貿易管理制度

最終更新日:2020年09月16日

管轄官庁

貿易業務に関連する連邦・州・公社・機関が各種ある。

経済省(ME)の創設とその組織構成

2019年に誕生したジャイール・ボルソナーロ新政権は、従来の財務省、商工サービス省(MDIC)、予算企画省、労働雇用省の4つの省を統合した経済省を創設した。2019年4月8日付の政令第9745号、Ⅱ章の組織構成により、財務検察総局と次の8つの特別局で構成されている。

  1. 財務検察総局(Procuradoria-Geral da Fazenda Nacional
  2. 財務特別局(Secretaria Especial de Fazenda
  3. ブラジル国税特別局(Secretaria Especial da Receita Federal do Brasil – RFB)

    連邦税(輸入税、工業製品税等)、PIS/COFINS(社会統合基金・公務員厚生年金および社会保険融資負担金)の管理。

  4. 社会保障労働特別局(Secretaria Especial de Previdência e Trabalho
  5. 通商貿易・国際関係特別局(Secretaria Especial de Comércio Exterior e Assuntos Internacionais - SECINT)

    次の3局で構成されている。

    1. 貿易協議会事務局(Secretaria-Executiva da Câmara de Comércio Exterior - CAMEX)
    2. 国際経済関係局(Secretaria de Assuntos Econômicos Internacionais - SAIN)
    3. 貿易局(Secretaria de Comércio Exterior - SECEX):輸出入貿易管理の全般
      • 同局商業公益防衛副局(ME/DECOM):アンチ・ダンピング製品の監視。
  6. 民営化・国有資産売却・市場特別局(Secretaria Especial de Desestatização, Desinvestimento e Mercados
  7. 生産性・雇用・競争力局(Secretaria Especial de Produtividade, Emprego e Competitividade

    次の外局を置く。

    • ブラジル産業財産庁(INPI):ロイヤルティー、技術導入契約などの管理
    • 国家度量衡・品質・科学技術院(INMETRO):ISO-9001、14001などの管理
    • マナウス・フリーゾーン監督庁(SUFRAMA):マナウス・フリーゾーン域内での輸入恩典許可
  8. 行政手続簡素化・運営・デジタル政府特別局(Secretaria Especial de Desburocratização, Gestão e Governo Digital
  9. 投資パートナープログラム特別局(Secretaria Especial do Programa de Parcerias de Investimento

その他省庁(分野・品目別)

  • 中央銀行 規制局管理為替規制部(BCB/DINOR/DEREG):外国資本、輸出入の為替管理。
  • 鉱山エネルギー省
    • 国家電力庁(ANEEL):電力の輸出入許可など。
    • 国家石油・天然ガス・バイオ燃料監督庁(ANP):石油、その副産物、燃料、潤滑油などの製造業者登録、輸出入ライセンス発給業務。
    • 鉱物生産局:ダイヤモンドなどの輸出入許可。
  • 化学・技術・革新・通信省
    • 国家通信庁(ANATEL):通信用機器の規格認証。
    • 国家原子力審議会:放射線、エックス線、アルファ線、ガンマ線を使用する機器の輸出入管理。
    • 科学技術開発審議会(CNPq):技術開発・研究用の財(機器、計器)などの輸入許可。
    • 郵便電信公社(ECT):郵便切手など免税機械、印紙販売機械などの輸出入許可。
  • 農業・畜産・供給省(MAPA):動植物、農牧畜産品、魚類、食品加工品などの輸出入管理、木材梱包の薫蒸業務管理。
  • 保健省/国家衛生監督庁(MS/ANVISA):医薬品・化粧品・衛生用品の規制、輸出入における動植物・農牧畜産品の衛生検査・保護・検疫業務。
  • 環境省/国立再生可能天然資源・環境院(MMA/IBAMA):環境汚染、自動車のエンジン排気量および騒音の検査、タイヤ/チューブ、電池(ニッケル、カドミウム、リチウム、水銀、アルカリなどのバッテリー)の輸入ライセンス許可など、自然保護の観点からの輸出入管理。
  • 観光省 国家映画庁(ANCINE):国産映画の輸出入許可、制作費の融資など。
  • 陸軍 管理製品監督部(EB/DFPC):武器・弾薬などの輸出入許可。
  • 法務公安省連邦警察局(MJSP/DPF):麻薬、精神安定薬などの不法製造用に向けられる化学品の取り締り。
  • 各州政府の財務局(SF Estadual):輸入に課税される商品流通サービス税(ICMS)の管理。

輸入品目規制

特殊事情の国からの輸入禁止、特別プロセスによって輸入される品目

  1. 特殊事情の国からの輸入禁止
    1. 北朝鮮:輸入禁止品目は2006年11月7日付大統領令第5957号、2009年8月13日付同第6935号、2011年5月16日付同第7479号、2013年5月15日付同第8007号、2013年5月16日付同第8011号に記載されている。
      国連安全保障理事会あるいはその委員会の書簡によって指定された戦闘車、戦闘用防弾車両、戦闘用ヘリコプター、戦艦、ミサイルあるいはミサイルシステム、贅沢品、原子力開発、弾道ミサイル、原子力活動、あるいは弾道ミサイルや大量破壊兵器に関連する北朝鮮のプログラムに寄与するような財と技術、物品などの輸入。
    2. エリトリア:武器・弾薬などに関する規制〔2010年9月1日付大統領令第7290号〕
    3. リビア:武器・弾薬に関する規制〔2011年4月14日付大統領令第7460号〕
    4. ソマリア:木炭に関する規制〔2012年6月14日付大統領令第7754号、2012年付貿易局省令第20号〕
  2. 特別プロセスによって輸入される品目
    1. プログラム付きビデオポーカー、ビデオビンゴ、スロットマシンなどのカジノ関連電子機械(Maquina Eletrônica Programada:MEP)
      輸入ライセンスは許可されない。
    2. ダイヤモンド(NCM7102.10.00、7102.21.00、7102.31.00)
      原産地がキンバリープロセス認証制度(System of Process Certification of Kimberley)の参加45カ国およびEU諸国であることが必要〔2003年10月9日付法令第10743号3条単項〕。
    3. 玩具・文房具・特定の自動車部品(ホイール、新品タイヤ、油圧ブレーキオイル等)など
      対象品目である国産・輸入品は、国家度量衡・品質・科学技術院(INMETRO)の適合性評価条件(Requisitos de Avaliação da Conformidade:RAC)への適応が必須であり、INMETRO認定の製品認証機関(OCP)での適合性の審査と認証登録などが義務付けられている。
      INMETROの同認証を取得する場合で、国内に現地法人を所有していない外国企業は、現地法的代理人を設定する必要がある〔2015年3月6日付INMETRO省令第118号第6.2.1.2項〕。
    4. メルコスール域内のブラジル・アルゼンチンの共同自動車政策協定による自動車製品。
    5. メルコスール・メキシコ ACE55号(自動車協定)によるメキシコからの自動車輸入 (WTO・その他協定加盟状況を参照のこと)。

輸入地域規制

「輸入品目規制」参照。

輸入関連法

主に経済省貿易局の統一輸出入規制にあたる2011年7月14日付省令第23号と2008年7月22日付同第160号により規定。

経済省貿易局(ME/SECEX)の統一輸出入規制にあたる2011年7月14日付省令(Portaria)第23号で規定。この省令第23号は266の条項と30の付表で構成されているもので、2020年8月までに260回近い変更、修正、追加、廃止が繰り返されており、内容は極めて複雑化していた。そのため、最近の改正は、主に規則を簡素化する内容となっている。

  • 国税庁(RFB)2006年10月2日付細則第680号:ブラジルの輸入通関に関する基本法令/細則で、2020年8月までに20回の変更、改正、修正、廃止が繰り返されており、輸入貨物の到着、検査、課税税金の支払い、船積書類と現物検査、新通関申告、修正、取消、AFRMM(商船隊更新追加税)の支払い、分割船積・通関申請、貨物の返却など広範囲の細則。
  • 国税庁(RFB)2015年12月14日付細則第1600号:一時入国(テンポラリー輸入)および一時出国(テンポラリー輸出)の特別税関制度の適用に関する規則。細則第1796号(2018年3月2日付)および細則第1880号(2019年4月3日付)で大幅に変更。
  • 国税庁(RFB)2015年12月15日付細則第1603号:輸出入業者登録制度に相当する通関業者活動追跡登録(RADAR・ハダール)の資格取得申請に関する規定。
  • 国税庁(RFB)2010年8月2日付細則第1059号:旅行者の携帯荷物に関する税務管理の基本規定。その後2013年8月15日付細則第1385号と2017年9月15日付細則第1737号で大幅に変更されている。
  • 国税庁(RFB)2017年9月15日付細則第1737号:クーリエ(Courier)などの国際輸送会社で輸送される輸送物品に関する税務管理規定。
  • 国税庁(RFB)2016年5月10日付細則第1639号:イスタンブール協定で規定された通関手帳であるATAカルネによる職業用具、商品見本、展示会用の出品物などのテンポラリー輸入制度に関する法規。
  • 国税庁(RFB)2015年12月9日付細則第1598号:ブラジルのOEA(英語の略語AEO)プログラムに関する規定。この制度は貨物のセキュリティー管理とコンプライアンス(法令遵守)の体制が整備された事業者を国税庁が認定する制度。認定を受けた企業には税関手続きの簡素化・迅速化等のメリットがある。対象企業は輸入者、輸出者、倉庫業者、通関業者、国際運送事業者、製造業者で、安全基準・適合性などによりOEA-S、OEA-C、双方の資格を有するOEA-Pの3つの様式がある。

