外資に関する奨励

最終更新日:2017年09月29日

奨励業種

奨励業種は、製造業、農業、観光業(ホテル業を含む)と特定サービス産業およびR&D(研究開発活動)、職業訓練事業、環境保護事業、国際調達センター、地域流通センター、地域統括会社、マルチメディア事業などである。

マレーシアでは、1986年投資促進法(Promotion of Investment Act, 1986:PIA)、1967年所得税法、1967年関税法、1972年売上税法、1976年物品税法、1990年自由地域法(集合的に「法令」)など、さまざまな法令において、税制上の優遇措置が与えられる。これらの優遇措置は、奨励業種である製造業、農業、観光業(ホテル業を含む)と特定サービス産業およびR&D(研究開発活動)、職業訓練事業、環境保護事業を対象としている。
税制上の優遇措置の申請先は、マレーシア投資開発庁(MIDA)である。

優遇措置の詳細および1986年投資促進法に基づくパイオニア・ステータス、または投資控除(ITA)の対象となる奨励事業および奨励製品リストは、マレーシア投資開発庁(MIDA)のウェブサイトから見ることができる。

マレーシア投資開発庁(Malaysian Investment Development Authority:MIDA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
E-mail:investmalaysia@mida.gov.my

各種優遇措置

奨励業種では、法人税免除や投資控除等の、法人税に関する優遇措置が受けられる。

税制上の優遇措置

  1. パイオニア・ステータス

    パイオニア・ステータスを認められた企業は、生産開始日と認定された日から5年間にわたり、法定所得の70%が免税となる。また、免税によって得た所得から分配された配当金についても、免税となる。

    奨励事業を、サバ、サラワク等の大型長期開発地区(5.大型長期開発計画(コリドー開発)参照)の奨励地域に立地する場合、あるいはハイテク事業として定められている事業(最先端の素材産業、医療関連機器産業、バイオテクノロジー、代替エネルギー産業等)を行う場合、法定所得の全額免除が認められる場合もある。

    さらに、国家的・戦略的に重要なプロジェクトについては、所得税の全額免除が10年間認められる場合がある。その例としては、自動車産業等の広範な産業間連携を創出するプロジェクト、あるいは経済に大きな影響を与えることができる、多額の設備投資や高度科学技術を伴うプロジェクトが挙げられる。

    パイオニア・ステータス期間中に対象企業で発生した未処理損失および未処理控除は、繰越して、パイオニア・ステータス終了後に、同一の奨励事業または奨励製品に関する事業の所得からの控除が認められる。

  2. 投資控除(ITA)と再投資控除(RA)
    投資控除(ITA)

    パイオニア・ステータスに代わる税制上の優遇措置として、企業は投資控除(Investment Tax Allowance:ITA)を申請することができる。ITAが認められた企業は、最初に適格資本的支出(認可プロジェクトで使用される工場、プラント、機械、その他の設備に対する支出)が発生した日から5年以内に発生した適格資本的支出に対して、60%の控除が得られる。この控除額で各年度の法定所得の70%を相殺することができ、未利用の控除額については、全額が利用されるまで次年以降に繰越すことができる。

    前述の1.に記載した奨励地域における事業、ハイテク事業、国家的・戦略的に重要なプロジェクトには、最初の適格資本的支出が発生した日から5年以内の適格資本支出に対し、100%の投資控除が認められる場合がある。

    観光業の振興策として、4ツ星、5ツ星ホテルの優遇措置の申請期限は、2017年予算案において、2018年12月31日まで延長された。

    再投資控除(RA)

    操業開始から少なくとも36カ月間を経ており、かつ既存事業を拡大・近代化・自動化するため、または既存事業の活動を同産業内における何らかの関連製品に広げるために適格資本的支出が発生している製造会社は、再投資控除(Reinvestment Allowance:RA)の申請ができる。なお、2008賦課年度までは、操業開始から12カ月間を経た企業が本控除の対象とされていた。

