。さらに、雇用主は失業保険税(被雇用者は負担なし)を納付する義務も負う。
内国歳入庁(IRS)"Understanding employment taxes外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

売上税(Sales Tax)と利用税(Use Tax

売上税は、商品が売買される際に、購入者に課せられる税。利用税は、州外から購入した商品などに対して、州内で使用する場合に課される税で、売上税が課されなかった場合の補完的な税。いずれも州政府が管轄であり、連邦政府からは課せられない。課税対象商品や非課税商品、すべての売上税率は各州や地方自治体が自由に決定し、州の税率はおよそ0~7%、地方自治体の税率は0~8%と合算すると0~11%と州・地方自治体によって異なる。また、ハワイ州では、売上税・利用税がなく一般物品税GET(General Excise Tax、GET)がそれに代わる。税の徴収方法は、事業者が商品やサービスを提供する場合、購入者から税分を上乗せして販売して徴収し、州や地方自治体の当局に申告、納付する。従って、税を購入者から徴収するような商品やサービスを提供する者は、当該州に事業者登録をする義務がある。
各州および自治体の売上税率一覧:Federation of Tax Administrators " STATE SALES TAX RATES AND VENDOR DISCOUNTSPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(54.9KB)"

  • 米国売上税統一化プロジェクト(Streamlined Sales Tax Project
    米国の売上税の制度・税率は州ごとに異なり、複数の州で事業を行う企業は、各州で売上税の登録を行い、回収、納税、申告を行わなければならない。この問題を解決すべく、全米州知事会と全米州議会議員連盟のイニシアチブの下、売上税制度の統一化を図る「Streamlined Sales Tax Project」が進んでいる。まず18州の合意を得て、2005年10月1日にスタートし、売上税、使用税の施行統一が図られることになった(ちなみに、税率の統一ではない)。2025年10月時点で、Streamlined Sales Tax Projectには44州が参加しており、そのうち24州(本加盟:23州、準加盟:1州)が制度整備を進めている。最新の加盟状況は公式サイトで確認可能。

    "The Streamlined Sales Tax Governing Board外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

物品税(Excise Tax

連邦と州、地方自治体レベルで、特定の品目に課せられる税。
連邦物品税の対象品目は、たばこ、アルコール飲料、トレーラー、タイヤ、燃料、環境汚染につながる特定の化学物質、銃器、弓矢、釣り具、航空、海運輸送サービスなど。税率はそれぞれ異なる。もともとは嗜好品に対する課税という発想に基づいていたが、環境保護や特定目的の財源としての課税も増えている。
例えば、2021年11月15日に施行された「インフラ投資雇用法(IIJA)」には、1980年成立の「包括的環境対策・補償・責任法(CERCLA)」(別名:スーパーファンド法)による、政府主導の汚染物質の浄化作業や危険物廃棄場の修繕事業に充てる費用の捻出のために課された物品税の復活が含まれた。同法に基づき、2022年7月1日以降に取り引きされる特定の有害化学物質に物品税が課されている。
さらに、2022年8月16日に施行された「インフレ削減法」により、石炭の物品税率の引き上げ、2025年1月1日以降、持続可能な航空燃料(SAF含む)製造に対する物品税の税額控除などの措置が追加された。

連邦物品税:IRS "Excise Tax外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"
州物品税:Federation of Tax Administrators "Tax Rates - State Excise Taxes外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

固定資産税(Property tax

固定資産税の主な対象は、不動産や動産、無体財産に分類される。不動産はすべての州で課税(税率はさまざま)対象となっているが、動産と無体財産については州によって大きく異なり、機械や装置、線路などに課税する州もあれば、動産や公益施設には課税しない州もある。

家賃収入に対する課税

家賃収入(賃貸所得)がある場合、不動産物件の所有者の国籍、あるいは個人か法人かに関わらず、連邦と州の税金が課される。

州税では、各州の税制が大きく異なるため、それぞれの州の税法に準拠して納税する義務がある。
IRS "Tips on rental real estate income, deductions and recordkeeping外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"
IRS "Nonresident Aliens - Real Property Located in the U.S.外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