政府機関のウェブサイト以外での輸入関連制度の情報収集方法として、貿易関連書籍を取り扱うEditora Aduaneira社のウェブサイトでは、法令検索や関連書籍の購入が可能であるほか、通関業務関連の講習やオンライン相談を受け付けている。また、リオデジャネイロのInfoconsult社では、ウェブ上での製品区分・関税率・関連法令の検索サービスを、輸入に関しては「Sistema TECWEB」、輸出に関しては「SISPEX-INFOCONSULT」として提供している。

輸入管理その他

「貿易システム統一ポータル(PORTAL ÚNICO SISCOMEX )」の導入、輸出入業者登録制度(RADAR)、輸入ライセンスの種類、中古財の輸入など。

貿易システム統一ポータル(PORTAL ÚNICO SISCOMEX)の導入

2017年下半期にブラジルの輸出入貿易業務の電子操作を1つの窓口にまとめた「貿易システム統一ポータル(Portal Único SISCOMEX、以下「SISCOMEX」)」が導入された。世界銀行の奨励による“Doing Business”の一環として、先進諸国が導入している“Single Window”(統合)のブラジル版で、3、4カ月ごとに新たなプログラムの導入、これまでのシステムの改良・変更が行われ、操作の簡素化、迅速化と経費削減が急速に進んでいる。輸出入貿易業務の大半がこのシステムに統合されており、その主なものは輸出入業者(RADAR)、通関士の登録から、輸出入ライセンスの申請認可業務、ドローバック制度の申請・認可業務、貿易業務課(DECEX)以外の各認可機関(ANVISA, MAPA, INMETRO, IBAMA, SUFRAMA, ETC)の申請認可業務、各港湾の税関保税倉庫の海上貨物の状況、金融機関によるアクセスなどがこのSISCOMEXの電子操作で行われている。しかし、情報技術の進歩とともに、情報電子操作そのものが極めて複雑化してきており、一般輸出入企業のみならずロジスティクス専門の担当者が情報システムの正しい知識と最新の操作方法の理解が欠かせないのが現状である。

輸出入業者登録制度(RADARとREI)

輸出入業者の登録には、経済省ブラジル国税特別局への登録(RADAR)と経済省貿易局の輸出入業者登録(REI)の2種類がある。
経済省ブラジル国税特別局の輸出入業者登録制度は、正式には「通関業者活動追跡登録(Registro e Rastreamento da Atuacao Dos Intervenientes Aduaneiros:RADAR・ハダール)」と呼ばれ、オンラインでの貿易実務を実現するSISCOMEXにアクセスする資格ともいえる。
貿易業務に携わる会社は、輸出入の貿易管理業務を行う際に、輸入ライセンス、輸入申告書、ドローバック制度(「関税制度」参照)の適用、輸出登録(許可書)、為替操作など、SISCOMEX上で操作を行う。
他方、経済省の輸出入業者登録(REI)は、SISCOMEXを通して一度輸出入操作を行った企業については、同省貿易局(SECEX)にシステム上で自動的に登録され、特別な手続きは必要としない。SECEXに対して個別に申請が必要なのは、国立植民農地改革院(INCRA)に登録された農業・漁業を営む個人や自営業職人として登録される手工芸作家や芸術家の場合など。

RADARの種類と対象

RADARは、国税庁(ME/RFB)2015年12月5日付細則(Instrução Normativa)第1603号によって刷新され、同年12月16日から適用を開始した(以前のRADAR規定である同細則第1288号は廃止)。
新RADARは法人向けと個人向けに大別され、法人向けには3種類がある。種類と対象は次のとおり。

  1. 法人様式資格(Habilitação de Modalidade Pessoa Jurídica

    法人様式資格では、半年間のCIFベース輸入額に応じて次の3種類に区分されている。資格申請を行うと、過去5年間の税金・社会保障負担金の納付額の合計を基準として推定される財務能力に応じて審査される。

    1. 特急方式(Submodalidade Expressa
      • 輸出活動は金額の上限なく、また輸入活動を連続6カ月ごとで合計5万ドルもしくはそれ以下の範囲で行うことを希望する法人
      • 株式を公開している法人で、株式市場あるいは店頭で取引される株式会社とその支店
      • AEO認定事業者(Authorized Economic Operator: ポルトガル語:Operador Econômico Autorizado-OEA)として登録証明された法人
      • 公社、あるいは官民混成会社
      • 政府直接管理機関、公企業・公的財団、独立採算制の公的機関、国際機関およびその他の治外法権組織

      SISCOMEXの導入により、申請時に入力したデータに問題がなければ即時に許可される。

    2. 年間輸入額の無制限資格(無制限形式:Submodalidade Ilimitada
      対象:輸入額が半年間で15万ドル超とされる企業。
      年間の輸出入額は無制限。この資格申請もa.同様、SISCOMEXを通して申請し、後日要求されるすべての書類を申請者管轄の経済省ブラジル国税特別局(ME/RFB)に提出しなければならない。審査期間は10日。
    3. 年間輸入額の制限付き資格(制限形式:Submodalidade Limitada
      対象:輸入額が半年間で5万超~15万ドル以下とされる企業。
      輸入額は6カ月ごとに15万ドル相当額(CIFベース)に制限(為替取引を伴わない貿易は対象外)、輸出額は無制限。この資格申請もa.同様、SISCOMEXを通して申請し、後日要求されるすべての書類を申請者管轄のブラジル国税特別局(RFB)に提出しなければならない。審査期間は10日。
  2. 個人様式資格(Habilitação de Modalidade Pessoa Física
    対象:農村生産者、職人/工芸家、芸術家として資格を有する者またはそれに準ずる者。個人使用やコレクション用の輸入を行う個人も原則として含まれるが、SISCOMEXにおける登録を必要としない輸出入、別送手荷物の輸出入、通常輸入制度の対象に指定されていない限り郵便・国際宅配便での輸入には、本資格は不要。審査期間は10日。

輸入管理システム

ブラジルの輸入管理制度では、輸入について次の3つの形式がある。

  1. 輸入ライセンス(LI)が免除となる輸入
  2. 自動承認輸入ライセンスの輸入
  3. 非自動承認輸入ライセンスの輸入

輸入ライセンスが免除となる輸入(Licenciamento Dispensado

次の種類の輸入は、原則的に事前の輸入ライセンス取得が免除され、輸入申告書(Declaração de Importação - DI)をSISCOMEX内の輸入モジュールを通じて作成・申告できる。

  1. 税関情報管理制度を適用した保税倉庫および保税生産施設制度を活用した輸入
  2. 鉱脈の掘削調査、石油・天然ガスの採掘活動に用いられる財の輸出入に関する特別制度(REPETRO)の対象となる財を含む一時許可制度輸入。なお、REPETROを活用した輸入が認められるのは、2020年12月31日まで。
  3. 免税店、航空機メンテナンス部品用の免税倉庫、隣接国から第三国への経由貨物用の免税倉庫、特別倉庫などの様式で行われる特別な関税制度下で行われる輸入
  4. Ex-Tarifário”制度による輸入税の減税対象製品の輸入
  5. 国際会議、展示会で消費される物品の輸入〔1991年12月30日付法令第8383号第70条〕
  6. 保証契約の対象部品・付属品
  7. 中古財以外の贈与品の輸入
  8. 工業および科学目的でテスト・試験・調査用として輸出されたブラジル産品の返却輸入
  9. リース・レンタル対象製品の輸入
  10. 非販売品の中古品で再利用できる容器(コンテナ)、包装、包み袋、リール、セパレーター、ラック、クリップロック、自記温度計、もしくは既に輸出入されたか、今後輸出入する物品の輸送・包装・保護・取り扱い・温度変化の記録を目的としたその他類似した目的に使用する再利用品の一時輸入制度下での輸入または再輸入
  11. 滞在期間比例型の関税支払いによる一時輸入制度*を利用して輸入された機械・設備の内貨(Nacionalização

    ただし、新品として持込まれた場合に適用されるが、中古品としての場合は各々の規定が優先される。
    一時輸入規定で認められる最高期間は100カ月。

    * 滞在期間比例型の関税支払いによる一時輸入制度〔ブラジル連邦国税局2015年12月14日付細則第1600号〕
    外国から主に生産設備(中古/新品を問わない)を一時輸入制度で通関する時点において、通常の輸入税率を当該設備がブラジルに存置される期間に応じて税金を支払い、通関する制度。
    税率は、輸入する対象製品の税率をベースに計算され、1カ月当たり指定税率の1%が課せられる。

  12. ZPE地域(ブラジル国内16カ所に認可されている特別輸出ゾーン)で操業を許可された企業の輸入
    この場合の輸入では、輸入通関前に、SISCOMEXによる輸入ライセンスを登録しなければならないが、このライセンス申請は形式的なもので、直ちに免除される。
    ただし、国家安全、衛生管理、環境保全の観点から、輸入ライセンスを必要とするものは除く〔2007年7月12日付法令第11508号〕。

