ミャンマーの貿易投資年報

要旨・ポイント

  • 中部大地震の影響などを受け、2025/26年度の実質GDP成長率はマイナス2.0%。
  • 輸入抑制政策の反動から輸出減、輸入増で貿易収支は再び赤字に転換。
  • 2025/26年度の外国直接投資認可額(ティラワ経済特区を除く)は前年度比31.5%減で引き続き低迷。
  • 対日貿易は輸出増、輸入減で貿易黒字を維持。

公開日:2026年10月2日

マクロ経済

2025/26年度の実質GDP成長率はマイナス2.0%

2026年4月に国際通貨基金(IMF)が発表した世界経済見通しによると、2025/26年度(2025年4月~2026年3月)のミャンマーの実質GDP成長率はマイナス2.0%だった。2024年9月に発生した台風などの自然災害の影響を受けてマイナスに転じた2024/25年度に続き、2年連続のマイナス成長となった。2025年3月28日に発生したミャンマー中部大地震が既に脆弱化していた経済活動をさらに押し下げた。なお、アジア開発銀行(ADB)が2026年4月に発表したアジア経済見通しによると、2025/26年度の実質GDP成長率はマイナス2.2%で、治安情勢の悪化や投資環境の厳しさに加え、2025年3月の地震が主要産業に大きな影響を及ぼし、経済の落ち込みを一段と深めたと分析している。

ADBによると産業別では、農業部門は治安情勢への不安感や高止まりする生産コスト、労働力不足、物流制約、異常気象の影響などが重なり、マイナス0.2%だった。工業部門は資金制約や投資低迷、供給網の混乱などを背景にマイナス2.7%、サービス部門についても、高インフレによる家計消費の低迷を受け、2.8%のマイナス成長であった。

2026/27年度について、IMFは3.0%の成長を見込む。ADBも地震後の復興需要、製造業や建設活動の持ち直し、海外送金や国際支援の増加などを背景に、2.4%に回復すると予測している。一方、世界銀行は2026年6月に発表したミャンマー経済モニターで、中東情勢に伴う燃料価格の高騰を受け、従来の3.0%から2.0%へ下方修正した。復興需要による一部の押し上げは見込まれるものの、国内紛争、電力不足、貿易・物流の停滞、燃料価格の高止まりが続く限り、回復は小幅なものにとどまる可能性がある。

CPI上昇率は4年連続で20%超え

ミャンマーの消費者物価指数(CPI)の上昇率は2025/26年度は22.0%となった。2021/22年度の9.6%、2022/23年度の27.2%、2023/24年度の27.6%、2024/25年度の29.6%とCPIは上昇し続けており、2025/26年度は前年度から鈍化したものの、4年連続で20%を超えた。外貨不足とチャット安などを背景に、燃料をはじめとした輸入品の価格上昇が続き、国民生活に大きな影響を与えている。CPI上昇率は2026/27年度も19.0%と予測されており、今後も上昇が続く見通しだ。

ミャンマーの主な外貨収入源としては、輸出に加えて、外国人観光客による国内消費や海外で就労するミャンマー人からの送金などがある。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大で減少した観光客数は、その後も政変や少数民族武装勢力と国軍との紛争の激化などの影響を受け、本格的な回復の見込みが立っていない。一方、国内の雇用環境の悪化に加え、2024年2月に施行が公表された徴兵制から逃れる目的もあり、外国への出稼ぎ労働者やその希望者が急増した。このことから、海外からの外貨送金増は一定程度期待できる。しかし、2024年5月から徴兵対象者の就労目的での海外渡航が制限されており、今後の見通しは不透明である。

加えて、2011年の民主化以降、ミャンマーの外貨獲得の新しい柱であった外国からの政府開発援助(ODA)と外資系企業による対内直接投資は2021年の政変以降低迷している。国内の外貨不足は深刻となっており、政府は外貨流出を抑制するために輸入抑制政策を近年強化している。具体的には、輸入時にライセンス取得が必要となる品目数を断続的に拡大させている。まず、2022年1月にそれまでの3,931品目から7,001品目に拡大した。2022年8月31日以降は9,029品目となっている。

また、政府は輸出で得た外貨の管理を強化しており、2022年4月からは収入外貨を1営業日以内に強制的に現地通貨へ兌換させる仕組みを開始した。当初は、収入外貨の100%を現地通貨へ兌換することが求められたが、輸出企業などからの批判もあり、断続的に兌換比率が見直された。2026年1月以降は、輸出で得た外貨の現地通貨への1営業日以内の兌換義務を15%に低減し、企業は収入外貨の85%を1カ月間保有できるようになった。しかし、引き続き厳しい外貨管理が行われていることに変わりはない。

