輸出入手続

最終更新日:2016年03月31日

輸出入許可申請

ブラジルの輸出入手続きは、開発商工省(MDIC)貿易局(SECEX)指令(Portaria)第23号(2011年7月14日付、2016年11月29日時点まで178の改正、廃止などが行われた)の規程により、輸出通関は連邦収税庁の指令第28/94号(2014年10月までに113の改正令))により、輸入通関は同指令第680/06号(2014年12月までに9の改正令)の各規定に基づいて、それぞれ行われる。


I. 輸入手続きとその手順および輸入通関書類

<船積み前: 海上貨物と航空貨物により多少の差があるが、通常の輸入手続きとその順序は以下のとおり>
1. 輸入企業のRADAR(輸出入業者登録、「貿易管理制度、輸入管理その他」の項を参照)が稼動状態にあるかを確認する。

2. 輸入する物品のProforma-Invoiceを基に、メルコスールの関税番号(NCM)を確定する。
(注) 輸入トラブルの多くは輸入商品の関税番号(NCM)の決定である。

3. NCM番号を決定した後、Siscomex(電子操作による貿易統合システム)のモジュール「Tratamento Administrativo」(輸入管理取り扱い操作)により、輸入する商品が事前の輸入ライセンス(L.I.)を必要かどうか知ることができる。必要とするライセンスの種類により認可する機関が公表している規則に従ってライセンスの申請を行う。一方、輸入ライセンス(L.I.)を必要としないことが判明したら、輸入社(者)は、対象貨物がブラジルの港湾/空港に到着後、輸入申告書(Declaracao de Importacao)を登録することができる。

ブラジル向けに輸入貨物を発送する場合に注意することは、まず輸入者はBLを発行する船会社(あるいはその代理店)に対し対象製品の関税番号(NCM)4ケタあるいは8ケタをB/Lに記載を依頼する義務がある。B/Lに記載されるこのNCM番号は輸入者が通関申請時点で行う「輸入申告」に記載される商品の関税番号に連動しているため、B/Lに記載された番号に不備な点(番号の間違い、不足、追加など)が指摘されるとB/Lの訂正(Emenda)の手配が必要となりBLの再発給となる。この手続きには時間とコストがかかる上、もし船会社によるマニフェスト登録に間に合わないと法外な罰金の対象になる。この意味で、NCMの最終決定は輸入者の責任で行われるべきである。実際には、輸入者や輸出者自身が、出荷されるすべての商品の正確なNCM番号を把握していないケースや、NCM番号の決定に迷うケースもあり、その場合輸入者は、より詳細な商品情報を輸出者に要求し、その情報に沿って、指定通関業者の通関士にNCMの選定を依頼し、輸入者が最終決定することになる。

4. 輸入保険の手配
輸入保険を手配する場合は、船積み前にブラジルに所在する保険会社と契約する。輸入保険は、ブラジル国内の保険会社と契約する義務があるが、国内の保険会社による保険引き受けがなされない場合に限っては、国外の保険会社による付保は可能である。

備考:ブラジルの輸入では保険契約が義務付けされていないため、小額の輸入商品の場合は、多くの場合、無保険で輸入通関をしているケースが大部分である。理由は通常の保険料率は(CIF価格+10~50%)x0.5%であるが、制限条項(保険者の義務:フランキーア)で最低義務金額が割高のためである。例えば、CIF価格1万ドル相当の商品の場合、通常料率を適用すれば50ドルであるが、実際には最低料金100ドルのほか、免責金額が商品の種類により200ドル300ドルと設定される。従って少量の損傷や紛失の場合は割高になるのが理由である。