注:1、2、4~11の項の輸入でも、輸入規制管理(Tratamento Administrativo)の対象品目リストに記載されている場合は、「自動承認輸入ライセンス」ないし「非自動承認輸入ライセンス」による輸入ライセンスの取得を必要とする。

自動承認輸入ライセンス形式(Licenciamento Automatico de Importação)の輸入

輸入対象製品が自動承認輸入ライセンスか非自動承認輸入ライセンス(次項参照)に属するかどうかは、製品のNCMコード(3グループ8桁:0000.00.00コード番号)をSISCOMEXの「輸入規制管理(Tratamento Administrativo)」の対象品目リストと照合することによって判別可能。
自動承認対象に指定されているものは、事前の許可なしで船積みが可能で、ブラジルの港または空港の税関に直接輸入申告できる。

なお、ドローバック制度(「関税制度」参照)による輸入も、原則的には自動承認輸入ライセンスに分類され、事前の許可を必要としない。ただし、輸入保税・工業倉庫に入庫された商品を、内貨(Nationalized products)あるいは他の特別制度に移管する場合に、通関申請前に輸入ライセンスを申請・取得しなければならない。
また、ドローバック対象製品あるいは保税・工業倉庫に納庫されている商品の内貨では、自動承認輸入ライセンスを必要とする。その審査期間は10日。

非自動承認輸入ライセンス形式(Licenciamento Não Automatico de Importação)の輸入

対象製品のNCMコードをSISCOMEXの「輸入規制管理(Tratamento Administrativo)の対象品目リスト」と照合することで判別可能。その際に、特記事項欄に非自動承認輸入ライセンスの事前審査担当機関が併記されているのを確認する。定められた例外条件に当てはまる場合を除いて、非自動承認輸入ライセンスと指定される場合にはすべて船積み前または後に輸入ライセンスの取得が必要となる。
製品の種類によっては、その承認を担当する機関が直接SISCOMEXを通してライセンスを発給する。
非自動承認輸入ライセンスの対象となる主な製品は、次のようなものがある。

  1. 関税割当制の枠および非関税割当制の枠を取得する輸入
  2. マナウス・フリーゾーンや自由貿易エリアの恩典を受ける輸入製品
  3. 国家科学技術開発審議会(CNPq)の許可を必要とする製品
  4. 国産類似品審査の対象品
  5. 中古財の輸入(ただし、中古コンテナなどの再利用できる梱包容器の一時輸入を除く)
  6. 国際連合の決議に記載された制限国を原産とする製品の輸入
  7. 1982年7月26日付財務省令150号の規定による物品の交換輸入
  8. 密輸、偽造の嫌疑が掛けられた輸入
  9. アンチ・ダンピング措置対象と同一製品の原産地に関する監視対象製品を輸入する場合、次の各条項に留意すること。
    1. 輸入製品がNCMコードの小分類上、輸入ライセンスの取得対象と特記のある品目として分類されているが、実際にはその特記内容が当該品目に該当しない場合、輸入者はコード番号999をインプットすれば、指定された審査は免除される。
    2. アンチ・ダンピング措置の対象品と同一の製品を輸入するが、その措置上で指定された原産国や生産者には該当しない場合、輸入者は輸入ライセンスの登録前に生産者、あるいは輸出国の政府機関が発給する「原産地申告書(Declaration of Origin)」を手配しなければならない。
    3. 「原産地申告書」は、2011年付経済省貿易局省令第23号の附属書ⅩⅩⅥの様式により、輸入製品の生産者、あるいは輸出者が必要なデータを記入し、署名しなければならない。
    4. 「原産地申告書」は申請される輸入ライセンスごとに関連しているものでなければならない。
    5. 貿易局は輸入者に対し、「原産地申告書」をどの時点でも要求できる。その場合、輸入者はその要求がSISCOMEX上で正式に行われた日から起算して10日以内にこれを提出しなければならない。
    6. SISCOMEXを通して行う輸入ライセンスの申請日から起算して5年間は、輸入者はこの「原産地申告書」を保管しなればならない。
    7. SISCOMEXを通して輸入ライセンスを申請する場合、輸入者は「補足情報」欄に次の宣誓をしなければならない。
      • 対象製品が2011年12月14日付法令第12546号第31、32条に定められた非優先原産地規定に基づく、輸入ライセンスに記載された原産国の製品であること。
      • 「原産地申告書」を輸入者自身が所有し、貿易局による提示の要請があれば、前項e.の期限内(10日間)に提出できること、あるいは後述する項の場合には「優先原産地証明書(Preferential Certificate of Origin)」の提出を約束すること。
    8. 輸入ライセンスの審査中に「原産地申告書」の提出を求められ、10日以内に提出できなかった場合、輸入ライセンス申請が却下される。
    9. 輸入ライセンスが発給された後に、「原産地申告書」提示の要請があり、それを提示できない場合は、その後360日までの次回輸入ライセンス申請時には、事前の提示義務が課せられる。
    10. ブラジルが特恵関税を供与している国際条約の締結国を原産国とする輸入では、この「原産地申告書」は免除され、「特恵原産国証明書」は各々条約で定められた基準に従って発給された、本項の要件を満たす充分なものとする。
    11. 貿易局は輸入ライセンス制度に違反する証拠を得ている場合は、違反嫌疑のある者による特定の輸入、あるいはすべての輸入に対する輸入ライセンスの発給を阻止できる。
      • 本項の輸入ライセンス制度は違反の兆候があると思われる要素を立証するのが目的で、最高180日の期間の罰則が科せられる。
      • 貿易局はこの違反者に対し、輸入ライセンス制度に基づく強制措置を理由とともに通告しなければならない。
      • この条項に規定される輸入ライセンスに対する措置は、根拠不十分であることが明らかになった時点で、直ちにその適用を停止しなければならない。
      • この「原産地申告書」の未提出は、本項で規定するところの違反の兆候とみなされる。

国家度量衡・品質・科学技術院(INMETRO)の輸入ライセンス(LI)を必要とする輸入

2019年5月27日付の経済省・INMETRO省令(Portaria)第260号により、連邦官報での公布日である同年5月29日以降の輸入に必要な輸入ライセンスは、船積みされた後に発給することができるようになった。ただし、輸入通関申告(DI)前までに取得しなければならない。

国産類似品審査の対象輸入

国産類似品審査が必要とされる輸入は、次の4つのケースに絞られる。

  1. Ex-Tarifárioシステムによる関税率減免の申請のため
  2. 中古財の輸入ライセンス取得のため
  3. 中古生産ライン一式の輸入認可申請のため
  4. 固定資産に組込まれる機械設備の輸入で通常課税される州税ICMSの免税を享受するため

国産類似品審査は関税規則を定めた2009年2月5日付大統領令(Decreto)第6759号第Ⅶ章の190条~209条の基準と手順によって行われるが、2019年5月7日付の貿易協議会(CAMEX)省令(Portaria)第11号により、次の二段階に分けて審査される。

  1. 類似国産品の有無の判定
  2. 申請された輸入機械が類似国産品で充分代替可能かどうかの国産品の性能分析
    この判定および分析にあたっては次の3要素が考慮される。
    1. 品質の解釈:品質の同等性と使用目的に見合った技術仕様。
    2. 価格:輸入製品のCIF金額をベースとして、輸入に課税されるすべての税金と商船隊更新追加税(AFRMM)を加算した合計金額を上回らないこと。
    3. 納期:ブラジル国内で常識的に通常取引されている納期を基本とする。

これらの要素を検討した結果、代替可能と判断された場合は国産類似品ありとみなされる。

中古財の輸入

中古財の輸入は、経済省貿易業務部(DECEX)省令(Portaria)第8号(1991年5月13日付)を基本法規とし、SECEX省令第23号(2011年7月14日付)第Ⅱ章Ⅳ節(第41~59条)に改正がまとめられた。
非自動承認輸入ライセンスを必要とし、国産類似品が存在しないものに限定されている。2019年6月24日付の経済省(ME)省令第309号によれば、国内に存在しないことが証明されれば、Ex-tarifarioの輸入税の免税制度の適用ができるとしている。

輸入可能とされる中古財の対象製品は、次の3種類に大別できる。

  1. 機械・設備・機器など1台~数台の中古機械設備の単体輸入
  2. 中古生産ライン一式、中古工場(移転)の輸入
  3. 機械・機器メンテナンス用の中古の部品・付属品・資材・消費財などの輸入

