外資に関する規制

最終更新日:2017年07月26日

規制業種・禁止業種

2002年から「貿易業(Trading:貿易業を含む卸売業、小売業)」として、外国企業の企業登記が凍結されていた。
しかし、2015年11月11日、商業省通達により、ミャンマー企業との外資合弁企業に一定分野において貿易業の参入を認め、外資規制を緩和した。

規制緩和により、外国企業であっても、[1]農業用の肥料、[2]種子、[3]殺虫剤・駆除剤、[4]医療機器の4分野において貿易業が認められる。また、ミャンマー企業との外資合弁企業に関して、2015年3月18日には新車ショールーム事業を行うこと、2016年6月7日には建築資材を輸入することを認める通知も発布された(2015年3月18日付商業省大臣官房通知第20号、2016年6月7日商業省大臣官房通知第56号)。

2017年4月10日に投資法に基づく投資規制業種通知(MIC Notification No.15/2017, List of Restricted Investment Activities)PDFファイル(517KB)が発布され、当該通知にて、商業省の承認が必要な投資事業として小売(Retailing Services)および卸売(Wholesale Services)が明記され、商業省の承認を得れば外国企業であっても小売または卸売事業への参入が認められる。ただし、外国投資家による実施が許されない投資活動として、「店舗面積が1万平方フィートまたは929平方メートル未満のミニマート、コンビニエンスストア」と明記されており、これらの事業は外国企業の参入が認められない。

なお、CMP企業および製造業者の場合は、従来から原材料、加工品等の輸出入は可能である。サービス業の場合も、所管官庁の許可があれば、サービスに付随する材料、スペアーパーツなどの輸入は可能。前述の「貿易業」はいわゆる物品貿易取引を対象としたものである。

(注1)現在の会社法下では、1株でも外国資本が入ったミャンマー企業は外国企業として扱われる。
(注2)通商弘報「外資合弁企業の貿易取引、4品目に限り解禁」2015年12月15日を参照。
(注3)CMP(Cutting, Making and Packingの略)企業とは、委託加工業者。輸入した原材料をすべて加工して輸出したうえ加工賃収入を得る業態で、一般的に縫製業等に多い。原材料は免税で輸入が可能。

国営企業法に基づき民間参入が制限される分野

国営企業法において、ミャンマー政府から認められた場合を除き、原則として、次の12分野への民間企業の参入は認められない。

  1. チーク材の伐採とその販売・輸出
  2. 家庭消費用薪材を除くすべての植林および森林管理
  3. 石油・天然ガスの採掘・販売
  4. 真珠・ひすい、その他宝石の採掘・輸出
  5. 魚・エビの養殖
  6. 郵便・通信事業
  7. 航空・鉄道事業
  8. 銀行・保険事業
  9. ラジオ・テレビ放送事業
  10. 金属の採掘・精錬と輸出
  11. 発電事業
  12. 治安・国防上必要な産品の生産

投資法に基づき制限が課されている分野

2016年10月5日に公布された投資法(Myanmar Investment Law)において、禁止または制限される投資活動が以下のとおり規定されている。

  1. 禁止される投資(投資法41条)
    1. ミャンマー国に危険な又は有害な廃棄物を持ち込むまたはもたらす可能性のある投資
    2. 研究開発の目的を除き、栽培や品種改良のための技術、薬品、植物や動物の種類または物品などで、検査中もしくは未認可のものをミャンマー国に持ち込む可能性のある投資
    3. ミャンマー国内の各民族の伝統的な文化または慣習に影響を与える可能性のある投資
    4. 公衆に危害を加える可能性のある投資
    5. 自然環境または生態系に重大な影響を与える可能性のある投資
    6. 既存の法律で禁止されている物品の製造またはサービスの提供を伴う投資
  2. 制限される投資(投資法42条)
    1. 連邦政府のみが実施する投資
    2. 外国投資家による実施が許されない投資
    3. ミャンマー国民又はミャンマー国民が有する組織との間の合弁でのみ外国
  3. 投資が認められる投資
    • 関連省庁からの承認を受けることにより許される投資

ミャンマー投資委員会(MIC)通知

2017年4月10日に投資法に基づく投資規制業種通知(MIC Notification No.15/2017, List of Restricted Investment Activities)は、投資法42条で規定されている制限される投資の詳細を規定している。具体的には、以下のように規定され、業種ごとに国際的な分類コード(ISIC、CPC)が付されている。

  1. 「連邦政府のみが実施するものとされている投資活動」9業種
  2. 「外国投資家による実施が許されない投資活動」12業種
  3. 「ミャンマー国民又はミャンマー国民が有する事業体との間の合弁投資の形でのみ外国投資が認められる投資活動」22業種
  4. 「関連省庁からの承認を受けることにより許される投資活動」126業種の合計169業種

