日本からの輸出に関する制度 栄養補助食品の輸入規制、輸入手続き

米国の輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2021年9月

これまで米国は、東京電力福島第一原子力発電所事故の影響により、県単位での輸入停止措置を講じていましたが、2021年9月22日に撤廃され輸出が可能となりました。
栄養補助食品は農産物のような本項目に関する直接的な検査対象にはなりませんが、安全な原材料を使って製造することは製造業者の責任となります。

米国の食品安全基準に違反していないことの証明または米国側でのサンプリング検査などを課しています。輸入警告(インポートアラート)は米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)のウェブサイトで公開されています 。

2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)

調査時点:2019年7月

米国では、規制上、栄養補助食品は食品の一部として扱われており、食事を補助することを目的とした製品で健康な人を対象にしています。製造、品質管理、表示などは1994年の栄養補助食品健康および教育法Dietary Supplement Health and Education Act of 1994(DSHEA)によって規制されています。

日本から栄養補助食品を輸入するためには、一般食品と同様に食品施設登録と事前通知などが必要となります。

また、輸入通関にあたって、輸出者側で用意すべき書類は原材料によって異なりますが動物由来の原材料が含まれている場合はUSDA(米国農務省)からの許可や日本からの獣医証明書が必要な場合があります。動物由来の原材料が含まれている場合にはUSDAのVS Permit Form 16-3というフォームを使用し輸入許可証を取得する必要があります。

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2019年7月

米国に輸入される栄養補助食品については米国食品医療品局(FDA)の所管ですが、動物由来の原料を使用している食品は、米国農務省(US Department of Agriculture:USDA)の動植物検査局(Animal and Plant Health Inspection Service:APHIS)と食品安全検査局(Food Safety and Inspection Service:FSIS)も関連している可能性があります。APHISは動植物検疫、FSISはヒトの健康に対する安全性を担当しています。

また、FDAの管轄下にある栄養補助食品については、バイオテロ法〔the Public Health Security and Bioterrorism Preparedness and Response Act of 2002(The Bioterrorism Act)〕および食品安全強化法などの法律が適用されます。そのため輸入通関地において、FDAによるサンプリング検査が行われる場合もあります。さらに当該検査を効率的かつ、より確実に実施することを目的として、貨物が米国に到着する前の一定期中に、FDAに対し貨物の重要情報を輸出ごとに事前通知する義務が課されます。

米国への栄養補助食品の輸入には、FDAなどからの輸入許可書の取得などは課されていません。

米国の食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2019年7月

米国における栄養補助食品の定義は、食事を補完することを目的とする加工品(たばこを除く)であって、栄養成分(dietary ingredients)を1つ以上含むものをいいます。また、栄養成分とは、ビタミン、ミネラル、ハーブその他の植物、アミノ酸など、食事を補完するための栄養物質、または、これらの成分の濃縮体、代謝体、構成物質、抽出物、混合物をいいます〔(FD&C法第201条(ff)(合衆国法典第21巻第321条(21.U.S.C.321(ff))〕。

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根拠法等
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2. 残留農薬および動物用医薬品

調査時点:2019年7月

栄養補助食品の製造は農産物のような直接的な検査対象にはなりませんが、残留農薬などの規則を順守した安全な原材料を使って製造することは製造業者の責任となります。

米国における農薬の規制は環境保護庁(EPA)と米国食品医療品局(FDA)が管轄しています。EPAは農薬の種類と最大残留農薬限度(MRL)の承認と登録、FDAは食品についてEPAが設定した規制を執行する役割を担っています。

EPAは、農薬成分および農作物ごとに残留農薬の許容量を設定(ポジティブリスト制)しており、その基準を満たしていなければなりません。なお、一部の農薬成分については、人体に安全だとして許容量の設定を免除しているものもあります。残留農薬の許容量に関する詳細は、「関連リンク」の「その他参考情報」にある米国農薬情報センター〔National Pesticide Information Center(NPIC)〕のウェブサイトで確認してください。

EPAが残留農薬の許容量の設定も免除も行っていない農薬成分が残留している製品は、輸入することができないため、日本から米国向けの輸出にあたっては、使用が可能である農薬か否か、そして残留する農薬の許容値について事前に確認しておく必要があります。