中古財の輸入申請・審査・認可の手順

  1. 申請企業は、まず経済省ブラジル国税特別局(ME/RFB)が認可するRADAR(輸出入業者登録)の資格を取得していること。中古機械設備の金額が15万ドルを上回る場合は、輸入金額の制限のないRADAR(無制限形式RADAR)の資格が必要。
  2. 貿易統合システムSISCOMEXを通して輸入ライセンスを登録する際、同時に対象機械設備の技術資料と技術仕様のあるカタログ(外国語の場合はポルトガル語の翻訳必須)、写真、図面、レイアウト、機械の稼動順序(工程)など、関連書類をPDF形式等のファイルにして、経済省貿易局DECEX宛にSISCOMEX上から送信する。2020年8月現在、カタログ、図面、ポルトガル語翻訳などの技術資料の送付の際、ファイルサイズ上限は15MBとなっている。
    輸入ライセンス登録時に、これら技術資料が不足、あるいは送付を怠った場合は、自動的に申請拒否となる。
  3. DECEXは、申請された機械の類似国産品存在の有無を判定するため、SISCOMEXポータルサイトにてパブリック・コメント(Consulta Pública)として前項2.で受領した機械設備の概要を掲載する。
    公開された日から起算して30日以内に、国内メーカーから異議やクレームが唱えられなければ、原則国産品無存在として考慮され、認可の対象となる。
国産類似品審査(2014年の総合貿易規定第23号の46条と47条)

中古財の輸入プロセスにおける分析では、次の場合に限り国産品審査が免除されることもあり得る。

  1. 申請された輸入中古財について、国産類似品の無存在が歴然としている場合。
  2. 機械工業団体であるブラジル機械工業会(ABIMAQ)等が発給した「国産無存在証明書(Atestado de Inexistência de Produção Nacional)」を添付した輸入申請では、その有効期限が発行から180日以内のもので、類似国産メーカーによる類似機械設備が製造不可能である旨の証明書類を添付しなければならない。これらの書類が添付されない申請は、前記手順3.にあるパブリック・コメントに付される。
  3. 2019年6月24日付経済省省令第309号のEx-tarifário制度で認可された新品と同一の機械設備。
対象中古機械に関連する業界団体

ブラジル機械工業会(ABIMAQ/SINDIMAQ)、ブラジル電気電子工業会(ABINEE)、ブラジル鉄道機器工業会(ABIFER)などに依頼して取得する「国産無存在証明書」の取得の際も、技術資料等の書類が必要となる。
一方、Ex-Tarifárioの減税申請では、輸入ライセンス取得関連資料以外に、申請会社の減税目的、投資、雇用、輸出などの情報を所定の様式によって提出することが必要。
新品機械設備の輸入における商品流通サービス税(ICMS)の免税の適用には、ブラジル機械工業会(ABIMAQ/SINDIMAQ)が発給する「国産無存在証明書」の提出が要求される。

中古生産ライン一式、中古工場の移転輸入の申請・審査・認可の手順

前述の中古財輸入の手順と異なり、輸入ライセンス登録する前に、2011年7月14日付経済省貿易局(ME/SECEX)省令第23号「附属書Ⅱ」で指定する所定の様式による「中古工場移転プロジェクト*」を作成し、会社定款と法的代理人を署名者として、同局に提出しなければならない。
同時に、機械設備の業界団体ABIMAQが主導する国内メーカーとの「国内メーカー参加協定(Acordo de Participação de Similaridade)」を締結して、初めて輸入が可能となる。

DECEXは同プロジェクトの受理から30日以内に審査し、申請内容が規定通りのものかどうかの分析を行う。プロジェクトが正式に受理されると、DECEXはプロジェクトの審査結果と中古工場の機械設備一覧表を業界団体ABIMAQに送付する。輸入者は次に、業界団体との「国内メーカー参加協定」を締結する。

これが締結されると、ABIMAQはそのコピーをDECEXに10日以内に送付しなければならない。この協定は輸入機械リストと国産可能リストで構成され、両者が同意し締結した場合、輸入者は同プロジェクト実施期間内に国産可能とされる機械設備すべてを輸入できるが、その合計金額に相当する分だけ、カウンターパートとなる国内市場で他の国産機械を購入する約束条項に署名しなければならない。

*「中古工場移転プロジェクト」には、生産ライン一式で製造する製品名、ラインを構成するすべての機械設備の一覧表、工場のレイアウト、各機械のモデル、製造年、数量、査定金額、関税番号の他、製造プロセス、導入の目的、時期、創出される雇用数、輸出力の拡大、生産性の向上、投資総額などのデータを収録する。

国産類似品の無存在証明の免除

次の中古財の輸入は、国産類似品の無存在証明の要請が免除される。

  1. ブラジル政府によって締結された国際条約によるもの
  2. 一時(テンポラリー)輸入、ただし、メルコスールNCM/HSコード番号8605および8606に分類される鉄道用貨車は除く
  3. 死亡した人の遺産として法的証明書のある財
  4. 現行法規による商業価値のない郵便物
  5. 本省令48条から55条の中古工場規定、および1991年の貿易局省令第8号、25条、f項の規定に基づく、貿易局が認可した工業プロジェクトに関連した分工場、生産ライン、生産工場のブラジルへの移管
  6. 中古文化財
  7. NCM/HSコード番号8701,8702、8703、8704、8705、8709、8711、8716および8903.91.00の車両で、文化・収集目的の製造年30年以上を経過したもの(これらのメンテナンス用付属品や部品を含む)
  8. 運輸省海運局によって許可された中古貨物・旅客運送船舶
  9. 農務省の事前許可を得た、自費もしくは2004年3月23日付法律(Lei)第10849号に規定されるブラジル漁船増強近代化融資国家計画(Profrota Pesqueira)の支援を受けて取得された中古漁船
  10. 航空局権限で例外とされる航空機、宇宙航空機、ターボ推進エンジンあるいはその他エンジン、機器、工具、航空機テストベンチおよびそれらの部分品、部品、付属品
  11. 情報・電子通信機器の交換あるいはメンテナンス用のパーツ、部品および付属品。ただし、輸入手続きがメーカー自身あるいはそのメーカーが信任した第三者によって行われたものに限定される
  12. 国内での修理、補修、メンテナンスのための情報・電子通信機器の中古パーツ、部品および付属品。ただし、輸入手続きが最終製品メーカー自身あるいはメーカーが信任した第三者によって行われたものに限る
  13. 1975年9月3日付大統領令第1418号の規定に基づき外国で徴用されて工事の実施のために海外に輸出されたブラジル産の機械、装備、車両、機器、計器およびそれらの部分品、部品、付属品、構成品の返却品
  14. 課税保留方式の統合ドローバック(Drawback Integrado Suspensão)制度により輸入された機械、装備、機器、計器、冶具、金型、コンテナおよびそれらの構成品、部品、付属品など。ただし、国内市場で引き渡される船舶向け(1992年1月8日付法令第8402号)、および国内市場で供給されるドローバック特別操作(1990年4月12日付法令第8032号第5条)は除く
  15. NCM/HSコード番号8480に分類される金型および8207に分類される工具(プレス型)(ただしその目的専用として特別発注されたものに限る)
  16. 中古乗用車:海外に2年以上在住した身体不具者が使用する目的のもので、輸入ライセンスの登録日の180日以前に外国で購入した乗用車(2011年7月14日付経済省SECEX省令第23号第42条のⅩⅥおよび第56条の規定を遵守したもの)。輸入通関後2年を経過した後は第三者に譲渡することができる。

農林水産物の輸入規制

動物、植物、それらの製品、副産物、残留物やその他農牧資材(油脂、飲料、アルコール、タバコなどを含む)の輸入は、2011年11月7日付農務省(MAPA)細則(Instrução Normativa)第51号によって規制されている。それら製品の関税品目により、それぞれ監督、検疫、品質管理、危険分析システムおよび輸入プロセス(8種類)などが決められている。
対象商品は、NCM/HSコードにより次の8種類のプロセスのどれかに分類される。同細則の附属書(ANEXO)の表で、該当プロセスと次に挙げる農務省の担当管轄部署を確認する。なお、その他の規制等があるか否かも、担当管轄部署に確認する必要がある。

  • 動物保健課(Departamento de Saúde Animal:D.S.A.)
  • 動物原産品検査課(Departamento de Inspeção de Produto de Origem Animal:DIPOA)
  • 牧畜製品検査課(Departamento de Fiscalização de Insumo Pecuário:DFIP)
  • 農産物検査課(Departamento de Fiscalização de Insumo Agrícola:DFIA)
  • 植物原産品検査課(Departamento de Inspeção de Produto de Origem Vegetal:DIPOV)
  • 維持可能生産課(Departamento de Produção de Sustentabilidade:DPROS)

プロセス1:船積み前の「電子輸入事前認可」(Autorização Prévia de Importação)の取得が免除されるが、SISCOMEX上で登録する輸入ライセンスは必要。
輸入ライセンスの承認は、到着時に船積書類の検査、現物検査のほか、衛生・植物・品質検査が行われ、問題がなければ下りる。その後、直ちに輸入通関申請ができる。

プロセス2:1と同様に、船積み前の「電子輸入事前認可」の取得が免除されるが、輸入ライセンスは必要。
輸入ライセンスの承認は、到着時に船積書類の検査、現物検査のほか、封入、温度、ラベル、製品の番号等の照合が行われ、問題がなければ下りる。その後、直ちに輸入通関申請ができる。
通関が完了した製品の衛生・植物・品質検査は、農務省に登録された目的地(輸入会社)で行うことができる。

プロセス3:船積み前の「電子輸入事前認可」を必要とし、かつSISCOMEX上で登録する輸入ライセンスの承認が必要。
輸入ライセンスの承認は、到着後の通関申告前に船積書類の検査、現物検査のほか、衛生・植物・品質検査が行われ、問題がなければ下りる。その後、直ちに輸入通関申請ができる。

