米国の製品関連の規制
1. 製品規格
ペットフードは米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)などにより明確に定義されてはいないようですが、一般的に、飼料用に供する種類の調製品のことを指します。
2. 残留農薬および動物用医薬品
ペットフードの製造は農産物のような直接的な検査対象にはなりませんが、残留農薬などの規則を順守した安全な原材料を使って製造することは製造業者の責任となります。
米国における農薬の規制は環境保護庁(EPA)と米国食品医薬品局(FDA)が所管しています。EPAは農薬の種類と最大残留農薬限度(MRL)の承認と登録、FDAは食品についてEPAが設定した規制を執行する役割を担っています。
EPAは、農薬成分および未加工の農作物ごとに残留農薬の許容量を設定(ポジティブリスト制)しており、米国に輸入されるペットフードは、その基準を満たしていなければなりません。なお、一部の農薬成分については、安全であるとして許容量の設定を免除しているものもあります。
ペットフードに関係して残留農薬の許容量が定められている農薬・殺虫剤には、グリホサート(glyphosate)などがあります。EPA によると、除草剤に使われるグリホサートは人体に対する毒性は低いものの、 ペットが噴霧されたばかりの植物に触れたり食べたりすると、消化器疾患や腸疾患を引き起こす危険性があります。EPA は、トウモロコシ、大豆、油用種子、穀物、一部の果物や野菜を含む幅広いヒトおよび動物の食用作物に対するグリホサートの許容範囲を0.1~400ppm (パーツ・パー・ミリオン、100万分率)の範囲で定めています。
残留農薬の許容量に関する詳細は、「関連リンク」の「その他参考情報」にある農林水産省の「諸外国における残留農薬基準値に関する情報」や連邦規則集第40巻第180条(40CFR Part180)で確認してください。連邦規則集での確認方法は関連リンクからEPAのウェブサイト「残留農薬許容量情報(Part 180)の索引」を参照してください。
許容量を超えて農薬成分が残留している製品、およびEPAが残留農薬の許容量の設定も免除も行っていない農薬成分が残留している製品は、米国に輸入することができないため、日本から米国向けの輸出にあたっては、農薬の使用可否、そして残留する農薬の許容値について事前に確認しておく必要があります。
また、許容量が設定されている農薬成分が残留しているものについては、次の3つの条件をすべて満たさなければなりません。〔食品医薬品化粧品法(FD&C 法)第 408 条(a)(2)、合衆国法典21USC346a(a)(2)〕
- 加工前の原料における残留農薬が許容量を超えていないこと。
- 現行適正製造規範(CGMP)に基づく製造工程が行われ、残留農薬ができる限り取り除かれていること。
- 加工後の製品の残留農薬が、加工前の原料の許容量を超えていないこと。
なお、2021年8月にEPAは、クロルピリホスの残留農薬基準値を取り消す最終規則を公表し、2022年2月28日にすべての食品におけるクロルピリホスの残留基準値を取り消しましたが、2024年2月5日、クロルピリホスの基準値を取り消す最終規則を無効とする改正を行いました。その後、2024年12月、EPAは11種類の食品および飼料作物〔アルファルファ、リンゴ、アスパラガス、チェリー、柑橘類、綿花、桃、大豆、イチゴ、テンサイ、小麦(春小麦と冬小麦)〕を除くクロルピリホスのすべての許容値を撤回する規則案を発表するなど、調査時点において、本件については検討中です。従って、輸出前には最新情報を確認してください。
また、ペットフードは残留動物用医薬品規制の対象になります。
残留抗生物質の許容値については、米国食品医薬品局(FDA)が制定しており、同機関が制定する、肉、鶏肉、卵製品、乳製品に区分した残留許容値を各業者が順守するよう強化・監視するのが米国農務省 食品安全検査局(USDA FSIS)の役割となります。
日本と米国の相違の一例に、フルオロキノロンの使用が挙げられます。日本では抗菌剤の慎重使用として、「フルオロキノロンなどの第二次選択薬は、第一次選択薬が無効の場合にのみ使用」としていますが、FDAはラベル表示外薬品使用ELDU(Extralabel Drug Use:承認済み表示に掲載されていない目的・方法における薬品の使用)規定で、フルオロキノロンの使用を禁止しています。
肥育用ホルモン剤については、FDAが製造・販売を承認し、適正な使用方法と残留基準を設定しています。詳細については、ホルモン剤の使用方法や禁止事項について規定している連邦規則集第21巻第522条(21CFR Part522)「動物用新規医薬品の注入・投薬形態」を参照してください。
3. 重金属および汚染物質
