税制

最終更新日:2016年11月10日

法人税

法人税の標準税率は2016年1月1日より20%。原則暦年が課税年度となるが、管轄当局から事前の承認を得て各四半期末、すなわち3月末、6月末または9月末へ決算期を変更することも可能。


主な関連法令

法令番号 内容
法14/2008/QH12 法人税法
法32/2013/QH13 法人税法14/2008/QH12号の一部修正・補足
政令218/2013/ND-CP 法人税法の実施ガイダンス
政令92/2013/NĐ-CP 改正法人税法および改正付加価値税法の実施ガイダンス
通達45/2013/TT-BTC 固定資産の管理、使用および減価償却に関する施行ガイドライン
法71/2014/QH13 法人税法32/2013/QH12号の一部修正・補足
通達78/2014/TT-BTC 法人税法の施行ガイドライン
政令12/2015/ND-CP 税務について一部項目の追加・改正
通達26/2015/TT-BTC 付加価値税・税務管理・インボイスに関する施行ガイドライン
通達96/2015/TT-BTC 通達78/2014/TT-BTC号および通達119/2014/TT-BTC号の修正・補足

  1. 納税義務者
    納税義務者は内国法人と外国法人に大別できる。
    内国法人:
    ・ベトナムの企業法、投資法、保険業法等に従い設立された企業
    ・製造、卸売業等から課税所得を得る公益団体、非公益団体、協会
    ・共同事業体
    外国法人:主として次の要件を満たす外国の法令により設立された法人
    ・ベトナム国内に恒久的施設を有するもの
    ・ベトナム国内を源泉とする所得を有するもの
    「恒久的施設」PDFファイル(161KB)  

  2. 課税対象期間
    原則として暦年が課税対象期間となるが、管轄当局から事前の承認を得て各四半期末(3月末、6月末、9月末)へ変更が可能である。
    なお、新設企業または精算企業等で課税対象期間が3カ月未満になる場合、前後の課税対象期間と合算して課税計算を行うことができる。このとき、課税対象期間の合計は15カ月を超えてはならない。
  3. 課税所得
    a. 計算式
    課税所得は以下の算式により算定される。
    課税所得  =  総所得  ―  {非課税所得  +  繰越欠損金}
    課税所得を構成する総所得は以下の算式により算定される。
    総所得  =  {収入  ―  損金算入可能な費用}  +  その他の所得

    b. 収入
    物品の販売、役務の提供、サーチャージ、追加手数料等を含む。収入の認識は、物品の場合は所有権の移転時、役務の提供の場合は役務提供時となる。

    c. 損金算入可能な費用
    「4. 損金算入可能な費用および不算入費用」を参照。

    d. その他の所得
    事業許可証に記載されていない事業から生じた所得をいい、例として、株式や持分の譲渡、土地の譲渡、固定資産の譲渡がある。

    e. 非課税所得
    農水産業、畜産業およびそれらに関連する事業から生じた所得、科学・技術開発から生じた所得、身体障害者、麻薬中毒者、HIV感染者等の雇用支援事業から生じた所得、少数民族・服役後の受刑者等の職業訓練事業から生じた所得、国内法人からの配当所得、各種寄附金の受け入れ等が法令により法人税の非課税所得として規定されている。

    f. 繰越欠損金
    「6. 繰越欠損金」を参照。
  4. 損金不算入費用
    a. 損金算入費用
    次の3つの条件をすべて満たす場合に限り損金として認められる。
    ・事業活動に直接起因および関連すること
    ・法律の規定に沿ったインボイス等の証憑を添付すること
    ・2,000万ドン以上の取引は、銀行送金等の非現金決済方法による支払証憑を添付すること

    b. 損金不算入費用
    上記a.の全条件を満たしても損金として認められない費用がある。通達78/2014/TT-BTCおよび通達96/2015/TT-BTCに規定されており、詳細は別添のとおり。
    「損金不算入費用」PDFファイル(235KB)   

