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日米貿易協定と日米デジタル貿易協定の主な内容について

(米国、日本)

米州課

2019年12月16日

日米貿易協定と日米デジタル貿易協定は2019年12月4日に日本の国会で承認され、発効日を2020年1月1日とすることが決定された。ここでは、両協定の主な内容と詳細にかかる照会先の情報を紹介する。

日米貿易協定の概要

日米貿易協定は、世界のGDPの約3割を占める日米両国の2国間貿易を強力かつ安定的で互恵的なかたちで拡大するために、一定の農産品と工業品の関税を撤廃または削減するものだ。具体的には、米国側は工業製品を中心に関税の撤廃・削減を行い、日本側は豚肉や牛肉をはじめとする農産品や加工食品の関税について、環太平洋パートナーシップ(TPP)の範囲内で撤廃または削減することが定められている(詳細は以下のリンクを参照)。

内閣官房TPP等政府対策本部発表資料外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(これまでの交渉経緯を含む)

〇本協定の概要(内閣官房TPP等政府対策本部発表資料)

日米貿易協定、日米デジタル貿易協定の概要PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)

日米貿易協定(概要)(2019年11月)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)

協定本文外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(外務省発表資料)

業種別の概要は、各分野の所管省庁が公表している。

○工業品:経済産業省「日米貿易協定、日米デジタル貿易協定に関する合意結果について外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

○農林水産品:農林水産省「日米貿易協定について外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

○財務省(酒類):財務省「日米貿易協定:酒類の合意概要外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

協定による日本から輸出する際のメリット

米国側の工業品については、日本企業の輸出関心が高く貿易量の多い品目を中心に関税の撤廃や削減が実現する。自動車・同部品については、協定の誠実な履行中は通商拡大法232条に基づく追加関税を課さない旨を日米共同声明に明記、首脳間で確認し、数量制限・輸出自主規制等の措置を課さない旨、閣僚間で確認している。

また、農産品については、わが国の輸出関心が高い、しょうゆ、ナガイモ、切り花、柿など42品目の関税撤廃・削減を獲得するとともに、牛肉についても、4.4セント/キロという低関税率の複数国枠6万5,005トンへのアクセスを確保した。

関税撤廃・削減の対象となる品目

米国側については、工業品と農産品・加工食品が関税削減または撤廃の対象となる。自動車・同部品については、「関税の撤廃に関して更に交渉」と協定に明記されており、今後の交渉において、関税が撤廃されることを前提に、その具体的な撤廃期間などについて交渉を行うことになる。

日本側の関税削減・撤廃対象品目は、豚肉や牛肉をはじめとする農産品や加工食品で、コメは含まれていない。TPPで関税削減・撤廃した林産品(木材)・水産品は今回、全て「除外」されている。有税工業品も対象外となる。関税削減幅はTPP12で合意した範囲内にとどまる。

米国の関税撤廃スケジュール(米国への輸出の場合)

日米貿易協定の附属書II(AnnexII Tariffs and Tariff-Related Provisions of the United States)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)の米国の一般的注釈(General Notes of the United States)と米国の関税率表(Tariff Schedule of the United States)で定められている。

関税の撤廃・削減スケジュールは、米国側の実施区分(ステージングカテゴリー「Staging Category」)(「A」~「K」まで分類)によって異なる。特定品目の関税撤廃・削減スケジュールを調べたい場合は、(1)当該品目のHSコードを調べ、(2)上記の米国の関税率表(p120~129)上の「Tariff Line January 1,2019」欄と照合し、(3)当該ラインの「Staging Category」欄で関税撤廃・削減スケジュールに関する分類を確認した上で、(4)当該分類の関税の引き下げ方法をGeneral Notes of the United States(p118、p119)で確認する。

経済産業省と農林水産省は、米国側の工業品、農林水産品の関税撤廃・削減の内容を公表している。HSコードとMFN税率については、日米ともにHS2019を基準としている。米国への輸出はHSコード8桁ベースで公表している。

○工業品:経済産業省「日米貿易協定における米国の工業品に関する合意の詳細PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)

○農林水産品:農林水産省「日米貿易交渉における米国側の農林水産品に関する合意内容PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)

また、協定発効後には、World Tariffを利用して米国のMFN税率および日米貿易協定の特恵税率を調べることができるようになる。

日本の関税撤廃・削減スケジュール(米国からの輸入の場合)

日米貿易協定の附属書I(Annex I Tariffs and Tariff-Related Provisions of Japan)(p4以降)で定められている。

関税の撤廃・削減スケジュールは、製品の「Staging Category」によって異なる。Schedule of Japan(p50以降)の「Staging Category」で各品目の分類を確認し、該当する分類の関税の引き下げ方法をTariff Elimination or Reduction(p6以降)で確認できる。

日米貿易協定(和文)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)

日米貿易協定(英文)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)

農林水産省は「日米貿易協定について外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」のページで、所管物資品目の関税削減・撤廃スケジュールを公表している。詳細は「日米貿易協定における農林水産物関税について」、ならびに「品目別の交渉結果概要(輸入)」の各品目別資料を参照。

本協定の原産地規則について

○日本:協定本文(和文)附属書I「第C節 日本国の原産地規則及び原産地手続」(P134以降)で確認できる。

第三款 品目別原産地規則PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」(p148以降)にHSコードごとの規則が掲載されている。

○米国:協定本文(英文)Annex II「Rules of Origin and Origin Procedures of the United States」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(p129以降)で確認できる。

日米デジタル貿易協定の概要、メリット

デジタル貿易分野における高い水準のルールを確立し、日米両国がデジタル貿易に関する世界的なルールづくりにおいて引き続き主導的な役割を果たすことを示している。同協定により、日本と米国との間で円滑で信頼性の高い自由なデジタル貿易が促進される。

具体的には以下のとおりで、TPP同様の規定が設けられているほか、アルゴリズムや暗号の開示要求の禁止などTPPの規定を強化するものや、SNSなどのサービス提供者に対する民事上の責任に関する規定など、新しい要素も盛り込まれている。

○締約国間のデジタル製品(例えば、ソフトウエア、音楽、ビデオ、電子書籍)の送信に関税を課さない。

○他方の締約国のデジタル製品に対し、他の同種の デジタル・プロダクトに与える待遇よりも不利な待遇を与えてはならない。

○自国における事業を行うための条件として、データのローカライゼーションを要求してはならない。

○ソースコード、アルゴリズムの移転要求禁止。

○SNSなどの双方向コンピュータサービスについて、情報流通などに関連する損害の責任を決定するに当たって、提供者などを情報の発信主体として取り扱う措置を採用し、または維持してはならないことなど。

(須貝智也)

(米国、日本)

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