また、許容量が設定されている農薬成分が残留しているものについては、次の3つの条件をすべて満たさなければなりません。(1)加工前の原料における残留農薬が許容量を超えていないこと。(2)現行適正製造規範(CGMP)に基づく製造工程が行われ、残留農薬ができる限り取り除かれていること。(3)加工後の製品の残留農薬が、加工前の原料の許容量を超えていないこと。

食品の残留農薬の基準に関する詳細は、「米国連邦規則集第40巻パート180(40CFR Part180)」に係る説明項目(Indexes to Part 180 Tolerance Information for Pesticide Chemicals in Food and Feed Commodities)で確認してください。

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3. 重金属および汚染物質

調査時点:2019年7月

栄養補助食品は、食品の一分類のため重金属規制の対象となります。

食品に含まれる有毒および有害な物質の許容量は、食品医薬品化粧品法第406条に基づく規則で定められています。現在、米国食品医療品局(FDA)が規則で食品に関して暫定残留許容濃度を定めている物質は、ポリ塩化ビフェニール類(PCB類)のみで(21CFR Part109.30)、ヒ素および有害重金属などの汚染に関する規制については、総括的な法的水準は決められていないのが現状です。それぞれの有毒・有害物質が長期的に健康に与える影響は不明確とし、有害な物質の含有はなるべく避けることが望ましいとされています。

1. 有毒・有害物質の欠陥対策レベル
FDAは、有毒・有害物質に関する欠陥対策レベルをガイダンス「ヒト向け食品および動物飼料に含まれる有毒・有害物質に関する対策レベル」として2000年に発行しています。同ガイダンスでは、19種類の有毒・有害物質について、食品と飼料の品目別に対策レベルの値(ppmなど)が設定されています。各物質の欠陥対策レベルの値は食品によって異なりますが、同ガイダンスでは、例えばアフラトキシンについて「一般食品」においては20ppbと設定しています。
なお、このガイダンスには規則のような法的拘束力はありませんが、FDAが法的措置を発動するかどうかを決定する際の基準と位置付けられています。従って、有毒・有害物質の含有量が欠陥対策レベルを下回っている必要があります。
また、FDAは個別の製品カテゴリーに鉛の上限を定めているケースがあります。例えば、ボトル入り水については5ppb、子供がよく消費するジュースやキャンデーについても、ジュースは50ppb、キャンデーは0.1ppmを上限としています。
2. トータルダイエットスタディに基づく参考指標
米国では、1991年からさまざまな食品に含まれる物質(ヒ素および有害重金属などを含む)のトータルダイエットスタディ(Total Diet Study:TDS)が実施されており、FDAのウェブサイト上で結果が公開されています。これは法的に設定された許容量や基準値ではありませんが、米国で消費されているさまざまな食品中におけるヒ素や有害重金属などの含有量について、最小値、最大値、平均値などを知ることができるため、参考指標として有効利用することができます。ただし、当資料には具体的な栄養補助食品に関するサンプリング結果は見当たりません。
3. その他
米国では、連邦レベルより州レベルでさらに厳しい規制を設けている場合があるため、詳しくは、州、地方自治体のウェブサイトで確認してください。
一般的に、カリフォルニア州は、全米で最も食品に対する規制が厳しいとされています。具体的には、カリフォルニア州法プロポジション65(安全飲料水および有害物質施行法:Prop.65)の警告表示に係る改正で、2018年8月30日以降は、警告文に有害物質名を少なくとも一種類表示し、その物質を’含む’ではなく、’暴露する’という表現にする、インターネットでの販売にも該当する製品には警告文の表示をすることが義務付けられました。なお、生殖毒性があるとされるビスフェノールA(BPA)に関しては、当該製品の容器に表記する、または小売店の棚の表示でも製品を明確にすることにより消費者などに警告することが義務付けられました。BPAに関しては、緊急法に基づく暫定措置として、全体警告を認め、個々の商品もしくは商品棚への警告の義務は免れていましたが、2017年12月30日で終了し、2017年12月31日以降は個々の商品もしくは商品棚への警告表示が必要となり、全体警告も認められません。Prop.65の有害物質リストは900種類以上に及び、年に2~3回はリストの内容が変更されるので、確認の際には必ず直近のリストを参照してください。

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4. 食品添加物

調査時点:2019年7月

栄養補助食品は、食品の一分類であるため食品添加物規制の対象となります。

米国に輸入される栄養補助食品に含まれる食品添加物に関する規制は、合衆国法典第21巻348条(21U.S.C.348)Food Additivesに基づいて行われています。食品添加物の定義は、合衆国法典第21巻321条(21U.S.C.321)により規定されており、食品に対して直接または間接に使用が認められている食品添加物やそれに係る規則は、米国連邦規則集第21巻170条から189条(21CFR170~189)に列挙されています。