5. 何ら規制がなければ、輸出企業に対して船積み手配を依頼する。

6. 「輸入規制管理リスト(Tratamento Administravo)」で規制の有無を確かめた結果、輸入ライセンス(Licenciamento de Importação、以下L.I.=非自動承認ライセンス(Licenciamento Não Automatico)の対象である場合に必要)を取得しなければならない物品に該当する場合は、「輸入規制管理リスト」で指示された必要書類を準備し、指定された関連機関へライセンスの申請・認可を依頼する。主な関連機関は開発商工省貿易業務部(DECEX)、国家衛生監督庁(ANVISA)、農務省(MAPA)、国家度量衡・規格・工業品質院(INMETRO)、ブラジル環境再生可能資源院(IBAMA)、国家原子力審議会(CNEN)、民間航空庁(ANAC)、国家電力庁(ANEEL)、国家石油・天然ガス・バイオ燃料庁(ANP)、鉱物生産局(DNPM)、ブラジル郵便公社(ECT)など。各輸入社から申請されたL.I.の内容を審査してSISCOMEXを通じて許可、不許可が判断される。 

輸入ライセンス(非自動承認ライセンス)は次の3種類があり、物品によりいずれかに該当する。 

(1) 船積み前に、指定された関連機関の「船積み許可書」を申請しなければならないもの
船積み前に手配するL.I.のうち、輸入する商品に関連する機関によっては、「船積み許可書」を取得しないと船積みできない商品もある。SISCOMEXを通して該当機関にL.I.を申請登録すると同時に、この「船積み許可書」の申請を行う。登録したL.I.は、入国時に該当機関の検査官による現物検査後に認可され発給される。ANVISAやMAPAの許可を必要とする物品のうち、一部の商品がこの範疇に入る。許可申請なしに船積みした場合、担当機関の許可がある場合は返却するか、押収商品とみなされる。事後の「船積み許可証」の申請は不可。 


(2) 船積み前にL.I.を必要とするが、上記の「船積み許可書」を必要としないもの
事前のL.I.を取得せずに出発、出港しブラジルの港湾あるいは空港に到着した場合、事後処理のL.I.を登録申請することができるが、発給された場合でも罰金の対象となる。ただし、到着後90日間で取得できなかった場合は、輸入通関申請が不可能のため、放棄商品とみなされ押収される。 

(3) 船積み後にL.I.を登録し、通関前に許可を得るもの
食品、医療品、化学品の中には船積後にL.I.を申請することができる商品もある。その場合、到着した物品が現物検査を通過した後にL.I.が認可される。ドローバック制度の輸入はこのケースに該当する。

7. 前項アイテム6.の準備が整い次第、輸出企業に対して船積み書類の作成方法を依頼し、船積み許可となる。

(※船積み書類の作成上の注意点)
(1) 船荷証券(B/L)の発給
船会社が発給するB/Lには他国の輸出B/Lと異なり、ブラジル向けの輸出では必ず次の2点を記載する必要がある。輸入社のC.N.P.J.(連邦税納税者番号)と輸出商品のHSコード番号あるいはブラジルで使用されている南米共通関税番号NCMの4桁ないし8桁である。このHSコード番号あるいはNCM番号は積み込まれる商品のすべての番号のため、補給部品など多岐にわたる場合は充分気を付けねばならない。下記に述べる「SISCARGA」登録時点でブラジルの船会社あるいはその代理店がこのB/Lに記載された最初の4桁を間違えて輸入貨物一覧リスト(マニフェスト)を税関に提出した場合は罰金が課せられる。

(2) インボイスの作成
輸出社のオリジナルのレターヘッドを使用し、下欄には必ず会社の責任者ないし担当者の名前を記載・署名し、その役職を記載する。

(3) パッキングリストの作成
上記と同様、レターヘッドに梱包別の梱包容姿、数量、商品名、NW、GW、容積(梱包サイズ)などを記載するのが通常である。



<船積み後、輸入通関手続き>
輸入通関手続きに必要な書類はB/Lのコピー(2013年6月17日からオリジナル添付不要となる、ただし、黄色、赤色検査の場合はオリジナルの提出が義務)またはオリジナルのAWB、署名付きオリジナルのインボイス、パッキングリストを、輸入申告書(DI)と一緒に税関に提出する(2セットを税関、1セットは通関士)。輸入商品によってはこの他に、原産地証明書、領事査証、検疫証明書、くん蒸証明書、品質証明書、分析表などの提出が要求されるものもある。