    再投資控除は、対象企業で発生した適格資本的支出に対して60%の割合で認められ、各賦課年度における法定所得の70%と相殺することができる。ただし2015賦課年度からは、会社の法定所得ではなく、再投資控除対象事業の法定所得のみが相殺の対象となった。
    未利用の控除額については、全額が利用されるまで、次年以降に繰越すことができる。再投資控除は、申請開始年度より連続して15賦課年度期間中に行われた適格資本的支出が対象となる。

    企業は、パイオニア・ステータスの失効前に再投資を行う意向であれば、パイオニア・ステータスの取消しを申し出て、再投資控除の資格を取得できる。

    2015年10月に発表された2016年の予算案と同時に発表された税制改正により、2015賦課年度まで連続した再投資控除を終了した会社でも、2016賦課年度から2018賦課年度までに行った再投資について、「特別再投資控除」が認められることとなった。その対象分野は、次のとおり。

    1. 製造業
    2. 農業のうち、次に該当するもの
      • コメ、トウモロコシの生産
      • 野菜、塊茎類、根菜類の生産
      • 果物の生産
      • 畜産
      • 水産物の養殖
      • 財務省から承認を受けた事業
  3. 拠点機能に対する優遇措置

    2015年5月1日より、マレーシアにおけるグローバル・ビジネス拠点機能の強化に向け、新しい税制優遇措置「プリンシパル・ハブ・インセンティブ (Principal Hub Incentive)」が導入された。
    プリンシパル・ハブとは、グローバル・ビジネスおよびオペレーションを行う拠点として、マレーシアでリスク管理、方針決定、戦略的事業活動、貿易、金融、人事などに関する運営やサポートを行う法人と定義されている。
    プリンシパル・ハブとして認められた法人は、法人税について0~15%の優遇税率が適用される。優遇税率は、対象となる法人における従業員や最低事業支出額などの条件によって異なる。最低払込資本は250万リンギ、最低年間売り上げは3億リンギ(物品取引法人に適用)で、100%外資保有が可能である。申請先はMIDAで、申請期間は2015年5月1日~2018年4月30日。

  4. マルチメディア・スーパー・コリドー(MSC)に対する優遇措置

    マルチメディア・スーパー・コリドー(Multimedia Super Corridor:MSC)とは、アジアにおけるIT開発の拠点として、マルチメディア製品やサービスを創出して流通させ、あるいは利用する場を、マレーシア政府が同国内で提供するもの。
    マルチメディア・デジタル経済公社(Multimedia Digital Economy Corporation:MDeC)により、Cyberjaya、Kuala Lumpur City Centre、Technology Park Malaysia、ペナンのBayan Lepas、ケダ州のKulim Hi-Tech Park等が、サイバーシティとして認められている。ロケーションの詳細については、次のウェブサイトで見ることができる。

    MSC Malaysia "Cybercities/ Cybercentres & Digital Hub外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

    MSCステータスは、MDeCを通じてマレーシア政府によって認定され、同ステータスを取得した企業は、次のような一連の優遇措置を受けられる。

    1. パイオニア・ステータスが付与され、10年間にわたり、法定所得の100%に対する免税措置が受けられる。あるいは、5年以内に発生した適格資本支出に対して100%のITA(投資控除)が認められ、対象企業はこの控除額をもって各賦課年度の法定所得の100%と相殺することができる。
    2. 100%の外資保有が可能。
    3. 必要に応じ、外国人知的労働者を雇用できる(就労枠および就労ビザが承認)。
    4. マルチメディア関連機器の輸入関税が免除される。
    5. 研究開発助成金が受けられる(マレーシア資本がマジョリティを占めるMSC企業が対象)。
  5. 大型長期開発計画(コリドー開発)

