為替管理制度

最終更新日:2019年07月01日

管轄官庁/中央銀行

ブラジル中央銀行(BACEN)

為替相場管理

変動相場制

ブラジルの為替相場制度は1999年1月以降、為替バンドや誘導目標水準を設けない変動相場制に移行している。
為替取引の管理については、1980年代まではすべての取引をブラジル中央銀行(Banco Central do Brasil)の厳格な管理下に置いていたため、非常に煩雑な手続きを要したが、1989年以降この管理制度が緩和され、手続きも簡素化された。
2016年3月現在、3,000ドル以上の為替取引においては、為替金融総合情報システムSISBACENを通じて、中央銀行への通知が義務付けられている。

なお、貨幣の変動、貿易上の危険やリスクヘッジとして、ブラジル在住の個人、ブラジルに本社を有する法人は、ブラジルの商業銀行を通じて外貨の銀行口座を開設し、資金を転送できる。〔中央銀行回章(Circular)3312号・2005年〕
従って、外貨口座を保有できるのは、個人のみならず、外国人非居住者、在外ブラジル人、旅行会社、外国公館、国際機関、ブラジル郵便電信公社、国際クレジットカード会社、保険・再保険会社、エネルギー分野の開発事業を委託された会社、国内または海外に本社を置く輸送業者、為替取引許可を得ている会社、輸出保険会社などである。〔中央銀行書簡回章(Carta Circular)3325号/2006年- RMCCI〕
また、ブラジルの輸出企業も、輸出代金を海外口座または金融機関で保持できる。

1万レアル以上の金額を海外口座へ送金する場合、ブラジル国内の取引銀行で小切手振り出し、電子送金、または引き出しを行うことを通じて、中央銀行への登録申請することが義務付けられている。
また、自己資金のみ送金可能であり、資本の送金は禁止されている。〔中央銀行決議3568号/2008年〕
関連法規には中央銀行回章第3312号・2005年のほか、同回章第3689号・2013年12月16日付がある。

なお、個人の海外送金(家族への送金、旅行代金など)の場合、インターネットなどで電子販売されている物品をクレジットカードで購入すると、6.38%が課税される。
旅行代金(陸上費や航空運賃)を海外の旅行社に送金する場合も、その名目によって金融操作税IOF税6.38%と所得税25%が課税される場合もある。

貿易取引

貿易統合システム(SISCOMEX)や為替金融総合情報システム(SISBACEN)などのシステムを通じて、貿易取引の為替管理も行われる。

  1. 輸入
      1. 輸入代金支払いに関する必要書類

        輸入代金の支払いが360日未満の為替取引の場合、中央銀行の事前の許可を必要とせず、貿易総合システムSISCOMEX上で輸入申告書(DI)の登録申請ができる。
        360日以上の場合、DIに加え、融資操作登録(ROF)することで中央銀行に通知しなければならない。

      2. 決済期間
        輸入為替取引は、契約締結から決済までの期間が最大360日認められる。
      3. 輸入代金の前払い

        送金金額に制限はないが、為替契約時点で船積み期日が明記されているプロフォルマ・インボイスを提出しなければならない。
        船積み前に輸入ライセンス(L.I.)を必要とする輸入対象商品は、前払い送金が許可されるまでは、輸入できない。
        製造に時間を要する、または受注生産方式の機械装置などを輸入する場合には、船積み予定日よりも前(最大180日間)に輸入代金の支払いを完了すること。この場合、前払い期間は製品の製造期間に基づいていることが条件となり、また期間に関して契約当事者同士の合意書や第三者の仲介を要する。

