日本からの輸出に関する制度

青果物の輸入規制、輸入手続き

米国の輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2019年98月

日本からの青果物については、米国における未加工の青果物の輸入検疫機関である米国農務省(USDA)の動植物検査局(APHIS)が事前に許可したうんしゅうみかん、日本なし、かき、ながいも、りんご、イチゴ、などの品目に限り輸入が可能です。輸入が可能な青果物およびそれに関する規則は、APHISのウェブサイト上のデータベース(FAVIR:「米国に輸入できる未加工の青果物のデータベース」)で確認することができます。

東京電力福島第一原子力発電所事故の影響により、米国政府は、日本で出荷制限措置がとられた品目について、県単位で輸入停止措置を講じるとともに、その他の品目については、米国の食品安全基準に違反していないことの証明または米国側でのサンプリング検査などを課しています。当インポートアラート(輸入警告)は米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)のウェブサイトで公開されていますが、その内容は頻繁にアップデートされているため、注意が必要です。

2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)

調査時点:2018年9月

品目によっては、日本での防疫処理や米国農務省動植物検査局(APHIS)が発行する輸入許可証などが必要となります。輸入許可証が必要な場合には、初回の貨物が到着する30日前に、米国側の輸入者が申請をしなければなりません。

また輸入者は、貨物ごとに、輸入許可証のコピーをその他の通関に必要な書類とともに税関へ提出しなければなりません。輸入に課される条件は、APHISのデータベースで確認できます。

カット、冷凍、乾燥などの加工を行った青果物は、品目、条件によって、輸入の可否、輸入に必要となる条件が異なります。詳しくはAPHISのウェブサイト上の「その他・加工食品の輸入マニュアル」で確認してください。

さらに、青果物(未加工農産物)の収穫、梱包、保管を行う「農場」は、FDAへの食品関連施設登録の対象ではありませんが、製造/加工、梱包、保管施設は、FDAへの食品関連施設登録が必要となります。FDAにおける、「農場」「農場混合型施設」および「食品の製造/加工、梱包、保管施設」の定義の詳細は、「農場および施設のための収穫、梱包、保管または製造/加工 の作業分類:産業界向けガイダンス案」を確認してください。

青果物の輸入にあたっては、事前通知も必要になります。

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2019年8月

りんごの輸出にあたっては、二国間合意による条件の1つとして日米植物検疫当局の合同輸出検査が課せられます。

関連リンク

米国の食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2019年8月

青果物に関して個々の製品の規格は定められていないものとみられます。

2. 残留農薬および動物性薬品

調査時点:2019年8月

青果物に関する米国における農薬の規制は環境保護庁(EPA)と米国食品医療品局(FDA)が管轄しています。EPAは農薬の種類と最大残留農薬限度(MRL)の承認と登録、FDAは、食品についてEPAが設定した規制を執行する役割を担っています。

EPAは、農薬成分および農作物ごとに残留農薬の許容量を設定(ポジティブリスト制)しており、米国に輸入される青果物とその加工品は、その基準を満たしていなければなりません。なお、一部の農薬成分については、人体に安全だとして許容量の設定を免除しているものもあります。残留農薬の許容量に関する詳細は、「関連リンク」の「その他参考情報」にある米国農薬情報センター〔National Pesticide Information Center (NPIC)〕のウェブサイトで確認してください。

また、許容量を超えて農薬成分が残留している青果物、およびEPAが残留農薬の許容量の設定も免除も行っていない農薬成分が残留している青果物は、米国に輸入することができないため、日本から米国向けの青果物の輸出にあたっては、使用可である農薬か否か、そして残留する農薬の許容値について事前に確認しておく必要があります。

加工された青果物に、許容量が設定されている農薬成分が残留している場合には、次の3つの条件をすべて満たさなければなりません。(1)加工前の青果物における残留農薬が許容量を超えていない。(2)現行適正製造規範(CGMPs)に基づく製造が行われ、残留農薬ができるかぎり取り除かれている。(3)加工後の青果物の残留農薬が、加工前の原料における許容量を超えていない。