  5. 固定資産と減価償却
    a. 固定資産
    企業は、次の3つの条件を満たす費用を固定資産として計上する。
    ・資産を使用する将来にわたって経済的便益が発生すること
    ・1年を超えて使用すること
    ・取得原価が3,000万ドン以上であること

    b. 減価償却
    減価償却費は、通達に定める償却限度額の範囲内で損金算入が可能となる。
    減価償却の方法は、定額法、定率法、生産高比例法が規定されているが、定率法および生産高比例法の適用には一定の条件を満たす必要がある。なお、減価償却の方法は事前に所轄の税務署への登録が必要である。
    減価償却期間は、通達に定める耐用年数(詳細は別添のとおり)に従う。
    「耐用年数表」PDFファイル(194KB) 

  6. 繰越欠損金
    欠損金の繰越は、発生した翌年から5年間認められる。優遇税制による免税期間も欠損金の繰越限度である5年間に含めることが可能なため、優遇税制の適用を受けている場合には当該期間を考慮したスケジュールの検討が必要である。
  7. 税率
    a. 税率
    標準税率は2016年1月1日より20%。
    石油・ガス事業に関してはプロジェクトごとに32~50%の範囲となる。
    優遇税制の適用については「8. 優遇税制」を参照のこと。

    b. 課税対象期間に複数の税率を適用する場合
    課税対象期間に複数の税率を適用する場合、課税所得を対象期間で按分して税額を計算する。
    (例)標準税率を適用し、課税対象期間が2015年10月から2016年9月の場合
    法人税額 = 課税所得/12カ月×3カ月×22%+課税所得/12カ月×9カ月×20%
  8. 優遇税制
    ベトナムの優遇税制は、大きく分けて優遇税率と減免税とがあり、通達78/2014/TT-BTCに次のように規定されている。なお、その他の所得に対しては優遇税制が適用されないことに注意が必要。
    a. 優遇税率
    事業内容や設立地域の性質に応じて、10%もしくは20%の優遇税率が10年あるいは15年もしくは活動期間中適用される。なお、優遇税率は、対象となる事業から収入が発生した年度から起算される。

    b. 減免税
    事業内容や設立地域の性質に応じて、4年間免税・その後9年間50%減税、4年間免税・その後5年間50%減税、もしくは2年間免税・その後4年間50%減税が適用される。なお、減免税期間は単年度で課税所得が発生した課税対象期間から起算される。ただし、減免税の対象となるプロジェクトから初めて収入が発生してから3期連続で欠損金が出ている場合、4年目から自動的に減免税期間が開始される。
  9. 申告・納税
    四半期ごとの予定納税と課税対象期間末の確定申告が要求されている。企業は前年度の法人税額、あるいは当年の業績予想に基づき四半期ごとの税額を予定納税することができるが、4回の仮納税額の合計が確定申告額より20%以上少ない場合、当該差額に対する延滞税を納税しなければならない。

二国間租税条約

日本、シンガポールなどと二国間租税条約を締結済み。


現在、ベトナムは別添のリストに記載された各国・地域と二国間租税条約を締結済みである。



日越二重課税防止協定
日越二重課税防止協定は、1995年10月24日にハノイで締結された。所得税および資産への二重課税防止に関する協定に関する規定は、財務省発行2013年12月24日付通達205/2013/TT-BTCにおいて定められており、二重課税防止の対象者となるのは、ベトナムにおける居住者(個人および団体)、二重課税防止協定を締結している国の居住者、あるいは両国で居住者となっている個人および団体となっている。この協定は次の租税に適用される。
a. ベトナムにおいては、
・個人所得税
・利得税
・利得送金税
・外国契約者税(利得に対する税とみなされるものに限る)
・外国石油下請契約者税(利得に対する税とみなされるものに限る)
・使用料税

b. 日本国においては、
・所得税
・法人税
・住民税


短期滞在者免税制度
日越租税条約によれば、短期滞在者の所得税の免税措置を設けている。
a. 免税条件
次の3つの条件をすべて満たす場合は免税規定の適用が可能である。
・暦年内のベトナム国内の滞在期間が合計183日以下である
・当該滞在者への給与はベトナム法人またはベトナム国内の恒久的施設からは支払われていない
・当該滞在者への給与の負担もベトナム法人またはベトナム国内の恒久的施設により行われていない

b. 免税申請手続き
財務省発行の通達156/2013/TT-BTC16条13項に基づき、免税の適用を受けるには外国人がベトナム組織・個人と契約履行実施の15日前まで(実際は入国時点と考えられる)に、ベトナム組織・個人へ租税条約に基づく免税制度適用の申請書類を税務署へ提出しなければならない。
・減免税の対象者向け通知(添付 Form 01-HTQT)
・申請者のパスポートの公証コピー
・居住国の税務機関による居住証明(課税証明書)
・ベトナムにおける業務の任命状


