牛乳・乳製品の輸入規制、輸入手続き
品目の定義
本ページで定義する牛乳・乳製品のHSコード
- 0401:
- 牛乳とクリーム(濃縮されておらず、砂糖やその他甘味料が添加されていない)
- 0402:
- 牛乳とクリーム(濃縮されている、または砂糖やその他甘味料が添加されている)
- 0403:
- バターミルク、凝乳およびクリーム、ヨーグルト、ケフィア、その他発酵または酸性化された牛乳およびクリーム(濃縮されているか、味付けされているか、砂糖、甘味料、果物、ナッツ、もしくはココアが添加されているかどうかを問わない)
- 0404:
- ホエイ(濃縮されているかどうか、砂糖やその他の甘味料が添加されているかどうかを問わない)および天然乳成分からなる製品(砂糖または他の甘味料が添加されているかどうかにかかわらず、他の項に含まれていない)
- 0405:
- 牛乳を原料としたバターやその他の油脂; デイリースプレッド
- 0406:
- チーズおよびカード
- 2105:
- アイスクリームおよびその他の食用氷(ココアを含むかどうかを問わない)
具体的な製品の内容により異なる場合があるため、詳細は必ず確認してください。
関連リンク
- 根拠法等
- 合衆国法典
米国の輸入規制
1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)
調査時点:2021年9月
これまで米国は、東京電力福島第一原子力発電所事故の影響により、県単位での輸入停止措置を講じていましたが、2021年9月22日に撤廃され輸出が可能となりました。
関連リンク
- 関係省庁
-
農林水産省
-
米国食品医薬品局(FDA)(英語)
- 根拠法等
-
インポートアラート(英語)
- その他参考情報
-
農林水産省・米国による日本産食品の輸入規制の撤廃について(東日本大震災関連)
2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)
調査時点:2021年9月
日本から乳製品を輸入するためには、米国食品医薬品局(FDA)に食品施設登録と事前通知などが必要となります。詳細は、関連リンクの食品施設登録(英語)および事前通知(英語)を参照してください。
さらに、乳製品は多くの場合米国農務省(USDA)の管轄でもあり、日本からの乳製品輸入にはVSパーミット(USDAのAPIHS発行の獣疫許可)や証明書が必要となる場合があります。
各乳製品の種類や形態、殺菌方法、含まれている原材料などにより必要な許可やその取り扱いが細かく異なっているため、USDAが発行している「動物性製品のマニュアル」(Animal Products Manual)の3-14を参照してください。乳製品を含んだ菓子類についても同様です。
また、牛乳およびクリームの輸入については、FDAが管理する連邦輸入牛乳法(Federal Import Milk Act:FIMA)の対象になります。FIMAに基づく輸入許可証の発行にあたり、次の要求事項があります。
- 輸入時の一年以内の期間にすべての牛が健康であるということを実際に確認する必要があります。
- 輸入時に牛乳またはクリームが生の場合(低温殺菌で処理された場合を含む)、すべての牛は輸入の一年以内の期間にツベルクリン試験に合格する必要があります。
- 酪農場および牛乳またはクリームが処理される各工場は検査され、衛生基準が満たされている必要があります。
- 輸入時の生乳、生クリーム、低温殺菌牛乳、低温殺菌クリームの細菌数は制限を超えてはいけません。
- 輸入時の牛乳またはクリームの温度は50ºF(10ºC)を超えてはいけません。
また、次のカテゴリーに入る乳製品については輸入前の手続きが必要です。米国に輸出する前に、輸出業者、現地の輸入業者、通関業者などに輸入の適否も含め、確認してください。
- 密封容器(レトルトパッケージや缶詰など)入りの低酸性缶詰食品(常温流通)と酸性化食品(常温流通)
- ○水分活性が0.85より高く、pHが4.6より高い、密封・常温で流通する食品は、低酸性缶詰食品として、連邦規則集21CFR Part108および113が適用されます。当該食品を製造/加工、梱包する施設は、食品缶詰施設登録様式FDA-2541、またはオンラインのFDA産業システム(FDA Industry Systems)により施設(FCE)登録を行う必要があります。また、それぞれの食品、容器の大きさと種類、製造方法ごとに、殺菌条件などの製造工程に関する情報を様式FDA-2541d、もしくは2541f、2541gの適切なフォームでFDAに提出しなければなりません。
