外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用
最終更新日:2026年01月15日
- 最近の制度変更

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2025年10月8日
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2024年5月15日
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2024年3月8日
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2024年1月22日
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2020年11月26日
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外国人就業規制
外国人がスイスで就労を希望する場合、就労許可付きの滞在許可証が必要となり、雇用者が各州当局に申請する。EUとの二国間協定により、「人の移動の自由(就労と居住の自由化)」が段階的に実施されており、EEA(欧州経済領域(EUおよびEFTA))の国籍者が優遇される一方、EEA以外の国籍者の就労については審査が厳しくなっている。
滞在許可証の発給枠
スイスでは、既に人口の2割以上が外国籍であるため、スイス政府は新規の外国人労働者の受け入れを極めて厳格に制限すると同時に、年ごとに就労許可付きの滞在許可証の発給枠を定めている。2026年度における発給枠は次のとおり。
- EU/EFTA国籍者:短期滞在許可証(L許可証)3,000、長期滞在許可証(B許可証)500
- EU/EFTA以外の国籍者:L許可証4,000、B許可証4,500
- 英国国籍者:L許可証1,400、B許可証2,100
EU/EFTA/英国国籍者以外で、発給件数が多かった国を2024年の実績でみると、インド、米国、中国が上位3カ国となった。ロシアは2023年に第4位であったが、2024年はブラジルが第4位に浮上した。
EU/EFTA以外からの労働者を雇用したいスイスの雇用者は、スイスまたはEU/EFTA加盟国で適格な労働者を見つけられなかったことを州の労働当局に証明する必要がある。ただし、外国企業がスイス企業とのプロジェクトの一環として、限られた期間だけスイスに派遣する場合には、この規定が適用されない。労働市場への入国者全体における各国籍の割合は、近年ほとんど変わっていない。
EUおよびEFTA加盟国の国籍者は、「人の自由な移動に関する協定」(Agreement on the Free Movement of Persons:AFMP)により、スイスの国内労働市場において、スイス国民とほぼ同等の扱いを享受できる。
日本国籍者を含むEU/EFTA加盟国以外の国籍者が就労許可を取得するには、その仕事に必要な人材がスイスまたはEU/EFTA加盟国から採用することが困難であることや、スイスに明確な経済利益(雇用創出など)をもたらすことを雇用者が証明する必要がある。
日本・スイス経済連携協定
2009年9月に発効した日本・スイス経済連携協定
により、日本人駐在員に対する就労許可審査要件は、概ね緩和された。また、同協定に基づくヤング・プロフェッショナル・プログラムにより、スイス国内で企業研修を受ける日本の若者に対し、最大で18カ月の就労許可付きの滞在許可証が発給されることになった。
就労許可付きの滞在許可証はスイスでの雇用主が管轄する州当局に申請する。就労許可付きの滞在許可証の発行は各州当局が管轄するため、州によって対応に差があり、申請企業が大企業か中小企業かによっても状況が異なる場合がある。
スイス政府:スイス連邦移民局(State Secretariat for Migration:SEM
)
- ヤング・プロフェッショナル・プログラム "Young professionals (trainees)
"
在留許可
スイス国内において90日を超える滞在を希望する人、労働、営業活動、企業経営に携わることなどを希望する人は、各州の移民局から許可を受ける必要がある。
また、出張時の収入が発生する販売等営利活動の許可は、各州の移民局によって解釈が異なるため、スイスに出張する前に営利活動を行う州の移民局に事前確認する方が安全である。
滞在許可は、EUおよびEFTA加盟国の国籍者と、それ以外の国籍者(英国、日本を含む)に分かれており、連邦移民局(State Secretariat for Migration:SEM)および各州の移民局が管轄する。