食品に含まれるヒ素および有害重金属などの汚染に関する規制については、米国食品医薬品局(FDA)が中心に行っていますが、ペットフードに関してはガイダンス、アクションレベル、許容量などが公表されていません。それぞれの有毒・有害物質が長期的に健康に与える影響は不明確とし、有害な物質の含有は避けることが望ましいとされています。
有毒・有害物質の欠陥対策レベル
FDAは、有毒・有害物質に関する欠陥対策レベルをガイダンス「ヒト向け食品および動物飼料に含まれる有毒・有害物質に関する対策レベル」として2000年に発行しています。同ガイダンスでは、19種類の有毒・有害物質について、食品と飼料の品目別に対策レベルの値(ppmなど)が設定されています。対策レベルについては、FDAの化学物質汚染物質透明性ツールでも確認できます。
なお、このガイダンスには規則のような法的拘束力はありませんが、FDAが法的措置を発動するかどうかを決定する際の基準と位置付けられています。従って、有毒・有害物質の含有量が欠陥対策レベルを下回っている必要があります。
その他
米国では、連邦レベルより州レベルでさらに厳しい規制を設けている場合があるため、詳しくは、州、地方自治体のウェブサイトで確認してください。
一般的に、カリフォルニア州は、全米で最も食品に対する規制が厳しいとされています。具体的には、カリフォルニア州法プロポジション65(安全飲料水および有害物質施行法:Prop 65)の警告表示にかかわる改正で、2018年8月30日以降は、警告文に有害物質名を少なくとも一種類表示し、「その物質を“含む(contains)”ではなく、“有害物質に晒される(can expose you to)”という表現にする、インターネットでの販売にも該当する製品には警告文の表示をすることが義務付けられました。これはペットフードの包装材についても同様です。
2024年12月6日には、短縮形警告要件を最終決定し、次の例のように、警告文に少なくとも1つの化学物質名を含めることを義務付けました。なお、短縮形警告ではない、通常の警告表示については、変更点は特にありません。
例:
さらに、オンラインやカタログを通じて製品を販売する事業者に対する警告要件についても明確化され、インターネットでの販売については、要件を満たす警告を記載し、次のいずれかの方法を用いて提示することになりました。
- 製品表示ページに警告文を記載
- 製品表示ページ上に「WARNING」または「CA WARNING」もしくは「CALIFORNIA WARNING」という単語を用いて警告文に繋がるハイパーリンクを明示
- 購入者が購入を完了する前に、警告文をその他の方法で目立つように表示
なお、製品に関する消費者への情報に英語以外の言語が含まれている場合、Prop.65の警告は、英語に加えて、その言語でも記載することが必要です。
Prop 65の有害物質リストは1,000種類以上に及び、年に2~3回はリストの内容が更新されます。確認の際には必ず直近のリストを参照してください。
4. 食品添加物
米国に輸入されるペットフードに含まれる食品添加物に関する規制は、合衆国法典第21巻第348条(21U.S.C.348)食品添加物(Food Additives)に基づいて行われています。食品添加物の定義は、合衆国法典第21巻第321条(21U.S.C.321)により規定されており、意図的に使用することにより、直接的または間接的に食品の成分となる、またはなりうる物質、あるいは、食品の性質に影響を及ぼす、または及ぼし得る物質を食品添加物としています。動物飼料やペットフードに対して直接または間接に使用が認められている食品添加物やそれにかかわる規則は、連邦規則集第21巻第570~573条(21CFR570-573)に列挙されています。
米国において新規の食品添加物を使用する場合には、GRAS(Generally Recognized as Safe:一般に安全と認められている)通知、または食品添加物申請(Food Additive Petition:FAP)をFDAに提出し、事前許可を得る必要があります。承認されていない食品添加物をペットフードに使用することは違法です。連邦食品医薬品化粧品法(FD&C法)によれば、承認されていない食品添加物を含むヒトまたは動物用の食品は安全でなく、粗悪品とみなされます。なお、動物用食品GRAS通知インベントリのデータベースが開始されるまでの暫定的なものとして、FDAは「動物用食品GRAS通知の現在のインベントリ」という表を提供しています。
着色料に関する規制は、合衆国法典第21巻第379条(21U.S.C.379)に基づいて行われています。使用することができる着色料は、日本で許可されているものとは異なるため、FDAウェブサイトの「着色料の規制リスト」と「連邦規則集第21巻第70条から82条(21CFR70-82)」で確認してください。