恒久的施設
日越二重課税防止協定において、恒久的施設については、「事業を行う一定の場所であって企業がその事業の全部または一部を行っている場所をいう」とされている。具体的には、事業の管理の場所、支店、事務所、工場、作業場、鉱山、石油または天然ガスの坑井、採石場その他天然資源を採取する場所、倉庫が例示され、加えて次のものも恒久的施設となることが規定されている。
a. 6カ月を超えて存続する建築工事現場もしくは建設、据付けもしくは組立ての工事またはこれらに関連する監督活動
b. 6カ月を超えて行われるコンサルタント活動など(複数の関連事業について12カ月の間に合計6カ月を超える期間存続する場合を含む)
c. 企業に代わってその企業の名において契約を締結する権限を有し、かつこの権限を反復して行使する代理人(契約締結代理人であるが、後述の独立代理人である場合を除く)
d. c.の権限は有しないが、企業に代わって物品または商品を常習的に保有し、それらを反復して引き渡す代理人(在庫保有代理人であるが、後述の独立代理人である場合を除く)
e. 保険料の受領または保険契約をする保険業者(保険PE)
f. 継続する12カ月の間に30日を超える天然資源の探査活動

なお、当該企業のために、準備的または補助的活動のみを行っている場合には、その施設について恒久的施設とされることはない。また、一方の締約国の企業が、他方の締約国の者をその代理人としていた場合であっても、その代理人が法的にも経済的にも当該企業から独立しており、かつ自身の通常の事業活動の一環としてその代理活動を行う場合には、独立代理人としてみなされ、上記c.d.に該当する場合であっても恒久的施設には当たらないことが規定されている。

加えて、上述の規定にかかわらず、「恒久的施設」には次の場合は含まれない。
・企業に属する物品または商品の保管または展示のためにのみ施設を使用すること
・企業に属する物品または商品の在庫を保管または展示のためにのみ保有すること
・企業に属する物品または商品の在庫を他の企業による加工のためにのみ保有すること
・企業のために物品もしくは商品を購入しまたは情報を収集することのみを目的として、事業を行う一定の場所を保有すること
・企業のためにその他の準備的または補助的な性格の活動を行うことのみを目的として、事業を行う一定の場所を保有すること
・上記に掲げる活動を組み合わせた活動を行うことのみを目的として、事業を行う一定の場所を保有すること。ただし、当該一定の場所におけるこのような組み合わせによる活動の全体が準備的または補助的な性格のものである場合に限る。

その他税制

個人所得税、付加価値税、外国契約者税等のほか、輸出入関税、特別消費税、天然資源税、環境保護税、非農地使用税等の国税がある。


I. 個人所得税
納税義務者は居住者と非居住者に区分され、所得はその発生の源泉に応じて区分が行われる。各所得の類型に応じた課税所得計算が規定されており、居住者と非居住者の区分により課税対象となる所得の範囲と税率が異なる。

主な関連法令

法令番号 内容
法04/2007/QH12 個人所得税法
法26/2012/QH13 個人所得税法の一部条項の修正・補足
政令65/2013/ND-CP 個人所得税法および改正個人所得税法の一部の詳細規定および実施ガイダンス
通達111/2013/TT-BTC 個人所得税法に改正法に関する施行ガイドライン
通達119/2014/TT-BTC 税務行政手続きの簡素化に係る省令の一部条項に対する改正・補足
通達92/2015/TT-BTC 個人所得税(2014年11月26日付政府発行の法令71/2014/QH13および2015年2月12日付政令12/2015/ND-CPにおいて規定)に関する修正・補足
OL 2994/TCT-TNCN 通達92/2015/TT-BTCを補足するオフィシャルレター