- ○水分活性が0.85より高く、酸または酸性食品を加えることによりpHを4.6以下の酸性状態にした加工食品を密封・常温で流通する場合は、酸性化食品として、連邦規則集21CFR Part108および114が適用されます。当該食品を製造/加工、梱包する施設は、食品缶詰施設登録様式FDA-2541、またはオンラインのFDA産業システム(FDA Industry Systems)により施設(FCE)登録を行う必要があります。また、それぞれの食品、容器の大きさと種類、製造方法ごとに、殺菌条件などの製造工程に関する情報を様式FDA-2541eでFDAに提出しなければなりません。
なお、一貫して冷蔵または冷凍で保存・流通させる場合は、FCE登録や製造工程情報の提出は不要です。
関連リンク
- 関係省庁
-
米国食品医薬品局(FDA)(英語)
-
米国農務省動植物検疫局(USDA APHIS)(英語)
-
米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS)(英語)
-
米国税関国境保護局(CBP)(英語)
-
農林水産省
-
農林水産省・動物検疫所
- 根拠法等
- 連邦規則集
- 連邦規則集
- その他参考情報
- 米国農務省(USDA)から入手できる主な情報
- 食品医薬品局(FDA)から入手できる主な情報
- ジェトロから入手できる主な情報
3. 動植物検疫の有無
調査時点:2021年9月
USDA APHISにより輸出国政府発行の証明書が必要な乳製品は、日本の動物検疫所による輸出検疫が必要です。証明書の要否は、USDAが発行している「動物性製品のマニュアル」(Animal Products Manual)の3-14で確認してください。
動物検疫の詳細は、関連リンクの動物検疫所のウェブサイト「乳製品の検疫開始について」を参照してください。
関連リンク
- 関係省庁
-
農林水産省・動物防疫所
- その他参考情報
- 米国農務省(USDA)から入手できる主な情報
-
動物検疫所「乳製品の検疫開始について」
米国の食品関連の規制
1. 食品規格
調査時点:2021年9月
米国連邦規則集、第21巻パート1240.3 「一般的定義」そして第21巻パート131により、乳製品とは健康な乳生産動物から得られた乳汁分泌物、またはそれを主原料に作られた食品と定義されています。また、第21巻パート131により乳製品各カテゴリーについての詳細も定められています。
関連リンク
- 関係省庁
-
米国食品医薬品局(FDA)(英語)
- 根拠法等
- 連邦規則集
2. 残留農薬および動物用医薬品
調査時点:2021年9月
残留農薬に関する規制には該当しませんが、残留動物用医薬品規制の対象になります。 残留抗生物質の許容値については、米国食品医薬品局(FDA)が制定しており、同機関が制定する、肉、鶏肉、卵製品、乳製品に区分した残留許容値を各業者が順守するよう強化・監視するのが米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS)の役割となります。
日本と米国の相違の一例に、フルオロキノロンの使用が挙げられます。日本国内の抗菌剤の慎重使用では、「フルオロキノロンなどの第二次選択薬は、第一次選択薬が無効の場合にのみ使用」としていますが、FDAはラベル表示外薬品使用ELDU(Extralabel Drug Use:承認済み表示に掲載されていない目的・方法における薬品の使用)規定で、フルオロキノロンの使用を禁止しています。
肥育用ホルモン剤については、FDAが製造・販売を承認し、適正な使用方法と残留基準を設定しています。詳細については、関連リンクの連邦規則集第21巻第522条「動物用新規医薬品の注入・投薬形態」を参照してください。
関連リンク
- 関係省庁
-
米国食品医薬品局(FDA)
-
米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS)
- 根拠法等
- 連邦規則集
- 合衆国法典
- その他参考情報
-
食品医薬品局(FDA)から入手できる主な情報
-
抗菌剤の慎重投与について(英語)
(「慎重使用のカタログ Judicious Use Brochures」ページ内 「牛肉獣医師における抗生物質の慎重投与 Judicious Use of Antimicrobials for Beef Cattle Veterinarians」参照) -
承認済み動物医薬品(水産向けを含む)データベース(英語)
-
抗菌剤の慎重投与について(英語)
3. 重金属および汚染物質
調査時点:2021年9月