特に、赤色102号については、日本をはじめEUやアジアの主要国では着色料として使用が認められていますが、米国では認められていません。また、ベニバナ、ベニコウジも日本では古くから着色料として使用されていますが、米国では使用することはできません。
2025年1月、FDAは食品への赤色3号の使用許可を取り消しました。これに伴い、食品に赤色3号を使用している製造業者は、2027年1月15日までに製品の再調製を行う必要があります。
2025年4月には、保健福祉省とFDAが、米国内の食品供給における石油由来合成着色料の段階的廃止を発表しました。主な具体的措置は次のとおりです。
- 数カ月以内に、シトラスレッドNo.2とオレンジBの2種類について、認可を取り消す手続きを開始する。(注:FDAは2025年9月17日に、オレンジBの認可取り消しを提案し、パブリックコメントを募集している。)
- FD&CグリーンNo.3(日本名 緑色3号)、FD&CレッドNo.40(日本名 赤色40号)、FD&CイエローNo.5(日本名 黄色4号)、FD&CイエローNo.6(日本名 黄色5号)、FD&CブルーNo.1(日本名 青色1号)、FD&CブルーNo.2(日本名 青色2号)を2026年末までに食品供給から排除する。
合成着色料の廃止に関連して、2025年5月に、FDAは3種類の天然由来の食品着色料(ガルディエリア、バタフライピー、リン酸カルシウム)を承認しました。さらに、2025年7月にFDAは、GMP(適正製造基準)に適合した量で、天然由来であるクチナシ(ゲニピン)青色着色料を食品(スポーツドリンク、フレーバーウオーター〔炭酸飲料を除く清涼飲料〕、果汁飲料、茶飲料、ハードキャンディ、ソフトキャンディ)に使用することを許可しました。
これらの赤色3号、石油由来合成着色料、および天然由来の食品着色料に関しての禁止、新規承認は、「食品」に適用されるものであるため、ヒト向けの食品のみならず、ペットフードへも同様に適用されます。
このほか、FDAは、トランス脂肪酸の原因となる部分水素化油脂(Partially Hydrogenated Oils:PHOs)について「安全と認められる(GRAS:Generally Recognized as Safe)食品」ではないとし、2018年6月18日までに添加物として承認を受けていない限り、使用を禁止しました。これを受け、食品事業者は、PHOsを使用しない代替材料への切り替え、またはPHOsの使用継続許可に関する食品添加物申請(food additives petition)を提出し、FDAから承認されることが求められています。
なお、米国では連邦レベルより州レベルでさらに厳しい規制を設けている場合があるため、詳しくは、州、地方自治体のウェブサイトで確認してください。
5. 製品包装(製品容器の品質または基準)
食品の製造/加工、包装、梱包、輸送または保管に用いられる資材を構成している物質であって、食品の性質に技術的な影響を与えないものを食品接触物質(Food Contact Substances:FCS)といいます〔食品医薬品化粧品法第409条(h)(6)、合衆国法典21USC348(h)(6)〕。米国食品医薬品局(FDA)は、食品接触物質を間接添加物(Indirect additive)(食品添加物の一種)として定義しています。なお、包装などの資材を構成している成分が溶出し食品に移行するかどうかを確認する責任は、資材の製造業者が負うことになります。
食品接触物質は、FDA規則に合致している物質(次項を参照)でない場合は、FDAへの食品接触物質通知が必要です。
食品接触物質の規制の適合確認
次の規則にあてはまらない食品接触物質は、FDAへの食品接触物質通知をしなければなりません。
- 間接添加物(連邦規則集第21巻第174条から第179条:21CFR Part174-179)
- GRAS(連邦規則集 第21巻第182条、第184条、第186条:21CFR Part182,184,186)
- 1958年以前に容認されている物質(Prior Sanctioned Material, 連邦規則集第21巻第181条: 21CFR Part181)
- 規制の適用除外になる物質(Threshold of Regulation Exemption, 連邦規則集 第21巻第170.39条:21 CFR Part170.39)
FDAへの食品接触物質通知(Food Contact Substance Notification)
食品接触物質の製造業者あるいは供給業者は、市販の120日以上前にその物質の情報をFDAに通知しなければなりません(連邦規則集第21巻第170.100条:21CFR Part170.100)。通知から120日の間にFDAから異議申し出がない場合はその通知が有効となり、食品接触物質の使用が合法となります(連邦規則集第21巻第170.104条:21CFR Part170.104)。ただし、食品接触物質通知は、申請した製造業者に対して有効となるもので、同じ物質であっても申請した製造業者以外の製造業者には、通知の効果は及びません。提出方法および提出先については、関連リンクを参照してください。
