日本からの輸出に関する制度

豚肉の輸入規制、輸入手続き

タイの輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2018年11月

日本からの輸出は防疫上の関係から不可であり、現在、日本政府から輸入解禁を要請している段階にあります。

2. 施設登録、商品登録、輸入許可等(登録に必要な書類)

調査時点:2018年11月

※ 前述「1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)」のとおり、日本からタイへの豚肉輸出は不可ですが、本項目以降は、今後輸出可となった場合に必要となる事項について記載します

タイ保健省食品医薬品局(FDA)、タイ農業協同組合省畜産局で事前手続きを行います。

  1. FDAでの手続き
    食品は「食品法(Food Act 1979)」に基づき、特別管理食品(Specific Control Food )、品質規格管理食品(Quality or Standard Control Food)、表示管理食品(Label Control Food)および一般食品(General Food)の4種に分類されます。豚肉は一般食品に該当します。販売目的で輸入する場合は、輸入者が食品輸入許可書(3年間有効)を取得しておくことが必要となります。
  2. 畜産局での手続き
    販売目的で輸入する場合は、動物伝染病予防法に基づき、畜産物取引許可書(1年間有効)(Ror.10/1)を取得し、船積みごとに輸入承認通知書(Ror.6)を取得しておく必要があります。

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2018年11月

タイ側では、豚肉は動物検疫が必要です。販売目的で豚肉を輸入する場合は、輸入業者が動物・畜産物輸入許可申請書(検疫)(Ror.1/1)を貨物到着の7日前までにタイ農業協同組合省畜産局獣医官検査検疫部に提出し、輸入承認通知書(Ror.6)を取得しておかなければなりません。貨物が到着したら、輸入承認通知書と輸出国発行の衛生証明書(Health Certificate)を輸入港の検査官に提出し、検査による問題がなければ、畜産物輸入許可書(Ror.7)が発行されます。有効期間は7日間です。これは貨物の引き渡しの際に必要となります。

