日本からの輸出に関する制度 栄養補助食品の輸入規制、輸入手続き

品目の定義

本ページで定義する栄養補助食品のHSコード

2106:ほかの項目で特定されていない食品(プロテインパウダーを含む)
2936:ビタミン剤等

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米国の食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2023年9月

米国における栄養補助食品の定義は、食事を補完することを目的とする加工品(たばこを除く)であって、栄養成分(dietary ingredients)を1つ以上含むものをいいます。また、栄養成分とは、ビタミン、ミネラル、ハーブその他の植物、アミノ酸など、食事を補完するための栄養物質、または、これらの成分の濃縮体、代謝体、構成物質、抽出物、混合物をいいます〔(食品医薬品化粧品法(FD&C法)第201条(ff)(合衆国法典第21巻第321条(21.U.S.C.321(ff))〕。

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2. 残留農薬および動物用医薬品

2023年9月

栄養補助食品の製造は農産物のような直接的な検査対象にはなりませんが、残留農薬などの規則を順守した安全な原材料を使って製造することは製造業者の責任となります。

米国における農薬の規制は環境保護庁(EPA)と米国食品医薬品局(FDA)が管轄しています。EPAは農薬の種類と最大残留農薬限度(MRL)の承認と登録、FDAは食品についてEPAが設定した規制を執行する役割を担っています。

EPAは、農薬成分および農作物ごとに残留農薬の許容量を設定(ポジティブリスト制)しており、その基準を満たしていなければなりません。なお、一部の農薬成分については、人体に安全だとして許容量の設定を免除しているものもあります。残留農薬の許容量に関する詳細は、「関連リンク」の「その他参考情報」にある農林水産省の「諸外国における残留農薬基準値に関する情報」や連邦規則集第40巻第180条(40CFR Part180)で確認してください。連邦規則集での確認方法はEPAのウェブサイトを参照してください。

許容量を超えて農薬成分が残留している製品、およびEPAが残留農薬の許容量の設定も免除も行っていない農薬成分が残留している製品は、輸入することができないため、日本から米国向けの製品の輸出にあたっては、使用が可能である農薬か否か、そして残留する農薬の許容値について事前に確認しておく必要があります。

また、許容量が設定されている農薬成分が残留しているものについては、次の3つの条件をすべて満たさなければなりません。(食品医薬品化粧品法(FD&C法)第408条(a)(2)、合衆国法典21USC 346a (a)(2))

  1. 加工前の原料における残留農薬が許容量を超えていないこと。
  2. 現行適正製造規範((CGMP))に基づく製造工程が行われ、残留農薬ができる限り取り除かれていること。
  3. 加工後の製品の残留農薬が、加工前の原料の許容量を超えていないこと。

なお、2021年8月にEPAがクロルピリホスの残留農薬基準値を取り消す最終規則を公表し、2022年2月28日にすべての食品におけるクロルピリホスの残留基準値を取り消しました。これにより、クロルピリホスを使用した食品を米国に輸出することは禁止されることとなりました。日本においてクロルピリホスを主成分とする農薬として登録されているものには次のものがあります。

表:「クロルピリホスを主成分とする農薬として登録されている種類と名称」
農薬の種類 農薬の名称
クロルピリホス乳剤 日産ダーズバン乳剤40
クロルピリホス乳剤 クミアイダーズバン乳剤40
クロルピリホス乳剤 ダーズバン乳剤40
クロルピリホス粒剤 ダーズバン粒剤
クロルピリホス粒剤 日産ダーズバン粒剤
クロルピリホス粒剤 サンケイダーズバン粒剤
クロルピリホス水和剤 ダーズバンDF

これに関連してFDAは、農薬化学物質クロルピリホスの残留物を含む可能性のある食品を取り扱う食品生産者および加工業者のサポートを目的として、2022年2月に「クロルピリホスが残留しているヒト用食品に関する貿易政策のチャネルに関する質問と回答:業界向けガイダンス」と題するガイダンス文書を発表しています。

