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加工食品の現地輸入規則および留意点:米国向け輸出

質問

米国に加工食品を輸出する際の現地輸入規則および留意点について教えてください。

回答

米国での加工食品輸入には主として保健福祉省・食品医薬品局(Food and Drug Administration: FDA)が所管しており、食品安全強化法やバイオテロ法などが適用されます。輸入する食品の原材料やその割合、加工状態等により、他の局が所管している法規則等がある場合もありますので、対象食品の詳細情報を確認の上、適用される法規制に対応する必要があります。特に、食肉小片やエキス、卵、乳製品など動物由来の原料を使用している食品、水産加工品、低酸性缶詰食品および酸性化食品等は留意すべき事項があります。

I. 加工食品の米国での輸入検査手続き

加工食品の輸入の際、当該加工食品の衛生基準、商品ラベル、添加物、成分や着色料などがFDAの規準を満たすか確認します。また、バイオテロ法に基づき、 食品関連施設の登録と、貨物到着前に貨物の内容をFDAに事前通告(Prior Notice)する必要があります。事前通告は、FDAの事前通告システムインターフェース(Prior Notice System Interface: PNSI)を通じて、到着予定日の15日前までに税関国境保護局(CBP)の自動ブローカーインターフェース(Automated Broker Interface: ABI)/自動商業システム(Automated Commercial System: ACS)を通じて到着予定日の30日前から行うことができます。貨物が米国に到着すると、FDAは国内の規準に従ってチェックを行い、適合していれば輸入の許可を税関に通知し、税関は輸入の通関審査を行います。

II. 食品の衛生管理・安全性に関する規準

  1. 適正製造規範(GMP)
    食品医薬品化粧品法に基づき、FDAは食品の安全性を確保するため食品の製造、包装、保管などの「適正製造規範(Good Manufacturing Practice: GMP)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」と呼ばれる衛生基準を設定しています。GMPを遵守せずに製造、包装された食品は「不良食品」とされ、輸入および州間取引が禁止されます。
  2. バイオテロ法
    2003年12月12日に施行された「公衆の健康安全保障ならびにバイオテロへの準備および対策法(バイオテロ法)(The Public Health Security and Bioterrorism Preparedness and Response Act of 2002)PDFファイル(401KB)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」により、「食品関連施設の登録」、「輸入時の事前通知」、「記録の保存」、「行政による留置」が義務付けられています。米国へ輸入される食品を製造/加工、梱包、保管する施設は登録をすると共に、輸入業者は、輸入食品が米国に到着する前に、FDAに食品輸入の事前通告を行わなければなりません。未登録の外国の施設から持ち込まれた食品は、通関で留め置かれる可能性があります。登録対象施設や施設の登録方法等の詳細は、ジェトロ「バイオテロ法に関する情報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を参照してください。
  3. 食品安全強化法
    2011年1月に成立した「食品安全強化法(Food Safety Modernization Act: FSMA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」により、米国の食品輸入業者は、外国供給業者検証プログラム(Foreign Supplier Verification Program: FSVP)として、輸入食品に対する食品安全計画の策定と実施が義務付けられています。 また、同法においてバイオテロ法の義務要件の一部が改正され、バイオテロ法に基づく施設登録は、偶数年の10月1日から12月31日の間にオンラインもしくは郵送で登録更新を行う必要があります。登録更新の手続きについては、Biennial Registration Renewal外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますをご参照ください。 2012年夏以降、米国向けに食品を輸出している米国外の施設に対し、FDAによる査察が実施されています。さらに、2019年7月以降は、第106条に基づき「意図的な食品不良事故の防止(食品防御)」にも対応する必要があります。詳細や最新情報は、ジェトロの「米国食品安全強化法(FSMA)概要外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」でご確認ください。