[海上貨物の場合]
1. 船積み書類のオリジナルを輸出企業、メーカー、あるいは銀行経由で受取った後、契約をしている通関業務代理会社(Comissaria de Despachos、あるいは個人の場合はDespachante Aduaneiroと呼ぶ)などに渡して通関手続きを依頼する。通関代理業者は受取った書類の内容を、輸出入管理規則(SECEX Portaria 23/11)および、ブラジル通関管理規定(IN-680/06)に照合して、問題がないか確認する。輸入申告書(DI)などの作成と課税金額・港湾費用などの概算準備を行う。

2. SISCARGA(シスカルガ)システムにデータ入力
船会社またはその代理店がSISCARGAシステムに入力。シスカルガは海上貨物・コンテナ等の荷卸・税関倉庫への搬入管理および、AFRMM(商船隊更新追加税)の徴収を管理するシステム。シスカルガは船会社またはその代理店が船積み書類を基に記載するもので、不備項目等があると通関で予想外の時間を要し、間違って記載した船会社に対し罰金が課せられる。船会社はその罰金を、船積み書類を提出した輸出または輸入企業に転嫁することになる。
船会社またはその代理店は、輸入貨物の本船がブラジルの最初の港に入港する72時間前までに、輸入貨物に関するデータを、SISCOMEXを通してマニフェストに入力する義務があり、これらのデータに誤りがある場合、修正手続きをしなければならない。
船会社またはその代理店は、B/Lの番号をインターネットのWEB SISCARGAに入力すると、本船がどの港に何時、入港予定か、対象貨物・コンテナが何時どの船から荷卸され、どの桟橋の税関倉庫に納庫されたか、マニフェストに既に船積みデータが記録されたかなど、当該貨物の状況を確認することができる。従って、輸出入企業は、シスカルガの規定通りの船積み書類一式を税関に提示しないと、通関にも手間を要する。
入手した船積み書類に不備がある場合、本船が指定港に入港する少なくとも72時間前までに、修正、差し替え、追加した正規の書類を提出する必要がある。
輸入企業は、輸出企業にブラジル税関が要求する正規かつ厳密な書類作成を依頼する必要がある。発生する誤りの大部分は、輸入商品の該当NCMコードの関税番号、輸入会社のCNPJや重量(ネットウェイトおよびグロスウェイト)の誤りとなっている。

3. 輸入申告書(Declaração de Importação:DI)の登録
輸入商品が本船から荷下しされ、港の税関倉庫に納庫されたことが確認されると、税関倉庫会社はSISCOMEXを通して「納庫証明番号」(Presença de Carga)という、17ケタの番号をを出す。同番号が出るまでは、輸入社は通関申請はできない。
DIの登録に必要な、船積み書類(BL、LI、インボイス、パッキングリストなど)を基に、輸入取引に関するすべてのデータ(輸出企業、輸入企業、対象商品のNCM、INCOTERMS、支払条件、価格、貨幣の種類、数量、重量(NWとGW)などを入力すると、輸入税、IPI、 PIS、COFINS、その他支払うべき連邦税が自動的に計算され記録される。すべてのデータを入力し終わり、「Enter」をクリックするとDI番号が付される。DI番号は10桁(例:11/1234567-0:最初の2桁が年度を表す)で構成される。

4. 輸入簡易申告書(Decalaração Simplificada de Importação:DSI)の登録
この輸入簡易申告書(DSI)は財務局(RFB)指令第611/06号により下記の輸入に対して使用することができる。