食品の残留農薬の基準に関する詳細は、「米国連邦規則集第40巻パート180(40CFR Part180)」に係る説明項目(Indexes to Part 180 Tolerance Information for Pesticide Chemicals in Food and Feed Commodities)で確認してください。

関連リンク

関係省庁
米国環境保護庁(EPA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
合衆国法典
米国連邦規則集
その他参考情報
米国環境保護庁(EPA)から入手できる主な情報
米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)から入手できる主な情報
農林水産省から入手できる主な情報

3. 重金属および汚染物質

調査時点:2019年8月

食品に含まれるヒ素および有害重金属などの汚染に関する規制についてはFDAが中心に行っていますが、総括的な法的水準は決められていないのが現状です。それぞれの金属が長期的に健康に与える影響は不明確とし、有害な物質の含有はできるだけ避けることが望ましいとされています。2006年から2013年に実施されたサンプリング調査では次のような結果となっており、米国で消費されている食品に含まれるヒ素および有害重金属などの参考指標として活用することができます。ここでは、くだもの(いちご、りんご、オレンジ)と野菜(茹でた皮なしポテト)の例を取り上げます。

いちご (単位:mg/kg)
名称 最小値 最大値 平均値
ヒ素 0.000 0.009 0.000
カドミウム 0.003 0.044 0.015
0.000 0.800 0.300
0.000 0.015 0.001
マンガン 1.900 6.300 3.700
亜鉛 0.740 1.400 1.000
りんご (単位:mg/kg)
名称 最小値 最大値 平均値
ヒ素 0.000 0.000 0.000
カドミウム 0.000 0.022 0.001
0.000 0.600 0.200
0.000 0.000 0.000
マンガン 0.000 0.450 0.070
亜鉛 0.000 0.000 0.000
オレンジ (単位:mg/kg)
名称 最小値 最大値 平均値
ヒ素 0.000 0.000 0.000
カドミウム 0.000 0.006 0.000
0.000 0.900 0.500
0.000 0.021 0.001
マンガン 0.000 0.370 0.220
亜鉛 0.000 0.000 0.000
茹でた皮なしポテト (単位:mg/kg)
名称 最小値 最大値 平均値
ヒ素 0.000 0.000 0.000
カドミウム 0.010 0.039 0.021
0.000 1.600 0.700
0.000 0.012 0.000
マンガン 0.620 2.000 1.200
亜鉛 1.100 4.400 2.200

米国では、連邦レベルより州レベルでさらに厳しい規制を設けている場合があるため、詳しくは、州、地方自治体のウェブサイトで確認してください。

一般的に、カリフォルニア州は、全米で最も食品に対する規制が厳しいとされています。具体的には、カリフォルニア州法プロポジション65(安全飲料水および有害物質施行法:Prop.65)の警告表示に係る改正で、2018年8月30日以降は、警告文に有害物質名を少なくとも一種類表示し、その物質を’含む’ではなく、’暴露する’という表現にする、インターネットでの販売にも該当する製品には警告文の表示をすることが義務付けられました。なお、生殖毒性があるとされるビスフェノールA(BPA)に関しては、当該製品の容器に表記する、または小売店の棚の表示でも製品を明確にすることにより消費者などに警告することが義務付けられました。BPAに関しては、緊急法に基づく暫定措置として、全体警告を認め、個々の商品もしくは商品棚への警告の義務は免れていましたが、2017年12月30日で終了し、2017年12月31日以降は個々の商品もしくは商品棚への警告表示が必要となり、全体警告も認められません。Prop.65の有害物質リストは900種類以上に及び、年に2~3回はリストの内容が変更されるので、確認の際には必ず直近のリストを参照してください。