III. 加工食品の輸入において留意すべき規則

  1. 重金属および汚染物質
    食品に含まれる有毒および有害な物質の許容量は、食品医薬品化粧品法第406条に基づく規則で定められています。FDAが食品に関して暫定残留許容濃度を定めている物質は、ポリ塩化ビフェニール類(PCB類)のみです(連邦規則集(CFR)Title21 Part109.30)。その他の有毒・有害物質とされるものが長期的に健康に与える影響は不明確とし、有害な物質の含有はなるべく避けることが望ましいとされています。詳細は、「米国におけるヒ素および有害重金属等の規制に関する情報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を参照ください。
  2. 残留農薬に関する規則
    連邦殺虫剤殺菌剤殺鼠法(Federal Insecticide, Fungicide, and Rodenticide Act)に基づき、環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は登録済みで使用を認めたもの以外の農薬の使用を禁止し、食品の残留農薬の許容量を設定しています(40CFR Part180)。EPAが設定した残留農薬の許容濃度が遵守されているかは、一般の食品についてはFDAが、畜肉、卵製品については米国農務省(US Department of Agriculture: USDA)の食品安全検査局(Food Safety and Inspection Service: FSIS)が所管しています。
  3. 食品添加物に関する規則
    食品添加物は21CFR Part172~180に、食品に直接あるいは間接的に使用可能な物質とその含有量が規定されており、FDAの「Food Additive Status List外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」で確認できます。 その他、一般的に安全と考えられている物質や素材(Generally Recognized as Safe: GRAS)も使用できます。全てのGRASの物質をFDAがリストアップすることはできないものの、21CFR Part182、184、186 に一部のGRASの例が記載されている他、GRAS Notification Program によって申請された食品は全てGRAS Notice Inventory外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認できます。なお、FDAは、部分水素添加油脂をGRAS対象から除外する規制を2018年6月18日に開始しましたが、部分水素添加油脂を特定の目的・方法で使用して製造した食品については、規制の開始を延期しています。
    新規の食品添加物を使用する場合は、Food Additive Petition を提出し、FDA の許可を受ける必要があります。
    着色料は21CFR Part379に規定されており、Part70~82に使用可能な着色料が規定されているほか、Color Additive Status List外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認できます。 食品添加物および着色料に関する詳細は、ジェトロ「食品添加物規制調査 米国外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」をご参照ください。
  4. 食品包装材
    米国では、食品に接触するものは「間接的な食品添加物」とみなされ、食品添加物と同じ規則が適用されます。包装材に関する使用可能な物質リストは21CFR Part175~177に、使用できない物質はPart189に定められています。なお、連邦規則とは別に、カルフォルニア州は「カリフォルニア州法プロポジション65」を制定し、缶やビン類などの容器に含まれるビスフェノールA(BPA)成分の使用を禁止しています。詳細情報は、「食品輸出にかかる食品接触材規則と留意点:米国外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」をご参照ください。

IV. 特定食材において留意すべき規則

  1. 食肉加工品
    食肉加工品の輸入は、原則FSISの所轄であり、米国内の認可工場もしくはFSIS承認の米国外の施設で加工された食肉原料のみ使用が認められています。原料となる食肉は肉の塊、小片に加え、畜肉エキスも含まれます。加工食品に含まれる肉または畜肉エキスの割合が一定以下の場合は、FDAの所轄となりますが、原料の畜肉・畜肉エキスがFSIAの認定施設由来であることを証明する補足文書(民間ベース)が必要です。
    詳細は農林水産省「畜肉エキスに関する規制等 調査(米国)PDFファイル(358KB)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますおよびUSDAの動植物検査局(Animal and Plant Health Inspection Service以下APHIS)PDFファイル(13.8MB)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」をご参照ください。
  2. 牛乳や卵等動物由来物質を含む加工食品
    牛乳や卵等の動物由来物質を含む加工食品は、APHIS「Animal Product Manual 91PDFファイル(13.8MB)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」にて、必要な手続きを確認する必要があります。
  3. 水産加工品
    21CFR Part123により、米国向けに輸出する水産加工品の製造業者は、食品製造工程上の危害要因を分析し、重要な管理点を継続的にモニタリングすることで食品事故の発生を未然に防ぐことを主な目的としたHACCPに従う必要があります。これらの要件を満たしていることを保証する施設認定書発行に関しては、厚生労働省「対米輸出水産食品外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を参照してください。
  4. 低酸性缶詰食品および酸性化食品に関する規制
    米国で販売される低酸性缶詰食品は、21CFR Part108-8, 113-9, 114-10により、FDAに「低酸性缶詰食品製造施設」登録し低酸性缶詰食品の製造工程を提出しなければなりません。また、ピクルスなどの酸性化食品は、低酸性缶詰食品と同様、製造施設の登録と製造工程を記載してFDAに提出する必要があります。