2025/26年度の経常収支は3億1,800万ドルの黒字となったが、これは産業競争力の強化や外貨不足の改善を意味するものではなく、輸入抑制による側面が大きい。むしろ厳格な輸入管理、外貨割当、海外送金規制は、企業による原材料・部品の輸入、設備投資、金融決済、利益送金を引き続き制約している。中東情勢が緊迫化した2026年2月以降、輸入時のライセンスの事前承認がさらに厳格化している。また、これまで輸入ライセンスが不要で、輸入物品のマテリアルリストの届出のみで自由に輸入できたティラワ経済特区(SEZ)内企業に対しても同リストの事前承認が求められるなど、在ミャンマー企業は自由に輸入調達ができず、国内での生産・事業活動に支障が生じているケースもある。

貿易

輸入が反動増、貿易収支は赤字に転換

2025年の輸出(通関ベース)は前年比2.4%減の145億6,500万ドル、輸入は18.8%増の147億9, 000万ドルとなった。2024年は輸入抑制策により輸入が前年比24.3%減少し、貿易収支は24億7,200万ドルの黒字であったが、2025年は輸入の反動増により2億2,500万ドルの赤字に再び転換した。

表1-1 ミャンマーの主要品目別輸出(FOB)〔通関ベース〕(単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)〔注〕品目欄の括弧内数値はHSコード。
品目 2024年 2025年
金額 金額 構成比 伸び率
鉱物性燃料(天然ガス、石油) (27) 3,277 3,131 21.5 △ 4.5
衣類・付属品(布帛製品) (62) 2,570 2,625 18.0 2.2
食用の野菜・根など (07) 1,975 1,562 10.7 △ 20.9
衣類・付属品(ニット製品) (61) 1,283 1,427 9.8 11.2
穀物 (10) 2,036 1,276 8.8 △ 37.3
銅及びその製品(74) 220 765 5.3 248.1
魚介類 (03) 642 635 4.4 △ 1.1
ゴム及びその製品 (40) 426 523 3.6 22.9
履物 (64) 410 423 2.9 3.2
電気機械・部品 (85) 311 403 2.8 29.7
合計(その他含む) 14,924 14,565 100.0 △ 2.4

〔注〕品目欄の括弧内数値はHSコード。

〔出所〕Global Trade Atlasから作成

表1-2 ミャンマーの主要品目別輸入(CIF)〔通関ベース〕(単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)〔注〕品目欄の括弧内数値はHSコード。
品目 2024年 2025年
金額 金額 構成比 伸び率
鉱物性燃料(天然ガス、石油) (27) 4,526 4,189 28.3 △ 7.5
電気機械・部品 (85) 448 973 6.6 117.4
人造繊維の短繊維・織物 (55) 717 819 5.5 14.2
鉄鋼 (72) 386 720 4.9 86.6
動物性または植物性油脂 (15) 576 720 4.9 25.1
輸送機器 (87) 352 620 4.2 76.2
肥料 (31) 535 614 4.2 14.8
人造繊維の長繊維並びに人造繊維の織物及び人造繊維製品 (54) 538 608 4.1 13.2
一般機械・部品 (84) 451 565 3.8 25.2
プラスチック製品(39) 372 507 3.4 36.2
合計(その他含む) 12,452 14,790 100.0 18.8

〔注〕品目欄の括弧内数値はHSコード。

〔出所〕Global Trade Atlasから作成

表2-1 ミャンマーの主要国・地域別輸出(FOB)〔通関ベース〕(単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)
国・地域 2024年 2025年
金額 金額 構成比 伸び率
中国 3,457 4,312 29.6 24.7
タイ 2,904 2,655 18.2 △ 8.6
日本 1,074 1,164 8.0 8.4
インド 1,276 924 6.3 △ 27.6
ドイツ 632 679 4.7 7.4
米国 473 616 4.2 30.3
ポーランド 433 453 3.1 4.6
韓国 449 438 3.0 △ 2.6
イタリア 293 308 2.1 4.9
英国 200 205 1.4 2.1
合計(その他含む) 14,924 14,565 100.0 △ 2.4