1. 納税義務者
納税義務者は、次の条件により居住者と非居住者に区分される。
a. 居住者は、滞在日数や恒久的居所の有無により、次のように定義されている。
概要 具体的な条件
1年間の半数以上滞在する者 暦年の内、ベトナム国内に183日以上滞在している者
ベトナム入国日から起算した連続する12カ月間の内、ベトナム国内に183日以上滞在している者
ベトナム国内に恒久的な居所を有する者 恒久的居所(外国人の場合、Residence Cardに登録された住居)を有する者
契約期間が183日以上の賃貸住宅等を有する者(ホテル、事務所、作業場を含み、契約の名義が個人であるか法人であるかを問わない)
なお、ベトナム入国日はパスポートの査証に基づき判断し、また、入国日と出国日は各1日として計算される。2013年6月27日付の政令65/2013/ND-CPにより、ベトナムで183日以上の賃貸契約を所持するものの、暦年でベトナム滞在日数が183日未満である場合は、当該居住地国での居住を証明できれば、ベトナム非居住者として認定される。

b. 上記a.の居住者に該当しない者は非居住者となる。
c. 上記a.b.には、ベトナム国外で就労・就学・研究をして課税所得を有するベトナム人や、ベトナムで所得を得ている外国人労働者およびベトナムに滞在していないがベトナム国内源泉所得を有する外国人も含まれる。

2. 課税対象期間
a. 居住者
ベトナム入国初日から連続する12カ月間の内に滞在期間が183日以上になる場合、課税年度はその入国初日から連続する12カ月間となり、2年目以降の課税年度は暦年となる。
(例)2010年10月1日から入国した者の課税年度は、初年度は2010年10月1日から2011年9月30日となり、次の課税年度は2011年1月1日から2011年12月31日となる。なお、重複する期間(2011年1月1日~2011年9月30日)については、2011年度において控除される。
なお、投資所得など、給与所得および事業所得以外の所得の課税時期は、その所得が発生した時点で課税される。

b. 非居住者
非居住者は、所得発生の都度、申告義務を負い、確定申告が要求されていない。

3. 居住者の課税所得と税率
居住者は、所得の源泉がベトナム国内か国外かを問わず、全世界所得が課税対象となる。各所得の類型に応じた税率は下表のとおりである。 
所得 税率
事業所得 (個人事業者等)  0.5~5%
給与所得 5~35%(累進税率、詳細は下表)
投資所得 5%
投資譲渡所得 資本譲渡益 20%
投資譲渡所得 証券譲渡益 利益に対し20%または取引額に対し0.1%
不動産譲渡所得 利益に対し25%または取引額に対し2%
ロイヤルティー所得 1,000万ドン超に対し5%
フランチャイズ料 1,000万ドン超に対し5%
賞金・獲得金からの所得 1,000万ドン超に対し10%
相続からの所得 1,000万ドン超に対し10%
贈与からの所得 1,000万ドン超に対し10%


給与所得の場合、納税者が、課税対象期間内に受け取ったすべての賃金・報酬・その他の収入の合計額が課税所得となる。給与所得の税率は次のとおりである。

給与所得の累進税率

月次課税所得 税率 所得税の計算
500万ドン以下 5% 課税所得の5%
500万超~1,000万ドン以下 10% 課税所得の10%-25万ドン
1,000万超~1,800万ドン以下 15% 課税所得の15%-75万ドン
1,800万超~3,200万ドン以下 20% 課税所得の20%-165万ドン
3,200万超~5,200万ドン以下 25% 課税所得の25%-325万ドン
5,200万超~8,000万ドン以下 30% 課税所得の30%-585万ドン
8,000万ドン超  35% 課税所得の35%-985万ドン

4. 非課税所得
非課税所得の詳細は別添のとおり。
「所得税の非課税所得」PDFファイル(544KB)   

5. 所得控除
a. 基礎控除
月900万ドン。

b. 扶養控除
扶養者1人につき月360万ドン。
扶養者の要件は次のとおりである。なお、扶養控除の適用を受けるためには、納税者は必ず税コードの登録が必要となる。
適用対象 年齢条件 無所得(注) 身体障害(注) その他
子、養子、非摘出子 18歳未満
18歳以上
大学等に就学中
配偶者、配偶者の父母、父母 労働年齢(注)範囲超
労働年齢範囲内
祖父母、叔父、叔母、兄弟姉妹、甥姪 労働年齢範囲超 納税者と生計を一にしている。
労働年齢範囲内
(注)
・労働年齢:男性の場合は18~60歳、女性の場合は18~55歳。
・無所得:無所得、またはすべての所得の合計が月額100万ドン以下
・身体障害:身体に障害があり、就業が実質的に困難であること。