米国において新規の食品添加物を使用する場合には、GRAS通知、または食品添加物申請(Food Additive Petition:FAP)を米国食品医療品局(FDA)に申請し、事前許可を得る必要があります。

なお、食品の製造、包装、梱包、輸送または保管または輸送に用いられる資材を構成している物質であって、食品の性質に技術的な影響を与えないものを食品接触物質とよび、食品添加物として定義しています。食品接触物質に関する情報は、後述の「食品包装規制」の項目を参照してください。

着色料に関する規制は、合衆国法典第21巻379条(21U.S.C.379)に基づいて行われています。使用することができる着色料は、日本で許可されているものとは異なるため、FDAのウェブサイト上の「使用が許可されている着色料一覧(Color Additive Status Lis)」と「米国連邦規則集第21巻70~82条(21CFR70-82)」を確認してください。

特に、赤色102号については、日本をはじめEUやアジアの主要国では食品添加物として使用が認められていますが、米国では認められていません。また、クチナシ、ベニバナ、ベニコウジも日本では古くから着色料として広く使用されていますが、米国では現在、食品添加物として使用することはできません。

5. 食品包装(食品容器の品質または基準)

調査時点:2019年7月

栄養補助食品は、食品の一分類のため食品包装規制の対象となります。

食品の製造、包装、梱包、輸送または保管に用いられる資材を構成している物質であって、食品の性質に技術的な影響を与えないものを食品接触物質(Food Contact Substances:FCS)といいます〔食品医薬品化粧品法第409条(h)(6)、合衆国法典21USC348(h)(6)〕。米国食品医療品局(FDA)は、食品接触物質を間接添加物(Indirect additive)として、食品添加物と定義しています。なお、包装などの資材を構成している成分が溶出し食品に移行するかどうかを確認する責任は、資材の製造業者にゆだねられています。

食品接触物質は、FDA規則に合致している物質(次の1参照)でない場合は、FDAへの食品接触物質通知(次の2参照)が必要です。

1. 食品接触物質の規制の適合確認
次の規則に当てはまらない食品接触物質は、FDAへの食品接触物質通知をしなければなりません。
  • 間接添加物(連邦規則集21CFR Part174~179)
  • GRAS(連邦規則集21CFR Part182,184,186)
  • 1958年以前に容認されている物質(Prior Sanctioned Material, 連邦規則集 21CFR Part181)
  • 規制の適用除外になる物質(Threshold of Regulation Exemption, 連邦規則集 21 CFR Part170.39)
2. FDAへの食品接触物質通知(Food Contact Substance Notification
食品接触物質の製造業者あるいは供給業者は、市販の120日以上前にその物質の情報をFDAに通知しなければなりません(連邦規則集21CFR Part170.100)。通知から120日の間にFDAから異議申し出がない場合はその通知が有効となり、食品接触物質の使用が合法となります(連邦規則集21CFR Part170.104)。ただし、食品接触物質通知は、申請した製造業者に対して有効となるものであるため、同じ物質であっても申請した製造業者以外の製造業者には、通知の効果は及びません。提出方法および提出先については関連リンクの「申請フォームFDA3480」を参照してください。
なお、カリフォルニア州におけるビスフェノールA(BPA)の警告表示については、食品関連の規制「3. 重金属および汚染物質」を参照してください。

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6. ラベル表示

調査時点:2019年7月

栄養補助食品については、栄養補助食品健康教育法の下で1997年に制定された連邦規則集21CFR Part101.36に従う必要があります。さらに、DSHEAを順守した成分表示、ヘルスクレーム・栄養成分含有強調表示をする際に、製造業者と販売業者は、医薬品であると思わせるような宣伝・広告にならないこと、消費者の誤解を招かないような製品・パッケージの表示をすることが義務付けられています。栄養補助食品を商業目的で米国に輸入するには、米国税関・国境警備局(CBP)および米国食品医療品局(FDA)が定める表示を行わなければなりません。一般的に表示しなければならない項目は次のとおりです。また、表示は英語で行わなければなりません。詳しくは、FDAの「食品表示ガイド」で確認してください。