投資規制業種通知の末尾に3つの注記が記載されている。

    1. 関連省庁が規定する法律による投資規制がある場合にはそれに従う
    2. 銀行、保険および金融業については、関連省庁の計画により許可される
    3. 輸出入は商業省の方針に従う。

したがって、投資規制業種通知に記載がなくとも、当該3つの場合には規制を受ける可能性があることに留意が必要となる。

特別法に基づき所管官庁の許認可を要する分野

  1. ホテル業
    会社または個人が事業を始める前にホテル観光省に事前承認を求め、その承認を得てホテル観光局に事業許可(ライセンス)を申請する。ライセンスは2年間有効、かつ申請により延長可。
  2. 観光業
    旅行企画・運営業、旅行代理店、旅行運送業、ツアーガイドを行おうとする会社または個人は、ホテル観光省からライセンスを取得しなければならない。ライセンスは2年間有効、かつ申請により延長可。
  3. 金融業
    金融業には商業銀行、投資または開発銀行、ファイナンス会社、信用組合等が含まれる。国営、民間共同事業、民間の如何を問わず、金融業を興そうとする者は、ミャンマー中央銀行の事前許可を取得しなければならない。外国の金融業者(銀行を含む)が駐在員事務所を開設する場合も中央銀行の事前承認が必要。証券事業を興そうとする者は、ミャンマー証券取引委員会の事前許可を取得しなければならない。
    なお、2016年1月、ミャンマー政府は日本のメガバンク3行を含む外銀9行に対し銀行ライセンスを発給し、支店としての営業が認められた。また、2016年4月には4行、9月には1行が許可された。

出資比率

「ミャンマー国民またはミャンマー国民が有する事業体との間の合弁でのみ外国投資が認められる投資活動」におけるミャンマー国民投資家の最低直接持株比率は、関連する規定において明記されていない限り、20%と定められている(投資法施行細則22条)。すなわち、この場合の外国投資家の直接持株比率は最大80%である。

外国企業の土地所有の可否

外国人(法人も含む)の土地所有は不可。代わりに、土地使用権の賃借により不動産を確保する。土地はミャンマー政府、または民間から借り受けられる。
外国企業の場合、土地・建物の賃借期間は原則として1年を超えることは認められない。
投資法に基づくMIC許可または是認(Endorsement)および土地権利認可を取得した外国企業の場合は最大70年間、経済特区法に基づく投資許可の取得企業の場合は最大75年間、土地貸借権を得られる。

投資法に基づくMIC許可または是認(Endorsement)および土地権利認可を取得した外国企業は、土地または建物を最大50年間賃借することができ、さらに10年間の延長が2回可能(最大70年間)となっている。
経済特区法の投資許可を取得すると、50年間の土地賃借、さらに25年間の延長(最大75年間)が認められる。

上記以外の外国企業の場合には、原則1年ごとの賃借契約が必要となる。比較的小資本で始められるサービス業、例えば、法務、会計事務所、ITオフショア開発を行う会社などは、この形態で現地法人(子会社)を作る例が多い。
一方、「1年以上の土地・建物の使用が必要」となるような製造業・ホテル業の場合、投資法に基づくMIC許可または是認(Endorsement)および土地権利認可、または、経済特区法に基づく投資許可を取得することが事実上必須となる。

資本金に関する規制

運用上、外国企業の場合、原則として最低資本金等は製造業15万ドル、サービス業5万ドル。
投資法に基づく投資について、一定額以上の場合にMIC許可の取得が必要となる旨の規定はあるが、業種ごとの最低投資額などは規定されていない。ただし、税制優遇措置を得る場合、要件の1つとして、30万ドルを超える額の追加投資が必要となる。
経済特区法に基づく投資許可の取得企業の場合、経済特区法施行細則に業種ごとに最低資本金等が規定されている。

1988年公布の外国投資法で投資認可を得る場合、「製造業は50万ドル、サービス業は30万ドル」以上の最低資本金・投資額(現物出資も可)が求められていた。しかし、2012年公布の外国投資法では、業種ごとの最低資本金・投資額を、MICが投資事業の業態に鑑み、政府の承認を得て決定することとされている。2016年公布の現在の投資法においても、業種ごとの最低資本金額などは規定されていない。他方、予定投資額が1億ドルを超える投資は「多額の資本集約的な投資」に該当し、必ずMIC許可が必要となる。
経済特区法に基づく投資許可の取得企業の場合、経済特区法施行細則に11の業種について、最低資本金または要件等が規定されている。

その他規制

特になし

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