〔出所〕Global Trade Atlasから作成

表2-2 ミャンマーの主要国・地域別輸入(CIF)〔通関ベース〕(単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)
国・地域 2024年 2025年
金額 金額 構成比 伸び率
中国 4,174 5,952 40.2 42.6
シンガポール 3,106 2,654 17.9 △ 14.6
タイ 1,163 1,601 10.8 37.6
マレーシア 1,262 1,416 9.6 12.3
インドネシア 678 902 6.1 32.9
インド 359 409 2.8 13.8
ベトナム 217 283 1.9 30.1
オーストラリア 120 178 1.2 48.2
韓国 160 170 1.2 6.6
オマーン 227 167 1.1 △ 26.7
合計(その他含む) 12,452 14,790 100.0 18.8

〔出所〕Global Trade Atlasから作成

輸出は、縫製品や銅、ゴムなど一部品目が伸びたものの、天然ガスと農産品の減少分を補いきれなかった。品目別(HSコード2桁)で見ると、1位は引き続き鉱物性燃料(天然ガス、石油)で、前年比4.5%減の31億3,100万ドルとなった。タイ、中国向けの天然ガス輸出が中心だが、主要ガス田の生産減が下押し要因になったとみられる。2位の衣類・付属品(布帛製品)は2.2%増の26億2,500万ドル、4位の衣類・付属品(ニット製品)は11.2%増の14億2,700万ドルであった。ミャンマーでは縫製業を中心に原材料を外国から免税で調達し、安価な労働力を活用して加工、輸出する「裁断・縫製・包装(CMP)」と呼ばれる委託加工業が盛んで、日本、欧州、韓国などからの受注が下支えした。農産品では、3位の食用の野菜・根などが20.9%減の15億6,200万ドル、5位の穀物が37.3%減の12億7,600万ドルとなった。前年の反動に加え、震災、天候不順、陸路国境貿易の混乱、物流費上昇などが影響したと考えられる。一方、銅及びその製品は約3.5倍の7億6,500万ドル、ゴム及びその製品は22.9%増の5億2,300万ドル、電気機械・部品は29.7%増の4億300万ドルとなり、一部工業品の輸出が輸出総額の減少幅を抑えた。

一方、輸入は2024年の大幅減少の反動に加え、中部大地震後の復旧需要、工場の操業に必要な原材料・部品など必需品の輸入が押し上げ要因となった。最大の輸入品目(輸入額の28.3%)である鉱物性燃料(天然ガス、石油)が前年比7.5%減の41億8, 900万ドルとなった。燃料輸入の減少は輸入抑制策の継続を反映したものとみられる。他方、電気機械・部品は2.2倍の9億7,300万ドル、鉄鋼は86.6%増の7億2,000万ドル、輸送機器は76.2%増の6億2,000万ドル、一般機械・部品は25.2%増の5億6,500万ドルとなった。震災後、復旧・復興に必要な鉄鋼、亜鉛板、セメント、建設資材、電気・水供給関連機器、産業機械・部品について輸入ライセンスの優先発給が実施されたことが輸入増加の一因と考えられる。CMP型製造業の操業維持に必要な人造繊維の短繊維・織物は14.2%増(8億1,900万ドル)、人造繊維の長繊維・織物なども13.2%増(6億800万ドル)となり、縫製品輸出の持ち直しに伴い原材料輸入も増加した。

国・地域別で見ると、輸出は中国が1位(前年比24.7%増、43億1,200万ドル)、構成比は前年の23.2%から29.6%に上昇した。農産品、鉱物資源、ゴムなど幅広い品目で需要があり、陸路国境貿易が不安定な中でも海上輸送や一部ルートの切り替えが進んだためとみられる。2位のタイ(8.6%減、26億5,500万ドル)は、天然ガス輸出の減少と陸路国境貿易の制約が影響した。3位の日本は8.4%増(11億6,400万ドル)、5位のドイツは7.4%増(6億7,900万ドル)、6位の米国は30.3%増(6億1,600万ドル)となり、縫製品などCMP関連の輸出が支えたと考えられる。一方、前年に52.0%増で3位であったインドは27.6%減(9億2,400万ドル)で4位に後退、豆類・穀物関連輸出に反動が出たとみられる。二大輸出相手国である中国、タイへの輸出は、ミャンマーの輸出額の47.8%を占め、日本、インドを合わせると輸出額の62.2%になった。