      4. 輸入通関申請時点でSISCOMEX(貿易統合システム)を通して輸入申告(D.I.:Declaracao de Importacao)する場合の、為替レート:
        輸入申告書(D.I.)の申告時に適用する輸入に課税される税金の算出に適用する外国為替相場(レート)は2019年4月19日から、輸入申告書登録日の一日前にブラジル中央銀行が公表する売り為替相場を適用することになった。それまでは過去3日間の平均相場を適用していた。
      5. 輸入のCIFあるいはCIP取引条件(インコタームズ2010)の場合:
        ブラジルの輸入社が外国の輸出社とCIFあるいはCIP条件で取引を決定した場合、輸出社が自国の保険会社と契約し、保険証券(Apolice)に記載された料金をProforna Invoiceに明記し、国際運賃を加算してCIF金額(輸入社が指定する港/空港)として取引を開始する。決済条件に基づき、CIF金額を送金する場合に、保険料金の外国への支払いに対して制限条項があったが、現行の保険関連法規では保険料金の送金を阻止する措置は出ていない。

    関連法規:ブラジル国際保険に関連する法規リスト(民間保険庁・民間保険監督庁・保険補足法)

    1966年11月21日付の大統領令(DL)第73号:ブラジル国家民間保険システムの(再保険)創設(Re-Seguro)“LEI COMPLEMENTAR Nº 126, DE 15 DE JANEIRO DE 2007 DOU DE 16/1/2007, Rdecreto-Lei No. 73, de 21 de Novembro de 1966外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(66.62KB)

    輸入貨物の国際輸送保険はブラジル国内に設立された保険会社を通じて付保する原則を確認。ただし、2007年1月18日付のCNSP決議180号で無効。
    1971年1月のCNSP決議(Resolucao)第3号 “RESOLUÇÃO CNSP Nº 03, de 18 de JANEIRO de 1971外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(8.25KB)

    1997年の補足法令126号により前記大統領令73号の第6条は撤廃されていることが確認。第6条は国外における保険の付保はSUSEPの許可を必要とし、国内でカバーされず、国内の利益にならない保険に限られると規定。
    1966年施行の保険法(Lei Complementar 126)補足法令第126号 “LEI COMPLEMENTAR Nº 126, DE 15 DE JANEIRO DE 2007 – DOU DE 16/1/2007外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

    第1条でResolução CNSP No.3を無効にしていることを確認。
    2007年1月のSUSEP決議(Resolucao)第180号 “RESOLUÇÃO CNSP Nº 180, DE 18 DE JANEIRO DE 2007外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(11.75KB)

    以下は外国の通貨で付保される保険、外国における保険契約について規定している。「ブラジル国内保険会社少なくとも3社の見積もり書」の提出義務を課して、SUSEPへの届出が必要と規定されている。なお、この決議の細則は2008年12月の決議第197号で公布された。
    2007年7月のCNSP の決議(Resolução)第 165号 “RESOLUÇÃO CNSP Nº 165, DE 17 DE JULHO DE 2007外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(35.33KB)

    決議165号の細則で、内容はほぼ同様の規定を踏襲しているが、第6条Vで国内付保の例外として船舶保険が追加されていることを確認。
    2008年12月のSUSEPの決議(Resolução)第197号 “RESOLUÇÃO CNSP Nº 197, DE 16 DE DEZEMBRO DE 2008外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(21.54KB)

    外国で保険契約を希望する輸入会社は、同一内容による「ブラジル国内保険会社最低10社の見積書」および「外国の保険会社の見積もり書の写し」、あるいは「引受拒否文書」をSUSEPへ届出する必要あり。あるいは、外国で契約された保険の発効日から60日以内にその旨をSUSEPに通知する義務あり。
    2009年10月16日付のSUSEPの回章(Circular)第392号 “CIRCULAR SUSEP Nº 392, DE 16 DE OUTUBRO DE 2009外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(45.07KB)

  2. 輸出
    1. 為替取引規則

      輸出決済条件では、国際市場で行われている決済条件が認められている。ブラジルの輸出企業は、現金払い条件から、輸出貨物の船積み日から起算した360日の延払い条件まで自由に選択できる。
      360日を超える延払い輸出は「融資」とみなされ、輸出登録の前に「信用登録」(Registro de Credito:RC)の様式に、輸出の融資条件などを記入して申請しなければならない。
      ただし、外国に本部を置く融資機関が直接輸入業者に融資する場合は、このRCは免除される。