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3. 重金属および汚染物質

調査時点:2023年9月

栄養補助食品は、食品の一分類のため重金属規制の対象となります。

食品に含まれる有毒および有害な物質の許容量は、食品医薬品化粧品法(FD&C法)第406条に基づく規則で定められています。現在、FDAが規則で食品に関して暫定残留許容濃度を定めている物質は、ポリ塩化ビフェニール類(PCB類)のみで(連邦規則集第21巻第109.30条:21CFR Part109.30)、ヒ素および有害重金属などの汚染に関する規制については、総括的な法的水準は決められていないのが現状です。それぞれの有毒・有害物質が長期的に健康に与える影響は不明確とし、有害な物質の含有は避けることが望ましいとされています。

1. 有毒・有害物質の欠陥対策レベル
FDAは、有毒・有害物質に関する欠陥対策レベルをガイダンス「ヒト向け食品および動物飼料に含まれる有毒・有害物質に関する対策レベル」として2000年に発行しています。同ガイダンスでは、19種類の有毒・有害物質について、食品と飼料の品目別に対策レベルの値(ppmなど)が設定されています。各物質の欠陥対策レベルの値は食品によって異なりますが、同ガイダンスでは、例えばアフラトキシンについて「一般食品」においては20ppbと設定しています。
なお、このガイダンスには規則のような法的拘束力はありませんが、FDAが法的措置を発動するかどうかを決定する際の基準と位置付けられています。従って、有毒・有害物質の含有量が欠陥対策レベルを下回っている必要があります。
また、FDAは個別の製品カテゴリーに鉛の上限を定めているケースがあります。例えば、ボトル入り水については5ppb、子供がよく消費するジュースやキャンデーについても、ジュースは50ppb、キャンデーは0.1ppmを上限としています。
2. トータルダイエットスタディに基づく参考指標
米国では、1991年からさまざまな食品に含まれる物質(ヒ素および有害重金属などを含む)のトータルダイエットスタディ(Total Diet Study:TDS)が実施されており、FDAのウェブサイト上で結果が公開されています。これは法的に設定された許容量や基準値ではありませんが、米国で消費されているさまざまな食品中におけるヒ素や有害重金属などの含有量について、最小値、最大値、平均値などを知ることができるため、参考指標として有効利用することができます。
公表されている直近のデータは2018年から2020年に実施されたサンプリングによるものです。ただし、当資料には具体的な栄養補助食品に関するサンプリング結果は見当たりません。
3. その他
米国では連邦レベルより州レベルでさらに厳しい規制を設けている場合があるため、詳しくは、州、地方自治体のウェブサイトで確認してください。
一般的に、カリフォルニア州は、全米で最も食品に対する規制が厳しいとされています。具体的には、カリフォルニア州法プロポジション65(安全飲料水および有害物質施行法:Prop 65)の警告表示にかかわる改正で、2018年8月30日以降は、警告文に有害物質名を少なくとも一種類表示し、その物質を’含む’ではなく、’有害物質にさらされる’という表現にする、またインターネットでの販売にも該当する製品には警告文の表示をすることが義務付けられました。なお、生殖毒性があるとされるビスフェノールA(BPA)に関しては、2017年12月31日以降は個々の商品もしくは商品棚への警告表示が必要となり、全体警告は認められません。Prop 65の有害物質リストは1,000種類以上に及び、そのリストも年に2~3回は変更されます。確認の際には必ず直近のリストを参照してください。

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4. 食品添加物

調査時点:2023年10月

栄養補助食品は、食品の一分類であるため食品添加物規制の対象となります。

米国に輸入される栄養補助食品に含まれる食品添加物に関する規制は、合衆国法典第21巻348条(21U.S.C.348)Food Additivesに基づいて行われています。食品添加物の定義は、合衆国法典第21巻321条(21U.S.C.321)により規定されており、意図的に使用することにより、直接的または間接的に食品の成分となる、またはなりうる物質、あるいは、食品の性質に影響を及ぼす、または及ぼし得る物質としています。

食品に対して直接または間接に使用が認められている食品添加物およびそれにかかわる規則は、連邦規則集第21巻170条から189条(21CFR170~189)に列挙されています。