カリフォルニア州法プロポジション 65は、企業に対し、がん、先天性欠損症、またはその他の生殖障害を引き起こす化学物質への暴露についてカリフォルニア州民にあてた警告を表示することを求めています。カリフォルニア州民が購入する製品、自宅や職場または環境に放出される製品に含まれているものも含むため、ペットフードもカリフォルニア州民が購買しその製品に接するという意味において対象になるものとみられます。
2024年3月、FDAは、食品接触物質通知が無効であるとFDAが判断する方法と時期に関する規則(21CFR170.105および21CFR170.102)を改正する最終規則を発表しました。この最終規則が発表される前は、FDAは安全性の懸念に基づいてのみ、食品接触物質通知がもはや有効ではないと判断することができましたが、今回の改正により、FDAが安全性以外の理由で、食品接触物質通知が無効であると判断できるようになりました。安全性以外の理由とは、例えば、(1)製造会社が、その食品接触物質通知の物質を製造、供給、または使用しなくなった場合や、(2)食品接触物質通知の認可が、ほかの認可と重複した場合 (食品接触物質の使用が食品添加物規制によって既に認可されている場合、または発行された規制免除の閾値の対象である場合など) にも、FDAは食品接触物質通知が無効であると判断し、宣言することが可能です。最終規則では、安全性の懸念に基づいて認可を取り消すFDAの権限も、引き続き維持されており、一方、FDAが無効であると判断する前に、企業からFDAに関連情報を提出することも可能です。FDAは、規則改訂を通じて食品接触物質の管理プロセスをより効率的にすることが、食品化学物質の安全性を強化するアプローチの一部であるとしています。食品接触物質通知が有効であるかどうかは、FDAの「有効な食品接触物質通知一覧」から確認できます。
PFAS
PFASとは、パーフルオロアルキル物質およびポリフルオロアルキル物質と呼ばれる化学物質の総称で、非粘着性および潤滑性、耐油性、耐水性に優れた特性により調理器具、食品包装、および食品加工において使用されています。FDAは食品接触物質として長鎖PFASを2011年に禁止しましたが、短鎖PFASは許可してきました。しかし、FDAは、6:2フルオロテロマーアルコール(6:2 FTOH)を含む短鎖PFASの安全性に関しても懸念し、規制の変更措置を取り始めています。
2024年2月、FDAは、PFASを含むすべての防油剤の米国での販売を中止すると発表しました。また、2025年1月には、紙および板紙製の食品包装に防油剤として使用されているPFAS含有食品接触物質に関連する35件の食品接触通知(FCN)が無効になることを発表し、2025年1月6日以前に製造、供給、または使用された特定の紙製食品包装については、適用日が2025年6月30日と設定されました。これにより、以前は認可されていた、油や水の漏れを防ぐために紙や板紙の包装に塗布される耐油コーティングに使用される食品接触物質が使用できなくなりました。
また、FDAは、輸入警告#99-48有害な化学物質(PFASなど)を含む製品の物理的検査なし拘留により、PFASを高い濃度で含む製品の入国を拒否しています。
また、FDAの連邦レベルにおける動きだけでなく、ワシントン州、ニューヨーク州、カリフォルニア州などいくつかの州では、既に食品包装用途だけでなく、その他のPFASの使用も禁止しはじめているため注意が必要です。
さらに、米国環境保護庁(EPA)が飲料水に関する規制を発表し、米国素材メーカーの3Mが2025年末までの製造および使用の中止を発表しています。
フタル酸エステル類
FDAは、可塑剤、接着剤、消泡剤、表面潤滑剤、樹脂、および殺ダニ剤として使用される23種類のフタル酸エステルと、ほかの2つの物質の食品接触使用許可を取り消しました。この措置により、これらのフタル酸エステルは、第21巻第175条から第178条:21CFR Part175~178の規制によって認可された物質のリストから削除され、食品接触用途ではフタル酸エステルの使用は残り9つに制限されます。
連邦レベルのFDAのみならず、複数の州において、立法会議でフタル酸エステル類の使用を制限する法案を検討しています。メイン州やバーモント州では、意図的に添加されたフタル酸エステル類を含む食品包装の販売が禁止されているなど注意が必要です。
食品包装用リサイクルプラスチック