4. 食品添加物

調査時点:2019年8月

米国に輸入される青果物の加工品に使用される食品添加物に関する規制は、合衆国法典第21巻348条(21U.S.C.348)Food Additivesに基づいて行われています。食品添加物の定義は、合衆国法典第21巻321条(21U.S.C.321)により規定されており、食品に対して直接または間接に使用が認められている食品添加物やそれに係る規則は、米国連邦規則集第21巻パート170 から189(21CFR170-189)に列挙されています。

米国において新規の食品添加物を使用する場合には、GRAS通知、または食品添加物申請(Food Additive Petition:FAP)をFDAに申請し、事前許可を得る必要があります。

なお、食品の製造、梱包、包装、輸送または保管に用いられる資材を構成している物質であって、食品の性質に技術的な影響を与えないものを食品接触物質とよび、食品添加物として定義しています。食品接触物質に関する情報は、後述の「5.食品包装規制」の項目を参照してください。

着色料に関する規制は、合衆国法典第21巻379条e(21U.S.C.379e)に基づいて行われています。使用することができる着色料は、日本で許可されているものとは異なるため、FDAウェブサイト上の「使用が許可されている着色料一覧(Color Additive Status List)」と「米国連邦規則集第21巻パート70~82(21CFR Part70-82)」を確認してください。

特に、赤色102号については日本をはじめEUやアジアの主要国では食品添加物として使用が認められていますが、米国では認められていません。また、クチナシ、ベニバナ、ベニコウジも日本では古くから着色料として広く使用されていますが、米国では食品添加物として使用することはできません。

5. 食品包装(食品容器の品質または基準)

調査時点:2019年8月

食品の製造、梱包、包装、輸送または保管に用いられる資材を構成している物質であって、食品の性質に技術的な影響を与えないものを食品接触物質(Food Contact Substances:FCS)といいます〔食品医薬品化粧品法第 409 条(h)(6)、合衆国法典 21USC348(h)(6)〕。FDAは、食品接触物質を間接添加物(Indirect additive)として、食品添加物として定義しています。なお、包装などの資材を構成している成分が溶出し食品に移行するかどうかを確認する責任は、資材の製造業者にゆだねられています。

食品接触物質は、FDA 規則に合致している物質(次の1参照)でない場合は、FDA への食品接触物質通知(2参照)が必要です。

1. 食品接触物質の規制の適合確認

次の規則に当てはまらない食品接触物質は、FDA への食品接触物質通知をしなければなりません。

  • 間接添加物(連邦規則集 21CFR Part174~179)
  • GRAS (連邦規則集 21CFR Part 182,184,186)
  • 1958年以前に容認されている物質(Prior Sanctioned Material, 連邦規則集 21CFR Part181)
  • 規制の適用除外になる物質(Threshold of Regulation Exemption, 連邦規則集 21 CFR Part 170.39)

2. FDA への食品接触物質通知(Food Contact Substance Notification)

食品接触物質の製造業者あるいは供給業者は、市販の 120 日以上前にその物質の情報をFDA に通知しなければなりません(連邦規則集 21CFR Part170.100)。通知から120日の間に FDA から異議申し出がない場合はその通知が有効となり、食品接触物質の使用が合法となります(連邦規則集 21CFR Part170.104)。ただし、食品接触物質通知は、申請した製造業者に対して有効となるものであるため、同じ物質であっても申請した製造業者以外の製造業者には、通知の効果は及びません。提出方法および提出先については関連リンクの「申請フォーム FDA3480」を参照してください。

なお、カリフォルニア州におけるビスフェノールA(BPA)の警告表示については、「食品関連の規制 3.重金属および汚染物質」を参照してください。

関連リンク

関係省庁
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根拠法等
合衆国法典
その他参考情報
米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)から入手できる主な情報
ジェトロから入手できる主な情報

