MIDAがマレーシアの工業団地プラットフォームを公開、立地戦略の参考に
(マレーシア)
クアラルンプール発
2024年12月26日
マレーシア投資開発庁(MIDA)は12月11日、マレーシア全国の工業団地の情報を閲覧できるデジタルプラットフォーム「マレーシア・サイト・セレクション・ポータル(MYサイト・セレクション・ポータル)」を発表した(MIDAプレスリリース
)。また、同ウェブサイトの発表式典では、マレーシア製造業連盟(FMM)と共同で、全国の工業団地に関する詳細情報をまとめた「マレーシア工業団地ダイレクトリ
」も発表した。同国では、全国の工業団地を網羅した最新情報の入手が難しかったが、随時アップデートされるMYサイト・セレクション・ポータルは、企業の投資戦略立案に大きく貢献するものと期待される。
工業団地の検索画面(MYサイト・セレクション・ポータルより)
同ウェブサイトでは、高度なマッピング技術と詳細な産業データを活用し、国内各地の工業団地に関するインフラ、接続性、持続可能性を含む最新情報にオンライン上でアクセスが可能だ。各工業団地に入居するテナント企業の一覧も閲覧できる。投資貿易産業省(MITI)のリュー・チントン副大臣によると、このウェブサイトは、投資家が事業に最適な立地を選択できるよう支援するとともに、半導体などの戦略的分野を含むさまざまな産業におけるサプライチェーン構築を促進する。
発表式典に同席したFMMのソー・ティエンライ会長は「マレーシア工業団地ダイレクトリ」は、リュー副大臣が挙げた点に加え、スマートファクトリーの設立や高付加価値投資の呼び込みにも資すると期待を示した。さらに、ソー氏は「マレーシアの中小企業は、日本、中国、韓国、EUなどの先進企業と協力することで、外国人労働者への依存を減らしながら国際市場に参入すべく、効率性や生産性を向上させ、最新技術の導入を進める必要がある」とも提言した。
MYサイト・セレクション・ポータルは近く、インフラの質、接続性、持続可能性、インダストリー4.0技術への対応など複数の基準に基づく星評価制度を組み込む予定だ。リュー副大臣は「評価制度を標準化することで、政府は、工業団地間の健全な競争を生み出し、投資家に提供する施設やサービスの向上を促したい」と述べた。評価制度は2025年に開始する予定。
(ニサ・モハマド)
(マレーシア)
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