使用可能な食品添加物のリストについては、関連リンクの「使用が許可されている着色料一覧」および「使用が許可されている添加物一覧(着色料以外)」から確認することが可能です。米国において新規の食品添加物を使用する場合には、GRAS通知、または食品添加物申請(Food Additive Petition:FAP)を米国食品医薬品局(FDA)に申請し、事前許可を得る必要があります。

着色料に関する規制は、合衆国法典第21巻379条(21U.S.C.379)に基づいて行われています。使用することができる着色料は、日本で許可されているものとは異なるため、FDAのウェブサイト上の「使用が許可されている着色料一覧(Color Additive Status List)」と「連邦規則集第21巻70~82条(21CFR70-82)」を確認してください。

特に、赤色102号については、日本をはじめEUやアジアの主要国では食品添加物として使用が認められていますが、米国では認められていません。また、クチナシ、ベニバナ、ベニコウジも日本では古くから着色料として広く使用されていますが、米国では現在、食品添加物として使用することはできません。

また、カリフォルニア州では発がん性など健康を損なうリスクが大きいとされる4種類の食品添加物を用いた食品製造や使用、販売を禁止するカリフォルニア州食品安全法が2023年10月に成立しました。規制対象となっているのは、臭素化植物油(VBO)、臭素酸カリウム、プロピルパラベン、および赤色3号で、2027年1月1日以降、これらの添加物を含む加工食品をカリフォルニア州で製造、販売(カリフォルニア州への輸入を含む)することが禁止されます。違反した個人や団体は、初回5,000ドル以下、2回目以降は1万ドル以下の罰金が科されます。

このほか、FDAは、トランス脂肪酸の原因となる部分水素化油脂(Partially Hydrogenated Oils:PHOs)について「安全と認められる(generally regarded as safe: GRAS)食品」ではないとし、2018年6月18日までに添加物として承認を受けていないかぎり、使用を禁止しました。これを受け、食品事業者は、PHOsを使用しない代替材料への切り替え、またはPHOsの使用継続許可に関する食品添加物申請(food additives petition)を提出することが求められています。

5. 食品包装(食品容器の品質または基準)

調査時点:2023年9月

栄養補助食品は、食品の一分類のため食品包装規制の対象となります。

食品の製造、包装、梱包、輸送または保管に用いられる資材を構成している物質であって、食品の性質に技術的な影響を与えないものを食品接触物質(Food Contact Substances:FCS)といいます〔食品医薬品化粧品法第409条(h)(6)、合衆国法典21USC348(h)(6)〕。米国食品医薬品局(FDA)は、食品接触物質を間接添加物(Indirect additive)として、食品添加物と定義しています。なお、包装などの資材を構成している成分が溶出し食品に移行するかどうかを確認する責任は、資材の製造業者あるいは供給業者が負うことになります。