c. 社会保険料控除
社会保険(日本でいう国民年金・厚生年金)、健康保険、失業保険、特定の専門職に対して強制保険になっている専門職賠償責任保険は、所得税計算を行う際に控除できる。
ベトナムに居住している外国人またはベトナム人のうち、ベトナム国外源泉の事業所得・給与所得を有し、かつ当該所得を得ている国において、ベトナムで控除が認められている社会保険等と同様の強制保険を支払っている場合は、ベトナムでの所得税計算を行う際に当該ベトナム国外で支払った保険料を控除できる。

6. 申告・納税
財務省発行2013年11月6日付通達156/2013/TT-BTCによると、所得税を源泉徴収した法人に対する申告義務と納税義務者が自ら申告義務を負う場合がそれぞれ規定されている。また、定期的な所得申告期日と非経常的な所得に関する申告期日を規定している。
とりわけ、給与所得については次のように規定されている。
a. 申告納税義務者
・外国の法人から受け取る給与:給与を受給する個人が自ら申告納税
・ベトナム法人から受け取る給与:給与を支給するベトナム現地法人が申告納税

b. 申告納税の期限は次のとおり。
・月次申告:毎月20日
・四半期申告:四半期の終了の日から30日以内
・年次確定申告:暦年の終了の日から90日以内

c. 月次申告と四半期申告の区分
所得の支払地、設立後の経過年数、前年売上高、月次源泉徴収税額により、四半期申告か月次申告かの区分が次のように定められている。
月次・四半期 所得の支払地 設立後 前年売上高 源泉徴収税額
四半期 ベトナム国外
ベトナム国内 12カ月未満
12カ月以上 500億ドン未満
500億ドン以上 5,000万ドン未満
月次 5,000万ドン以上

d. 控除・還付
確定申告の際に、予定申告額がある場合には、当該税額を控除することができる。予定申告額が確定申告額を上回る場合には、還付申告をすることができる。

7. 非居住者の課税所得と税率
原則としてベトナム国内を源泉とする所得が発生した場合、非居住者もベトナムにおいて納税義務が発生する。税率は居住者と異なっており、下表のとおりである。
所得 税率
事業所得

物品販売:1%

サービス提供:5%

その他:2%

給与所得 20%
投資所得 5%
投資譲渡所得(資本譲渡・証券譲渡) 取引額に対し0.1%
不動産譲渡所得 取引額に対し2%
ロイヤルティー所得 1,000万ドン超に対し5%
フランチャイズ料 1,000万ドン超に対し5%
賞金・獲得金からの所得 1,000万ドン超に対し10%
相続からの所得 1,000万ドン超に対し10%
贈与からの所得 1,000万ドン超に対し10%


II. 付加価値税

付加価値税(以下、VATという)とは、事業者が事業の過程で創出する付加価値に課される税金であり、日本の消費税と概ね同様の税金である。事業者は、課税対象となる財およびサービスの販売時に顧客からVATを徴収(以下、売上VATという)し、購入時にVATを支払う(以下、仕入VATという)。VATの計算方法は、控除法と直接法があり、控除法では売上VATと仕入VATとの差額によって納付税額を計算する。

主な関連法令

法令番号 内容
法13/2008/QH12 付加価値税法
法31/2013/QH13 付加価値税法 13/2008/QH12の一部修正・補足
法71/2014/QH13 付加価値税法 31/2013/QH13の一部修正・補足
法106/2016/QH13 付加価値税法 31/2013/QH13の一部修正・補足
政令209/2013/ND-CP 付加価値税法の詳細および施行ガイダンス
通達219/2013/TT-BTC 政令209/2013/ND-CP の施行ガイドライン
通達119/2014/TT-BTC 通達219/2013/TT-BTC の修正・補足
通達26/2015/TT-BTC 付加価値税・税務管理・インボイスに関する通達


1. 納税義務者
VATの納税義務者は、VAT課税対象の財およびサービスをベトナム国内で製造、販売、輸入する組織および個人である。

2. 課税対象となる財およびサービス

ベトナム国内において製造、販売、消費される財およびサービスで、海外から輸入したものも含む。ただし、社会政策的な見地から、一部の財およびサービスは課税対象から除かれている。詳細は別添のとおり。