      また、輸入業者自身の自己資金で融資する場合、あるいは政府の融資資金を一切使用せず、ブラジルの外為銀行の資金で融資される場合は、その融資条件(融資期間、利息率、保証など)が国際市場で通常取引されている条件に見合うものでなければならない。
      政府は輸出振興のため、「輸出融資プログラム」(PROEX)を創設して資金を調達し、ブラジル銀行を通して、特別融資条件によって一般の輸出企業に提供している。

    2. 輸出代金の前受け
      商品の船積み日から数えて360日よりも前に輸出代金を受け取る際は、中央銀行に対して申請登録が必要である。
    3. 輸出代金の海外保留額の上限

      輸出代金のうち最大30%を海外の金融機関で保持できるが、最低70%はレアルに換金することが義務付けられている。
      ただし、輸出者が申請すれば、この70%の輸出資金を再び海外の銀行に保持できる。海外の金融機関で保持できる期間は、輸出為替契約日から為替決済までの最高期間750日。〔2008年中銀決議第3548号〕

    4. 輸出の手数料

      商工サービス省貿易局(SECEX)は、各輸出企業が提出する輸出条件(価格、決済条件、マージン比率、取引成立までの状況など)を吟味して、適性輸出マージンの比率を決定、許可している。
      通常はFOBの最大5%となっているが、取引条件の妥当性・説明などによっては、20%のマージンが認められることもある。

  3. 為替取引に関する期限

    現金またはトラベラーズ・チェックによる外国通貨の売買、または相場商品としての金の売買の際は直物決済でなくてはならない。その他の為替取引は先物決済も認められ、その期限が次のとおり定められている。

    • 銀行間取引・為替裁定取引の場合:720日以内
    • 中央銀行の不正金融取引根絶・国際為替資本監督局への登録の有無に関わらず、個人による取引の場合:360日以内
    • 中央銀行の不正金融取引根絶・国際為替資本監督局への登録を義務付けられている不確定利付証券取引の場合:3日以内

    個人金融家による外貨購入、および決議第3217号(2004年付)に規定される義務に基づく外貨売却については、為替契約上で合意された期限前に決済することが認められている。
    後者の場合、取引が行われる30日前までに融資操作登録(ROF)を行い、中央銀行に通知しなければならない。

  4. 貿易統合システム(SISCOMEX)

    商工サービス省(MDIC)、経済省連邦収税局(RFB/ME)、中央銀行(BACEN)、農牧食糧供給省(MAPA)、国家衛生監督庁(ANVISA)などの輸出入に関する申請、登録、進展状況、認可などの管轄業務をコンピューター操作で行う統合情報管理システム。
    1993年に中央銀行情報部によって輸出登録業務のソフトが開発された後、1997年には輸入に関する管理業務ソフトが導入された。現在はデータ処理公社(SERPRO)によって運営され、各々のソフトがほぼ毎年新バージョンに更新されている。

  5. 為替金融総合情報システム(SISBACEN)

    中央銀行が為替金融取引の管理をするための総合情報システムで、外国投資、一般為替契約、信用供与、国内金融システムのすべてのプロセスが、中央銀行のスーパー・コンピューターに連結されているシステムを指す。一般市中の外為銀行、外国為替取扱業者、保険会社などが使用する電子登録システムである。

貿易外取引

融資操作登録(ROF)の申請

技術移転、技術支援に係るサービス、フランチャイズ、商標、特許、補完サービスに関する取引は、融資操作登録(ROF)の申請が必要。
その電子登録申請の際に登録番号が交付され、銀行を通じた取引の際にその番号が参照される。この登録は申告制で、特に許可や承認を得るためのものではない。

資本取引

送金に上限額などの制限は規定上定められていないが、送金の根拠となる証明が必要。

利益、配当、元金、利子の支払いについても、貿易外取引と同様に融資操作登録(ROF)の申請が必要。その電子登録申請の際に登録番号が交付され、銀行を通じた取引の際にその番号が参照される。この申請は申告制で、特に許可や承認を得るためのものではない。
送金に関する金額上限などの制限は特に設けられていないが、送金の根拠となる証明の提示が求められ、その書類が揃わなければ送金できない。例えば、外国企業がブラジルに法人を設立する際、中央銀行における登録手続きに不備があった場合、国外への送金ができなくなる可能性がある。