プロセス4:3と同様に、「電子輸入事前認可」を必要とし、かつSISCOMEX上で登録する輸入ライセンスが必要。
輸入ライセンスの許可は、到着時に船積書類の検査、現物検査のほか、封入、温度、ラベル、製品の番号等の照合が行われ、問題がなければ下りる。その後、直ちに輸入通関申請ができる。
通関が完了した製品の衛生・植物・品質検査は、農務省に登録された目的地(輸入会社)で行うことができる。

プロセス5:船積み前の「電子輸入事前認可」を必要とし、到着時の衛生・動物・植物検査および品質検査が免除される。ただし、SISCOMEX上で登録する輸入ライセンスは必要。
輸入ライセンスは、通関申請前に船積書類の検査が行われ、問題がなければ許可が下りる。
通関が完了した製品の衛生・植物・品質検査は、農務省に登録された目的地(輸入会社)で行うことができる。

プロセス6:船積み前の「電子輸入事前認可」の必要の有無にかかわらず、港湾および国境でバルク積みされた衛生・動物・植物のリスクを伴わない製品が対象。輸入ライセンスの登録が必要。
このプロセスに該当する製品は、本船(航空機)から荷卸しする前の段階で、農産品監視システム(VIGIAGRO System)の出先部局の許可が義務付けられている。
輸入ライセンスは、船積書類の検査時点で、次の規定に留意して事前に認可される。

  1. 対象製品が農務省の定める品質規格内である場合、輸入者が当該法令による検査のために必要なサンプルの抽出および処分に関する約束条項に署名することで輸入ライセンスが許可される。
  2. 個別の法規によって衛生・動物・植物・品質検査が要求される物品については、入国時点でそれらが行われる。

プロセス7:税関保税倉庫制度に基づき搬入が認められる製品は、入国時点には衛生・植物・品質検査が免除されるが、当該保税制度の適用が外れた際にはSISCOMEX上で登録する輸入ライセンスが必要。
その輸入ライセンスの承認は、次の規定に留意した上で下りる。

  1. プロセス1あるいは2および7に同時に該当する製品は、船積み前の「電子輸入事前認可」が免除されるが、プロセス1あるいは2の該当製品は、船積書類、現物検査、衛生検査の手順が義務付けられており、通関申請前に輸入ライセンスが承認されていなければならない。
  2. プロセス3、4あるいは5、および7に同時に該当する製品は、国境地点からの輸送の荷積み前に農務省の担当技術検査官が発給する税関保税倉庫制度規定による搬入許可書を必要とする。通関申請前に、規定に基づく各種の書類検査が行われた後、輸入ライセンスが許可される。

プロセス8:税関トランジット制度に基づいて輸入される製品に関しては、現行法規に基づくリスク区分および梱包、輸送条件などが遵守され、税関保税倉庫向けであるか、あるいは農産品監視システムの規定を満たす製品の確認があれば、入国時点での現物検査、衛生、植物、品質検査などのプロセスは免除される。

国家衛生監督庁(ANVISA)の輸入規則

輸入品全般における品質・衛生等の規制

輸入製品全般の品質、衛生検査の改善を促進し、同時に外国貿易で使用される専門用語(語彙)の定義を定めるために、国家衛生監督庁(ANVISA)の合同理事会は、2008年11月5日付RDC決議第81号を発布し、これに基づいて輸入製品の技術規則を決定した。

この決議の内容は膨大なもので、衛生監督目的の貿易専門用語の定義から、SISCOMEXにおける輸入ライセンスの申請取得、船積み許可の申請取得、国際クーリエ、国際航空小包郵便、携帯荷物による種々の物品輸入、医療・医薬品、調整香料、化粧品類、石鹸、有機界面活性剤、洗剤、食品、栄養食品などの輸入規定、中間製品、完成品などの輸入製品の梱包/ラベルなど、全般的規則が網羅されている。
この決議では、輸入対象製品のNCM/HSコードにより、次の7つのプロセスに区別される。

  1. プロセス1:1998年5月12日付保健省衛生監督局(MS/SVS)省令第344号に基づく特別管理を必要とする物品(麻薬、精神病用医薬品で、340種以上が指定されている)
  2. プロセス2:血清派生品、血清と予防接種、動物由来の流動物と組織およびアレルゲンの生物学的派生品
  3. プロセス3:1998年5月12日付保健省衛生監督局(MS/SVS)省令第344号に基づく、特別管理を必要とする物品
  4. プロセス4:保健用品
  5. プロセス5:その他の物品で、食品(5.1)、化粧品、衛生関連、香水(5.2)、医薬品(5.3)、衛生用品(5.4)、試験管診断用品(5.5)、その他の物品(5.6)
  6. プロセス6:反芻動物の組織あるいは流動物を含む物品
  7. プロセス7:国際的緊急および、一時的な流行病治療に必要となる物品

2008年に発効したこのRDC決議第81号は公布日から10年以上経過しており、この間いくつもの変更、条項削除、修正が繰り返されてきたが、貿易業務全般の電子化として、2017年後半に経済省とブラジル国税特別局(RFB)が導入した貿易統合システムである「Portal Unico SISCOMEX」による手続きの簡素化・迅速化が進んでいる。ANIVISAもこれに対応すべく、衛生検査を要する輸入品の規則と実施の特別プログラムを組み、2018年1月5日付RDC決議第208号や同年5月23日付RDC決議第228号では、次のような新たな規定を設けている。

  • 衛生・検疫検査の対象物品の輸入規定の簡素化のため、現在税関が実施している検査区分(緑色、黄色、赤色、灰色)をANVISA関連物品の輸入通関でも採用
  • 国際展示会などに出品するATAカルネで持ち込まれる衛生・免疫検査を必要とする製品のテンポラリー輸入規定
  • 医療研究や臨床実験に必要なサンプルや試験管の診断用細胞生物学研究用資材の採集キットの輸入規定
  • 衛生検査を要する財の分割船積規定
  • 包装箱にQRコードが印されている輸入医薬品の取り扱い規定
  • 中古医療機器の取扱い規定

福島県産の日本食品・食品原料の輸入規制

東京電力福島第一原子力発電所事故の発生に伴う日本産食品・食品原料の輸入規制(2011年4月8日付ANVISA決議RDC第15号)は、2012年12月6日付ANVISA決議RDC第59号によって廃止された。
ただし、福島県産のものに対しては、日本で発行された食品輸出証明書と原産地証明書の添付が義務付けられていたが、2018年8月17日付RDC決議第245号によりこの規則も廃止された。これらにより、日本で発行された食品輸出証明書と原産地証明書の添付や現地での放射性物質検査などが不要となった。

水産加工物の輸入のための衛生証明書(Certificado Sanitário

輸出国の衛生監督局が発給する「衛生証明書」は、2014年8月18日付農務省DIPES/CGI/DIPOA回章第183号により、2015年1月1日から新フォーマットとなった。
輸出商品の記述、NCM/HSコード、原料の原産地(ISO番号)、使用目的、製造・加工工程、輸送方法、商品名、科学名、包装の種類、製造ロット番号、NW、発給機関名、ラベル名等の記入が義務付けられている。

その他の輸入規制

補給(予備)部品の輸入

機械設備の補給部品の輸入では、輸入ライセンスは、次の条件で申請できる。
対象機械設備と同時に船積みされ同梱されている場合、一点一点の部品の記述を省くことができ、それらセットの総てが機械本体と同一の関税番号が適用される。
ただし、それらの補給品セットの合計金額が機械設備のFOB金額の10%未満の場合に限る。
また、通関検査で税関検査官の要求があれば、その補給部品の一覧表(品名、数量、金額等が記載されたもの)を提出しなければならない。

この規定は2011年7月14日付経済省SECEX省令第23号第18条に明記されているが、経済省ブラジル連邦国税庁税関運営総合調整部(COANA)の解釈は補修部品(Peças sobressalentes)は、仮に機械や装備と同梱・船積みされた場合でも、国際関税協会の規則解説に基づき、部品一点一点の各部品が属する関税番号に分類し、輸入税その他の税金も各々の関税番号に従った税率を適用すべき、との解釈を示している。

このように、2つの政府機関の見解が異なることから、例えば、事前輸入ライセンスを必要としないEx-tarifário制度の機械・設備などの減税(2017年8月17日から2%から0%)を適用して行われる輸入通関では、これら補給部品の扱いに充分注意する必要がある。

南米南部共同市場(メルコスール)からの輸入

メルコスール加盟国からの輸入では、ラテンアメリカ統合連合(ALADI)の関税番号を付すことが義務付けられ、かつ通関時に加盟国による「原産地証明」の提示が要求される。