一方、輸入は前年に引き続き1位が中国(前年比42.6%増、59億5,200万ドル)、構成比は前年の29.6%から大幅に上昇し、40.2%に達した。輸入財の多くを中国に依存する構造が一段と鮮明になった。2位のシンガポール(14.6%減、26億5,400万ドル)は石油製品などの中継貿易がやや後退した。3位はタイ(37.6%増、16億100万ドル)、4位はマレーシア(12.3%増、14億1,600万ドル)、5位はインドネシア(32.9%増、9億200万ドル)となった。輸出入に占める中国の割合は前年の27.8%から35.0%(輸出29.6%、輸入40.2%)となり、貿易構造が中国に集中する一方、陸路国境貿易の不安定さが残るほか、総じて外貨不足に起因する外貨管理、輸入ライセンス管理による輸入抑制策は一層厳しさを増しており、貿易回復の持続性にはなお不透明感がある。

対内直接投資

2025/26年度の投資認可額は4億7,260万ドル

2021年2月の政変と各国による経済制裁、内戦の長期化、電力不足、厳しい外貨管理、輸入規制は外国企業のミャンマーへの投資マインドをさらに冷え込ませた。ミャンマー投資企業管理局(DICA)が発表した2025/26年度(2025年4月~2026年3月)の統計によると、対内直接投資認可額(ティラワSEZを除く)は前年度比31.5%減の4億7,260万ドルであった。政変前の2019/20年度(2019年10月~2020年9月)が48億7,880万ドルであったことから、10分の1以下の水準にまで落ち込んだ。

国・地域別に見ると、投資認可額の上位は、前年度2位の中国(2億110万ドル、前年度比2.1倍)が1位、認可総額の42.6%を占めた。経済が縮減する中、貿易同様、中国による寡占化が進んだ。2位はシンガポール(1億5,500万ドル、66.3%減)、3位は香港(5,490万ドル、81.5%増)であった。この上位3カ国・地域で認可額全体の87.0%を占めている。以下、タイ(3,160万ドル、31.6%減)、韓国(1,480万ドル、36.2%増)が続いた。日本からの投資は新規投資1件を含む150万ドル(10.3%減)であった。

業種別に見ると、製造業が2億4,520万ドル(前年度比34.2%増)で最大となった。認可総額の51.9%、新規認可件数の94.1%を占めた。衣類をはじめ電気機器、履物、バッグなどCMP型委託加工業が中心であると考えられる。2位の運輸・通信は49.8%増の1億3,140万ドルで、追加投資が主であった。3位の電力は前年度の900万ドルから6,880万ドルと 8.1倍、以下、4位の石油・ガスは2,100万ドル(94.1%減)、5位の「その他サービス(注)」は370万ドル(92.8%減)といずれも大幅減となった。

(注)
運輸通信、ホテル・レストラン、不動産、工業団地を除く。

なお、政変以降、新規投資がなかったティラワSEZでは、2024年10月に3件の新規投資が認可され、2025年度は1件の新規投資が認可された。政変後で最少額となり、2025年度は新規投資案件の小規模化、中国・香港系企業の寡占化と製造業への集中が顕著となった。外国企業は引き続き大型投資案件には慎重な姿勢を崩しておらず、投資マインドが冷え込み続ける限り本格回復は見込みにくい。

表3 ミャンマーの国・地域別対内直接投資〔認可ベース〕(単位:件、100万ドル、%)(△はマイナス値)〔注1〕 ティラワ経済特区への投資は含まれない。 〔注2〕 ミャンマーの会計年度は4月~翌年3月まで。 〔注3〕 追加投資は件数にカウントされず、金額のみ計上されている。
国・地域 2024/2025年度
(2024/4~2025/3)
2025/2026年度
(2025/4~2026/3)
件数 金額 件数 金額 構成比 伸び率
中国 34 94.2 47 201.1 42.6 113.6
シンガポール 4 460.5 12 155.0 32.8 △ 66.3
香港 8 30.2 17 54.9 11.6 81.5
タイ 2 46.2 2 31.6 6.7 △ 31.6
韓国 0 10.9 2 14.8 3.1 36.2
英国 0 2.9 1 6.8 1.4 131.7
インド 2 7.1 1 2.6 0.5 △ 63.6
台湾 3 8.1 0 2.3 0.5 △ 71.5
日本 1 1.7 1 1.5 0.3 △ 10.3
マーシャル諸島 1 2.7 0 1.1 0.2 △ 60.8
サモア 0 0.0 1 0.7 0.1 全増
マレーシア 0 0.0 1 0.3 0.1 全増
合計(その他含む) 60 690.2 85 472.6 100.0 △ 31.5