食品接触物質は、FDA規則に合致している物質(次の1参照)でない場合は、FDAへの食品接触物質通知(次の2参照)が必要です。

1. 食品接触物質の規制の適合確認
次の規則に当てはまらない食品接触物質は、米国で使用する前に、製造業者、供給業者、またはその代理人によってFDAへの食品接触物質通知をしなければなりません。
  • 間接添加物(連邦規則集第21巻第174条から第179条:21CFR Part174-179)
  • GRAS(連邦規則集第21巻第182条、第184条、第186条:21CFR Part182,184,186)
  • 1958年以前に容認されている物質(Prior Sanctioned Material, 連邦規則集 第21巻第181条: 21CFR Part181)
  • 規制の適用除外になる物質(Threshold of Regulation Exemption, 連邦規則集 第21巻第170.39条:21 CFR Part170.39)
2. FDAへの食品接触物質通知(Food Contact Substance Notification)
食品接触物質の製造業者あるいは供給業者は、市販の120日以上前にその物質の情報をFDAに通知しなければなりません(連邦規則集第21巻第170.100条: 21CFR Part170.100)。通知から120日の間にFDAから異議申し出がない場合はその通知が有効となり、食品接触物質の使用が合法となります(連邦規則集第21巻第170.104条:21CFR Part170.104)。ただし、食品接触物質通知は、申請した製造業者に対して有効となるものであるため、同じ物質であっても申請した製造業者以外の製造業者には、通知の効果は及びません。提出方法および提出先については関連リンクの「申請フォームFDA3480」を参照してください。
3. PFAS
PFASとは、パーフルオロアルキル物質およびポリフルオロアルキル物質と呼ばれる化学物質の部類で、非粘着性およびグリース(潤滑性)、耐油性、耐水性に優れた特性により調理器具、食品包装、および食品加工において使用されています。FDAは食品接触物質として長鎖PFASを2011年に禁止しましたが、短鎖PFASは許可してきました。しかし、FDAは、6:2フルオロテロマーアルコール(6:2 FTOH)を含む短鎖PFASの安全性に関しても懸念し、規制の変更措置を取り始めています。
さらに、米国環境保護庁(EPA)が飲料水に関する規制を発表し、米国素材メーカーの3Mが2025年末までの製造および使用の中止を発表しています。 また、FDAの連邦レベルにおける動きだけでなく、ワシントン州、ニューヨーク州、カリフォルニア州などいくつかの州が既にその州で食品包装のPFASを禁止し始めているため注意が必要です。
4. フタル酸エステル類
FDAは、可塑剤、接着剤、消泡剤、表面潤滑剤、樹脂、および殺ダニ剤として使用される23種類のフタル酸エステルと、ほかの2つの物質の食品接触使用許可を取り消しました。この措置により、これらのフタル酸エステルは、連邦規則集第21巻第175条から第178条:21CFR Part175~178の規制によって認可された物質のリストから削除され、食品接触用途ではフタル酸エステルの使用は残り9つに制限されます。このうち8つは可塑剤としての使用が許可され、1つはモノマーとしての使用が許可されています。
連邦レベルのFDAのみならずミネソタ州、ミシガン州、ニュージャージー州、ニューヨーク州は現在、立法会議でフタル酸エステル類を制限する法案を検討しています。メイン州では食品包装中のフタル酸エステル類の禁止法が2019年に可決されているなど注意が必要です。
5. 食品包装用リサイクルプラスチック
米国では、プラスチックを含む使用済みリサイクル(PCR: post-consumer recycled)材料の使用を増やすことに重点が置かれています。一方で、食品接触物品におけるPCRプラスチック材料の使用に関するFDAの主な安全上の懸念は、次の3点です。
  1. PCR材料中の汚染物質がリサイクル材料から作られた最終的な食品接触物品に出現することで食品に移行する可能性があること、
  2. 8PCR材料は食品接触用途として規制されていない可能性があること8
  3. PCRプラスチック中のアジュバント(添加剤・補助物質)は食品接触用途としての規制を順守していない可能性があること
リサイクルプラスチックから作られた食品接触物品の製造業者は、未使用の材料と同様に、リサイクルされた材料が意図された用途に適した純度であり、未使用の材料のすべての既存の仕様を満たすことを保証する責任があります。
リサイクルポリマーに新規添加物を使用する場合、あるいは未使用ポリマーに現在許可されている添加物の量を超えて認可された添加物を使用する場合は、食品接触物質通知(FCN)または食品添加物申請(food additives petition)が必要です。
FDAは、食品包装材メーカーがPCRプラスチックを食品包装材に使用するための工程を評価する際の参考として「産業界向けガイダンス - 食品包装における再生プラスチックの使用:化学上の検討事項(Guidance for Industry - Use of Recycled Plastics in Food Packaging: Chemistry Considerations)」を作成しています。また、FDA は食品接触物品の製造に使用されるPCRプラスチックを製造するための特定のプロセスの適合性に関して肯定的な意見を出した申請のリストを公開しています。

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6. ラベル表示

調査時点:2023年9月

栄養補助食品については、1994年の栄養補助食品健康および教育法Dietary Supplement Health and Education Act of 1994(DSHEA)の下で1997年に制定された連邦規則集21CFR Part101.36に従う必要があります。さらに、DSHEAを順守した成分表示、ヘルスクレーム・栄養成分含有強調表示をする際に、製造業者と販売業者は、医薬品であると思わせるような宣伝・広告にならないこと、消費者の誤解を招かないような製品・パッケージの表示をすることが義務付けられています。