(1) 個人の輸入で商品金額が3,000ドル未満のもの
(2) 法人の輸入で商品金額が3,000ドル未満のもの
(3) 外国の政府・機関からの連邦、州、市政府機関、公社あるいは慈善団体への贈与の名目で受け取る物品の輸入
(4) 財務局(RFB)指令第1600号/2015および1602号/2015によるテンポラリー輸入制度および再輸入
(5) テンポラリー輸出制度により外国で修理、修復された物品の再輸入
(6) 委託輸出制度により輸出された物品が正式輸出されずに返却された輸入
(7) 輸出商品の技術欠陥のため修理あるいは交換するために返却される物品
(8) 輸出商品があいて輸入国の輸入関連法規の変更により入国できず返却される場合
(9) 戦争・災害のため返却される物品
(10) 3,000ドル未満の国際郵便物
(11) 3,000ドル未満の国際空港便(クーリエ国際特急便取り扱い業者)による「注文品」
(12) 輸入税(関税)の免税あるいは無課税が確認された物品の輸入
(13) 旅行社の別送貨物の輸入
(14) 大統領令第288/67号によるマナウス自由港地域(ZFM)で使用される物品の恩典輸入で、それらが他のブラジル国内へ入域する場合で、その金額が3,000ドルを超えない物品
(15) 上記同様の規則によりマナウス自由港地域内で製造される物品の恩典付き輸入で、その金額が3,000ドルを超えない場合
(16) 上記同様の規則によりマナウス自由港地域の恩典区域内で使用されるか、あるいは工業化されるために行われる商業目的の無い個人の輸入
(17) 科学技術審議会(CNPq)が輸入する、あるいはこの審議会が認可した科学者、研究者科学機関によって行われる1万ドル未満の免税輸入で数量あるいは頻度が商業目的で無いもの

5. 輸入税(関税)など課税される連邦税および州税
輸入に課税される関税(輸入税)、工業製品税(IPI)、社会統合計画基金(PIS)、社会保険融資負担金(COFINS)の支払いは、指定した輸入企業の銀行口座から自動的に引き落とされる。また、これら連邦税の支払いと同時に、SISCOMEXのソフト使用料として1回の通関申告で1関税番号の場合214.50レアルかかる。なお、1申告書あたり2つの関税品目の場合は29.50レアルが追加され、3~5品目では23.60レアル(6~10品目は17.70レアル)が加算される。州税である商品流通サービス税(ICMS)は、別途州財務局によりバーコードが付いた支払請求書が発給され、銀行で直接支払うかインターネットを通して支払うことも可能。


[航空貨物の場合]
輸入品が国際空港に到着し、税関保税倉庫(空港公社INFRAERO社が管理)に納庫されると、マントラ(MANTRA:航空貨物のマニフェスト管理システムで、海運貨物のシスカルガに相当する航空貨物の納庫管理システム)によって、当該貨物の入荷状況を知ることができる。航空機から荷卸された後、連邦警察・税関の立会いの後、空港保税倉庫に納庫される。通関代理企業は、MANTRAを利用してAWB番号を入力することで税関倉庫への納庫を確認でき、通関申請も可能となる。
入手した船積み書類に不備があったり、AWBに記載された重量(GW)と実際に検量された重量に差(通常10%以上)がある場合、または当該貨物に何らかの損傷が認められた場合は、MANTRAの画面上にそれら問題が明記される。書類上の修正や貨物の損傷があった場合、通関に10~30日を要することもある。したがって、こうした問題が発生すると、高額な空港倉庫料や、保険会社による貨物検査などにより、思わぬ時間と費用が発生する。

・国際宅急便(クーリエ国際特急運送会社)による航空便の輸入通関手続き
FedEx(米)、DHL(独)、UPS(米)、TNT(蘭)などのクーリエ便でブラジルの国際飛行場に到着する小口輸入貨物は、税関検査で3,000ドル未満の規定に該当する場合は、通常、簡易課税制度(Regime de Tributacao Simplificada)が適用され、単一税としてCIF金額に対して一律60%が課税される。これらのクーリエ会社が荷主がこの単一税を立替えて支払い貨物を引き取り、荷主に届けるのが普通であるが、税関検査において対象貨物の金額、容積、数量、種類、内容、用途などが規定に該当しないと査定されると、簡易課税制度が適用されず、通常の輸入通関申告を行わねばならない。このような場合、クーリエのAWBに「DI申告」の印(Carimbo)が押され、輸入社は自社が使っている通関代理業者に輸入通関を依頼せざるを得ないため、かえって時間と費用が掛かるケースが多々ある。
インボイス価格が3,000ドル以内であっても、税関による査定価格、あるいは用途や数量によっては通常輸入手続きとなり、この場合は当然、RADAR(輸入業者登録)が必要となるが、万一、RADARの無い会社や個人の場合は通関は事実上困難となる。