恩典付き割当輸入

減免税付きの割当輸入は、2011年7月14日付貿易局省令(Portaria)第23号第60および61条に定められており、大きく2つのグループに分けられる。一つはメルコスール決議に基づき貿易協議会(CAMEX)が期限付きで数量を限定した減免税輸入割当。対象製品は132種類に上り、その大半が関税2%適用(通常14%前後)で有効期限は半年から1年のもの。詳細は2011年7月14日付貿易局省令(Portaria)第23号の附属書Ⅲ項を参照。もう一つはラテンアメリカ統合連合(ALADI)の協定(ALADI圏内での割当輸入)による関税割当が適用される製品で、主に、コメ(米)、胡椒、顔料(二酸化チタンが主原料)、ポリスチレン、ポリ、プラスチック板/フィルム、NALADI 8703.21, 22, 23, 24, 31, 32, 33, 90、8704.21, 22, 31, 32が対象製品で枠内の場合は100%免税適用。詳細は2011年7月14日付省令第23号の附属書ⅩⅩⅧ項第9条に示される経済補完協定(ACE)、共通関税番号(NALADI/HS)、発効日/同満期日、割当トン数または米ドル建て金額、割当消化数量別を示した一覧表を参照のこと。

輸入取引における値引き

輸入商品の価格で値引きがある場合は、経済省貿易業務部(DECEX)に、輸出者と交渉・交換した取引書類のコピーを添付し、値引きの理由などを説明して許可申請を行う。
この申請には、輸入申告書、輸入ライセンスおよびインボイスを添付しなければならない。
輸入ライセンスが免除となる商品の輸入で、インボイスに値引率あるいは値引額が明記されている場合は、税関の検査官の判断で、値引き前の金額に対して課税されることがあるので注意を要する。

輸入ライセンスの審査・発給期限および内容の修正と変更

自動承認輸入ライセンス形式では、申請項目、内容が規定通りの場合、申請後10日以内に発給される(ドローバック輸入の場合など)。
一方、非自動承認輸入ライセンス(通常の輸入ライセンス)形式では、申請後最高60日以内が審査・発給期間である。
ただし、貿易業務部(DECEX)以外の発給担当機関(ANVISA、IBAMA、MAPA、INMETROなど)の審査が長引く場合、それ以上の期間を要する場合がある。

輸入通関申請前までに発給された輸入ライセンスの内容を変更する場合、認可の対象となるが、最初の輸入ライセンスとは別に、新たな審査が行われる。変更内容が最初のライセンスと較べ、大幅変更と判断された場合、その変更は認められない。

輸入通関後の輸入ライセンスの修正は、関連機関の要請があれば許可の対象となる。
原産国、価格の減額、品質の向上、NCM関税番号、課税方式、中古品の該当などの変更は、貿易業務部(DECEX)の審査による。

輸入ライセンス付きの輸入商品の船積み期限

自動承認輸入ライセンスおよび非自動承認輸入ライセンスを取得した商品の船積み有効期限は90日である。
これらの輸入ライセンスの有効期限の延長申請は、申請理由の正当化が認められれば、原則1回のみ最初の輸入ライセンス有効期間(90日間)と同一期間猶予される。
発給された輸入ライセンスを輸入申告書に90日以内に適用しなかった場合、自動的にその輸入ライセンスは無効となる。

外国で船積み後に非自動承認ライセンスを申請・取得できる物品

非自動承認ライセンスの対象物品は、通常外国からの船積み前に取得しなければならないが、次のものは船積み後に申請することができる。ただし、税関での通関申請前でなければならない。

  1. マナウス・フリーゾーンにおける恩典付き輸入
  2. 税関あるいは工業保税倉庫に納庫された商品
  3. 科学技術開発国家審議会(CNPq)で許可された輸入
  4. 玩具の輸入
  5. 輸入ライセンスを認可する他の機関が、独自の規定によって船積み後に申請可能と規定している場合
  6. 国際運輸で使用されるNCM関税番号8609に分類される中古コンテナの内国化の対象のもの
  7. 関税割当制の枠および非関税割当制の枠を取得する輸入(ALADIの協定によるものも含む)

注:2.を除き、輸入規制管理(Tratamento administrativo)の対象品目リストに船積み前に輸入ライセンスの取得が必要と明記されたものは、船積み前の申請・取得が義務となる。一方、船積み後 (航海中)にその商品が船積み前の輸入ライセンス取得義務の対象物品に変更された場合は、B/L(船荷証券)の日付によりその事実を証明しなければならない。ただし、船積み前の輸入ライセンスの取得が輸入規制管理の対象品目リストに入った日付後30日までの場合は、B/Lの提出義務は免除される。30日を超えた場合は、事後処理としての船積期限の放免(Liberacao do prazoという)輸入ライセンスの発給申請をしなければならない。

アンチ・ダンピング対象製品の輸入

貿易局の商業公益防衛副局(DECOM)が指定したアンチ・ダンピング製品を輸入する場合は、船積み前に非自動承認輸入ライセンスを申請し、認可を得なければならない。
これらアンチ・ダンピング法に規定された物品を輸入するが、その措置上で指定された原産国や生産者には該当しない場合は、輸入者は、当事国の政府機関あるいは代行信認を受けた商工会議所が発給する「原産地証明書」以外に、メーカーあるいは輸出者に対し「原産地申告書(Declaração de Origem)」の手配を要請し、「原産地証明書」とともに、貿易業務部に提示しなければならない。この申告書のモデル様式は、2011年7月14日付の貿易局指令省令第23号の添付ⅩⅩⅥを参照すること。

これら輸入者が提出する一連の輸入書類はすべて、経済省貿易業務部(DECEX)、または外国貿易の操作を代行する許可を得た金融機関に保管される。
また、輸入業者はこの「原産地申告書」を5年間、自社で保管しなければならない。
一方、ブラジル政府が署名した特恵関税の国際条約国からの輸出は、この「原産地申告書」は免除される。

輸出品目規制

品目によって輸出ライセンスが必要であるが、原則、輸出の品目規制は輸入より少ない。対象品目は、2011年7月14日付貿易局省令第23号の附属書“ⅩⅧ”項に列記されている。

  1. 単一輸出申告(Declaração Única de Exportação:DU-E)

    ブラジルにおける輸出手続きは通常、貿易統合システム(SISCOMEX)を通して、貿易取引のすべての情報が網羅される「単一輸出申告(DU-E)」をもって行われる。DU-Eは2017年3月より段階的に導入されたてきたもので、2018年7月31日までに、従来の輸出登録書(Registro de Exportação:RE)および簡易輸出申告(Declaração Simplificada de Exportação:DSE〔後述〕)による申請に代わり、本格運用に入っているもの。輸出者および輸入者のデータ、輸出商品の概要、その取引条件などを記載する。DU-Eの有効期間は作成後15日間で、この間に輸出者がSISCOMEXポータル内の貨物通関管理(CCT)モジュールに輸出貨物の情報を登録しないと無効となる。
    輸出品が通関に関するもの以外の許可・認可・認証が必要な品目であるか否かは、当該製品のNCMコードをSISCOMEXの「輸出管理リスト」で照合することにより判別可能。その際に、特記事項欄に「ライセンス・許可・認証・その他書類(LPCO)」との特記事項が示されるかを確認する。対象品となっている場合、担当機関にSISCOMEXポータル内のLPCOモジュールから申請を行う。その審査回答は30日以内に行われる。

    船積みした後(ただし、輸出通関前)に輸出登録書を登録できるものは、国際航路の船舶、航空機内で消費する燃料、潤滑油、食品、国外を目的地とする旅行者への国産貴金属および宝石工芸品の免税店における販売、航空機や空軍が使用する機器・計器類の更新・改造・メンテナンス・修理用部品、その他である。

  2. 輸出手続きを必要としない物品および輸出
    外国在住者がブラジル国内で国産品を購入したものを輸出する場合や、個人の携帯荷物で合計額が2,000ドルを下回る場合など。
  3. 旧簡易輸出申告書(Declaração Simplificada de Exportação:DSE)

    輸出申告方法が単一輸出申告(DU-E)に統合される前は、手続きを要する輸出形態として「輸出登録書(DE)」によって輸出される商品と、「簡易輸出申告書(DSE)」によって輸出できる商品があった。
    前者のDEは経済省、後者のDSEは旧財務省ブラジル連邦収税局(MF/RFB)の管轄・管理による違いがあるが、現在は双方とも申告手続きがDU-Eに一本化され、SISCOMEX上で行うようになっている。
    旧DSE方式は、2006年1月18日付ブラジル連邦国税庁(RFB)細則第611号に基づき次の場合に適用できる。

    1. 個人が為替操作の有無にかかわらず輸出する財で、上限5万ドルの場合
    2. 法人が為替操作の有無にかかわらず輸出する財で、上限5万ドルの場合
    3. 為替操作の有無にかかわらず、修理、補修、再生のために行う一時輸出で、後日返却されるもの
    4. 一時輸入制度の適用によって輸入された財で、外国に再輸出される場合
    5. 税関によって認められた輸出申請のミスまたは出荷証明書の間違い、特別税関制度が適用できなかった輸入商品の再輸出、管轄機関が行った衛生・環境・安全管理検査などが通らなかったための再輸出
    6. 5万ドルを上限として国際郵便として発送されるもの
    7. 国際速達宅配会社によって輸送される上限5万ドルの国際小包
    8. 個人の別送荷物(旅行者が外国で使用するために発送する乗用車の場合)
  4. 規制内容