「課税対象外となる財およびサービス」PDFファイル(167KB)   

3. 税率
標準税率は10%であるが、社会政策的な見地から、一部の財およびサービスに0%と5%が適用されている。

税率 適用される財およびサービス
0%

【輸出】
輸出品(非関税地域への販売を含む)

輸出サービス(外国企業等に直接提供され外国で消費されるもの、非関税地域へのサービス提供を含む)

国外および非関税地域での建設据付サービス、国際輸送

5% 【必需品/必需サービス】
水、肥料、教育助成、児童用書籍、食料品、医薬品および医療機器、畜産物、農業用の特別な機器、農産品、農業サービス、科学技術サービス、基礎化学品等
10% 【標準税率】
その他の財およびサービスで、0%または5%の課税対象と規定されていないもの

税率0%を適用する条件:
輸出取引のVAT0%を享受するためには、次の条件をすべて満たさなければならない。
・契約書を有する
・銀行送金証明書等の法定の書類を有する
・財の輸出取引の場合、通関書類を有する

4. 仕入VAT控除要件
売上VATから控除する仕入VATは、次の条件を満たしていなければならない。
・公式インボイスまたは外国契約者に代わって外国契約者税を納付した場合の納税証明書
・銀行送金証明書(2,000万ドン以上の取引の場合。事前に税務署に売手および買手の銀行口座番号を登録しておく必要あり)
・契約書、通関申告書(輸出取引の場合)

5. VAT還付
原則、ベトナムVATには年度確定申告の制度がないため、仕入VATが売上VATを超過している場合は、当該超過額を翌課税期間に繰越する。また、一定の条件のもとに当該超過額の還付も認められている。なお、国会発行2016年4月6日付の法106/2016/QH13により、2016年7月以降のVAT還付は条件が厳しくなっており留意が必要となる。
主として以下の場合VAT還付が可能となる。
a. 新規設立企業の生産開始前で次の場合
・設立から1年以上経過し、仕入VATの残高が生じていること
・3億ドン以上の仕入VATの残高が生じていること
b. 輸出取引から生じた仕入VATの残高が3億ドン以上の場合

6. 申告・納税
月次申告が原則となるが、前年の売上金額が500億ドン以下の場合は四半期申告が可能となる。設立後12カ月が経過していない企業については、四半期申告を行い、12カ月経過後の最初の暦年により判定を行う。月次申告は翌月20日まで、四半期申告は翌月30日までに行うことが要求されており、納税期限も同様となる。


III. 外国契約者税(FCT)
外国契約者税(以下、FCTとする)とは、外国の個人または組織(以下、外国契約者)が、ベトナムの個人または組織(以下、ベトナム契約者)との間で締結した契約に基づき、サービス等を実施する際に、ベトナム居住者であるか否か、あるいは、ベトナムに恒久的施設があるか否かにかかわらず、ベトナム国内において得た所得や付加価値に対して課せられる税金で、法人所得税(CIT)部分と付加価値税(VAT)部分から成る。
FCTは、投資法に基づく投資形態以外でベトナム企業に対してサービス等を実施する外国契約者へ課される。なお、FCTと租税条約が相反する場合は、租税条約の規定が優先される。

主な関連法令

法令番号 内容
通達103/2014/TT-BTC 外国契約者税の施行ガイドライン
通達95/2016/TT-BTC 税コード登録に関する税管理ガイドライン


1. 納税義務者と税金負担者
FCTの負担者は外国契約者であるが、一般的には契約代金を外国契約者へ支払う際に、ベトナム契約者がFCTを源泉徴収し、申告納税義務を履行する。

2. 非課税事業者
次のような外国契約者は、課税対象とはならない。
・ベトナム国内に、ベトナムの法律に基づいて設立された外国法人または個人
・サービスの提供を伴わない物品の販売を行う外国法人または個人
・ベトナム国外で提供され、かつ消費されるサービスを行う外国法人または個人
・航空機や船舶などの輸送手段の修繕、広告宣伝サービス、トレーニングサービス等を、ベトナムの企業や個人にベトナム国外で提供する外国法人または個人