〔注1〕 ティラワ経済特区への投資は含まれない。
〔注2〕 ミャンマーの会計年度は4月~翌年3月まで。
〔注3〕 追加投資は件数にカウントされず、金額のみ計上されている。

〔出所〕 ミャンマー投資企業管理局(DICA)

表4 ミャンマーの業種別対内直接投資〔認可ベース〕(単位:件、100万ドル、%)(△はマイナス値)〔注1〕 ティラワ経済特区への投資は含まれない。 〔注2〕 ミャンマーの会計年度は4月~翌年3月まで。 〔注3〕追加投資は件数にカウントされず、金額のみ計上されている。
業種 2024/2025年度
(2024/4~2025/3)
2025/2026年度
(2025/4~2026/3)
件数 金額 件数 金額 構成比 伸び率
製造業 52 182.7 80 245.2 51.9 34.2
運輸・通信 1 87.7 0 131.4 27.8 49.8
電力 2 8.5 1 68.8 14.5 708.7
石油・ガス 0 357.0 1 21.0 4.4 △ 94.1
その他サービス 4 51.1 3 3.7 0.8 △ 92.8
畜産・水産業 0 2.7 0 2.5 0.5 △ 5.9
農業 1 0.5 0 0.0 — △ 100.0
不動産開発 0 0.0 0 0.0 — —
建設 0 0.0 0 0.0 — —
ホテル・観光業 0 0.0 0 0.0 — —
鉱業 0 0.0 0 0.0 — —
工業団地 0 0.0 0 0.0 — —
合計 60 690.2 85 472.6 100.0 △ 31.5

〔注1〕 ティラワ経済特区への投資は含まれない。
〔注2〕 ミャンマーの会計年度は4月~翌年3月まで。
〔注3〕追加投資は件数にカウントされず、金額のみ計上されている。

〔出所〕ミャンマー投資企業管理局(DICA)

対日関係

対日輸出は回復、輸入は5年連続減少

2025年のミャンマーの対日輸出は11億6,400万ドル(前年比8.4%増)と回復した。輸入は1億2,900万ドル(6.5%減)と5年連続で減少した。その結果、対日貿易収支は10億3,500万ドルの黒字(10.6%増)となり、8年連続で黒字を維持した。品目別(HSコード2桁)で見ると、輸出は1位の衣類・付属品(布帛製品)が8.0%増の6億6,800万ドル、2位の衣類・付属品(ニット製品)が14.6%増の3億200万ドルとなり、両品目で対日輸出額の83.3%を占めた。受注回復とCMP方式が対日輸出を支えたとみられる。一方、履物は0.9%減の5,300万ドル、食用の野菜・根(豆など)は0.4%減の2,800万ドル、魚介類は3.5%減の1,700万ドルだった。真珠・貴金属などは40.0%増の1,600万ドルとなった。輸入では、輸送機器が約2.2倍の1,600万ドルで首位となったが、電気機械は53.0%減の1,300万ドル、一般機械・部品は36.8%減の1,100万ドルだった。外貨不足、輸入管理、設備投資の停滞により、日本からの機械・設備調達需要は弱かった。

表5-1 ミャンマーの対日主要品目別輸出(FOB)〔通関ベース〕(単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)〔注〕品目欄の括弧内数値はHSコード。
品目 2024年 2025年
金額 金額 構成比 伸び率
衣類・付属品(布帛製品)(62) 619 668 57.4 8.0
衣類・付属品(ニット製品)(61) 263 302 25.9 14.6
履物(64) 53 53 4.5 △ 0.9
食用の野菜・根(豆など)(07) 28 28 2.4 △ 0.4
電気機械(85) 22 20 1.7 △ 10.4
魚介類 (03) 17 17 1.4 △ 3.5
真珠・貴金属など(71) 11 16 1.3 40.0
採油用の種及び果実(12) 5 12 1.0 154.6
光学精密機器及びその付属品(90) 10 11 0.9 4.4
革製品(42) 8 6 0.5 △ 15.2
合計(その他含む) 1,074 1,164 100.0 8.4