栄養補助食品を商業目的で米国に輸入するには、米国税関・国境取締局(CBP)および米国食品医薬品局(FDA)が定める表示を行わなければなりません。一般的に表示しなければならない項目は次のとおりです。また、表示は英語で行わなければなりません。詳しくは、FDAの「食品表示ガイド」および「栄養補助食品表示ガイド」で確認してください。

なお、2016年に栄養補助食品に記載が必要な栄養成分表示に関しては、ビタミンA、ビタミンCや脂肪分からのカロリー表示は不要になり、一方ビタミンD、カリウム、添加された糖分(added sugars)の表示が必要になりました。詳細はFDAのウェブサイト「栄養成分表示改正にかかる産業界向けリソース」などを参照してください。

主要表示パネル:PDP(Principal Display Panel)
  1. 食品名/識別事項:食品の名称はdietary supplementとするか、または、dietaryの代わりに成分を表示し、supplementと組み合わせても良い。
  2. 正味内容量:正味内容量は、重量、寸法、錠剤やカプセルの数、またはそれらを組み合わせて表示します。
情報パネル:IP(Information Panel)
  1. 原材料名:アレルギー物質を使用している場合には、その原材料名を明確に表示しなければなりません。表示が義務付けられているアレルギー物質は、乳、卵、魚(例えば、ヒラメ、タラ)、甲殻類(例えば、カニ、ロブスター、エビ)、ナッツ(例えば、アーモンド、クルミ、ピーカン)、ピーナッツ、小麦および大豆に加え2023年1月1日からゴマについてもアレルギー表示が義務化され、全部で9種類となります。魚、甲殻類、ナッツについては、その種も明記する必要があります。
  2. 栄養成分表示:標題を「サプリメント表示(Supplement Facts)として、サプリメント表示には次の項目を記します。
    • サービングサイズ(serving size, 1食あたりの標準摂取量)
    • 当該容器サイズ(servings per container, 1パックがサービングサイズのいくつ分か。正味内容量表示欄に表示されている場合は省略できます。)
    • 含有する栄養成分の名称および量(amount per serving)、1日摂取量(Daily Reference Value)に占める割合
  3. 製造業者か流通業者、包装業者のいずれかの名称と住所
  4. 警告および取り扱い上の注意
  5. 原産国