このほか、簡易課税制度が適用される「インポルタ・ファーシル」(Importa-Facil)による輸入通関がある。が、これは対象貨物が自家使用(販売目的の無い)の極めて小口のもので、国営郵便局のウェブサイトを通して税金その他通関費を支払うシステムである。ただし、対象となる物品は税関の判断による。


<通関に必要な各種予備知識>
1. 船積み書類(海上貨物、航空貨物共通):必要書類は下記のとおり 
(1) 通関業者がSISCOMEXを通して作成する輸入申告書(DI)のコピー(税関への提出は2部、通常5部)。   

(2) B/L(船荷証券)は2013年6月17日からオリジナルでなく、コピーでも可。AWB(航空貨物受取書)の場合はオリジナル(注) 
 ※備考:Sea&Air便は最終便が航空貨物となるため、オリジナルのAWBを提出しなければならない。

(3) 輸出社のレターヘッド(会社名・所在地などが印刷された便箋)を使って作成された署名入りオリジナル・インボイス。   

(4) 輸出社のレターヘッド(会社名・所在地などが印刷された便箋)を使って作成された署名入りのオリジナルパッキングリスト(梱包別の数量、品名、NW、GW、M3など)。   

(5) 輸入ライセンス(L.I.)を必要とする輸入製品の場合にはL.I.のコピー。   

(6) 機械設備・機器・計器あるいは化学品などの場合には、メーカーのカタログ、パンフレットの提出が要求される。   

(7) 化学品や食料品・原料などの場合は「分析表」、輸出国政府が発給する「衛生検疫証明書(Export Quarentine Certificate- Certificado Fitossanitário)」やロット番号、製造年月日、有効期限日などを明記した証明書を手配しなければならない。   

(8) 輸入商品によっては「原産地証明書」が要求される。

ブラジル向け輸出用木材梱包材は、国際梱包材規定(ISPM-15号)に基づいた措置が必要。もし、同措置が行われたことを示す表示が無ければ、通関申請前にブラジル農務省の規定に基づく検査、消毒、廃棄または返送処置がなされる。 

2. 輸入貨物の検査基準(「Canal」あるいは「Parametrização」と呼ばれる)
この検査基準は海上貨物と航空貨物のFirst Zoneでの税関、あるいは地方のEADI保税倉庫での税関において適用されている。輸入申告書(DI)登録後、数時間経過した時点で、各税関では「Parametrização」の検査基準により、輸入申告書の登録後(すなわち、輸入に関わる諸税の支払い後)数時間内に無作為のコンピューター操作で4色(「緑色」、「黄色」、「赤色」、「灰色」)のうち1色が区分として指定される。  

・「緑色」はフリー通関で検査なしで通関完了となる。 
・「黄色」は提出した船積み書類の検査が行われる。黄色に指定された場合でも、担当検査官(Fiscal)の判断で、「赤色」に切り替えて現物チェックを要求するケースがある。
・「赤色」は書類検査以外に現物検査の対象となり、輸入者またはその代理の通関士立ち会いのもと、税関吏が現物を開梱して検査を行う。
・「灰色」は、物品の輸入社の資格、資金調達法や値段・価格などにダンピング等の嫌疑がかかる場合に指定される。 

4色のうちの1色を選定する基準は下記の9要素を考慮してSISCOMEX(電子操作による貿易統合システム)によって無作為に行われる。

i-輸入社の税務遵守程度
ii-輸入社の輸入頻度
iii-輸入商品、容量、金額など
iv-輸入に課税される諸租税の金額の多寡
v-輸入商品の原産地、経由国、用途
vi-課税の種類(免税、減税など)
vii-輸入商品の特徴
viii-輸入社の貿易操作、経済、金融能力
ix-輸入社の過去の輸出入実績