食品に含まれる有毒および有害な物質の許容量は、食品医薬品化粧品法第406条に基づく規則で定められています。現在、FDAが規則で食品に関して暫定残留許容濃度を定めている物質は、ポリ塩化ビフェニール類(PCB類)のみで(21CFR Part109.30)、紙製の食品包装材のPCBの残留物に対する暫定的な許容量は10ppmとなっています。一方で、ヒ素および有害重金属などの汚染に関する規制については、総括的な法的水準は決められていないのが現状です。それぞれの有毒・有害物質が長期的に健康に与える影響は不明確とし、有害な物質の含有は避けることが望ましいとされています。
(1)有毒・有害物質の欠陥対策レベル
FDAは、有毒・有害物質に関する欠陥対策レベルをガイダンス「ヒト向け食品および動物飼料に含まれる有毒・有害物質に関する対策レベル」として2000年に発行しています。同ガイダンスでは、19種類の有毒・有害物質について、食品と飼料の品目別に対策レベルの値(ppmなど)が設定されています。
なお、このガイダンスには規則のような法的拘束力はありませんが、FDAが法的措置を発動するかどうかを決定する際の基準と位置付けられています。したがって、有毒・有害物質の含有量が欠陥対策レベルを下回っている必要があります。
(2)トータルダイエットスタディに基づく参考指標
米国では、1991年からさまざまな食品に含まれる物質(ヒ素および有害重金属などを含む)のトータルダイエットスタディ(Total Diet Study:TDS)が実施されており、FDAのウェブサイト上で結果が公開されています。これは法的に設定された許容量や基準値ではありませんが、米国で消費されているさまざまな食品中におけるヒ素や有害重金属などの含有量について、最小値、最大値、平均値などを知ることができるため、参考指標として有効利用することができます。
2006年から2013年に行ったサンプリングでは次のような結果となっており、米国で消費されている食品に含まれるヒ素および有害重金属などの参考指標として活用することができます。ここでは例として、低脂肪液状チョコレートミルク、チョコレートミルクシェイク、プロセスチーズ、ナチュラルチーズについて取り上げます。
乳製品に含まれるヒ素および有害重金属などの参考指標(mg/kg)
名称 | 最小値 | 最大値 | 平均値 |
---|---|---|---|
ヒ素 | 0 | 0 | 0 |
カドミウム | 0 | 0.005 | 0.002 |
銅 | 0 | 0.4 | 0.2 |
鉛 | 0 | 0.008 | 0.0003 |
マンガン | 0 | 0.46 | 0.28 |
亜鉛 | 3.7 | 5.0 | 4.3 |
名称 | 最小値 | 最大値 | 平均値 |
---|---|---|---|
ヒ素 | 0 | 0 | 0 |
カドミウム | 0 | 0.007 | 0.001 |
銅 | 0 | 1.0 | 0.4 |
鉛 | 0 | 0.008 | 0.0003 |
マンガン | 0 | 1.1 | 0.41 |
亜鉛 | 3.5 | 6.5 | 4.5 |
名称 | 最小値 | 最大値 | 平均値 |
---|---|---|---|
ヒ素 | 0 | 0.022 | 0.001 |
カドミウム | 0 | 0.013 | 0.001 |
銅 | 0 | 0 | 0 |
鉛 | 0 | 0 | 0 |
マンガン | 0 | 0.77 | 0.11 |
亜鉛 | 22.8 | 32.6 | 26.6 |
名称 | 最小値 | 最大値 | 平均値 |
---|---|---|---|
ヒ素 | 0 | 0 | 0 |
カドミウム | 0 | 0 | 0 |
銅 | 0 | 0 | 0 |
鉛 | 0 | 0 | 0 |
マンガン | 0 | 1.1 | 0.08 |
亜鉛 | 32.6 | 42.5 | 38.4 |
(3)その他
米国では、連邦レベルより州レベルでさらに厳しい規制を設けている場合があるため、詳しくは、州、地方自治体のウェブサイトで確認してください。
一般的に、カリフォルニア州は、全米で最も食品に対する規制が厳しいとされています。具体的には、カリフォルニア州法プロポジション65(安全飲料水および有害物質施行法:Prop.65)の警告表示に係る改正で、2018年8月30日以降は、警告文に有害物質名を少なくとも一種類表示し、その物質を’含む’ではなく、’暴露する’という表現にする、インターネットでの販売にも該当する製品には警告文の表示をすることが義務付けられました。また、酒類を含む発酵食品に天然に存在する物質であるカルバミン酸エチルもProp.65に含まれます。Prop.65の有害物質リストは900種類以上に及び、年に2~3回はリストの内容が更新されます。2021年6月にも新たに4つの発がん性物質の追加の意向が発表されています。確認の際には必ず直近のリストを参照してください。
