日本からの輸出に関する制度

コメの輸入規制、輸入手続き

EU内の輸入関税等

1. 関税

調査時点:2020年8月

EUは域外共通関税制度の下で、域外からの輸入品の関税率は域内各国で一律となっています。英国はEUから離脱しましたが、2020年末までは移行期間として離脱前と同一の関税率が適用されています。

関税および統計的分類表ならびに共通関税率に関する欧州理事会規則(EEC)No 2658/87では、共通関税を設定するために合同関税品目分類表(CN)とよばれる物品の分類表を設定しており、これはHSコードに相当します。そのため、当該合同関税品目分類表のCNコードのなかから該当する品目の関税率を特定する必要があります。

なお、2019年2月から、日本からEUへの輸出品は、日EU経済連携協定の適用対象となりますが、コメは関税撤廃の対象外です。
なお、2020年3月に実施規則(EU)2020/383により、玄米の輸入関税が65.00ユーロ/1,000kgから42.50ユーロ/1,000kgに引き下げられています。

玄米および精米が該当するCNコードと関税率
CNコード/品目 関税率
1006.20.9200
玄米のうち短粒種
42.50ユーロ/1,000kg
1006.30.9210
完全精米(研磨してあるかないかまたはつや出ししてあるかないかを問わない)
短粒種のうち、正味重量が5キログラム以下に包装されたもの
175.00ユーロ/1,000kg
1006.30.9220
完全精米(研磨してあるかないかまたは、つや出ししてあるかないかを問わない)
短粒種のうち、正味重量が5キログラム超20キログラム以下に包装されたもの
175.00ユーロ/1,000kg
1006.30.9290
完全精米(研磨してあるかないかまたは、つや出ししてあるかないかを問わない)短粒種のうちその他のもの
175.00ユーロ/1,000kg

なお、精米については、欧州委員会実施規則(EU)No1273/2011に基づき、米国、タイ、オーストラリア以外のすべての国の合計で年間1,805トンの輸入関税割当が設けられています。この割当の枠内に該当する輸入については、関税率がゼロに設定されます。
また、玄米については、同規則に基づき、すべての国の合計で年間1,634トンの輸入関税割当が設けられています。この割当の枠内に該当する輸入については、関税率は15%の従価税となります。なお、日本産の玄米の場合、通常、価格単価が高いため、関税割当を用いた場合の関税率よりも、通常の関税率の方が低くなります。

輸入関税割当を利用するには、輸入ライセンスを取得する必要があります。輸入ライセンスについては、「輸入手続き」の「1.輸入許可、輸入ライセンス等、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)」を参照してください。

2. その他の税

調査時点:2020年8月

EUへの輸入には、輸入関税に加え、各国が独自に定める付加価値税(VAT)や物品税が課されます。これらの税率は国によって異なるため、最終消費国ごとに確認する必要があります。なお、VATに関する共通システムに関しては理事会指令2006/112において規定されています。ヒトの消費用コメに関する各国のVATは、次のとおりです。

ドイツ:5% b フランス:5.5%
イタリア:4%
オランダ:9%

関連リンク

根拠法等
指令2006/112(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。

3. その他

調査時点:2020年8月

なし

その他

調査時点:2020年8月

有機食品に関する規制
EU域内で有機食品を第三国より輸入、販売するための要件およびそのラベル表示に関する規制は、欧州理事会規則(EC)No 834/2007および規則(EC)1235/2008で規定されていますが、新公的管理の規則(EU)No 2017/625に照らし合わせ、新規則(EU)2018/848が2021年1月1日から適用されます。
日本の有機JAS制度は、EUの有機制度との同等性を有するとみなされており、EU域内で「有機」として販売が可能な国のリスト(第三国リスト)に掲載されているため、同リストに掲載された有機JAS登録認定機関が発行する証明書を添付することにより、有機食品としてEU加盟諸国に輸出することが可能です。輸出時には当該証明書を、有機JAS食品に添付しなければなりません。なお、当該証明書は、2017年10月19日からTRACESシステムを用いて電子的に提出することが義務付けられており、証明書を発行する登録認定機関がTRACESに登録されている必要があります。
また、食品に「organic」などの語句を表示してEU域内で販売する際には、有機JAS登録認定機関の認証機関コード番号もラベル表示(事前包装されていない場合は当該商品に言及したボードなど)に記載しなければなりません。また、任意でEUの有機ロゴ(ユーロリーフ)の使用もできますが、日本から輸入した有機JAS認定食品の場合は「non-EU Agriculture」の表示もあわせて記載する必要があります。生産国が日本のみの場合は、「non-EU」を国名で代替・補足することも可能です。
日本の有機JAS制度はEUの有機制度との同等性が認められていますが、日本の有機JAS制度においては一部農薬(無機銅など)の使用が認められており、かつ残留農薬基準が日本よりEUのほうが低く設定されている場合があります。その場合は有機JAS農産物であってもEUの残留農薬基準を満たさない可能性があることについて留意が必要です。
欧州理事会規則(EC)No 834/2007および欧州委員会規則(EC)No 889/2008に基づき、EU域内に有機食品を輸入・流通させるにあたっては、EU側の輸入者・販売者にも当局への登録、査察の受け入れ、証明書の保持などが義務付けられています。このため、輸出に際してはEU域内の相手方事業者がこれらの要件を満たす事業者であるかどうかについて確認を行うことも必要です。
なお、本項目に関して、主要加盟国(ドイツ、フランス、イタリア、オランダ)において、EU規制に上乗せで課される独自規制は確認されていませんが、国によってEU規制の運用が異なる場合があることに留意が必要です。