    地域格差是正を目的として、マレーシア政府は第9次5カ年計画(9MP)において国内5カ所を指定し、長期の大型開発計画を進めている。
    各コリドー開発の監督官庁では、それぞれインセンティブを用意し、外資を歓迎している。各コリドーの情報は次のウェブサイトにまとめられており、一覧可能である。

    Malaysia Economic Corridors外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

  6. クアラルンプール国際金融地区(Tun Razak Exchange:TRX)に対する優遇措置

    クアラルンプールを銀行金融および関連サービスの国際的ハブにしようとするTRX構想に関連して、次の優遇措置が提案されている。

    1. TRXステータス会社に対し、10年間の100%法人税免除、およびローン契約・サービス契約に係る印紙税を免除する。
    2. TRXマーキー会社(商業銀行、保険などの金融サービスを提供する企業)に対し、建物のキャピタル・アローワンス(Industrial Building Allowance)および加速償却(Accelerated Capital Allowance)を認める。
    3. TRX開発不動産会社に対し、5年間、不動産売買および賃貸で得た所得の70%に対し免税措置を認める。
  7. 低開発地域への投資に関する優遇措置(Incentive for Less Developed Areas

    低開発地域における雇用創出と国内全域の均衡のとれた発展を目指すため、マレーシア政府は2015年5月1日から、低開発地域への投資を促進する優遇措置を新設した。対象は、低開発地域において製造活動またはサービス活動を行い、相当数の雇用を創出して地域発展に貢献する、マレーシアで設立された法人である。
    ただし、低開発地域(Less Developed Areas)の定義は特に定められておらず、MIDA、州政府などの所轄官庁との協議を通じて、案件に応じて認定される。
    税制上の優遇措置には、最長15年間の100%法人税免税、または10年間の適格資本支出に対する100%の投資控除、土地や建物のリース・取引に関わる印紙税の免除などがある。申請はMIDAに対して行う。申請期間は、2015年1月1日~2020年12月31日。

  8. 自動化に関する優遇措置(Automation Capital Allowance Expenditure

    2015年度予算案では、経済成長の強化を図ることを目的として、労働集約型の製造業を対象として、自動化を促すための優遇措置が発表された。
    特に労働集約型とされるゴム、プラスチック、木材、家具、繊維の製造業を「カテゴリー1」とし、このカテゴリーに属する企業に対しては、2015~2017年の3年間に自動化に伴って発生する適格資本的支出のうち最初の400万リンギについて加速度償却100%、自動化設備償却100%と合わせて200%のキャピタル・アローワンスが受けられる。

    前記以外の製造業は「カテゴリー2」とされ、2015~2020年の5年間に自動化に伴って発生する支出のうち200万リンギについて、200%のキャピタル・アローワンスが受けられる。
    申請対象となる会社は、36カ月以上製造事業を行っている、マレーシアで設立された法人で、自動化の設備は直接製造に使用されるものでなければならない。また自動化の設備は、直接的に生産性を高め、労働者削減に結びつくものでなければならない。
    生産性の効果については、マレーシア工業標準規格院(SIRIM)の認証を受ける必要がある。テクニカルでない要件についての申請はMIDAに、機械設備の生産レベルの認証申請についてはSIRIMに行う。

  9. グリーン・テクノロジーおよびグリーン・インダストリーに関する優遇措置

    再生可能エネルギーおよび省エネ事業は、2015年末までの申請についてはパイオニア・ステータスまたはITAの優遇措置の対象であったが、この期限は延長された。このほか、省エネビル、グリーン・データセンター、廃棄物処理・管理、電気自動車関連サービス、グリーン認証およびグリーン・タウン開発などの事業についても、優遇措置の対象となっている。
    これらの事業に関する優遇措置の申請は、2020年12月31日までにMIDAによって受理されなければならない。