6. ラベル表示

調査時点:2019年8月

青果物およびその加工品のラベル表示は、公正な包装および表示法(Fair Packaging and Labeling Act)により規制されています。青果物およびその加工品を商業目的で米国に輸入するには、米国税関・国境警備局(CBP)およびFDAが定める表示を行わなければなりません。
条件によっては表示義務が免除されますが、一般的に表示しなければならない項目は次のとおりです。表示は英語で行わなければなりません。詳しくは、FDAの「食品表示ガイド」で確認してください。

主要表示パネル:PDP(Principal Display Panel)
  1. 食品名称 / 識別事項
  2. 内容量・正味重量
情報パネル:IP(Information Panel)
  1. 原材料名〔青果物の場合は必要ない。ただし、2種類以上の原材料(添加物を含む)が使用されている場合は、それぞれの名称を表示しなければならない。また、アレルギー原因物質を含む場合は、その名称を表示しなければならない。〕
  2. 栄養成分表示(青果物、および輸入後に加工、再包装される青果物には表示の義務はない。)
  3. 製造業者、包装業者、流通業者のいずれかの名称と住所
  4. 警告および取り扱い上の注意
  5. 原産国
なお、「4.栄養成分表示」について、2016年7月26日に改正法が施行されました。改正のポイントは次のとおりです。
  • 消費者に見てほしいサービングサイズやカロリーの文字をより大きく太字にして強調する。
  • 栄養素表示に”added sugars”を新たに追加する。
  • ビタミンA、ビタミンCの代わりにビタミンDとカリウムの表示を追加する。
FDAは食品製造業界が対応に必要な期間を考慮し、2018年5月、改正法への対応期限を当初の期日からそれぞれ1年半延期し、原則2020年1月1日まで、ただし年間売上高1,000万ドル以下の小規模製造業者は2021年1月1日までとすることを公表しました。

また、米国農務省(USDA)は2018年12月20日、全米バイオ工学食品情報開示基準(National Bioengineered Food Disclosure Standard : NBFDS)を公表しました。いわゆる遺伝子組み換え食品の表示基準を定めた規則であり、同規則の施行は2020年1月1日(小規模食品製造事業者は2021年1月1日)で、2022年1月1日から義務化されます。USDAの農産物マーケティング局(AMS)は、バイオ工学(BE:bioengineered)の技法を用いて生産されうる穀物・食品、つまりNBFDSが定める記録管理・文書保存義務の対象となる穀物・食品を特定し、規制対象事業者がBE表示を行う必要かあるか否かを判断しやすくするため、NBFDSの規制対象食品となるBE食品リストを作成しています。このリストは、BE食品の研究開発の進展により今後さらに追加・更新される可能性がありますが、2019年7月時点のリストには表示規制対象のBE食品としてりんご(アークティック種)、パパイヤ(リングスポット抗ウイルス性)、パイナップルなどが含まれており、バイオ工学技術を用いて作られた品種を原材料に使用している場合には開示義務があります。

7. その他

調査時点:2019年8月

米国に輸入される青果物およびその加工品の安全は、FDAが管轄しています。米国に未加工の農産物(生鮮野菜・果実など)を輸出する生産者(農場)は、2011年1月に成立した食品安全強化法(Food Safety Modernization Act:FSMA)第105条(Standards for Produce Safety)で規定される「農産物安全基準」を順守する必要があります。また、青果物の加工品を製造/加工、梱包、保管する施設は、FSMA第103条により、危害分析およびリスクに基づく予防管理(Hazard Analysis and Risk Based Preventive Controls)として、食品安全計画の策定と実施が義務付けられています。

青果物およびその加工品はまた、FSMA第301条に基づき、輸入業者による外国供給業者検証プログラム(Foreign Supplier Verification Program:FSVP)によって、輸入食品に対する安全検証活動にも応える必要があります。適用対象や要件などの詳細は、関連リンクの「食品安全強化法(FSMA)に関する情報」(ジェトロ)で確認してください。

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