    個人名義による輸出は、その数量が売買される量でなく、定期的に輸出が行われていない場合は認められる。

    通関に関するもの以外の「ライセンス・許可・認証・その他書類(LPCO)」が必要な特別プロセスでのみ輸出可能となる対象商品は、2011年7月14日付経済省貿易局(SECEX)省令第23号の附属書ⅩⅦ項に列記されている。当該製品のNCMコードをSISCOMEXの「輸出規制管理(Tratamento Administrativo)」の対象品目リストで照合することによっても判別可能。
    主要な製品は次のとおり。

    1. NCM 2類:肉および食用のくず肉。NCMコード0201.30.00、0202.30.00、0206.10.00、0206.29.90、0210.99.00に分類されるもので、輸出数量や仕向地などの規制がある。
    2. NCM 3類:魚ならびに甲殻類、軟体動物、その他の水棲無脊椎動物。NCMコード0306.11.90に分類されるイセエビ。
    3. NCM 4類:酪農品で0402に分類されるミルクおよびクリーム(濃縮もしくは乾燥したもの)。
    4. NCM 16類:鶏肉の調製品で1602.31.00、1602.32.20、1602.32.30、1602.32.90に分類されるもの。原産地証明書、輸出数量、割当数量などの規制がある。
    5. NCM 17類:砂糖(甘しゃ糖:Açúcar em bruto)で、1701.11.00、1701.14.00に分類されるものは、原産地証明書の発給が要求される。
    6. NCM 24類:タバコおよび、くずたばこで、2401に分類されるもの、カリブを含む中南米諸国への輸出は輸出税150%(2401.10.20、2401.10.30、2401.10.40、2401.10.90、2401.20.20、2401.20.30、2401.20.40、2401.20.90、2402.20.00)。
    7. NCM 25類:建築用の大理石、トラバーチン、エコーシンその他の石碑用の石灰質岩石で2515および2516に分類されるもの。
    8. NCM 44類:木材およびその製品でベニヤドパネル、その他これらに類する積層木材。
    9. NCM 68類:花崗岩で、NCM 6802.93.90に分類される平行6面体の敷石ブロック。
    10. NCM 71類:天然または養殖の真珠、貴石、半貴石、貴金属および貨幣などは、非在住外国人がブラジル国内市場で外貨またはブラジル貨幣で取引できる。
      また、ダイヤモンドで、7102.10.00(選別していないもの)、7102.21.00(工業用の加工していないもの)、7102.31.00(工業用以外の加工していないもの)に分類されるものは、キンバリープロセス認証制度に加盟している諸国への輸出が認められている。
      加盟国リストは、SECEX指令23/11の添付ⅣのⅡ項に記載。
    11. NCM 87類:自動車:メルコスール・メキシコ経済補完協定(ACE55号)に基づく、ブラジル・メキシコ間の自動車貿易については、「WTO・他協定加盟状況」の項を参照。
      また、メルコスール・コロンビア経済補完協定(ACE72号)に基づく、ブラジル・コロンビア間の自動車輸出入貿易についても同項を参照。
    12. NCM 93類:武器、銃砲弾およびこれらの部分品、付属品の南米諸国とカリブ諸国への輸出は、輸出税150%。ただし、アルゼンチン、チリ、エクアドルは除く。

単一輸出申告制度(DU-E制度)の導入とライセンス認可機関のLPCOシステム(Licenças, Permissões, Certificados e outros Documentos

2017年3月21日付ブラジル国税特別局(RFB)省令第1703号に基づき、輸出通関の迅速化および中間業者などを通さずとも輸出者自身が直接操作できる通関申請システム「単一輸出申告制度(Declaracao Unica de Exportacao:DU-E)」が導入された。
輸出する製品によって、国家石油・天然ガス・バイオ燃料監督庁(ANP)、国家衛生監督庁(ANVISA)、ブラジル銀行(BB)、国立社会経済開発銀行(BNDES)、国家原子力審議会(CNEN)、貿易業務部(DECEX)、連邦警察局(DPF)などの機関の事前許可を要する場合は、貿易統合システムSISCOMEX(Portal Único de Siscomex)に開設されたDU-Eモジュールとは別のLPCOモジュール(ライセンス・許可・証明書・その他の輸出書類)を用いて申請し、LPCOの種類、指定された認可機関名、NCMコード等の必要データをDU-Eに添付する必要がある。

輸出地域規制

イラク、ソマリア、北朝鮮、コンゴ民主共和国など特定国向けの武器等の輸出は禁止。

ブラジルからの輸出で、禁止されている国と物品は次のとおり。

  1. イラク
    軍認可以外の、武器、弾薬など。2003年7月9日付大統領令(Decreto)第4775号で規定。
  2. ソマリア
    武器および弾薬、軍事車両および機械、準軍事設備およびそれらの補給品に関連するすべての軍事機器で、1995年6月17日付大統領令第1517号で規定。
    ただし、2009年3月18日付大統領令第6801号で改正され、2012年12月19日付大統領令第7869号で規定された項目が除外された。
  3. シエラレオネ
    武器および弾薬、軍事車両および機械、準軍事設備および、それらの補給品に関連するすべての軍事機器。1998年7月29日付大統領令第2696号で規定。
  4. 北朝鮮
    国連安全保障理事会あるいはその委員会の書簡によって指定された戦闘車、戦闘用防弾車両、戦闘用ヘリコプター、戦艦、ミサイルあるいはミサイルシステムなど。2006年11月7日付大統領令第5957号、2009年8月13日付同第6935号、2011年5月16日付同第7479号、2013年5月15日付同第8007号、2013年5月16日付同第8011号、2016年7月29日付同第8825号で規定。
  5. コンゴ民主共和国
    武器とそれに関連した財。2003年8月28日付大統領令第4822号、2005年7月13日付同第5489号、2006年2月7日付同第5696号、2006年2月7日付同第5936号、2008年1月18日付同第6358号、2008年9月16日付同第6596号、2008年9月16日付同第6570号、2009年5月14日付同第6851号、2010年4月8日付同第7149号、2011年3月11日付同第7450号、2016年9月1日付同第8845号、2017年9月12日付同第9156号で規定。
  6. スーダン
    武器および弾薬、軍用車、軍用設備、準軍用機械および、それらの補給品を含むすべての武器および財。2005年6月1日付大統領令第5451号、2005年6月16日付同第5470号、2011年4月19日付同第7463号で規定。
  7. エリトリア国(アフリカ北東部)
    武器および弾薬、軍用車両および機器、準軍事設備およびその補給品で、2010年9月1日付大統領令第7290号、2012年12月19日付同第7869号で規定。
  8. リビア
    武器および弾薬、軍用車両および機器、準軍事設備およびその補給品で、2011年9月1日付大統領令第7460号で規定。

輸出関連法

2011年7月14日付の経済省貿易局(SECEX)省令第23号を参照。

2011年7月14日付経済省貿易局省令(Portaria SECEX)第23号により、ブラジル輸出入管理に関するすべての規定がまとめられている。
輸入管理関連法規、ドローバック制度(「関税制度」参照)関連法規、輸出管理関連法規の3グループに大別され、各々の規制、手順、手続きなどの詳細が記載されている。

1994年4月27日付経済省ブラジル国税特別局(ME/RFB)省令第28号:輸出貨物の通関基本規定・細則で、2017年末までに10数回の変更、改正、修正、廃止が行われている。

輸出管理その他

ブラジル国税特別局・輸出入業者登録(RADAR)、経済省・輸出業者登録(REI)、無為替輸出、輸出登録書など。

輸出管理システム

  1. 輸出入業者登録:ハダール(Registro e Rastreamento da Atuação Dos Intervenientes Aduaneiros:RADAR)
  2. 経済省が管理する輸出業者登録(Registro de Exportador:REI)
    前項の輸出入業者登録(RADAR)とは別に、経済省貿易局(SECEX)が管理する輸出業者登録がある。一度でもSISCOMEXを通して輸出操作を行えば、REIに自動的に登録される。
  3. 輸出業務で必要な書類
    1. 単一輸出申告(Declaração Única de Exportação:DU-E)(事実上の輸出ライセンス)
      DU-Eは貿易統合システムSISCOMEX内のDU-Eモジュールで登録する。DU-EモジュールにおけるDU-E登録には、輸出操作に関するデータ(輸出者のデータ、商品記述、NCM/HS関税コード、価格、重量、輸入会社名、仕向地、決済条件、手数料など)を所定欄に入力し、全アイテムの入力後クリックすると、同時に12ケタのR.E.番号が付される。
    2. 電子税務帳票(NF-e)、ただし文書もしくは税務帳票なしの操作も一部は可能
    3. 輸出者が発給するインボイスおよびパッキングリスト
    4. 国際輸送の船会社あるいは航空会社が発給する船荷証券(B/L)または航空貨物受取証書(AWB)
    5. 原産地証明書
      原産地証明書は、仕向地や輸出商品により次の種類がある。
      1. タバコ証明書
      2. ラテンアメリカ統合連合(ALADI)専用の原産地証明書
      3. 南米南部共同市場(MERCOSUL)専用の原産地証明書
      4. 特恵関税(SGP)専用の原産地証明書(Certificado de Sistema Global de Preferências)で、通常「Form A」(ブラジルではFormulário A)と呼ばれ、貿易局(SECEX)の業務代行を行っているブラジル銀行のウェブサイトで申請受理・発給されている。
        緑・青・黄色の3枚で構成された原産地証明書で、12項目の記入文字はArialタイプの8ポイント以上を使用し、英語またはフランス語、ただし、ユーラシア経済共同体諸国向けは英文のみ、また、一切のミスタイプは認められない。
      5. 商業特恵関税(SGPC)専用の原産地証明書
        商業特恵グローバルシステム(SGP):発展途上国間で使用されるこのシステムに関する協定は、経済と工業の発展、外国貿易の水準、商取引の政策とシステムを考慮して、恩典を享受する相互利益の許与を与えるもの。
      6. 輸出検査目的の分類証明書
      7. EU専用の鶏肉の原産地証明書
      8. 牛乳のメルコスール割当専用の認証証明書
  4. 委託輸出