米国では、プラスチックを含む使用済みリサイクル(PCR: post-consumer recycled)材料の使用を増やすことに重点が置かれています。一方で、食品接触物品におけるPCRプラスチック材料の使用に関するFDAの主な安全上の懸念は、次の3点です。
- PCR材料中の汚染物質がリサイクル材料から作られた最終的な食品接触物品に出現することで食品に移行する可能性があること
- PCR材料は食品接触用途として規制されていない可能性があること
- PCRプラスチック中のアジュバント(添加剤・補助物質)は食品接触用途としての規制を順守していない可能性があること
リサイクルプラスチックから作られた食品接触物品の製造業者は、未使用の材料と同様に、リサイクルされた材料が意図された用途に適した純度であり、未使用の材料のすべての既存の仕様を満たすことを保証する責任があります。従って、リサイクルポリマーに新規添加物を使用する場合、あるいは未使用ポリマーに現在許可されている添加物の量を超えて認可された添加物を使用する場合は、食品接触物質通知(FCN)または食品添加物申請(food additives petition:FAP)が必要です。
FDAは、食品包装材メーカーがPCRプラスチックを食品包装材に使用するための工程を評価する際の参考として「産業界向けガイダンス - 食品包装における再生プラスチックの使用:化学上の検討事項(Guidance for Industry - Use of Recycled Plastics in Food Packaging: Chemistry Considerations)」を作成しています。また、FDA は食品接触物品の製造に使用されるPCRプラスチックを製造するための、特定のプロセスの適合性に関して肯定的な意見を出した申請のリストを公開しています。
カリフォルニア州は、ギャビン・ニューサム知事が2020年9月24日に議会法案793(AB793)に署名したことにより、プラスチックボトルに使用される再生プラスチックの最低限割合(%)を義務付ける米国初の州となりました。 この州法により、カリフォルニア州では2022年から、州の容器回収プログラムの対象となるすべてのプラスチックボトルに、少なくとも15%の再生プラスチックの使用を義務付けています。必要な再生プラスチックの割合は、2025年には25%、2030年には50%に増加します。
また、最低要件を満たさない飲料製造業者は、目標量に満たない再生プラスチック1ポンド(454グラム)につき 20セントの罰金を課されます。
報告義務と報告義務適用業者
- プラスチック材料の回収業者は、収集および販売した空のプラスチック飲料容器の量を報告する必要がある。
- 使用済みリサイクルプラスチックを再生する業者は、食品用およびボトル用のプラスチック材料の販売量を報告する必要がある。
- 飲料製造業者は、前暦年に州内で販売されたCRV(the California Refund Value:カリフォルニア州償還価値)の対象となるプラスチックボトルに使用したバージンプラスチックおよび再生プラスチックの量をポンド単位で、樹脂の種類別に報告する必要がある。
* 2023年1月1日より、要件を満たさない飲料製造業者は行政罰則の対象となり、違反に対する罰則は2024年3月1日より適用されています。
また、カリフォルニア州では2022年6月30日にSB54が成立し、次のとおり、プラスチック削減のために、生産者に使い捨て包装材および使い捨てプラスチック製の食品容器に再生材などの環境負荷の少ない素材を一定の割合以上使用することを義務付けています。
- 2032年1月1日までに州内で販売される使い捨て包装材および使い捨てプラスチック製食品容器の100%をリサイクル可能または堆肥化可能な製品とする。
- 2032年1月1日までに州内で使用される使い捨てプラスチック包装材および使い捨て食品容器の65%をリサイクルする。
- 2032年1月1日までに使い捨てプラスチック包装材および使い捨て食品容器の販売または流通を2023年比で25%削減する。
SB54は2025年4月8日に施行予定でしたが、企業や消費者にとって負担が大きいなどの理由から、米国カリフォルニア州の再生資源局(CalRecycle)はSB54を実施するための規則の修正案を公表し、2025年8月22日から同年10月7日までの間、パブリックコメントを募集しました。
6. ラベル表示
ペットフードのラベル表示は、米国食品医薬品局(FDA)規則と州レベルの二段階で規制されています。
FDA規則