移転価格税制(Transfer Pricing

親子会社間のように、同一の利害関係人により直接・間接に支配されている関連企業間の取引に関し、その価格の操作により課税所得の調整を行う場合、それは「移転価格」とされ、税務当局が内国歳入法(IRC)第482条に基づき、適当な取引価格に修正した上で、必要に応じ追加課税を行う。IRSが移転価格文書の作成を要求した場合、納税者は30日以内に提出する必要がある。
IRS "Transfer pricing外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

所得税(個人)

個人所得税には、連邦個人所得税と州所得税がある。

連邦個人所得税

  1. 連邦個人所得税率は次のとおり(2025年、※以下の税率は2025年時点の「単身者(Single filer)」に適用される目安。配偶者ありや世帯主の場合は異なる税率が適用される)。
    課税所得帯 税率
    0~11,925ドル以下 10%
    1万1,925ドル超~4万8,475ドル以下 1,160ドル+課税所得の12%
    4万8,475ドル超~10万3,350ドル以下 5,578ドル+課税所得の22%
    10万3,350ドル超~19万7,300ドル以下 1万7,650.50ドル+課税所得の24%
    19万7,300ドル超~25万525ドル以下 4万198.50ドル+課税所得の32%
    25万525ドル超~62万6,350ドル以下 5万7,230.50ドル+課税所得の35%
    62万6,350ドル超 18万8,769.25ドル+課税所得の37%
  2. 居住者と非居住者の2種類に分けられ、給与から源泉徴収される場合は、個人が翌年4月15日までに当該年の確定申告をし、源泉徴収されない場合は、四半期ごとの予定納税に加え、翌年4月15日までに確定申告する義務がある。特に、日本から米国に派遣される就労者の場合には、居住者か非居住者かが重要となる。それぞれの定義は次のとおり。
    1. 居住者
      • 当該暦年中に米国永住権を取得している者。
      • 当該暦年中に31日以上米国に滞在し、当該暦年を含め過去3年間に計183日以上米国に滞在している者。ただし、当該暦年を1とし、前年を3分の1、前々年を6分の1として、それぞれの当該暦年の米国滞在日数にそれらを乗じて合計した日数が米国滞在日数として扱われる。この判定はIRSの「Substantial Presence Test(実質的滞在基準)」に基づくもので、3年間の滞在日数を加重平均で算出する。ただし、学生(Fビザ)や学術分野での交換訪問者(Jビザ)、非語学または各種学校留学生(Mビザ)、実務研修者(Qビザ)は、既述の居住者定義に当てはまったとしても、非居住者として扱われる。
    2. 非居住者
      既述の居住者の定義に当てはまらない者。非居住者でも、Form 1040NRまたはForm 1040NR-EZを使って免税申請をIRSに提出する義務がある。
      IRS "Substantial presence test外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"
      IRS "Topic 851 - Resident and Nonresident Aliens外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

州個人所得税

納税者は、連邦所得税の他、州政府と地方自治体にも所得税を納付する義務があり、毎年4月15日を期限に前年の分を確定申告しなければならない。ほとんどの場合、州政府への確定申告書類と地方自治体への書類は兼用できる。

ビザ・ステータスと所得税

米国にいる外国人の個人所得税は、当該外国人が「居住者」か「非居住者」かによって、課税の有無、また税金の種類、税率が異なる。「居住者」か「非居住者」かは、ビザの種類によって決まる。

  1. 居住者扱い:永住権(グリーンカード)保持者
  2. 非居住者扱い:Aビザ(外交官)、Gビザ(国際機関職員)、Fビザ(学生)、Jビザ(交流訪問者)、Mビザ(専門学校生)、Qビザ(文化交流訪問者)。
    ただし、AビザとGビザの場合、勤務先から受ける給与は非課税であるが、それ以外の所得には課税される。
  3. 滞在日数で居住者か非居住者かが決まる:Bビザ(短期商用、観光)、Eビザ(貿易商・投資家)、Hビザ(一時的専門職就労者)、Iビザ(報道関係者)、Kビザ(婚約者)、Lビザ(管理職)、Oビザ(特殊技能者)、Pビザ(芸能人、芸術家、スポーツ選手)、Rビザ(宗教関係者)。
    税法上、次の2つの条件を満たすと、居住者として扱われる。
    • 任意の年(1~12月)における米国滞在日数が31日を超える。
    • 任意の年の滞在日数と前年の滞在日数の3分の1と前々年の滞在日数の6分の1の合計が183日を超える。