3. 税額計算方法
FCTは、課税対象収入に外国契約者税率(みなしVAT率、またはみなしCIT率)を乗じて計算されたみなしVATとみなしCITの合計により計算される。
a. みなしVAT
外国契約者との契約に基づく、ベトナム国内で消費されるサービスの提供および商品に付随するサービスに関する総収入に、みなしVAT率を乗じて計算される。

b. みなしCIT
外国契約者との契約に基づく、サービスの提供および商品に付随するサービスに関する総収入(VAT除く)に、みなしCIT率を乗じて計算される。

なお、上述の税額計算方法の他に、控除法やハイブリッド法も認められているが、ベトナム会計システム等に基づいた所得と付加価値の計算が必要とされる。そのため、それらの計算方法は一般的には採用されておらず、上記の税額計算方法(直接法)が採用されている。

4. 税率表
直接法による、みなしVAT率および、みなしCIT率は下表のとおりである。

業種 みなしVAT税率 みなしCIT税率
サービスが付随する物品販売 1%
サービス一般、機械設備のリース、保険サービス 5% 5%
レストラン・ホテル・カジノの管理サービス 5% 10%
デリバティブ取引 2%
航空機・航空機エンジン・航空機部品・船舶のリース 5% 2%
建設・据付(資材・機械設備の供給を伴わない) 5% 2%
建設・据付(資材・機械設備の供給を伴う)、運輸サービス 3% 2%
その他の事業 2% 2%
有価証券譲渡、海外への再保険、再保険手数料 0.1%
利子 5%
ロイヤルティー 10%


5. 申告・納税
直接法の場合、FCT課税対象取引の発生の都度、10日以内に申告・納税を行い、また、当該FCT課税対象取引の契約終了後45日以内に申告・納税しなければならない。
なお、FCTを申告するためには、FCTの課税対象となる契約の締結日から20日以内に外国契約者の税コード登録が必要となる。


IV. 輸出入関税
関税制度」の項目を参照。


V. 特別消費税(ET)
国会発行2008年11月14日付の特別消費税法27/2008/QH12等に基づき、タバコや酒類、24席以下の乗用車、飛行機、ヨット等の物品や、ダンスホール、マッサージ、カジノ等のサービスに対して、課税価額に各税率を乗じて課税される。寄付や再輸出を目的とする輸入物品、貨物や旅客の輸送目的の飛行機やヨットなどは免税される。

1. 納税義務者
納税義務者は、課税対象物品の生産者、輸入者、課税対象サービスの提供者である。また、課税対象物品を生産者から輸出目的で購入後、実際にはベトナム国内へ販売した場合の当該販売者も納税者に該当する。

2. 課税価額計算
a. 国内製造品の場合

課税価額 = {付加価値税抜き価額 - 環境保護税(ある場合)}/(1+特別消費税率)

b. 輸入品の場合

課税価額 = 輸入税の課税価額 + 輸入税


3. 税率
国会発行2014年11月26日付の特別消費税の修正70/2014/QH13、および国会発行2016年4月6日付の106/2016/QH13において、各課税対象品に対する税率を定めている。


VI. 営業許可税(事業登録税)
財務省発行2003年5月7日付通達42/2003/TT-BTCおよび2013年11月6日付通達156/2013/TT-BTCに基づき、登録資本金額の多寡に応じて営業許可税が課税される。

1. 申告期限
新設企業の場合は、企業登録証(ERC)発行日から30日以内に申告を行う。当初申告額から変更が生じない場合は、翌年以降の申告は不要とされる。また、仮に翌期の申告額が変化する場合は、当年12月31日までに申告が必要となる。

2. 納税期限
営業許可税は、毎年1月30日までに納税する。新設企業の場合は、申告期限までに納税をする。申告が不要となるケースでも納税は毎年行わなければならない。

3. 申告納税額
納税額は次のとおり、登録資本金額により決定される。

レベル 登録資本金額(ドン)※ 年間事業登録税額(ドン)
レベル 1 100億超 300万
レベル 2 50億~100億 200万
レベル 3 20億~50億 150万
レベル 4 20億以下 100万