ペットフード製品はFDAによる市販前承認を受ける必要はありませんが、連邦食品医薬品化粧品法(FD&C法)では、ペットフードもヒト向け食品と同様に、食するに適して安全であること、衛生的な条件下で製造され、有害物質を含まず、ならびに適切なラベルが貼られていることが義務付けられています。また、ペットフードは一般食品と同様に、公正な包装および表示法(Fair Packaging and Labeling Act)により規制されています。ペットフードを商業目的で米国に輸入する場合には、米国税関・国境取締局(CBP)およびFDAが定める表示を行わなければなりません。現行のFDA規制では、製品の適切な識別、正味量の記載、製造業者または販売業者の名称、事業所の所在地、および製品に含まれるすべての成分について、重量に基づいて多いものから少ないものへと適切に記載することが求められています。さらに、表示は英語で行わなければなりません。
なお、ペットフードのラベル表示において”natural”という用語がしばしば使用されていますが、この用語は正式に定義されていません。米国飼料検査官協会(Association of American Feed Control Officials :AAFCO)が策定した「ナチュラルと主張するためのガイドライン」によると、ほとんどの部分で、”natural”とは人工香料、人工着色料、または人工保存料が製品中にないことと同等として解釈できます。
“natural” と“organic(有機)”は同じではありません。調査時点ではペットフード用“organic(有機)”のラベル表示に関する公式な規則はありませんが、米国農務省(USDA)は、“organic(有機)”としてラベル表示されるペットフードに使用される合成添加物の種類を規定する規則を策定中です。USDAのNOP(National Organic Program)は、当面の間、オーガニックを主張するペットフードはヒト向け食品の規制を満たさなければならないとしています。
州レベルでの規制
いくつかの州では、州独自のラベル表示規制を施行しています。州レベルの規制については、その多くがAAFCOにより提供されたモデルに基づいています。AAFCO は一連の「ペットフードおよび特殊ペットフードのモデル規制」を策定し、AAFCOの公式出版物で確認することができます。AAFCO の「モデル規制」は連邦政府の要件と一致して作成されています。
「モデル規制」に基づき、ペットフード製品のラベルには次が含まれることが求められています。
- 適切な製品名
- 製品が対象としているペットの種類
- パッケージまたは容器内の食品の量を示す数量表示
- 保証された分析
- 製品の全成分のリスト(成分は、配合時の重量比率の高い順に記載。特定の割合(例えば2%)未満の成分をまとめて記載することは認められていない。)
- 必要な場合、栄養摂取の充足率に関する記載
- 必要な場合、製品の与え方の指示
- 製造業者または販売業者の名前および住所
2023年7月にAAFCOは、標準化された栄養情報、明確な成分表示、保管と取り扱いの指示を含む、新たに提案されたラベル表示ガイドラインを承認しました。AAFCO は、州の飼料規制プログラムが、2024 年の公式出版物の印刷版が入手可能になった日付から6年間、ペットフードのラベルの審査に執行裁量権を活用することを推奨しています。
主な変更は次のとおりです。
- 栄養情報表示:ヒト向け食品のラベルにより良く似た形に更新。
- 使用目的に関する記述:消費者がペットフードの目的を簡単に識別できるように、前面表示パネル下方の新しい位置に更新。
- 成分に関する記述:一貫した用語の使用を明確にし、ビタミンの括弧書きや一般名を許可するように更新。
- 取り扱いおよび保管に関する指示 (オプション):一貫性を高めるために、オプションのアイコンを更新・標準化。
関連リンク
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関係省庁
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米国保健福祉法・食品医薬品局(FDA)(英語)
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米国税関・国境取締局(CBP)(英語)
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根拠法等
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米国連邦規則集
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合衆国法典
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米国連邦規則集
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その他参考情報