各色が割り当てられる割合は、一般的に緑が75~80%、黄が20~25%、赤が5~10%、灰は極めて稀となっている。全般的な傾向として、輸入FOB金額が10万ドル以上の貨物、中古機械製品の輸入、関税が0%の商品、Ex-Tarifário適用の商品などは「黄色」か「赤色」になるケースが多い。また、東南アジア、特に中国、インドなどを原産とし、欧米原産の物品価格と比べて極めて割安と判定される場合、赤色に入る割合が多いといわれる。灰色が指定される場合は主にアンダーバリューとの疑いがあるケースが多い。また、一度、緑色に指定された場合でも、担当検査官の判断で、書類上や輸入商品の種類により何らかの不正や異常が認められる場合は、現物検査の対象となる。赤色に指定された輸入商品を検査する場合、担当検査官は民間の税関専門技師(Engenheiro Aduaneiro)を税関長に依頼することができ、この税関技師は輸入社(あるいはその代理人)の立会いの下に検査官が依頼する検査項目を検査し、技術データや写真等を添付した検査結果をリポート(報告書)にして検査官に提出し、検査官がこれを受理して初めて通関が完了する。

「ブラジルの通関地域と保税倉庫システム」PDFファイル(213KB)   



II. 輸出手続きとその手順および輸出通関書類
ブラジル産品を輸出する場合、海上貨物と航空貨物により多少の差はあるが、通常の輸出手続きとその順序は以下のとおり。
1. 輸出会社のRADAR(「貿易管理制度」の項を参照)が稼働状態にあるかどうか確認する。

2. 輸出する物品の関税番号(NCM)の決定
輸出商品のNCM(メルコスール共通関税番号)を決定し、それがブラジルの貿易管理上何らかの規制があるかどうかをSISCOMEXの「輸出規制管理リスト」で調べる。

3. 貿易局(SECEX)指令(Portaria)第23号(2011年7月14日付)の添付資料(ANEXO)の中には次のような輸出規制や輸出商品により特別手配を必要とするリストがある
(1) 特別のプロセスを経て行われる輸入製品リスト:添付“IV”参照
(2) RE(輸出登録書)が免除される製品リスト:添付”XV”参照
(3) ダイヤモンド、宝石、半貴石、細工品などの輸出規定:添付”XVI”参照
(4) 特別のプロセスに基づいて行われる輸出製品リスト:添付”XVII”参照
(5) 無為替輸出(輸出代金が支払われる見込みの無い)ができる製品リスト:添付“XIX”参照 
(6) 委託輸出ができない商品リスト:添付“XX”参照
(7) “A”フォームによる原産地証明書の申請要領:添付“XXIV”参照
(8) 貿易局(SECEX)が信任した原産地証明書を発給する民間機関:添付”XXII”参照
(9) メルコスールと第三国あるいはSACME(第三国に対して承認された割当分配管理システム:Sistema de Administração e Distribuição de Cotas Outorgadas ao Mercosul por terceiros países ou Grupos de Países)間で設定された協定による輸出:添付“XXVII”参照

事前の特別手配が必要ない場合、以下の決済条件により船積み手配を始める。

4. 輸出代金の決済条件
輸出取引が成立した時点で、代金決済条件と取引条件であるインコタームズを決定しなければならない。これらの取引条件、あるいは決済条件により船積み手配が異なる。代表的な支払条件は以下の4種類。
(1) 「前払い(Advance payment)」:取引銀行において輸入企業からの送金の有無を確認後、船積み手配を始める。
(2) 「信用状付き決済(Foreign Exchange with Letter of Credit)」:輸入企業から振出された信用状(LC)を取引銀行で入手し、その信用状の各条項を確認した上で船積み手配を行う。
(3) 「支払渡条件(Delivery against Payment-DP at sight: Entrega contra Pagamento)」および
(4) 「引受渡条件(Delivery against Acceptance: Entrega contra Aceite)」:(3)(4)どちらも船積み書類を銀行経由で送付する。各条件規定を充分理解した上で、輸出荷手形を発行し、取引銀行に取立てを依頼する。