また、近年、Prop.65の有害化学物質のアクリルアミドについて警告文がない事による訴訟が急増していましたが、2021年3月に連邦裁判所はアクリルアミドを対象としたProp.65訴訟を一時的に禁止する暫定的な差し止め命令を発行しました。
アクリルアミドはアミノ酸と糖分が加熱される際に自然に発生する物質で、食品製造工程において添加されるものではありません。カリフォルニア州は現在次のような修正案を協議中ですが、まだ結論は出ていません。
- 製造会社が現在可能な限り、アクリルアミドを最小化する製造プロセスを取っていればProp.65の対象外となる
- 食品別に最大許容量を設定する
関連リンク
- 関係省庁
-
米国食品医薬品局(FDA) (英語)
-
米国カリフォルニア州環境保護庁有害物質管理局(OEHHA)(英語)
- その他参考情報
- 食品医薬品局(FDA)から入手できる主な情報
- 米国カリフォルニア州環境保護庁有害物質管理局(OEHHA)から入手できる主な情報
- ジェトロから入手できる主な情報
4. 食品添加物
調査時点:2021年9月
米国に輸入される牛乳・乳製品に含まれる食品添加物に関する規制は、合衆国法典第21巻第348条(21U.S.C.348)Food Additivesに基づいて行われています。食品添加物の定義は、合衆国法典第21巻第321条(21U.S.C.321)により規定されており、食品への直接または間接に使用が認められている食品添加物やそれに係る規則は、米国連邦規則集第21巻第170条から第189条(21CFR Part170~189)に列挙されています。
米国において新規の食品添加物を使用する場合には、GRAS通知、または食品添加物申請(Food Additive Petition(FAP))をFDAに申請し、事前許可を得る必要があります。
なお、食品の製造、梱包、包装、輸送または保管に用いられる材料を構成している物質であって、食品の性質に技術的な影響を与えないものを食品接触物質と呼び、食品添加物として定義しています。食品接触物質に関する情報は、「5.食品包装規制」の項目を参照してください。
着色料に関する規制は、合衆国法典第21巻第379条(21U.S.C.379)に基づいて行われています。使用することができる着色料は、日本で許可されているものとは異なるため、FDAウェブサイト上の「使用が許可されている着色料一覧(Color Additive Status List)」と「米国連邦規則集第21巻パート第70~82条(21CFR Part70~82)」を事前に確認してください。
関連リンク
- 関係省庁
-
米国食品医薬品局(FDA)(英語)
- 根拠法等
- 連邦規則集
- 合衆国法典
- その他参考情報
-
食品医薬品局(FDA)から入手できる主な情報
-
食品添加物に関する情報(英語)
-
食品添加物申請(FAP)について(英語)
(" Petition Guidance"内、"Food Additive Petition Submission"参照。) -
動物向けFAP(食品添加物申請)に関するページ(英語)
-
GRAS通知に関するベージ(英語)
-
使用が許可されている着色料一覧(英語)
-
使用が許可されている添加物一覧(着色料以外)(英語)
-
食品添加物に関する情報(英語)
- ジェトロから入手できる主な情報
5. 食品包装規制(食品容器の品質または基準)
調査時点:2021年9月
食品の製造、梱包、包装、輸送または保管に用いられる資材を構成している物質であって、食品の性質に技術的な影響を与えないものを食品接触物質(Food Contact Substances:FCS)といいます(食品医薬品化粧品法第409条(h)(6)、合衆国法典21U.S.C.348(h)(6))。FDAは、食品接触物質を間接添加物(Indirect additive)として、食品添加物として定義しています。なお、包装などの資材を構成している成分が溶出し食品に移行するかどうかを確認する責任は、資材の製造業者が負うことになります。
食品接触物質は、FDA規則に合致している物質(次の(1)を参照)でない場合は、FDAへの食品接触物質通知(次の(2)を参照)が必要です。
(1)食品接触物質の規制の適合確認
次の規則にあてはまらない食品接触物質は、FDAへの食品接触物質通知をしなければなりません。
- 間接添加物(連邦規則集21CFR Part174~179)
- GRAS(連邦規則集21CFR Part182,184,186)
- 1958年以前に容認されている物質(Prior Sanctioned Material, 連邦規則集21CFR Part181)
- 規制の適用除外になる物質(Threshold of Regulation Exemption, 連邦規則集21 CFR Part170.39)