短期滞在(シェンゲンビザ - 90日以内の滞在)
日本とスイスの間で取り決められた査証免除措置により、日本国籍者は観光など職業活動を伴わない90日以内(あらゆる180日の期間内で最大90日間を超えない期間)の滞在については、査証(ビザ)の取得は不要である。旅行日程の変更等により90日を超えて滞在を延長する必要が生じた場合には、各州の移民局において滞在期間の延長手続きを行う必要がある。ただし、次の場合にはスイス入国前に管轄の州移民局から滞在許可の事前承認を取得する必要がある。当該事前承認は管轄の州移民局より直接発行されるもので、在日スイス大使館はこの手続きには関与していない。
- 90日を超える滞在をする場合(後述の「長期滞在」参照)
- 1暦年当たり8日以上の就労を行う場合
- 建設業(主要・補助)、ホテル・飲食業、企業および家庭における清掃業、監視・警備業、風俗業、造園業に従事する場合
- 旅券(パスポート)の規定
シェンゲン協定加盟国を出国する予定日から3カ月以上の残存期間があり、かつ、10年以内に発行されたパスポートの所持が必要となる。 - 欧州事前渡航認証システム(ETIAS)への申請
スイスを含むシェンゲン協定加盟国では、2026年第4四半期から欧州事前渡航認証システム(European Travel Information and Authorisation System:ETIAS)の導入が予定されており、日本を含む非EU加盟国の国籍者で、90日以内の短期滞在を予定している場合には、ETIASへの事前登録が必要になる。
- スイス政府:シェンゲンビザ
- スイス連邦移民局(SEM):カントン(州)と自治体リスト(Cantonal immigration and employment market authorities
)
- スイス連邦移民局(SEM):短期滞在期間の計算(Rules for calculating the length of stay
)
- EU:欧州事前渡航認証システム(ETIAS
)
長期滞在
就労や就学を目的とした滞在、または90日を超えて滞在する場合には、日本出国前に、スイス国内の関係者や雇用主などの受け入れ先を通じて、将来の居住地を管轄する州当局(管轄州当局)より「滞在許可発行確約書」を取得し、当該確約書を携行してスイスに入国後、すみやかに管轄州当局において目的に応じた滞在許可証を取得する必要がある(在日スイス大使館は当該確約書の発行手続きには関与していない)。
また、スイス到着後14日以内に居住地の外国人警察または管轄の州当局において住民登録が義務付けられている。
2019年改正の「外国人統合法」により、同伴家族であって、EUまたはEFTA加盟国以外の国籍者である場合、同伴家族の滞在資格(F許可証、B許可証)および定住資格(C許可証)を取得する場合などについては、居住地または就労地の公用語に関する語学要件が課せられるようになっている。
- スイス政府:長期滞在ビザ
- スイス連邦移民局(SEM):カントン(州)と自治体リスト(Cantonal immigration and employment market authorities
)
就労許可
スイスで就労を予定する外国籍の者は、就労許可付きの滞在許可証を申請する必要があり、原則として、雇用主が管轄する州当局に滞在許可証の取得手続きを行う。
就労許可に関するルールは、EUおよびEFTA加盟国の国籍者かそれ以外の国籍者(日本を含む)かによって扱いが異なる。
- EUおよびEFTA加盟国の国籍者
EUおよびEFTA加盟国の国籍者がスイスで就労するには、有効な雇用契約および将来の居住地を管轄する州移民局からの就労許可付きの滞在許可証が必要となる。管轄の州移民局からの就労許可付きの滞在許可証を取得するには、スイス入国後14日以内、かつ、就労開始前に、住民登録をし、雇用者からの書面による雇用証明書を提出する必要がある。
予定されている雇用期間により、最大1年の短期滞在許可証(L許可証)または1年超の長期滞在許可証(B許可証)が発行される。3カ月未満の雇用については、滞在許可は不要であるが、報告が必要となる。 - EUおよびEFTA加盟国以外の国籍者(日本を含む)
EUおよびEFTA加盟国以外の国籍者がスイスで就労するには、高度な専門性(例:大学など高等教育機関からの学位、高度な技術専門家、十分な専門的職務経験など)が求められる。