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7. その他

調査時点:2023年9月

新規栄養成分
日本で販売されているものであっても、米国において新しいとされる栄養成分をサプリメントの成分として販売する場合には、新規栄養成分通知(New Dietary Ingredient Notification:NDIN)の申請が必要となります。新規栄養成分(New Dietary Ingredient:NDI)とは、1994年10月14日以前(DSHEA施行以前)に米国内でサプリメントの成分として販売されていなかったものを指しますが、その時点までに販売されていた栄養成分のリストは米国食品医薬品局(FDA)から公表されていないため、調査し確認する必要があります。
新規サプリメント原材料の申請は、同成分が米国での食経験(既に食として米国で一般的に消費されていること)がない場合、サプリメントの成分としての安全性について科学的な根拠を実証し、説明する必要があります。また、食品の添加物として安全であると公的に認証されているGRAS物質である成分について、化学的に変換を加えていない場合は、サプリメントの成分として使用することができます。
NDINは、サプリメントを米国で販売する75日前までにFDAへ提出する必要があります。FDAは、栄養補助食品の新規栄養成分申請に際し、必要な資料(連邦規則集第21巻第190.6条:21CFR Part190.6)をすべて受け取ってから公式に審査を開始します。FDAからの回答については、異議なしで新成分を許可するもの、追加で資料、データの請求をするもの、または栄養補助食品の成分として問題ありとする不許可のいずれかの通知がきます。FDAは、次のリンクに新規栄養成分通知の申請に際する提出書類を添付していますが、これは必要な資料をそろえるためのチェックリストのような役割であり、提出自体はこのフォームを使う必要はありません。
また、FDAは、業界向けのガイダンスの案である「市販前通知の要件の対象となる特定の新規栄養成分および栄養補助食品に関する方針」を2022年5月に発表しました。
食品の衛生および安全性
米国に輸入される栄養補助食品の安全は、FDAが所轄しています。米国向けの栄養補助食品を製造、包装、表示、および保管する施設は、食品の衛生および安全性を確保することを目的とした21CFR Part111の栄養補助食品の現行適正製造規範(CURRENT GOOD MANUFACTURING PRACTICE IN MANUFACTURING, PACKAGING, LABELING, OR HOLDING OPERATIONS FOR DIETARY SUPPLEMENTS)に従った衛生管理を行う必要があります。また、新たに規定された21CFR Part117のサブパートBの現行適正製造規範(Current Good Manufacturing Practice)についても、連邦規則集第21巻第111条(21CFR Part111)の内容と矛盾しないかぎり順守する必要があります。
なお、2011年1月に成立した食品安全強化法(Food Safety Modernization Act:FSMA)第103条により、米国で消費される食品を製造/加工、梱包、保管する施設は、危害分析およびリスクに基づく予防管理(Hazard Analysis and Risk Based Preventive Controls)を順守する必要があります。この内容は、21CFR Part 111の現行適正製造規範(CGMP)の要件を順守している完成品の栄養補助食品の製造、加工、梱包または保管を行う施設については免除となっていますが、栄養補助食品の原材料(成分)については適用対象となっています。
さらに、食品関連施設(食品の製造、加工、包装、保管施設)は、FSMA第106条により、食品防御計画(Food Defense Plan)として、異物混入などの食品不良事故が起こりそうな工程を特定させるなど意図的な食品不良事故を防止する措置が義務付けられています。
また、栄養補助食品の輸入業者は、第301条により、外国供給業者検証プログラム(Foreign Supplier Verification Program:FSVP)として、輸入食品に対する安全検証を行う必要があります。主に完成品の栄養補助食品の輸入業者は、FSVP標準要件のほぼすべて(危害分析の要件を除く)を順守する必要がありますが、検証活動は栄養補助食品のCGMP規則(第21巻第111条:21CFR Part 111)の順守に焦点を当てることになります。

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バイオテロ法(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(401KB)
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米国連邦規則集
その他参考情報
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米国での輸入手続き

1. 輸入許可、輸入ライセンス等、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)

調査時点:2023年9月

日本から栄養補助食品を輸入するためには、一般食品と同様に、製造/加工、梱包、保管施設は、米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)への食品施設登録と事前通知などが必要となります。詳細は、「輸入規制」の「2.施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)」を参照してください。

輸入者側で用意すべき書類は原材料によって異なりますが動物由来(畜肉、乳、卵など)の原材料が含まれている場合はUSDA(米国農務省)からの許可証が必要な場合があります。輸入許可証の要否はUSDA APHISのVSパーミットアシスタント(Veterinary Services Permitting Assistant)で確認が可能です。輸入許可証が必要な場合にはUSDAのVS Permit Form 16-3フォームを使用し取得します。

FSVP 規則の適用対象となる輸入業者は、自身が FDA の要求事項を順守していることを示すための情報として、輸入申告時に米国税関・国境取締局(CBP)の輸入検査システム(ACE)を通じて、固有の施設識別情報(UFI)を提出する必要があります。

2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2023年9月

日本から栄養補助食品を輸入するにあたって、通関に必要な書類は次のとおりです。

【通関書類】
  1. エントリーマニフェスト(CBP Form 7533)あるいは貨物引き取り申告(CBP Form 3461)、またはポートディレクターが要求する商品の引き取りに必要なその他の書類
  2. 通関権の証明(※)海上輸送の場合はBill of Lading、航空輸送の場合は「air waybill」
  3. 商業インボイスなど
  4. パッキング・リスト
  5. その他輸入が認められるか否かを判断するために必要な関連資料・情報(エントリーサマリー (CBP Form 7501)、輸入許可証(動物由来の原材料が含まれている場合に求められることもあり)、原産地証明(必ずしも必要ではないが求められることもあり)、など)
  6. インポート・セキュリティ・ファイリング(Import Security Filing: ISF)。(海上輸送で米国に輸入される貨物は、最後の外国港を出発する24時間前にISFの申請が必要となります。)