タイの食品関連の規制

1. 残留農薬

調査時点:2018年11月

動物用医薬品残留規制
保健省告示 No.303(2007年)において44グループの動物用医薬品の最大残留基準(MRL)が規定されており、豚肉については次のとおりです。
豚肉における動物用医薬品の最大残留基準(MRL)(mg/kgまたはmg/l)
動物用医薬品名 筋肉 肝臓 腎臓 脂肪
クロルテトラサイクリン/オキシテトラサイクリン/テトラサイクリン
Chlortetracycline/Oxytetracycline /tetracycline
200 600 1,200
カラゾロール(Carazolol 5 25 25 5
ゲンタマイシン(Gentamicin 100 2,000 5,000 100
スルファジミジン(Sulfadimidine 100 100 100 100
セフチオフル(Ceftiofur 1,000 2,000 6,000 2,000
シハロトリン(Cyhalothrin 20 20 20 400
ダノフロサキシン(Danofloxacin 100 50 200 100
ドラメクチン(Doramectin 5 100 30 150
ジヒドロストレプトマイシン/ストレプトマイシン
Dihydrostreptomycin/Streptomycin
600 600 1,000 600
チルミコシン(Tilmicosin 100 1,500 1,000 100
チアベンダゾール(Thiabendazole 100 100 100 100
ネオマイシン(Neomycin 500 500 10,000 500
ベンジルペニシリン/プロカチンベンジルペニシリン
Benzylpenicillin/Procain Benzylpenicillin
50 50 50
フルベンダゾール(Flubendazole 10 10
フルメキン(Flumequine 500 3,000 1,000
ホキシム(Phoxim 50 50 50 400
フェバンテル/フェンベンダゾール/オクスフェンダゾール
Febantel/ Fenbendazole/ Oxfendazole
100 500 100 100
リンコマイシン(Lincomycin 200 500 1,500 100
レバミゾール(Levamisole 10 100 10 10
スペクチノマイシン(Spectinomycin 500 2,000 5,000 2,000
スピラマイシン(Spiramycin 200 600 300 300
アザペロン(Azaperone 60 100 100 60
イベルメクチン(Ivermectin 15 20
残留農薬規制
食品中の残留農薬については、保健省告示No.387(2017年) 「残留有害物質を含有する食品」に規定されており、同告示リスト1に掲載する「1992年有害物質法」および「2008年改正版」に基づくカテゴリー4の農薬(82種類)の含有が禁止されています。これ以外の農薬については、1)リスト2に最大残留基準(52種類)を設定、2) 1)に規定がないものはCodex基準に従う、3) 1)、2)に規定がないもので、リスト3の植物用規定値(17物質)以外については、一律基準0.01mgを適用、4)リスト4の外因性最大残留基準(5物質)を超えてはならないと規定されています。
豚肉関連における最大残留基準(MRL)(mg/kg)
化学物質名 豚肉 豚の臓物 哺乳類の肉 哺乳類の臓物 哺乳類の脂肪
クロルピリホス(Chlorpyrifos 0.02(脂肪) 0.01
デルタメトリン(Deltamethrin 0.5(脂肪) 0.03
カルバリル(carbaryl 0.05 1
カルベンダジム/ベノミル(Carbendazim / benomyl 0.05
カルボスルファン(Carbosulfan
(残留毒素:カルボスルファン)
0.05(脂肪) 0.05
カルボスルファン(Carbosulfan
(残留毒素:カルボフラン)
0.05 0.05
シペルメトリン(cypermethrin 2(脂肪) 0.05
2, 4-D 0.2 1
ジクロルボス(dichlorvos 0.05
ジチオカルバメート(dithiocarbamates 0.05 0.1
ジメトエート(dimethoate 0.05 0.05 0.05
ダイアジノン(diazinon 2 (脂肪) 0.03
パラコート(paraquat 0.005 0.05
ピリミホスメチル(pirimiphos-methyl 0.01 0.01
プロフェノホス(profenofos 0.05 0.05
フェンバレレート(fenvalerate 1 (脂肪) 0.02
フェニトロチオン (fenitrothion 0.05
メチダチオン(methidathion 0.02 0.02
アセフェート(acephate 0.05 0.05
アバメクチン(abamectin 0.01 0.1 0.1
エテホン(ethephon 0.1 0.2
畜産物における外因性残留基準(EMRL)(mg/kg)
食品の種類 アルドリンおよびディルドリン
aldrin and dieldrin
クロルデン
chlordane
DDT エンドリン
endrin
ヘプタクロル
heptachlor
哺乳類の肉および臓物 0.2(脂肪) 0.05(脂肪) 5(脂肪) 0.05(脂肪) 0.2(脂肪)

2. 重金属および汚染物質

調査時点:2018年11月

保健省告示 No.98(1986年)および No.273(2003年)で、食品中に含まれる重金属および汚染物質の最大残留基準値(MRL)は次のとおり規定されています。そのほか、食品によっては別途規定がある場合があるため、該当食品の保健省告示を確認する必要があります。

豚肉における重金属および汚染物質の最大残留基準値(MRL)(mg/kg)
物質名 MRL
スズ 250
亜鉛 100
20
1
水銀 水産物は0.5
水産物以外は0.02
アフラトキシン 20
ヒ素 水産物は無機ヒ素 2mg
水産物以外は総ヒ素 2mg

また、保健省告示 No.299(2006 年)、No.269(2003 年)においてクロラムフェニコールおよびその塩、ならびにその代謝系物質など、検出された食品の流通、販売を禁止する化学物質として7種類が規定されています。このほか、保健省告示 No.391(2018年)において臭素化植物油など、製造・輸入・販売を禁止する食品として13種類(それらを成分として使用する食品を含む)が規定されています。また、保健省告示No.388(2018年)において、部分水素添加油脂(PHO)および部分水素添加油脂を含む食品の製造・輸入・販売が2019年1月から禁止されることが発表されています。