〔注〕品目欄の括弧内数値はHSコード。

〔出所〕 Global Trade Atlasから作成

表5-2 ミャンマーの対日主要品目別輸入(CIF)〔通関ベース〕(単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)〔注〕品目欄の括弧内数値はHSコード。
品目 2024年 2025年
金額 金額 構成比 伸び率
輸送機器(87) 7 16 12.1 117.3
電気機械(85) 29 13 10.4 △ 53.0
人造繊維の短繊維・織物 (55) 9 13 10.4 54.0
一般機械・部品(84) 17 11 8.2 △ 36.8
光学精密機器及びその付属品(90) 10 10 7.6 △ 1.2
人造繊維の長繊維・織物(54) 10 9 6.7 △ 9.3
雑品(96) 9 8 6.2 △ 13.8
特殊織物、タフテッド織物類、レースなど(58) 6 6 5.0 11.7
鉄鋼(72) 5 5 3.8 △ 10.9
プラスチック製品(39) 4 5 3.6 18.1
合計(その他含む) 138 129 100.0 △ 6.5

〔注〕品目欄の括弧内数値はHSコード。

〔出所〕 Global Trade Atlasから作成

現地進出日系企業の活動は縮小傾向

ミャンマー日本商工会議所(JCCM)の会員数は、2025年4月時点の314社から、2026年4月には295社へと19社減少している。政変前の2020年4月の426社からは131社減少した。国内紛争、電力不足、外貨・送金規制、輸入ライセンス取得などの制約が長期化しており、新規投資や設備更新の判断は難しい。近隣国からの兼轄とする企業や、拠点・人員を最小限にする企業も多い。政変から5年間、より厳しい事業環境、困難が続く中、日系企業は既存事業の維持、継続に努めている。

2025年就業査証発給件数は特定技能が56.9%を占める

2024年4月から徴兵対象男性の海外就労が制限される中、2025年2月、海外労働者身分証明カード(OWIC)の発給停止により、新規の送り出し手続きが停滞した。3月以降、日本向けには送り出し1機関当たり月15人を上限とする運用となった。こうした制約の中にあって2025年に在ミャンマー日本国大使館が発給した就業査証は前年比1.2%減の35,475件となった。2024年の35,900件から425件減少したものの、発給件数は引き続き高水準にあり、日本での就労に対するミャンマー人の関心と日本側の人材需要は根強い。一方、在留資格別に見ると、技能実習が減少し、特定技能が増加するなど在留資格による傾向の差がみられた。就業査証のうち最も多かった特定技能は、前年比9.0%増の20,171件となり、就業査証全体の56.9%を占めた。日本の介護、外食、宿泊、製造業などにおける人手不足を背景に、一定の技能と日本語能力を持つミャンマー人材に対する需要が続いたとみられる。これに対し、技能実習は15.1%減の11,996件となり、就業査証全体に占める割合は33.8%に低下した。特定技能と技能実習を合わせた発給件数は32,167件で、前年の32,632件から1.4%減少した。

対日評価は相対的に低下、中国の存在感が拡大

外務省の2025年の海外における対日世論調査によると、ミャンマーにとって「現在重要なパートナー」は中国が66%で1位、日本は35%で2位だった。「今後重要なパートナー」も中国61%、日本31%、「最も信頼できる国・機関」も中国41%、日本15%となった。2019年の調査では、日本が現在の重要なパートナー82%、今後の重要なパートナー54%、最も信頼できる国61%でいずれも首位だったことから、2025年までの6年間で日本の評価が大きく低下し、中国が上回ったことになる。政変後も中国が貿易、投資、外交面で関与を続け、存在感が相対的に高まったことが結果に反映されたと考えられる。

基礎的経済指標

(△はマイナス値) 〔注〕 ミャンマーの会計年度は4月から翌年3月まで。 1人あたりGDP:推計値 貿易収支:対象期間は1~12月、通関ベース
項目 単位 2023/24年度 2024/25年度 2025/26年度
実質GDP成長率 (%) 1.0 △1.0 △2.0
1人当たりGDP (米ドル) 1,234 1,408 1,502
消費者物価上昇率 (%) 27.6 29.6 22.0
失業率 (%) n.a. n.a. n.a.
貿易収支 (100万米ドル) △1,687 2,472 △225
経常収支 (100万米ドル) △1,913 2,411 318
外貨準備高(グロス) (100万米ドル) 8,856 n.a. n.a.
対外債務残高(グロス) (100万米ドル) n.a. n.a. n.a.
為替レート (1米ドルにつき、ミャンマー・チャット、公定レート) 2,100 2,100 2,100

〔注〕
ミャンマーの会計年度は4月から翌年3月まで。
1人あたりGDP:推計値
貿易収支:対象期間は1~12月、通関ベース

〔出所〕
実質GDP成長率、1人当たりGDP、消費者物価上昇率 、経常収支、外貨準備高(グロス):IMF
貿易収支:Global Trade Atlas
為替レート:中央銀行