  10. 造船・船舶修理業に対する優遇装置

    国際貿易産業相は、2016年8月9日、造船・船舶修理業に対する優遇措置を発表した。新会社は、生産開始日と認定された日から5年間、法定所得の70%が免税となるパイオニア・ステータス、または最初に適格資本的支出(認可プロジェクトで使用される工場、プラント、機械、その他の設備に対する支出)が発生した日から5年以内に発生した適格資本的支出に対し、60%の控除が得られるITA(投資控除)が受けられる。既存の会社でもITAが受けられる。申請は、MIDAに対して行う。

    以前、より条件のよい優遇措置が、東海岸のサバ、サラワクなどの低開発地域にある会社に対して与えられていたが、2010年に終了した。今回は地域を限定せず、マレーシア全国の会社に対象を広げた。2020年産業計画および第11次マレーシアプランにおける成長産業として造船・船舶修理業は重視され、外資の参入も歓迎されている。

輸出奨励措置

  1. 輸出信用リファイナンス(ECR)制度

    直接・間接輸出業者に対して短期融資を提供する制度で、融資はマレーシア輸出入銀行(Export-Import Bank:EXIM Bank~2005年12月にマレーシア輸出入銀行およびマレーシア輸出信用保険会社の合併により誕生)によってリファイナンスされた商業銀行を通じて行われる。輸出業者は、いかなる外貨建てによるインボイスも発行できるが、融資はリンギ建てで行われる。この制度を利用するには、輸出業者が商業銀行に関連資料を提出し、輸出信用リファイナンスの信用供与の権利を確保済みであることが条件となる。

    ECR融資には次の2種類がある(融資の最低限度額は1万リンギ、最高限度額は5,000万リンギ)。

    1. 船積み前輸出信用リファイナンス

      海外のバイヤー向け商品の積み出し前に、国内または海外の供給業者からの商品購入用資金として提供される融資。輸出受注書による方法と輸出実績証明書(CP)による方法という、2つの方法がある。輸出受注書による方法では、輸出注文書または発注書を提示し、輸出受注額の95%の融資を受けることができる。またCPによる方法では、EXIM Bankが発行するCPを提示することで、CP限度額を上限として融資を受けることができる。融資の最長期間は120日。

    2. 船積み後輸出信用リファイナンス

      直接輸出業者に対し、海外のバイヤー向け商品の積み出し後に提供される融資。手形割引によって行われ、商業銀行に輸出関係書類一式を提出することで割引を受けられる。融資の最長期間は183日。

      マレーシア輸出入銀行(EXIM Bank) "EXPORT CREDIT REFINANCING外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

  2. 輸出信用保険の二重控除
    輸出信用保険料支払いは、二重控除の対象となる。
  3. 輸出促進費用の二重控除

    居住者である企業が、マレーシアの工業製品および農産物の輸出を促進するために費やす特定の経費は、二重控除の対象となる。
    具体的には次の経費が対象となる。

    1. 海外での広告費
    2. 海外への無料サンプルの提供費
    3. 輸出市場調査費
    4. 海外での商品入札応募の準備費
    5. 海外への技術情報の提供費
    6. 貿易・産業展示会、バーチャル・トレード・ショー、トレード・ポータルへの展示や参加にかかる費用。また、それに伴う従業員による海外出張の渡航費
    7. 従業員の海外出張に際しての、1日300リンギまでの宿泊代と1日150リンギまでの食事代等の必要経費
    8. 海外に設置した輸出促進用販売事務所の維持費
    9. 輸出用パッケージをデザインするため、マレーシアでプロフェッショナルなデザインサービスを受けた場合の費用
    10. 海外における入札可能性を探るための事前調査費
    11. 国際レベルのコンペに参加するに際し、建築模型、エンジニアリング・モデル、概念図、3次元アニメ等を制作する費用(これは2005賦課年度から有効)
    12. 国内外の貿易・産業展示会への参加費
    13. マレーシアにおける常設展示や海外のエキシビション・センターで開催される展示会への参加にかかる費用

その他

特になし

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