関連リンク

その他参考情報
CBPから入手できる主な情報
ジェトロから入手できる主な情報

3. 輸入時の検査・検疫

調査時点:2023年9月

FDAの所管の下にある栄養補助食品については、バイオテロ法(the Public Health Security and Bioterrorism Preparedness and Response Act of 2002 (The Bioterrorism Act))および食品安全強化法などの法律が適用されます。そのため輸入通関地において、FDAによるサンプリング検査が行われる場合もあります。さらに当該検査を効率的、より確実にすることを目的として、貨物が米国に到着する前の一定期間までに、FDAに対し貨物の情報を輸出ごとに事前通知する義務が課されています。

米国への栄養補助食品の輸入には、FDAからの輸入許可証の取得などは課されていません。ランダムチェックの対象として検査される可能性はあるものの、通常は検査・検疫の対象とはなっていないものとみられます。

差し止め対象になるものは、ラベル表示が医薬品と思わせるよう訴求しているもの、使用が認められていない原材料が含まれている場合、医薬品の成分が栄養補助食品に含まれている場合などです。

4. 販売許可手続き

調査時点:2023年9月

米国で栄養補助食品を販売するのに必要となる、連邦政府が定める特別な免許や登録はありませんが、一般的に食品の販売には、州、地方自治体が定める免許の取得や事業の登録が必要です。これらは、州、地方自治体が独自に定めており、業態などによって必要となる手続きは異なります。詳しくは、州、地方自治体のウェブサイトで確認してください。

関連リンク

その他参考情報
カリフォルニア州公衆衛生局(CDPH)から入手できる主な情報
ニューヨーク州政府から入手できる主な情報

5. その他

調査時点:2023年9月

なし

米国内の輸入関税等

1. 関税

調査時点:2023年9月

米国に栄養補助食品を輸入・販売するにあたって、輸入業者は、関税を納付しなければなりません。日本から米国へ輸入される栄養補助食品に課せられる関税は次のとおりです。栄養補助食品に対する関税率は品目によって大幅に異なります。例えば、HSコード2936のビタミン剤などは無税、HSコード2106.10.00のプロテインは6.4%です。関税表は、米国国際貿易委員会(USITC)が管理しています。
関税率については、関連リンクの「世界各国の関税率(World Tariff)」で確認してください。

栄養補助食品の関税率
HSコード 税率
2106:
ほかの項目で特定されていない食品(プロテインパウダーを含む)
6.4%(プロテイン濃縮物など)
2.9¢/kg(粉乳やホエイ等を原料にしたもの)
2936:
ビタミン剤等
無税

2. その他の税

調査時点:2023年9月

州、地方自治体へ納付する売上税
米国内では地方自治体により売上税が課されます。州ならびに郡や市の地方自治体により売上税の合計税率は異なるため、USITC、CBP、州、地方自治体のウェブサイトで確認する必要があります。

関連リンク

関係省庁
米国国際貿易委員会(USITC)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
米国税関・国境警備局(CBP)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
その他参考情報
米国国土安全保障省・税関・国境警備局(CBP)から入手できる主な情報
ジェトロから入手できる主な情報

3. その他

調査時点:2023年10月

商業貨物税関使用料、港湾維持料
輸入者は栄養補助食品の輸入にあたって、関税だけでなく商業貨物税関使用料(Merchandise Processing Fee:MPF)を納付する必要があります。正式通関(Formal Entry)の場合、MPFは輸入申告価格(FOB価格)の0.3464%で、最低31.67ドル、最高614.35ドルです。さらに、船便による輸入の場合には、輸入者は貨物価格の0.125%の港湾維持料(Harbor Maintenance Fee:HMF)を納付する必要があります。これらは米国税関・国境取締局(CBP)が徴収しています。