なお、2016年の改正後も、栄養補助食品に記載が必要な成分表示に関しては大幅な改正はありませんが、ビタミンA、ビタミンCや脂肪分からのカロリー表示は不要になり、一方ビタミンD、カリウム、添加された糖分表示が必要になりました。詳細はFDAの「栄養成分表示改正にかかる産業界向けリソース」などをご参照ください。

主要表示パネル:PDP(Principal Display Panel
  1. 食品名称/識別事項:食品の名称はdietary supplementとするか、または、dietaryの代わりに成分を表示し、supplementと組み合わせても良い。
  2. 正味内容量:正味内容量は、重量、寸法、錠剤やカプセルの数、またはそれらを組み合わせて表示します。
情報パネル:IP(Information Panel
  1. 原材料名:アレルギー物質を使用している場合には、その原材料名を明確に表示しなければなりません。表示が義務付けられているアレルギー物質は、乳、卵、魚(例えば、ヒラメ、タラ)、甲殻類(例えば、カニ、ロブスター、エビ)、ナッツ(例えば、アーモンド、クルミ、ピーカン)、ピーナッツ、小麦および大豆の8種類の食品群です。
  2. 栄養表示:標題を「サプリメント表示(Supplement Facts)として、サプリメント表示には次の項目を記します。
    (1)サービングサイズ(serving size, 1食あたりの標準摂取量)
    (2)当該容器サイズ(servings per container, 1パックがサービングサイズのいくつ分か。正味内容量表示欄に表示されている場合は省略できます。)
    (3)含有する栄養成分の名称および量(amount per serving)、1日摂取量(Daily Reference Value)に占める割合
  3. 製造業者か流通業者、包装業者のいずれかの名称と住所
  4. 警告および取り扱い上の注意
  5. 原産国

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7. その他

調査時点:2019年7月

新規栄養成分
日本で販売されているものであっても、米国において新しいとされる栄養成分をサプリメントの成分として販売する場合には、新規栄養成分通知(New Dietary Ingredient Notification:NDIN)の申請が必要となります。新規栄養成分(New Dietary Ingredient:NDI)とは、1994年10月14日以前(DSHEA施行以前)に米国内でサプリメントの成分として販売されていなかったものを指しますが、その時点までに販売されていた栄養成分のリストは米国食品医療品局(FDA)から公表されていないため、調査し確認する必要があります。
新規サプリメント原材料の申請は、同成分が米国での食経験(すでに食として米国で一般的に消費されていること)がない場合、サプリメントの成分としての安全性について科学的な根拠を実証し、説明する必要があります。また、食品の添加物として安全であると公的に認証されているGRAS物質である成分について、化学的に変換を加えていない場合は、サプリメントの成分として使用することができます。
NDINは、サプリメントを米国で販売する75日前までにFDAへ提出する必要があります。FDAは、栄養補助食品の新規栄養成分申請に際し、必要な資料(21CFR 190.6)をすべて受け取ってから公式に審査を開始します。FDAからの回答については、異議なしで新成分を許可するもの、追加で資料、データの請求をするもの、または栄養補助食品の成分として問題ありとする不許可のいずれかの通知がきます。FDAは、次のリンクに新規栄養成分通知の申請に際する提出書類を添付していますが、これは必要な資料をそろえるためのチェックリストのような役割であり、提出自体はこのフォームを使う必要はありません。
食品の衛生および安全性
米国に輸入される栄養補助食品の安全は、FDAが所轄しています。米国向けの栄養補助食品を製造、包装、表示、および保管する施設は、食品の衛生および安全性を確保することを目的とした21CFR Part111の栄養補助食品の現行適正製造規範(CURRENT GOOD MANUFACTURING PRACTICE IN MANUFACTURING, PACKAGING, LABELING, OR HOLDING OPERATIONS FOR DIETARY SUPPLEMENTS)に従った衛生管理を行う必要があります。また、新たに規定された21CFR Part117のサブパートBの現行適正製造規範(Current Good Manufacturing Practice)についても、21CFR Part111の内容と矛盾しないかぎり順守する必要があります。
なお、2011年1月に成立した食品安全強化法(Food Safety Modernization Act:FSMA)第103条により、米国で消費される食品を製造/加工、梱包、保管する施設は、危害分析およびリスクに基づく予防管理(Hazard Analysis and Risk Based Preventive Controls)を順守する必要があります。この内容は、21CFR Part 111の現行適正製造規範(CGMP)の要件を順守している完成品の栄養補助食品の製造、加工、梱包または保管を行う施設については免除となっていますが、栄養補助成分については適用対象となっています。
また、栄養補助食品の輸入業者は、第301条により、外国供給業者検証プログラム(Foreign Supplier Verification Program:FSVP)として、輸入食品に対する安全検証を行う必要があります。主に完成品の栄養補助食品の輸入業者は、FSVP標準要件のほぼすべて(危害分析の要件を除く)を順守する必要がありますが、検証活動は栄養補助食品のCGMP規則(21CFR Part 111)の順守に焦点を当てることになります。
さらに、2019年7月以降は、第106条に基づき「意図的な食品不良事故の防止(食品防御)」にも対応する必要があります。適用対象や要件などの詳細は、関連リンクの「食品安全強化法(FSMA)に関する情報」(ジェトロ)で確認してください。