スイスに数年にわたる在留を予定している場合、長期的な職業的・社会的適応性や言語能力について一定の水準を満たさなければならない。就労許可付きの滞在許可証は将来の雇用者が管轄する州当局に申請する必要がある。この際、雇用者はスイス、EUまたはEFTA加盟国の国籍者の中からは適当な人材が見つからないことを証明することが求められる。また、外国人の給与、社会保障、雇用条件は、その地域、専門分野、業界における標準的な待遇に沿ったものでなければならない。
管轄の州移民局からの滞在許可証を取得するには、スイス入国後14日以内、かつ、就労開始前に、住民登録をする必要がある。
就労許可の種類
- 短期滞在許可証(L許可証)
有給雇用の有無にかかわらず、特定の目的でスイスに短期滞在する外国人に発行される。有効期限は原則として1年未満。- EU/EFTA加盟国の国籍者
EUおよびEFTA加盟国の国籍者には、3カ月以上12カ月までの雇用契約書を保持していれば短期滞在許可証(L許可証)が発行される。滞在許可証の有効期間は雇用契約期間と合致する。12カ月未満を上限とする延長が可能である。また、有効な有給の雇用契約書がない求職者に対しても同様に発行されるが、社会保障の対象にはならない。
なお、1暦年のうち3カ月未満の雇用契約の場合は、短期滞在許可証は不要で、スイス電子政府(easygov)にオンラインで通知すれば足りる。- スイス政府:EU/EFTA加盟国の国籍者向けL許可証(L EU/EFTA permit (Short-term residents)
)
- スイス政府:EU/EFTA加盟国の国籍者向けL許可証(L EU/EFTA permit (Short-term residents)
- EU/EFTA加盟国以外の国籍者(日本を含む)
1年までの滞在を予定するEU/EFTA加盟国以外の国籍者には、連邦参事会が定めた発給枠の上限に達していなければ短期滞在許可証(L許可証)が発行される。滞在許可期間は雇用契約期間に合致する。例外的な場合において、合計で最長24カ月までの滞在が認められる。職業訓練、インターン、オペア(住み込みの家事手伝い)は短期滞在と見做される。暦年で4カ月以内の就労であれば、発給枠の計算には算入されない。- (例)ツーク州政府:EU/EFTA加盟国以外の国籍者向けL許可証
(居住予定の州政府の情報を参照のこと)
- (例)ツーク州政府:EU/EFTA加盟国以外の国籍者向けL許可証
- EU/EFTA加盟国の国籍者
- 一時滞在許可証(B許可証)
有給雇用の有無にかかわらず、特定の目的でスイスに長期滞在する外国人に発行される。- EU/EFTA 加盟国の国籍者
EUおよびEFTA加盟国の国籍者には、少なくとも12カ月あるいは無期限の雇用契約書を保持していれば5年間有効な一時滞在許可証(B許可証)が発行される。一定の条件を満たせば、さらに5年間の延長が認められる。延長の際、本人の意思に反して失業している場合には、最初の延長は1年に限定される場合がある。
EUおよびEFTA加盟国の国籍者であれば、有給の雇用契約がなくても、健康で十分な資金があり事故保険に加入していればB許可証が発行される。- スイス政府:EU/EFTA加盟国の国籍者向けB許可証(B EU/EFTA permit (Resident foreign nationals)
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- スイス政府:EU/EFTA加盟国の国籍者向けB許可証(B EU/EFTA permit (Resident foreign nationals)
- EU/EFTA加盟国以外の国籍者(日本を含む)
1年を超える滞在を予定するEU/EFTA加盟国以外の国籍者には、連邦参事会が定めた発給枠の上限に達しておらず、少なくとも1年または無期限の雇用契約があれば一時滞在許可証(B許可証)が発行され得る。最初の滞在期間は1年に限定される。- (例)ツーク州政府:EU/EFTA加盟国以外の国籍者向けB許可証
(居住予定の州政府の情報を参照のこと)
- (例)ツーク州政府:EU/EFTA加盟国以外の国籍者向けB許可証
- EU/EFTA 加盟国の国籍者
- 永住許可証(C許可証)
スイスに5年、または10年間滞在した外国人に発行される。永住許可が認められるタイミングはスイス政府移民当局が個別に判断する。- EU/EFTA加盟国の国籍者
永住権の付与は、外国人統合法および各国との条約による。オーストリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ルクセンブルグ、オランダ、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、アイスランド、リヒテンシュタインおよびノルウェーの国籍者は5年間スイスで雇用され、居住している場合には永住許可が認められ得る。- スイス政府:EU/EFTA加盟国の国籍者向けC許可証(C EU/EFTA permit (Settled foreign nationals)