(2)FDAへの食品接触物質通知(Food Contact Substance Notification)
食品接触物質の製造業者あるいは供給業者は、市販の120日以上前にその物質の情報をFDAに通知しなければならなりません(連邦規則集21CFR Part170.100)。通知から120日の間にFDAから異議申し出がない場合はその通知が有効となり、食品接触物質の使用が合法となります(連邦規則集21CFR Part170.104)。ただし、食品接触物質通知は、申請した製造業者に対して有効となるものであるため、同じ物質であっても申請した製造業者以外の製造業者には、通知の効果は及びません。提出方法および提出先については、関連リンクの「申請フォームFDA3480」を参照してください。
関連リンク
- 関係省庁
-
米国食品医薬品局(FDA)(英語)
- 根拠法等
-
連邦規則集
-
第21巻170条(21CFR170)「食品添加物」(英語)
-
第21巻174条(21CFR174)「間接食品添加物:一般」(英語)
-
第21巻175条(21CFR175)「間接食品添加物: 接着およびコーティングの成分」(英語)
-
第21巻176条(21CFR176)「間接食品添加物:紙およびボール紙の成分」(英語)
-
第21巻177条(21CFR177)「間接食品添加物:ポリマー」(英語)
-
第21巻178条(21CFR178)「間接食品添加物: 補助剤、生産補助具、殺菌剤」(英語)
-
第21巻179条(21CFR179)「食品の製造、処理、取扱いにおける放射線照射」(英語)
-
第21巻181条(21CFR181)「事前に容認されている食品成分」(英語)
-
第21巻182条(21CFR182)「一般的に安全と認識される物質」(英語)
-
第21巻184条(21CFR184)「一般に安全と確定されている直接食品物質」(英語)
-
第21巻186条(21CFR186)「一般に安全と確定されている間接食品物質」(英語)
-
第21巻170条(21CFR170)「食品添加物」(英語)
- その他参考情報
- 食品医薬品局(FDA)から入手できる主な情報
- ジェトロから入手できる主な情報
6. ラベル表示
調査時点:2021年9月
乳製品を小売用の食品として商業目的で米国に輸入するには、米国税関・国境警備局(CBP)およびFDAが定める表示を行わなければなりません。条件によっては表示義務が免除されますが、一般的に表示しなければならない項目は次のとおりです。表示は英語で行わなければなりません。詳しくは、関連リンクのFDAの「食品表示ガイド」を確認してください。
- 主要表示パネル:PDP(Principal Display Panel)
-
- 食品名称/識別事項
- 内容量・正味重量
- 情報パネル:IP(Information Panel)
-
- 原材料名(未加工で生鮮の場合は必要ない。ただし、2種類以上の原材料〔添加物を含む〕が使用されている場合は、それぞれの名称を表示しなければならない。
- 栄養成分表示
- 製造業者、包装業者、流通業者のいずれかの名称と住所
- 警告および取り扱い上の注意
- 原産国
なお、4.栄養成分表示について、2016年7月26日に改正法が施行されました。改正のポイントは次のとおりです。
- 消費者に見てほしいサービングサイズやカロリーの文字をより大きく太字にして強調すること。
- 栄養素表示に”added sugars”を新たに追加すること。
- ビタミンA、ビタミンCの代わりにビタミンDとカリウムの表示を追加すること。
関連リンク
- 関係省庁
-
米国食品医薬品局(FDA) (英語)
-
米国税関国境保護局(CBP)(英語)
- 根拠法等
- 合衆国法典
- 連邦規則集
- その他参考情報
- 食品医薬品局(FDA)から入手できる主な情報
- 連邦取引委員会(FTC)から入手できる情報
- ジェトロから入手できる主な情報
7. その他
調査時点:2021年9月
米国で販売される乳製品の安全性は、FDAが所管しています。米国に乳製品を輸出する製造/加工、梱包、保管施設は、食品の衛生および安全性を確保することを目的とした現行適正製造規範(Current Good Manufacturing Practice In Manufacturing, Packing or Holding Human Food:CGMP)に従った衛生管理を行う必要があります。