5. 輸出登録書(R.E.)の入力・登録
輸出登録書(Registro de Exportação:以下R.E.)は今まで中銀情報システム(Sisbacen)モジュールを通じて行っていたが、2011年3月15日からウェブ環境の「Siscomex Exportação」(NOVOEX)モジュールに切り替わった。360日までの標準決済条件の輸出ではR.E.を登録すると同時に、信用登録(RC-Registro de Credito)を別途登録しなければならない。輸出貨物の内容が決定し出荷予定が決まり次第, R.E.の作成登録を通関業者に依頼するか自社にSISCOMEXが設置されている場合は自社で登録することもできる。 一方、次の場合はこのR.E.登録書の代わりに、税関に直接申告できる「簡易輸出申告書(D.S.E)」を使って輸出通関を行うことができる。
(1) 個人または法人が1万ドル以下の物品を輸出する場合。 
(2) 外国に修理・再生のためにテンポラリー輸出する場合。   
(3) 1万ドル以下の物品をクーリエや郵便物として輸出する場合。    
(4) 個人の別送荷物を輸出する場合:自己使用に向けられる1,000ドル以下の物品を無為替で輸出する場合。

6. 船積み書類の準備と輸出通関申請
船積み書類は次のものである。
・RE(輸出登録書)
・Nota Fiscal(税務出荷伝票):すべての船積み書類が整った時点でNota Fiscalを発給し、輸出貨物の指定港の民間または税関倉庫、または空港の税関倉庫への運送を行う。
・BL(船荷証券)またはAWBまたはHAWB(航空貨物証券)のオリジナル。  
・インボイス(通常荷主自身が作成するが、通関代理店が代行作成するケースも多い)。
・荷造包装リスト(パッキングリスト:通常荷主自身が作成するが、通関代理店が代行作成するケースも多い)。
・この他、輸出製品、輸入相手国によっては、「衛生免疫検査書」、民間検査機関による「船積み前の検査書」、「分析表」、「SIF(Serviços de Inspeção Federal)」などが必要。 

税関への通関申請は次の順序で行われる。
(1) 通関代理店は上記の書類を基にSD(Solicitação do Despacho=通関依頼書)を作成しSISCOMEXを通して行う。   

(2) このSDに上記の書類一式を添付して税関に通関申請を提出する。   

(3) 税関の検査官はこれらの書類を受理し、輸出申告書(Declaração de Despacho de Exportação:DDE)を作成し、数時間後に判明する無作為の検査基準(Parametrização)による区分の振り分けを待つ。区分は輸入通関時点の検査基準とほぼ同様で、「緑色」「オレンジ色」「赤色」の3色となっている。
「緑色」が出た場合、輸出通関は無検査で直ちに輸出通関許可となる。
「オレンジ色」や「赤色」になると、輸出社は15日以内に税関が要求する書類を提示しなければならない。検査官によっては現物の開梱を要求されることもあり、費用と時間が予想以上に掛り、通関許可が出るまでに1週間前後を要することもある。このような事態になると、予定していた本船に積込ができずシッピングスケジュールが大きな影響を受ける。
輸出商品の現物検査で、輸出商品の記述、関税番号など識別・判定に困難な場合は税関専門技師を召集・指定して検査の立会いを行うことができる。通関申請の書類・現物検査が開始されてから15日以内に上記の問題が発生し解決付かなければ、輸出通関申請は自動的に無効となる。

(4) 通関が完了し、実際に本船に貨物が積込まれる。輸出通関完了の証明書(Certificado de Exportacao)は、輸出社の要請があれば、SISCOMEXを通して発給される。

備考:原産地証明書は船積みが完了し、BLが発給されてから5日以内に、申請して発給後別途輸入社に郵送するのが普通である。

輸出通関申請では、下記の条件を満たせば、複数のRE(輸出登録書)と同時に通関申請できる。
-輸出商品金額と販売条件が同一であること
-輸出社が同一の税務管轄に存在し、同一の税関場所で検査を受けること
輸出通関に関する一般規定
輸出通関が完了した輸出書類(RE、Invoice、BL、AWB、SD、Packing List、Nota Fiscalなど)は通関完了後最低5年間、輸出社のファイルに保管する義務がある。

  

必要書類等

前項「輸出入許可申請」参照

査証

必要なし

その他

特になし

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