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米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)から入手できる情報
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米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)から入手できる情報
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米国農務省(USDA)から入手できる主な情報
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連邦取引委員会(FTC)から入手できる情報
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AAFCOから入手できる主な情報
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ジェトロから入手できる主な情報
7. その他
製品の衛生および安全性
米国に輸入される動物飼料、ペットフードの安全は米国食品医薬品局(FDA)が所管しています。米国に動物飼料、ペットフードを輸出する製造/加工、梱包、保管施設は、食品の衛生および安全性を確保することを目的とした現行適正製造規範(Current Good Manufacturing Practice Requirements for Food for Animal:CGMP)に従った衛生管理などを行う必要があります。
また、2011年1月に成立した食品安全強化法(Food Safety Modernization Act:FSMA)第103条により米国で消費される動物向け食品を製造/加工、梱包、保管する施設は、危害分析およびリスクに基づく予防管理(Hazard Analysis and Risk Based Preventive Controls)として、食品安全計画の策定と実施が義務付けられています。
輸入業者は、第301条により、外国供給業者検証プログラム(Foreign Supplier Verification Program:FSVP)として、輸入食品に対する安全検証活動を実施する必要があります。
ペットフードは第106条に基づく「意図的な食品不良事故の防止(食品防御)」への対応は免除されています。
米国食品安全強化法の適用対象や要件などの詳細は、関連リンクの「食品安全強化法(FSMA)に関する情報」(ジェトロ)で確認してください。
なお、次の場合には、特別な食品安全規制がかかるため留意し、米国に輸出する前に規制内容を確認するとともに、輸出業者、現地の輸入業者、通関業者などに輸入の適否を確認する必要があります。
- 常温流通される密封容器入りの低酸性食品と酸性化食品
- 原料に牛乳、脱脂粉乳、生クリーム、練乳などを使用した製品
- 原料に畜肉、家きん肉(エキスを含む)、卵由来の原料を使用した製品
一部のペットフード製品は、動物の栄養ニーズを満たし、腎臓病や糖尿病などの特定の病気を治療または予防することを目的とした完全食として調合されていることから、2016年にFDA はそのような製品に関するFDA の現在の考え方を概説したコンプライアンスポリシーガイドを作成しました。コンプライアンスポリシーガイドでは、病気の治療または予防を目的とした完全食としてのペットフードを違法に販売している可能性のある企業に対して、規制措置を講じるかどうかを決定する際に、FDA がどのような要素を考慮するのかについて説明しています。
食品医薬品化粧品法(FD&C法)は「医薬品」という用語に「ヒトまたはほかの動物の病気の治療または予防に使用することを目的とした物」を含むと定義しています。 しかし、病気の治療や予防を目的とした完全食としてのペットフードのほとんどは動物用医薬品として承認されておらず、その場合はFDAにより、未承認の動物用医薬品とみなされることに注意が必要です。
米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)による食品施設の査察
米国では2011年1月4日、食品安全強化法(FSMA)が成立し、FDAの権限が多岐にわたって強化されました。FSMAの制定により日本企業への影響は、さまざまな点で生じています。特に、同法の第201条に基づき、FDAによる国外の食品関連施設への査察権限が強化され、日本の食品関連施設でもFDAによる査察が実施されるようになりました。さらに、2025年5月6日にFDAは、国外の食品製造施設に対する予告なし査察を拡大する意向を発表しました。そのため、米国で消費される食品の関連施設はFDAからいつ査察が入っても対応ができるように、米国の規則に沿った運営をすることが必要です。