    委託輸出を行った場合、輸出者は販売が確定した際にその旨を通知する必要がある。DU-Eにて委託輸出を申告していた場合、その申告内容は維持したまま、新たなDU-Eを申告し、以前に委託輸出されていた製品の輸出が確定した旨を証明する。その際に、DU-Eの区分コードは80802を使用する。

  5. 輸出の価格、販売条件、支払期間および手数料(マージン)
    1. 価格の審査
      貿易局(SECEX)は、輸出価格の審査では商品の特性を考慮しながら、国際相場や種々の情報源、システムを利用して分析審査し、疑問がある場合は、輸出者に追加情報の提供を求める。
    2. 取引条件
      ブラジルの輸出では、国際取引で行われている標準販売条件を認めており、2020年1月1日に発効した国際商業会議所の貿易条件のインコタームズ(INCOTERMS)2020のうち、ブラジルでは主にFCA、FOB、CFR、CIF、CPT、CIPの6つの様式が使用されている。
      CIFあるいは CIPこれら2つの条件取引の保険契約は、輸出者自身が自国の保険会社と契約することになるが、2008年のブラジル民間保険審議会(CNSP)決議第197号の規定による制約を基に民間保険監督庁(SUSEP)は2020年5月12日付回章(Circular)第603号にて、国内の保険会社最低5社の見積書の提出義務を課し、保険引き受けがない場合に限って、国外の保険会社による付保が可能としたことで、国内保険会社に有利になるよう配慮した形になっている。
    3. 決済条件
      貿易局(SECEX)は、船積日から起算して360日前までの前払いを標準決済としている。また、ブラジル中央銀行(BCB)は、輸出代金受取の為替契約決済の期間を最大1,500日と定めている。船積み日以降に為替契約を決済する場合、上限期間は船積み日から起算して1,500日まで。
    4. 輸出マージン率
      現行規定では、許可される範囲は公表されていないが、国際市場で取引されている常識程度のマージン率で許可されている。
      貿易局(SECEX)では、5~20%までのマージンを標準とみなし、許可しているのが実情。また、マージン率の計算ベースは通常FOB金額。
  6. 輸出金融

    輸出代金の支払いが360日以上の利息付輸出の場合は、「融資輸出」とみなされる。
    輸出金融プログラム(Programa de Financiamento as Exportadores:PROEX)および公的信用資金で融資された輸出として、ブラジル銀行およびブラジル社会開発銀行(BNDES)からの融資を受ける場合、従来はSISCOMEX ExportaçãoにおけるRE登録と同時に信用操作登録(Registro de Operação de Credito:RC)をしなければならなかったが、DU-Eの導入に伴い、この手続きはLPCOモジュール(ライセンス・許可・証明書・その他の輸出書類)に置き換えられた。

  7. 輸出商品の荷印(Shipping Marks

    荷印(マーク)は運送業者や荷受人、船会社などが正確で便利に貨物を取扱うことができるよう、貨物に荷造人、荷受人、原産地国、個数、番号、取扱い上の注意などを表示したもの。次の場合は一部の表示を省略できる。

    1. 外国輸入市場の要請を受け入れる場合
    2. 輸出商品の安全性を考慮し、輸出者の判断に基づく
    3. 国産の車両、機械、装備、機器のCKD組立て、あるいは補給用の部分、部分の輸出
    4. 原産地を明記した包装で、外国の輸入業者によって販売される商品の輸出
    5. 輸出貨物に荷印を表示するのは可能だが、経済的あるいは商品の審美感が損なわれる理由で、省略せざるを得ない場合
    6. 穀物、鉱石などの撤荷(Bulk Cargo)を船艙に収納する場合

輸出貨物の税関納庫制度(DAC)

この制度は外国の輸入者と既に売買が成立した輸出商品を国内の保税倉庫に蔵置できる(蔵置期間:原則1年)制度で、税関倉庫入庫認知書(CDA:Conhecimento de Depósito Alfandegado)が発給された時点で、納庫されたブラジル国産商品は、税務、信用、為替上のすべてにおいて輸出が完了された“輸出済み”と同一意義として考慮される。従って、物理的には国外に出荷されなくても輸出商品であるとみなされるという意味で“Exportação Ficta”(偽りの輸出)と呼ばれる。蔵置された輸出貨物は輸入者の命令でブラジル領土内のどこへでも引き渡すことができる。貿易統合システム(SISCOMEX)に事前に登録された操作となり、契約書には商品金額に輸送費、保険料、その他輸出にかかるすべての書類作成費用や税関保税納庫制度への搬入許可申請費用、対象貨物が保税倉庫から出荷されるまでの倉庫保管料などを加算した金額が記載されている必要がある。
この制度を適用する例は次のような場合である。

  1. ブラジル政府が加盟している外国政府機関、あるいは国際機関が蔵置された輸出貨物の荷主の命令でその対象(輸出)製品を購入者に引き渡す場合
  2. 外国に所在する企業が次の条件でその輸出貨物を取引する場合
    1. ブラジル国内でその対象輸出製品が完全に資産に組み込まれる物品
    2. 購入者の所有物で、対象製品が国内に蔵置されており、完全に資産に組み込まれている物品、また、第三者の責任で一時輸入制度によって入国した物品も含まれる
    3. 国際入札で連邦、州、市政府の直轄公団・企業に落札された国際契約によって引き渡される物品
    4. 国際空港・港湾の「Duty Free Shop(免税店)」による、グループの支店あるいは関連会社に配送される委託物品
    5. 外国会社の支店、または関連会社の顧客あるいはサプライヤーに“贈答品”として無料配布される物品
    6. 海外に輸出された物品が不良、あるいは欠陥のためその交換品として出荷され第三者に納入する物品
    7. ブラジル政府が加盟している諸外国の外交機関の職員、あるいは国際機関が輸入する物品
根拠関連法規:
  • 1999年1月29日付法令第9784号:行政手続き一般規則(処理期間)
  • 2009年2月5日付大統領令第6759号:貿易通関業務規則
  • 2013年5月16日付大統領令第8011号:対北朝鮮貿易規制
  • 2020年5月22日付大統領令第10366号:経済省組織構成
  • 2011年7月14日付商工サービス省貿易局(MDIC/SECEX)省令第23号:貿易管理制度全般
  • 1991年5月13日付商工サービス省貿易業務部(MDIC/DECEX)省令第8号:製造施設の移転
  • 2017年3月22日付MDIC/SECEX省令第14号:DU-Eの導入
  • 2017年12月27日付MDIC/SECEX省令第52号:LPCOの導入
  • 経済省組織図第11版
  • 2019年5月7日付経済省貿易局(ME/SECEX)省令第11号:国産類似品審査
  • 2019年6月24日付ME/SECEX省令第309号:関税の減免税の適用申請の審査プロセス
  • 2020年7月24日付ME/SECEX省令第44号:MDIC/SECEX省令第23号の大幅改正(改正主旨文含む)
  • 経済省輸出入業者登録解説
  • 経済省輸出のヒント:DU-Eにおける委託輸出の申告
  • 2015年12月17日付税関運営総合調整部(COANA)省令第123号:輸出入業者登録
  • 2002年12月23日付ブラジル国税特別局(RFB)決議第266号:DAC制度
  • 2003年11月28日付RFB細則第369号:DAC制度
  • 2006年1月18日付RFB決議第611号:DSE
  • 2006年10月2日付RFB決議第680号:輸入通関手続き
  • 2015年12月9日付RFB決議第1598号:ブラジルのOEA(英語の略語AEO)プログラムの導入
  • 2017年3月21日付RFB決議第1702号:DU-E税関処理手続き
  • SISCOMEX DU-E全般の手引き
  • SISCOMEX 添付送信マニュアル
  • 2020年付ブラジル中央銀行(BCB)回章第4002号:輸入代金の為替契約決済
  • 2011年11月4日付農務省(MAPA)細則第51号およびその附属書:農産品輸入
  • 2014年8月18日付MAPA動物由来製品部回章第183号:海産物輸入
  • 2008年11月5日付保健省国家衛生監督庁(MS/ANVISA)RDC決議第81号:衛生監督対象製品の輸入許可
  • 2018年8月17日付MS/ANVISA RDC決議第245号:福島県産食品の輸入規制撤廃
  • 2020年5月12日付民間保険監督庁(SUSEP)回章第603号:国外保険の契約
  • ブラジル銀行:Form A作成の手引き
  • ブラジル機械産業協会(ABIMAQ):国内メーカー参加協定申請の手引き