また、2011年1月に成立した食品安全強化法(Food Safety Modernization Act:FSMA)第103条により、米国で消費される食品を製造/加工、梱包、保管する施設は、危害分析およびリスクに基づく予防管理(Hazard Analysis and Risk Based Preventive Controls)として、食品安全計画の策定と実施が義務付けられています。輸入業者も、第301条により、外国供給業者検証プログラム(Foreign Supplier Verification Program:FSVP)として、輸入食品に対する安全検証活動を実施する必要があります。さらに、2019年7月以降は、第106条に基づき「意図的な食品不良事故の防止(食品防御)」にも対応する必要があります。適用対象や要件などの詳細は、関連リンクのジェトロの「食品安全強化法に関する情報」で確認してください。
関連リンク
- 関係省庁
-
米国食品医薬品局(FDA) (英語)
-
農林水産省
- 根拠法等
- 合衆国法典
- 連邦規則集
-
バイオテロ法
(402KB)
- その他参考情報
- 食品医薬品局(FDA)から入手できる主な情報
- ジェトロから入手できる主な情報
米国での輸入手続き
1. 輸入許可、輸入ライセンス等、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)
調査時点:2021年9月
乳製品の輸入に必要な書類は個別製品の詳細によって異なるため、米国農務省(USDA)発行の「動物性製品のマニュアル」(Animal Products Manual)などを参考にして十分な注意と確認が必要です。VSパーミットの要否については、USDA APHISのVeterinary Services Permitting Assistant で確認や申請が可能です。USDAの動植物検疫検査局(APHIS)に直接問い合わせることもできます。
【問い合わせ先】
National Center for Import and Export at(301)851-3300
AskNIES.Products@aphis.usda.gov
また、牛乳およびクリームの輸入については、米国食品医薬品局(FDA)が管理する連邦輸入牛乳法(Federal Import Milk Act:FIMA)の対象になります。FIMAは米国の乳業を促進し、公衆衛生を保護する目的で米国への牛乳とグリームの輸入を規制するもので、有効な輸入牛乳許可書の保有者のみが、牛乳またはクリームを米国に出荷または輸送できるとしています。FDAが発行する輸入牛乳許可書は毎年更新する必要があります。
FIMAに基づき、輸入許可が必要となる牛乳・クリームは次のとおりです。
- 牛乳、低脂肪牛乳、脱脂乳または無脂肪牛乳、強化牛乳、フレーバーミルク、濃縮牛乳、およびウルトラフィルタードミルク(Milk, Low fat Milk, Skim or Nonfat Milk, Fortified Milk, Flavored Milk, Concentrated Milk, and Ultra Filtered Milk)
- クリーム、ハーフアンドハーフクリーム、ヘビークリーム、ライトクリーム、ライト ホイップクリーム(Cream, Half-And-Half, Heavy Cream, Light Cream, and Light Whipping Cream )
一方、不要なものは次のとおりです。
- サワークリーム、発酵牛乳、酸乳、ヨーグルト、チーズ、アイスクリーム、エッグノッグ(Sour Cream, Cultured Milk, Acidified Milk, Yogurt, Cheese, Ice Cream, and Eggnog)
- 加糖練乳、無糖練乳、粉乳、脱脂粉乳、ビタミン A、D を強化した脱脂粉乳、その他 の脱水粉乳(Sweetened Condensed Milk, Evaporated Milk, Dried Milk, Nonfat Dry Milk, Nonfat Dry Milk fortified with vitamins A and D, and other dehydrated milk products )
- 21 CFR 108.35 および 113 の要件(低酸性缶詰食品)に従って商業的に無菌になるように処理され、密閉容器に包装されている場合でほかの許可が必要となっている乳製品 (Any of the dairy products for which a permit is otherwise required if they have been processed and packaged in hermetically sealed containers so as to be commercially sterile in accordance with the requirements of 21 CFR 108.35 and 113)