V. 食品表示に関する規制

  1. 基本表示事項
    食品表示は、FDA と USDA がそれぞれ所管する食品ごとに定めています。FDAは食品の「基本表示事項」として、以下の項目を英語で記載することを義務付けています。
    1. 主要表示パネル(食品包装の正面中央部分)
      1. 食品名称/識別事項(法規で規定される名称あるいは一般名称)
      2. 内容量・正味重量
    2. 情報パネル(裏面や側面)
      1. 原材料名
      2. 栄養成分表示
      3. 製造業者、包装業者、流通業者のいずれかの名称と住所
      4. 警告および取扱上の注意
      5. 原産国

    アレルギー物質は表示が義務付けられています。具体的な原料は、乳、卵、魚(ヒラメ、タラ等)、甲殻類(カニ、ロブスター、エビ等)、ナッツ(アーモンド、クルミ、ピーカン等)、ピーナッツ、小麦および大豆の8種類の食品群です。

    なお、栄養成分表示は、総エネルギー量、総脂質・飽和脂肪・トランス脂肪、コレステロール、ナトリウム、総炭水化物、食物繊維、総糖質と 添加された糖(Added Sugar)、タンパク質、ビタミンD、カルシウム、鉄分、カリウムが義務化されています。サービングサイズ(米国農務省が定めた食べ物や飲み物の平均化した単位)やカロリーの文字強調、栄養素表示”added sugars”、ビタミンA、ビタミンCの代わりにビタミンDとカリウムの表示の追加は2016年の改正事項です。当該改正法への対応期限は、原則2020年1月1日まで、売上高1,000万ドル以下の小規模製造業者は2021年1月1日までとされています。最新情報はFDA「Labeling & Nutrition Guidance Documents & Regulatory Information外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」にてご確認ください。

    USDA の FSIS 所管製品の表示の基本的な規則は FDA と同様ですが、食肉および肉加工品については、表示の事前承認義務といった USDA 独自のものがあります。詳細および最新情報はUSDAのLabeling Policies外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでご確認ください。

  2. 有機表示
    米国向け食品に有機食品と表示する際は、1990 年有機食品生産法(Organic Foods Production Act of 1990)、および同法に基づく全米有機プログラム(National Organic Program: NOP)59について規定した7CFR Part205 に従います。所管はUSDA 農業マーケティング局(Agriculture Marketing Service: AMS)です。
    日本産食品については、日本にある NOP認定証明機関の証明を受ければ、USDA の有機証明マークを使用し、米国にて輸入・販売することができます。詳細は、USDAのInternational Trade Policies: Japan外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでご確認ください。

関係機関

保健福祉省食品医薬品局(FDA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農務省(USDA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農務省食品安全検査局(FSIS)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

関連法規則

米連邦行政規則(Code of Federal Regulations: CFR)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
バイオテロ法PDFファイル(401KB)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
食品安全強化法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

関連情報

FDA:
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Biennial Registration Renewal外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
Food Additive Status List外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
Color Additive Status List外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

EPA:
残留農薬基準外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
残留農薬検索外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

USDA:
Eligible Foreign Establishments外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
Importing Products外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
International Trade Policies: Japan(organic)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

APHIS:
Animal Product Manual 91PDFファイル(13.8MB)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

厚生労働省:
対米輸出水産食品外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

農林水産省:
畜肉エキスに関する規制等調査(米国)PDFファイル(358KB)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

ジェトロ:
食品安全強化法(FSMA)に関する情報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
バイオテロ法に関する情報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2016年度 米国の食品安全・輸入関連制度の解説(2017年3月)PDFファイル(1.93MB)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
食品添加物規制調査 米国(2016年3月)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

調査時点:2017年2月
最終更新:2019年1月

記事番号: A-080909

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