  1. ブラジルへの外国投資

    外国からブラジルに投資をする場合、外資基本法(Lei de Capital Estrangeiro)4131号(1962年9月3日付)および外国への送金に関する基本法令(4390号:1962年8月29日付)の規則に基づき行われる。政令55762号(1965年2月17日付)によってその細則が決められた。

  2. 外国資本の登録

    投資される外国資本はすべて「外国直接投資―電子確認登録書(Registro Declaratorio Eletronico - Investimento Externo Direto:RDE-IED)」システムにより中央銀行に登録される。中央銀行の為替金融総合情報システムSISBACENを通じて登録する義務がある。
    外資の登録は、中央銀行による事前の審査は行われず、単なる登録のみで外資登録が完了する。〔中央銀行回章3419号・2010年3月24日付、決議第3844号・2010年3月23日付〕

  3. 現金による投資

    現金による投資もブラジル政府による事前の審査は行われず、単に外為取扱銀行を通して送金ができる。この資金で既存のブラジル企業に資本参加する場合も、「RDE-IED」システムに登録しなければならない。
    しかし、外為銀行に入金された外国通貨をレアルに換金する手続き、すなわち為替契約は、投資会社とその投資を受けるブラジル国内の会社によって行われる。

  4. 外国信用(クレジット)の変換による投資

    「RDE-IED」システムに登録されていない資金によって行われる投資は、中央銀行の不正金融取引根絶・国際為替資本監督局(DECIC)認可を事前に取得しなければならない。
    ただし、この外国クレジット資金を投資に転換し、「RDE-IED」システムに登録する場合には、中央銀行の事前許可は必要ない。

  5. 無為替輸入による財の投資

    無為替輸入による投資には役務に向けられるものと、機械設備に向けられるものとがある。いずれの場合も、「RDE-IED」システムを通して、中央銀行に登録しなければならない。
    機械設備を無為替で輸入する場合の投資は、通常「現物投資」として中央銀行の事前の許可は必要としないが、輸入通関が完了してから30日以内に、「輸入申告書」(DI)を基に外資登録をしなければならない。
    一方、サービスに向けられる無為替輸入による投資は、中央銀行の不正金融取引根絶・国際為替資本監督局(DECIC)の事前の許可を必要とする。
    機械設備の現物投資、サービスの無為替輸入いずれの場合も、相当する金額が投資を受け入れるブラジルの会社の資本に組み込まれなければならない。

関連法

国家通貨評議会決議第3571号(2009年1月30日付):為替取引関連の細則、中央銀行回章3691号(2013年12月16日付):為替取引および国際資本規則(回章3571号の細則)、大統領令55762号:外国資本関連(法令第4131号の細則)ほか。

  • 為替取引および国際資本規則:中央銀行回章3691号(2013年12月16日付)
  • 外国資本関連(法令第4131号の細則):大統領令55762号
  • 商工サービス省貿易局(SECEX)省令23/11号(2011年7月14日付)
  • 中央銀行回章第3291号(2005年9月8日付)
  • 為替市場と国際資本の総合規則(Regulamento do Mercado de Câmbio e Capitais Internacionais:RMCCI)
  • 法令第4131号(1962年9月3日付:外国資本の基本法令)
  • 外国資本の登録に関するRDE-IEDシステム:中央銀行回章第3517号(2011年7月21日付)
  • 海外送金における金融操作税(IOF)の税率変更(0.38%から1.1%):行政令第8731号(2016年4月30日付)(国内銀行口座から外国の銀行口座への外国送金の場合)
  • 外貨を国内で現金で購入する場合の金融操作税(IOF)の税率は0.38%から1.1%に変更:行政令(Decreto)第9297号(2018年3月1日付)(Operação Manual

その他

特になし

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