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味覚・嗜好上の特徴
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- ドイツは地理的に北部のみ海に面しており、内陸部での魚介類の消費は以前から少なかった。黒パン、ジャガイモ、豚肉料理等が代表される伝統的な食事である。しかし、近年は地中海料理、東南アジア・アフリカ・中南米などのエスニック料理が定着し、魚介類も含めバラエティに富んだ食事をするようになった。また、手軽な食事が好まれるようになり、ラップサンド・すしなどのフィンガーフード、ストリートフードが若い層に人気である。
- 健康的なイメージのある食品に近年人気が高まっている。脂肪分カット、シュガーカット、プロテイン強化といった新製品が目立つようになり、消費者の需要が反映されている。
- 近年ドリンク市場では、アイスティーの種類が増加している。レモネードに変わるヘルシーなソフトドリンクとしての需要が高まっている様子。
- 若者の飲酒習慣は数十年にわたり減少傾向にある。SNSでは、多くのユーザーが#sober、#alcoholfree、#alkoholfreiといったハッシュタグを使って禁酒体験を共有している。
- 2025年のドイツビール販売量は過去最大の落ち込みを記録。連邦統計局によると、ドイツのビール醸造所が2025年に販売したビールの量は、前年比6.0%減の約78億リットルであり、アルコール消費量は減少傾向にある。
- ドイツでは、推定100万人※から170万人※がビーガンで、7%はベジタリアン(肉と魚は食べないが、卵と乳製品は摂取する)である。より大きな特徴として、フレキシタリアン(肉を時々控える食生活)への移行があり、これは人口の約3分の1※が実践している。※ドイツ在住の14歳以上の人口を代表するサンプル 1,001人を対象とした推計値
- 連邦食糧・農業・内務省(BMLEH)のレポートでは、アンケート回答者のうち24%が毎日(複数回)肉やソーセージを食べていると答えており、この割合は2015年(34%)から大幅に減少している。
- 連邦食糧・農業・内務省(BMLEH)が行ったアンケートでは、調査対象者の半数以上(57%)が「食品を素早く簡単に調理できることを重要視している」と答えており(2015年は45%)、忙しい現代人には調理時短の食品が求められている。
- グルテンフリーや、ベジタリアンやヴィーガン(純菜食主義者)は引き続き人気。また有機食品や、フェアトレード認証のある食品が好まれる傾向にある。実際に連邦食糧・農業・内務省(BMLEH)が行ったアンケートでは、動物福祉ラベル(2015年:36%、2025年:65%)および有機認証マーク(2015年:47%、2025年:59%)をチェックする人の割合が増えており、一般消費者の環境問題やサスティナビリティ(持続可能性)に対する意識が高まっている。
- 地産地消に関する意識・意向が年々高まっており、連邦食糧・農業・内務省(BMLEH)が行ったアンケートでは、特に卵、生鮮果物・野菜、パン・焼き菓子などはアンケート回答者の約8割が地元で生産されたものを好むという統計が出ている。
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制度的制約
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- 牛肉を除く生鮮肉については日本からの輸出は不可。牛肉については認定を受けた北海道、岩手県、群馬県、栃木県、岐阜県、京都府、兵庫県、宮崎県、鹿児島県の15施設からの出荷に限り可(2026年3月時点) 。
- ケーシングについては認定を受けた北海道の1施設からの出荷に限り可(2026年3月時点)。
- ゼラチンについては認定を受けた大阪府の1社、コラーゲンについては静岡県の1社2施設からの出荷に限り輸出可(2026年3月時点)。
- その他、牛肉以外の肉類、乳に関しては、EU向け輸出認定施設が日本に存在しないため輸出不可(2026年3月時点)。
- 卵製品の輸出については、認定を受けた兵庫県の1施設からの出荷に限り可。鶏卵の輸出は認定を受けた生産農場は日本に存在しないため不可(2026年3月時点)。
- 動物性加工済原料(魚粉末、液卵、脱脂粉乳等)を含む混合食品を輸出する際に、動物性加工済原料がEU 域内外の認定施設由来であることなどを証明するために公的機関が発行する公的証明書(Official Certificate)または事業者による自己宣誓書(Private Attestation)の添付が必要。公的証明書は、混合食品に用いる動物性加工済原料の種類に応じて、農林水産省 輸出・国際局または動物検疫所が発行。自己宣誓書は輸入者が作成。
- 水産物については、品目ごとにEU向けHACCP認定を受けた施設からの出荷に限り輸出可(天然水産物の場合、IUU漁業*規則に基づく漁獲証明書・加工証明書も必要)。*IUU漁業:Illegal, Unreported and Unregulatedすなわち「違法・無報告・無規制に行われている」漁業