※登録資本金額は企業の種類により決定される。
国営企業・有限責任会社・株式会社・協同組合:法定資本金額
外資企業・私人企業:投資額

なお、下半期に企業が設立された場合には、上記で記載された年税額の50%を納税する。


VII. 天然資源税
財務省発行2015年10月2日付の通達152 /2015/TT-BTCおよび2016年2月26日付通達36/2016/TT-BTCに基づき、ベトナムが指定する石油、鉱物、森林資源、水産物、天然水等の開発には、天然資源税が課税される。
国会発行2009年11月25日付の天然資源税法45/2009/QH12において、各課税対象品に対する税率の上限と下限を規定しており、具体的な税率は、国会常任委員会発行2015年12月10日付の議決1084/2015/UBTVQH13により1~35%の範囲で定められている。
なお、政府が国の発展にとって重要とみなすプロジェクトに関しては、税率を引き下げる場合もある。また、ベトナムの合弁パートナー等が天然資源を資本の一部として出資している場合は、この税が免除されることもある。


VIII. 環境保護税
2010年11月15日付の環境保護税法57/2010/QH12および財務省発行2011年11月11日付の通達152/2011/TT-BTC等に基づき、課税対象品を製造または輸入している企業・個人は、課税数量に従量税率を乗じた金額により課税される。

1. 課税対象品および税率
環境保護税法57/2010/QH12では、各課税対象品に対する税率の上限と下限を規定しており、具体的な税率は、国会常任委員会発行2011年7月14日付の議決1269/2011/UBTVQH12により定められている。

課税対象品 単位 従量税率 (ベトナムドン/単位)
(1) 石油
ガソリン(エタノールを除く) リットル 1,000~4,000
飛行機の燃料 リットル 1,000~3,000
ディーゼル油 リットル 500~2,000
パラフィン油 リットル 300~2,000
Mazut油 リットル 300~2,000
潤滑油 リットル 300~2,000
(2) 石炭
褐炭 トン 1万~3万
無煙炭 トン 2万~5万
瀝青炭 トン 1万~3万
その他 トン 1万~3万
(3) HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン) キロ 1,000~5,000
(4) ビニール袋 キロ 3万~5万
(5) 使用制限付き除草剤 キロ 500~2,000
(6) 使用制限付き殺ヤモリ剤 キロ 1,000~3,000
(7) 使用制限付き木材保存剤 キロ 1,000~3,000
(8) 使用制限付き殺菌剤 キロ 1,000~3,000

  
2. 課税数量計算
・国内製造品の場合:販売、交換、内部消費、または寄付される製造品数量である
・輸入品の場合:輸入数量である

3. 課税時点
販売・交換・寄付:所有権が引き渡された時点
社内使用:実際に使用された時点
輸入:通関申告書の提出時点
なお、販売目的で輸入されるガソリンの場合は販売時点で課税される。

4. 申告・納税
環境保護税は製品製造または輸入時に1度だけ課税される。
・国内製造品の場合:翌月20日までに申告・納税
・輸入品の場合:輸入税とともに申告・納税

5. 還付
次の場合、納税者は環境保護税の還付を受けることができる。
・国境で保管される商品を再輸出する場合
・ベトナムにおける代理人を通じた海外への販売目的で輸入される商品、または、ベトナムの港に入港する外国の船舶や国際輸送の用に供するベトナムの船舶に販売されるガソリンおよび油の場合
・一時輸入し再輸出される輸入商品の場合
・輸入者が輸入商品を再輸出する場合
・商品見本市、展示会、紹介等のための輸入商品を再輸出する場合


IX. 非農地使用税
国会発行2010年6月17日付の非農地使用税法48/2010/QH12に基づき、課税非農地面積に平米単価および税率を乗じた金額により、非農地使用税が課税される。一定の要件を満たす投資案件に対しては、免税・50%減税の優遇措置も認められている。

1. 納税義務者
下記の土地に対する使用権を有する個人・組織は、非農地使用税の納税義務者となる。
・農村・都市部における宅地
・工業・商業用の非農地:工業団地開発用の土地、生産拠点建設用の土地、鉱物発掘用の土地、建設資材生産用の土地、陶磁器生産用の土地
・事業目的で利用される他の非農地

2. 申告・納税
財務省発行2013年11月6日付の通達156/2013/TT-BTC18条1項にて申告納税の詳細が規定されている。

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