外資に関する規制

最終更新日:2017年09月29日

規制業種・禁止業種

一般に国家権益に関わる事業、すなわち水、エネルギー・電力供給、放送、防衛、保安等に関して、政府は外資出資比率(上限)を30%または49%に制限している。

出資比率

原則、民間企業に対する外国資本出資比率は、所轄官庁のライセンスや許認可に課された出資条件によって決まる。製造業、流通・サービス業では、一部を除き、100%外資が認められている。

製造業に関しては、工業調整法による製造ライセンスが発行される。マレーシア投資開発庁(Malaysia Investment Development Authority:MIDA)に申請し、国際貿易産業省(Ministry of International Trade and Industry:MITI)により発行される。MIDAのウェブサイトから各種証明書発行申請、書式の入手ができる。

マレーシア投資開発庁(MIDA):

ほとんどの業種で100%外資が認められている。自動車の製造についても、2010年1月1日からの自動車政策の実施により、自動車組み立て等の一部を除いて資本条件がなくなった。緩和政策実施以前に製造業ライセンスを取得した製造業者は、進出時に課せられた出資比率と輸出率の諸条件は引き続き有効とされているが、このような既存の条件についても、MITIはケースに応じた外国資本比率の引上げなどを認めている。また一部の事業を除き、事業拡張と多角化に向けた投資、すなわち追加増資分については100%の外国資本保有が認められる。

運輸、教育、石油関連製品の販売など、各関係法令に基づくライセンスが必要な業種は、所轄官庁が定める資本条件による。

金融機関については、2013年金融サービス法が施行されて外資規制が撤廃された。同法により、外資・内資にかかわらず、5%以上の株式を取得するに際しては、マレーシア中央銀行の事前承認が必要とされる。つまり、外資に対する規制はなくなったものの、外資による企業の設立や資本参加の可否については、マレーシア中央銀行の判断に委ねられている。

2013年金融サービス法 "Financial Services Act 2013PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(5.9MB)"

国内取引・協同組合・消費者省(Ministry of Domestic Trade, Co-operatives & Consumerism:MDTCC)は、2010年5月12日、政府の資本規制緩和策を反映した「流通取引・サービスへの外国資本参入に関するガイドライン(Guidelines on Foreign Participation in the Distributive Trade Services Malaysia、MDTCCガイドライン)」を発行した。同ガイドラインが適用される非製造業の範囲は広く、販売会社やサービス業が広くカバーされ、ハイパー・マーケットおよびスーパーストアを除き、「ブミプトラ(マレー系と先住民族の総称)資本30%以上」という条件はなくなった。すなわち、100%外資が参入可能となったが、次の業種は外資参入禁止とされている。

  • スーパーマーケット/ミニマーケット(販売フロア面積が3,000平方メートル未満*)
  • 食料品店/一般販売店
  • コンビニエンスストア**
  • 新聞販売店、雑貨品の販売店
  • 薬局(伝統的なハーブや漢方薬を取り扱う薬局)
  • ガソリンスタンド
  • 常設の市場(ウェットマーケット)や歩道店舗
  • 国家戦略的利益に関与する事業
  • 布地屋、レストラン(高級店でない)、ビストロ、宝石店など

* 販売面積3,000~5,000平方メートル未満の独立したスーパーマーケットについては、MDTCCガイドラインで「スーパーストア」と定義され、MDTCCの定める規定・条件を満たせば外国資本100%の参入が認められる。なお、デパート内に設置されたスーパーマーケットについては、販売面積2,000平方メートル未満に限って外国資本100%の参入が認められている。
** 認可要件は明らかでないものの、2017年9月現在、外資が入ったコンビニエンスストアの運営については、事前認可を得ることとされている。

国内取引・協同組合・消費者省:MDTCCガイドライン "GUIDELINES ON FOREIGN PARTICIPATION IN THE DISTRIBUTIVE TRADE SERVICES MALAYSIAPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(94KB)"

このほか、次のようなステータスを取得した会社に関しては、100%外資が認められている。

  1. マルチメディア・スーパー・コリドー(Multimedia Super Corridor:MSC)ステータス会社。
  2. イスカンダル地域開発庁(Iskandar Regional Development Authority:IRDA)によりステータスを承認された会社で、当該開発地域内で事業を行う会社。
  3. 政府により定められた開発地域において、管轄する州当局によりステータスを承認された会社で、当該開発地域内で事業を行う会社。
  4. マレーシア国際イスラム金融センター(Malaysian International Islamic Financial Centre:MIFC)の事務局から承認を得た会社。
  5. 国際貿易産業省(MITI)や財務省(Ministry of Finance:MOF)、その他の省により、国際調達センター(International Procurement Centre:IPC)、経営統括本部(Operational Head Quarters:OHQ)、「プリンシパル・ハブ」等のステータスを承認された会社(2015年5月1日をもって、IPCとOHQは「プリンシパル・ハブ」というステータスおよび優遇措置に置き換えられた)。
    「プリンシパル・ハブ」の詳細については、「外資に関する奨励」の項を参照。2015年4月30日までに取得された既存のIPCおよびOHQについては、そのままステータスと優遇措置が継続される。

マレーシア政府は、経済成長の牽引役としてのサービス産業の活性化と成長を重要視しており、外資の誘致にも貢献するとして、段階的にサービス産業のサブセクターが自由化されている。2009年に自由化された27セクターについては、次のPDFを参照。
ジェトロ:ブミプトラ資本保有が撤廃される産業PDFファイル(213KB)