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- スイス政府:EU/EFTA加盟国の国籍者向けC許可証(C EU/EFTA permit (Settled foreign nationals)
- EU/EFTA加盟国以外の国籍者(日本を含む)
5年または10年間スイスで雇用され、居住している場合には永住権が認められ得る。- (例)ツーク州政府:EU/EFTA加盟国以外の国籍者向けC許可証
(居住予定の州政府の情報を参照のこと)
- (例)ツーク州政府:EU/EFTA加盟国以外の国籍者向けC許可証
- EU/EFTA加盟国の国籍者
- 就労許可付帯滞在許可証(Ci許可証)
在外公館または政府組織の職員の家族(職員の配偶者と25歳までの子供)に発行される。有効期間は職員の赴任期間に限定される。 - 越境通勤者許可証(G許可証)
外国の国境地帯に居住しながらスイスの隣接国境地帯で就労し、週1回以上は自国に戻る越境労働者に発行される。EU/EFTA加盟国以外の国籍者においては、スイスと国境を接するEU/EFTA国における永住許可を保有し、かつ6カ月以上その国の指定国境地域に居住していることが必要。- スイス政府:G許可証(Permit G (cross-border commuter permit)
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- スイス政府:G許可証(Permit G (cross-border commuter permit)
参考情報
- スイス政府:スイス入国と居住
- スイス政府:スイスにおける外国人(Foreign nationals in Switzerland
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外国人ポータルサイト
- スイス連邦移民局(SEM):スイス・EU/EFTA間の人の自由な移動(Free Movement of Persons Switzerland – EU/EFTA
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- スイス連邦移民局(SEM):労働/就労許可(Working in Switzerland
)
問い合わせ先
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在日スイス大使館

所在地:〒106-8589 東京都港区南麻布5-9-12
Tel:+81 (0)3-5449-8400 - スイス連邦司法警察省・移民局(State Secretariat for Migration:SEM
)
所在地:Quellenweg 6, CH-3003 Bern-Wabern, Switzerland
Tel:+41 (0)58 465 1111
現地人の雇用義務
スイスでは、会社が確実に機能することを担保するため、株式会社や有限会社の取締役の少なくとも1人が、スイス国内居住者であることを義務付けている。それ以外では、直接的な現地人の雇用義務はないものの、「人の自由な移動に関する協定」(Agreement on the Free Movement of Persons:AFMP)により、EUおよびEFTA加盟国の国籍者の雇用が、それ以外の国籍者の雇用に比べて容易である。
スイス民法(債務法典)の規定により、株式会社においては、取締役会の構成員または役員(Executive officer)のうち少なくとも1人(債務法典第718条4項)、社外監査役のうち少なくとも1人(債務法典第730条4項)がスイスに居住している者であることが求められる。また、清算にあたっては、清算人の少なくとも1人がスイスに居住している者であることが求められる(債務法典第740条3項)。
有限会社においては、マネージング・ダイレクター(Managing Director)またはマネージャー(Manager)のうち少なくとも1人(債務法典第814条3項)がスイスに居住している者であることが求められる。
その他
特になし。






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