関連リンク
- 関係省庁
-
米国農務省食品安全検査局(USDA APHIS)(英語)
- その他参考情報
- 米国農務省(USDA)から入手できる主な情報
2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)
調査時点:2021年9月
日本から牛乳・乳製品を輸入するにあたって、通関に必要な書類は次のとおりです。
通関書類
- エントリーマニフェスト(CBP Form 7533)あるいは貨物引き取り申告(CBP Form 3461)、またはポートディレクターが要求する商品の引き取りに必要なその他の書類
- 通関権の証明
- 商業インボイスなど
- パッキング・リスト
- その他輸入が認められるか否かを判断するために必要な関連資料・情報(Entry Summary (CBP Form 7501)、船荷証券(Bill of Lading)、獣疫輸入許可証、原産地証明(必ずしも必要ではないが求められることもあり)、輸出検疫証明書など)
- インポート・セキュリティ・ファイリング(Import Security Filing: ISF)。(海上輸送で米国に輸入される貨物は、最後の外国港を出発する24時間前にISFの申請が必要となります。)
日本から乳製品を輸入するためには、FDAに食品施設登録と事前通知などが必要となります。詳細は「輸入規制」の「2.施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)」を参照してください。
関連リンク
- ジェトロから入手できる主な情報
3. 輸入時の検査・検疫
調査時点:2021年9月
乳製品の検疫は、USDAの動植物検疫検査局(APHIS)が管轄しています。
APHISは、米国に輸入される製品の状態と出荷書類などの必要添付書類を確認することで審査しますが、サンプリング検査の対象となる場合があります。出荷書類とVSパーミットに記載されている内容(製品の描写、形態、輸入業者、輸出業者、日付など)が一致していない場合、輸入拒否されます。
関連リンク
- 関係省庁
-
米国食品医薬品局(FDA)(英語)
-
米国農務省動植物検疫局(USDA APHIS)(英語)
-
農林水産省・動物検疫所
- 根拠法等
- 連邦規則集
- その他参考情報
- 米国農務省(USDA)から入手できる主な情報
- 食品医薬品局(FDA)から入手できる主な情報
- ジェトロから入手できる主な情報
4. 販売許可手続き
調査時点:2021年9月
米国で乳製品を販売するのに必要となる連邦政府が定める免許や登録はありませんが、一般的に食品の販売には、州、地方自治体が定める免許の取得や事業の登録が必要です。これらは、州、地方自治体が独自に定めており、業態などによって必要となる手続きは異なります。詳しくは、州、地方自治体のウェブサイトで確認してください。
なお、倉庫業、ラベル貼付や再梱包も行う施設の場合は、FDAへの食品関連施設登録が必要です。
関連リンク
- その他参考情報
- ジェトロから入手できる主な情報
5. その他
調査時点:2021年9月
なし
米国の輸入関税等
1. 関税
調査時点:2021年9月
米国に乳製品を輸入・販売するにあたって、輸入業者は関税を納付しなければなりません。日本から米国へ輸入される乳製品に課せられる関税は次のとおりです。日本から米国に輸入される乳製品に課せられる関税は、種類により大幅に異なり、それぞれ「世界各国の関税率(World Tariff)」で検索可能です。
なお、牛乳とクリームには関税率割当(TRQ)があります。関税率割当の対象となる乳製品は、通常、輸入者が低関税率を利用するためにUSDAのFAS(Foreign Agricultural Service)からライセンスを取得する必要があります。輸入者は毎年9月1日から10月15日の間にライセンスを申請しなければなりません。詳細はUSDAのDairy Import Licensing Programを確認してください。
HSコード | 税率 |
---|---|
0401: 牛乳とクリーム; 濃縮されておらず、砂糖やその他甘味料が添加されていない |
0.34¢/liter ~77.2¢/liter 12.3¢/Kg~$1.646/Kg |
0402: 牛乳とクリーム; 濃縮されている、または砂糖やその他甘味料が添加されている |
3.3¢/Kg~$1.556/Kg 17.5% $1.104/Kg +14.9% 46.3¢/Kg +14.9% |
0403: バターミルク、凝乳およびクリーム、ヨーグルト、ケフィア、その他発酵または酸性化された牛乳およびクリーム (濃縮されているか、味付けされているか、砂糖、甘味料、果物、ナッツ、もしくはココアが添加されているかどうかを問わない) |