- 食品添加物・香料・食品包材プラスチックについてはポジティブリスト制度をとっており、日本で使用が認められている添加物などがEUでは認められていないことがある。例えば日本で使用が認められている一部の天然添加物の使用は認められていない。(EUで使用できない添加物の例:赤色106号、クチナシ色素、ベニバナ色素、ベニコウジ色素など)。
- 2022年8月8日から食品添加物の二酸化チタン(TiO2/E171)を使用した食品の流通が禁止されている。
- 日本で使用可能な農薬がEUのポジティブリストには入っていないことがあるため、コメ・茶葉等の農産物を輸出する場合には留意が必要。輸出前の残留農薬検査、当該検査証明書の提出等が必要になる場合がある。
- 環境保護(ミツバチなどの花粉を媒介する昆虫)を目的として、茶やコメに使用されているネオニコチノイド系の農薬である「クロチアニジン」と「チアメトキサム」のMRLs*を検出下限値まで引き下げる改正規則が2023年3月7日に施行。 2026年3月7日から改正後のMRLsが輸入農産品にも適用されている。*MRLs:Maximum Residue Limitsの略で「残留農薬基準値」
- 「人医療に使用が限定される抗菌剤を指定する規則」が、2023年2月9日からEU加盟国で適用が開始された。日本を含めた第三国には2026年9月3日以降EUを通関する製品から適用が開始される。同規則に指定された抗菌剤をEUに輸出する動物または動物由来の製品に使用することが禁止される。日本で動物用医薬品として承認されている「ホスホマイシン」がこの規則で指定された抗菌剤に含まれる。
- 容器包装についてリサイクルやリユースの促進や包装廃棄物の削減を目的とした「包装および包装廃棄物規則」が2024年12月に採択。規則発効後18カ月以降、要件により順次適用を開始する予定。
- 食品接触については、ビスフェノールA(BPA)の使用禁止することを2024年12月に採択。ほとんどの製品について2026年7月20日より18カ月間の移行期間が設けられた後に使用禁止となる。
- ワインおよび蒸留酒の容量規制については、指定されている容量サイズで販売する義務がある。リキュールも該当。ただし、日本酒および日本で瓶詰めされた日本産の720mlおよび1800ml容器の単式蒸留焼酎は該当しない。
- 有機製品については、オンラインシステムTRACESを通じ、検査証明書を電子申請する必要がある。
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原発関連規制
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2023年8月3日、EUによる日本産食品に対する原発関連の輸入規制措置は撤廃された。放射性物質検査証明書および産地証明書は不要。
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商流・物流・商習慣
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- 日本食品の現地市場を同心円状に捉えると、一番中心部分は日系、その次はアジア系、一番外側は現地系の区分になる。日系市場は日本企業にとって最もハードルは低いが、競合商品が多く市場規模は小さい。現地系市場(メインストリーム)は、外国企業にとって新規参入のハードルは高いが市場規模は非常に大きい。
- ドイツでは2020年9月から食品の表示ラベルに、栄養価を簡略化してA、B、C、D、Eの5段階で色別に強調表示をした「Nutri-Score(ニュートリスコア)」が導入されている。連邦食糧・農業・内務省(BMLEH)のレポートでは、アンケートに回答した90%が買い物時にニュートリスコアを目にしたことがあると回答した。2021年の調査で目にしたことがる消費者は44%であったため、認知度が高まっている。
- 食品パッケージの各種表示は非常に重要であり、特に成分表や産地は消費者の9割弱が購入前に確認するとされている。また購入の際、約8割は生産条件が公正であるか、環境に配慮しているか、などを判断材料としている消費者は増加しており、ドイツ全体の傾向としてサステイナブル志向は依然として高いと言える。
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Eコマースの概要
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- ドイツ国内の食品売上高のうち、Eコマースが占める割合は2%程度であり、ヨーロッパ主要国(英国13.8%、フランス10.8%)と比較すると、ドイツは食品Eコマースについて遅れを取っている。この理由として、食品購入時の鮮度確認や、日用消費財(FMCG)を計画的に購入しない、などの消費者習慣の根強さが挙げられる。
- ドイツの食品Eコマース市場は、2025年に39億9,900万米ドル(約6,369億円)の売上高を記録し、前年比20~25%の成長率を示した。ピクニックとレーヴェがオンライン食料品販売を牽引している。
- 2026年、ドイツのEコマース市場は20~25%の成長率で推移すると見込まれている。
- 宅配デリバリーでLieferando(Just Eat Takeaway傘下)が最も市場シェアが高く約75%を占めている。Lieferandoのドイツ市場における2024年の売上高は約7億2000万ユーロ(約1332億円)だった。