3. 食品添加物

調査時点:2018年11月

食品添加物については、食品法に基づき、保健省告示 No.281(2004年)「食品添加物」、No.381(2016年)第4版に定義など、No.389(2018年)第5版に使用基準(食品添加物名、対象とする食品、上限値など)が規定されています。No.381発効日(2016年12月21日)前に使用を許可されていた食品については、No.381発効日から2年以内にNo.389の基準を順守する必要があります。また、No.389発効日(2018年7月26日)前に使用を許可されていた食品については、No.389発効日から2年以内にNo.389の基準を順守する必要があります。
また、別途、食品別に保健省告示で規定されている場合は、当該告示に従う必要があります。それ以外については、各種安全評価を経たうえで、食品医薬品局の承認に基づいて使用する必要があります。

4. 食品包装(食品容器の品質または基準)

調査時点:2018年11月

食品法に基づき、保健省告示 No.92(1985年)、No.295(2005年)において食品包装について規定されています。

共通
清潔であること
再利用ではないこと(材質により例外あり)
健康を害するおそれのある量の重金属またはほかの物質が食品を汚染しないこと
病原菌を含有していないこと
色素が食品を汚染しないこと
プラスチック製
材質基準と溶出基準が規定されています。
セラミック・ほうろう製
鉛とカドミウムの溶出基準が規定されています。

5. ラベル表示

調査時点:2018年11月

包装食品の表示項目については、保健省告示「包装食品のラベル表示について」において規定されていますが、未加工の生鮮食品(冷蔵・冷凍を問わず)については、食品医薬品局から記載が免除されています。

6. その他

調査時点:2018年11月

食品は、「食品法(Food Act 1979)」により食品を特定管理食品、品質規格管理食品、表示管理食品、一般食品の4つのカテゴリーに分類し管理されています。不適切な食品の流通を未然に防止する観点から、食品が輸入される前段階において、食品の輸入業者許可、特定管理食品の食品調理法登録、食品登録、表示、広告の認可などが義務付けられています。
食品法や関連省令、告示で定められた食品衛生・安全性および品質基準に合致していれば、所定の手続きを経てタイに輸出することができます。各種要件については、タイ食品医薬品局(FDA)に確認の上、最新の情報を入手することが必要です。

タイ内の輸入関税等

1. 関税

調査時点:2018年11月

関税は、最高税率のほかに、関税率緊急勅令第12条に従い減免された基本税率(一部対象外)、WTO税率、2007年11月に発効した日タイ経済連携協定税率(JTEPA)の設定があり、一般的に、JTEPAの適用を受けない場合は、基本税率が設定されている品目については基本税率、設定されていない品目についてはWTO税率が適用されます。
豚肉の関税率は次のとおりです。

豚肉の関税率
品目 基本税率 WTO JTEPA
枝肉および半丸枝肉(生鮮・冷蔵) 40% 40% 免除
枝肉および半丸枝肉(冷凍) 30% 30% 免除
骨付きのもも肉および肩肉ならびにこれらを分割したもの(生鮮・冷蔵) 30% 30% 免除
骨付きのもも肉および肩肉ならびにこれらを分割したもの(冷凍) 40% 40% 免除
その他のもの(生鮮・冷蔵) 30% 30% 免除
その他のもの(冷凍) 30% 30% 免除

2. その他の税

調査時点:2018年11月

輸入額(CIF)と関税額の合計に付加価値税(VAT)7%が課税されます。VATの現行税率は2019年9月末までのものとなっています。VAT税率は1999年に10%から7%に引き下げられた後、再度10%への引き上げが予定されており、1~2年ごとに見直しが行われていますが、現行税率での更新が継続しています。

3. その他

調査時点:2018年11月

通関手数料は200バーツです。

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