17%~20% 0.34¢/liter ~77.2¢/liter 3.3¢/Kg~$1.646/Kg $1.035/Kg +17% $1.034/Kg +17% |
0404: ホエイ (濃縮されているかどうか、砂糖やその他の甘味料が添加されているかどうかを問わない)および天然乳成分からなる製品(砂糖または他の甘味料が添加されているかどうかにかかわらず、他の項に含まれていない) |
8.5%~14.5% 0.34¢/liter 0.37¢/Kg~87.6¢/Kg $1.035/Kg +8.5% $1.189/Kg +8.5% |
0405: 牛乳を原料としたバターやその他の油脂; デイリースプレッド |
6.4%~10% 12.3¢/Kg~$1.996/Kg $1.865/Kg +8.5% 70.4¢/Kg +8.5% |
0406: チーズおよびカード |
0%~25% $1.055/Kg~$2.269/Kg |
2105: アイスクリームおよびその他の食用氷 (ココアを含むかどうかを問わない) |
16%(以下に注記)~20% 50.2¢/kg+17% |
2019年12月4日に日本国会で承認された日米貿易協定(2020年1月1日発効)により、原産地規則を満たす一部の加工食品が米国側で関税削減または撤廃の対象となります。例えばHS code 2105に含まれるアイスクリーム・氷菓子のMFN関税(最恵国税率)は一般的には20%ですが、同協定により段階的に5年目に50%関税削減されることとなっており、現時点では16%となっています。関税表は米国国際貿易委員会(USITC)が管理しています。
関連リンク
- 関係省庁
-
米国国際貿易委員会(USITC) (英語)
-
米国税関国境保護局(CBP)(英語)
- 根拠法等
- 合衆国法典
- 連邦規則集
- その他参考情報
-
USTIC 関税率表(英語)
-
USTIC 2021 HTSA(英語)
-
2021年州および地方売上税率(米国税金基金)(英語)
- 米国農務省(USDA)から入手できる主な情報
- 米国税関国境保護局(CBP)から入手できる主な情報
- 外務省から入手できる主な情報
- 農林水産省から入手できる主な情報
- ジェトロから入手できる主な情報
2. その他の税
調査時点:2021年9月
- 州、地方自治体へ納付する売上税
- 米国内では地方自治体により売上税が課されます。州ならびに郡や市の地方自治体により売上税の合計税率が異なるため、USITC、CBP、州、地方自治体のウェブサイトで確認する必要があります。
関連リンク
- 関係省庁
-
米国国際貿易委員会(USITC)(英語)
-
米国税関国境保護局(CBP)(英語)
- その他参考情報
- ジェトロから入手できる主な情報
3. その他
調査時点:2021年9月
- 商業貨物税関使用料、港湾維持料
- 輸入業者は乳製品の輸入にあたって、関税だけでなく商業貨物税関使用料(Merchandise Processing Fee:MPF)を納付する必要があります。正式通関(Formal Entry)の場合、MPFは輸入申告価格(FOB価格)の0.3464%で、最低27.23ドル、最高528.33ドルとなっています。さらに、船便による輸入の場合には、輸入業者は貨物価格の0.125% の港湾維持料(Harbor Maintenance Fee:HMF)を納付しなければなりません。これらは米国国土安全保障省・税関・国境警備局(CBP)が徴収しています。
その他
調査時点:2021年9月
- 米国食品医薬品局(FDA)による食品施設の査察
- 米国では2011年1月4日、食品安全強化法(FSMA)が成立し、FDAの権限が多岐にわたって強化されました。FSMAの制定により日本企業への影響は、さまざまな点で生じています(食品関連の規制「7.その他」を参照)。特に、同法の第201条に基づき、FDAによる外国の食品関連施設への査察権限が強化され、日本の食品関連施設でもFDAによる査察が実施されるようになりました。そのため、米国で消費される食品の関連施設はFDAからの査察がいつ入っても対応ができるように、米国の規則に沿った対応をすることが必要になっています。
関連リンク
- 関係省庁
-
米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)
- 根拠法等
-
食品安全強化法(英語)
-
バイオテロ法(英語)
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- その他参考情報
- 食品医薬品局(FDA)から入手できる主な情報
- ジェトロから入手できる主な情報