2012年以降、自由化されたセクターは、民間病院、医療・歯科専門サービス、建築、エンジニアリング、会計・財務サービス、法務サービス、クーリエサービス、教育・訓練、通信サービスなどである。
ジェトロ:自由化が発表されたサービス分野18業種PDFファイル(97KB)

ASEAN枠組み協定の一環として、2015年中にサービス産業におけるヘルスケア・観光・通信事業を含む128のサブセクターのすべてが自由化される予定だったが、2017年末までに延期された。

外国企業の土地所有の可否

マレーシアの土地は州の管轄となっており、土地・不動産の所有に関しては、州当局の認可を得て土地の登記を行う。住宅に関しては、外国人個人の登記も認められているが、商業物件、工業用地、農業用地については、現地法人を設立して登記しなければならない。

不動産の取得に関しては、経済企画庁(Economic Planning Unit:EPU)がガイドラインを発行している。
"GUIDELINE ON THE ACQUISITION OF PROPERTIES外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(270KB)(現行2014年3月発行)"

当該ガイドラインの概要は次のとおり。

EPUの承認と取得条件を満たす必要がある不動産取得

  1. 価値が2,000万リンギ以上の不動産を直接取得する場合で、その結果ブミプトラ関係者(ブミプトラ個人、ブミプトラが支配する現地会社)および/または政府機関が保有する不動産の所有権が希釈化する場合。
  2. 資産総額の50%超の不動産を所有する会社の非ブミプトラ関係者(非ブミプトラ個人、非ブミプトラが支配する現地会社)による、株式の取得を通じた不動産の間接的な取得の結果、ブミプトラ関係者および/または政府機関の所有する会社の支配が変化することになり、かつ不動産の価値が2,000万リンギを超える場合。
    • 不動産取得の条件
      • ブミプトラ資本が30%以上
      • 最低払込資本金:
        マレーシア人が50%超所有する現地会社の場合:10万リンギ
        外国人、外国の会社が50%超所有する現地会社の場合:25万リンギ

最低取得額

2014年3月1日より、外国関係者による不動産取引については、最低取得額が50万リンギから100万リンギに引き上げられた。
外国人または外資50%超の現地法人による100万リンギ以上の不動産取得については、EPUへの申請は不要だが、州政府、他の所轄官庁の認可は必要。
農業用地の取得については、100万リンギ以上か5エーカー以上の面積の物件で、次の目的での使用に制限されている。

  • 商業規模での農業
  • アグロ・ツーリズム・プロジェクト
  • 輸出用の農業、アグロベースの工業活動

なお、外資50%超の現地法人が従業員寮の物件を取得する際の最低取得額は、1戸当たり10万リンギである。

その他

「マレーシア・マイ・セカンドホームプログラム」での滞在者の住居に対しては、EPUガイドラインの規定が免除されている。

土地取得にかかる申請先

土地登記局を含む各州の当局であるが、EPUガイドラインが適用される場合は、首相府経済企画庁(Economic Planning Unit外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)にも申請する。

資本金に関する規制

最低払込資本金は、事業内容や必要な許認可に応じて定められている。製造ライセンス取得会社では株主資本250万リンギ、流通・サービス取引では100万リンギである。

  1. 製造業部門

    工業調整法では、250万リンギ以上の株主資本を有するか、75人以上の常勤従業員を雇用している製造業に対し、製造業ライセンスの取得を義務付けている。従って、新規に製造会社を立ち上げた場合、払込資本金が250万リンギ以上であれば、製造ライセンスの取得が必要となる。既存の製造会社でも、払込資本金と剰余金を合わせると250万リンギ以上になる場合は、同様に製造ライセンスが必要となる。
    株主資本が250万リンギに満たない、または常勤従業員75人未満の製造会社は、「製造ライセンス免除の確認書」をMIDAに申請し、取得する。

  2. 非製造業部門

    前述の「流通取引・サービスへの外国資本参入に関するMDTCCガイドライン」の対象となる業種の会社に関しては、最低払込資本金は100万リンギである。
    建設業開発庁(Construction Industry Development Board:CIDB)にForeign Contractorとして登録する建設会社(外資30%超の現地法人)の最低資本は、2015年4月1日以降、75万リンギとなった。

  3. プリンシパル・ハブ会社

    MIDAへのプリンシパル・ハブ・インセンティブの申請に必要な最低払込資本金は、250万リンギである。

  4. 入国管理局による最低資本金の要件

    入国管理局に雇用パスなどの認可を申請する会社の最低資本金(2017年9月時点)は、次のとおりである。

    • 100%ローカル資本(マレーシア)の会社は25万リンギ
    • ローカルと外資による合弁企業は35万リンギ
    • 100%外国資本の会社は50万リンギ
    • 資本の51%以上を外資が占める、流通・サービス取引会社は100万リンギ

    入国管理局(Expatriate Services Division)発行のガイドブック "ESD Online Guidebook V3. 1 2017外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(3.40MB)"

その他規制

2010年競争法(Competition Act 2010)

2010年6月に公布され、2012年1月1日に施行された2010年競争法(Competition Act 2010)では、カルテル等の反競争的協定や支配的地位の濫用が禁止されている。

2010年競争法(Competition Act 2010PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(318KB)

2011年4月1日に設置されたマレーシア競争委員会(MyCC)は、競争法の取締りや同法に関するあらゆる事項に関し、政府・事業者・消費者へのアドバイスを行う。問い合わせ先は次のとおり。

マレーシア競争委員会(Malaysian Competition Commission:MyCC外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
E-mail:enquiries@mycc.gov.my

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