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外食・小売等の状況
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- 飲食業界を活性化するための措置として、2026年1月1日から飲食店の料理の付加価値税を19%から7%に引き下げる税制改正法案が2025年12月19日に採決された。対象となるのは、レストラン、食品小売店、保育園、学校、病院の給食を含むケータリング業者で、飲料の税率は19%に据え置かれている。
- 外食での大きな傾向として、メニューはメインとサイドに分かれなくなってきている。伝統的なドイツの料理から丼物などの時短で手軽に、一皿で完結するような食事の様式に移行しつつある。
- 外食産業は、厳しい状況。ドイツ連邦統計局(Destatis)のデータによると、2025年の外食・宿泊業の売上は前年比でプラス(名目1.4%増)であったが、インフレの影響を考慮した実質売上は3.7%減少している。物価高に伴う購買力低下や客足の減少により下火が続いている。
- 外食メニューの価格は、人件費、光熱費、材料価格の高騰等が影響し、2022年1月から2025年7月までの間に26%以上上昇しており、消費者の支出抑制に繋がっている。
- テイクアウト用の「すしボックス」と呼ばれるパックすしや、おにぎりはスーパーやオーガニックスーパーで取り扱いがある。すしは、空港や駅など至る所で販売されている。すし、おにぎりともにヴィーガン人気に対応した商品も販売されており、アボカド、枝豆、シイタケ、かぼちゃなどの具を使っているのが特徴。すし関連商品(すし米、海苔、しょうゆ、わさび、ガリ)などは現地系スーパーでも購入が可能である。
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日本食普及状況等
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- 現地系スーパーでもおにぎりが定番化し、一個3€程度(約600円)で売れ行きは好調。おにぎり専門店も増えており、2025年秋オープンの店舗では、おにぎりが一個5€から7€以上(1000円から1300円)にもかかわらず、人気の様子。
- 日系スーパーだけでなく現地系スーパー(EDEKA,REWE)などで、アジア食材全般の売り場が少しずつ拡大されており、日本食材の取り扱いも増えてきている。最も増えているのはソース系で、しょうゆや照り焼きソース、わさびといった調味料が手に入りやすくなった。インスタント食品も増えている。ただし産地は中国や、タイ、ベトナム産が多い。
- 照り焼きソースの人気に続き、とんかつソースやお好み焼きソース、ポン酢等も徐々に認知度が高まり、受け入れられている模様。
- フランチャイズ形式のラーメンチェーン店がドイツ全土で増えてきている。日系の他、ベトナム人経営のラーメン店が多い。
- ドイツだけでなくドイツ語圏に見られる現象だが、おにぎりがブームになっている。コメはヘルシーなイメージで捉えられている。フィンガーフード、ストリートフード、さらにグルテンフリーのブームが追い風になっている。
- アジア料理はベジタリアン料理と連想されやすく、豆腐や代用肉を使用したベジタリアン用フュージョン料理が人気となっている。
- 健康志向の高まりにより、体に良いとされる発酵食品が注目されつつある。みその利点について取り上げたオンライン記事が見られる。しょうゆや麹、みそといった発酵食品に注目したドイツ人のスタートアップ企業も存在し、代用肉用の照り焼きソース等を販売している。
- 日本酒や梅酒は、日系・アジア系の小売店だけでなく、現地系デパートやスーパー、Eコマースでも販売されている。認知度は上がっているものの未だ消費者に対する啓蒙活動は必要である。日本産のウイスキーも、現地系スーパーでよく売れている。焼酎や泡盛は、現地での認知度はまだ低く、日系市場が中心である。
- 日本産緑茶・抹茶の需要は底堅く、市場にはまだ伸びしろがある。特に抹茶はいわゆるスーパーフードとして認識され、健康的なイメージが強い。抹茶ラテなどの抹茶関連商品のブームは今後も続く模様。ドイツでは有機の茶の需要が特に大きい。
- 最近では抹茶ラテの人気は定番化し、次のトレンドとしてほうじ茶パウダーの需要も増えている。2024年頃からイギリスやフランスでほうじ茶ラテの人気が高まり、トレンドがドイツにも浸透してきている模様。抹茶に比べて原料は10分の1程度と安価であるのに対し、カフェでは抹茶ラテと同じ価格で提供できるのが強み。
- ベルリンなどの若年層が多い都市部のカフェでは、抹茶ラテがメニューに採用されることが標準化している。最近では、フルーツと組み合わせた抹茶ドリンクも人気。
- パフェ、フルーツサンド、卵サンド、カツカレー、オムライスを提供する日本風ベーカリー・カフェの人気が高まっており、店舗が増えつつある。
- 大福やMOCHI(餅)アイスなどの餅関連の商品は人気がある。
- 日本産和牛は2014年からドイツに輸入され、高所得者層を中心に市場が拡大している。「WAGYU」の認知度はかなり高いが、豪州や欧州産WAGYUとの競争が激しくなっている。
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