    IRS "Topic 851 - Resident and Nonresident Aliens外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

勤務州と居住州が異なる場合の州個人所得税

すべての所得には、当事者の居住地に関係なく連邦個人所得税が課されるが、州個人所得税や地方自治体個人所得税については、それぞれの税制による。ただし、アラスカ、フロリダ、ネバダ、サウスダコタ、テネシー、テキサス、ワシントン、ワイオミングの7州では州所得税がない。また、ニューハンプシャーでは、投資所得(例えば、キャピタル・ゲイン)だけが課税対象になっている。

州個人所得税:Federation of Tax Administrators "State Individual Income Taxes外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

勤務州と居住州が異なる場合の州個人所得税は、当事者本人が「居住者」であるか「非居住者」であるかを州財務省に申告する必要がある。例えば、勤務地がニューヨーク州で居住地がニュージャージー州の場合、勤務地に対しては「非居住者」として給与所得を課税対象所得として申告し、居住州に対しては「居住者」として申告する。その際、居住州には、内国歳入庁(IRS)に申告した所得額を報告し、それと同時に、勤務州で納税した額を「他州税額控除」として申告することで、控除を受けられる。

会計報告に伴う義務(サーベンス・オクスレー法)

概要

サーベンス・オクスレー法(Sarbanes-Oxley Act of 2002:以下SOX法)は企業会計や財務報告の透明性と信頼性を高めることを規定した法律で、米国証券取引委員会(SEC)に登録する企業およびその連結対象子会社に加え、米国で上場している外国企業も同法の対象となる。
2001年12月にエネルギー大手エンロン、2002年6月には通信大手ワールドコムが経営破綻し、巨額の粉飾決算をはじめとする不正会計が明るみに出た。いずれも、史上最大規模の倒産事件だったため、多くの投資家が被害を受け、米国の企業会計への不信感を招いた。
同法は、こうした企業会計の不正事件の再発防止を狙いとしている。外部からの監査だけでは不正や違法行為を防止することは困難なため、企業内部の管理体制の強化を求めるもの。

同法は第404条「経営者による内部統制の評価(Management assessment of internal control)」で、内部統制の責任は経営者にあり、財務報告書の作成過程を精査し、財務諸表のミスや不正を防ぐことを定めている。「内部統制」とは、業務の有効性・効率性、財務諸表の信頼性、関連法規の順守に関して、合理的に保証することを目的とした、取締役会、経営者およびその他の構成員によって遂行される1つのプロセスを指す。内部の管理体制や書類手続きに不備があった場合は、経営陣が厳しく責任を問われる。企業側には業務プロセスを隅々まで文書化し、独立した監査法人による会計監査が義務付けられている。
SOX法の導入後、企業のコーポレート・ガバナンス(企業統治)が強化され情報開示が進み、監査法人との役割分担も明確になるなど、一定の収穫はあった。

見直し、再定義への動き

SECは、2006年12月13日、同法第404条の適用改善のために、定義があいまいだった事柄についてガイドラインを策定した。時価総額で7,500万ドル未満の小規模企業と新規公開企業に対し第404条の適用開始時期を遅らせ、一定の準備期間を与えるなどの追加的な緩和措置を発表した。本ガイダンスは2007年5月に承認された。

米国証券取引委員会(SEC):
"Sarbanes-Oxley Act of 2002.外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"
"Commission Guidance Regarding Management’s Report on Internal Control Over Financial Reporting Under Section 13(a) or 15(d) of the Securities Exchange Act of 1934PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(954KB)"