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根拠法等
バイオテロ法(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(401KB)
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米国での輸入手続き

1. 輸入許可、輸入ライセンス等、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)

調査時点:2019年7月

日本から栄養補助食品を輸入するためには、一般食品と同様に食品施設登録と事前通知などが必要となります。詳細は、「輸入規制」の「2.施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)」を参照してください。

2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2019年7月

「輸入規制」の「2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)」を参照してください。

3. 輸入時の検査・検疫

調査時点:2019年7月

ランダムチェックの対象として検査される可能性はあるものの、通常は検査・検疫の対象とはなっていないものとみられます。差し止め対象になるものは、ラベル表示が医薬品と思わせるよう訴求が謳われているもの、使用禁止の原材料が含まれている場合、または医薬品の成分が栄養補助食品に含まれている場合などです。

4. 販売許可手続き

調査時点:2019年7月

米国で健康補助食品を販売するのに必要となる、連邦政府が定める特別な免許や登録はありませんが、一般的に食品の販売には、州、地方自治体が定める免許の取得や事業の登録が必要です。これらは、州、地方自治体が独自に定めており、業態などによって必要となる手続きは異なります。詳しくは、州、地方自治体のウェブサイトで確認してください。

5. その他

調査時点:2019年7月

なし

米国内の輸入関税等

1. 関税

調査時点:2019年7月

米国に輸入される栄養補助食品は、関税の対象となります。栄養補助食品に対する関税率は品目によって異なりますが、大半が無税から6.4%の範囲にあります。例えば、HS Code 2936のビタミン剤などは無税、HS Code 2106.10.00のプロテインは6.4%です。関税表は、米国国際貿易委員会(USITC)が管理しています。
関税率については、関連リンクの「世界各国の関税率(WorldTariff)」で確認してください。

2. その他の税

調査時点:2019年7月

1. 州、地方自治体へ納付する売上税
米国内では地方自治体により売上税が課されます。州ならびに郡や市の地方自治体により売上税の合計税率は異なるため、USITC、CBP、州、地方自治体のウェブサイトで確認する必要があります。

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米国税関・国境警備局(CBP)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
その他参考情報
米国国土安全保障省・税関・国境警備局(CBP)から入手できる主な情報
ジェトロから入手できる主な情報

3. その他

調査時点:2019年7月

1. 商業貨物税関使用料、港湾維持料
輸入者は栄養補助食品の輸入にあたって、関税だけでなく商業貨物税関使用料(Merchandise Processing Fee:MPF)を納付する必要があります。正式通関(Formal Entry)の場合、MPFは輸入申告価格(FOB価格)の0.3464%で、最低26.22ドル、最高508.70ドルです。さらに、船便による輸入の場合には、輸入者は貨物価格の0.125%の港湾維持料(Harbor Maintenance Fee:HMF)を納付する必要があります。これらは米国国土安全保障省・税関・国境警備局(CBP)が徴収しています。

その他

調査時点:2019年7月

米国食品医療品局(FDA)による食品施設の査察
米国では2011年1月4日、食品安全強化法(FSMA)が成立し、FDAの権限が多岐にわたって強化されました。FSMAの制定により日本企業への影響は、さまざまな点で生じています(「食品関連の規制」「7.その他」参照)。特に、同法の第201条に基づき、FDAによる外国の食品関連施設への査察権限が強化され、日本の食品関連施設でもFDAによる査察が実施されるようになりました。そのため、米国で消費される食品の関連施設はFDAからの査察がいつ入っても対応ができるように、米国の規則に沿った対応をすることが必要になっています。