知的財産ニュース 支払いをうっかり忘れて失った特許権、復活が容易になる
2026年8月21日
出所: 韓国知識財産処
- 特許法の一部改正法案、8月20日に国会本会議で可決
(事例)中小企業A社は、特許料の納付期限をうっかり忘れてしまい、特許権を失った。後から遅れて特許料を支払い、特許権を復活させようとしたが、忘れていたことは「正当な理由」に該当せず、特許権を回復できなくなり、事業に大きな打撃を受けた。
特許料を期限内に支払えず消滅した特許権も、今後は簡単に回復できるようになる。
知識財産処(キム・ヨンソン処長)は、このような内容を盛り込んだ「特許法一部改正法案」が国会本会議(8月20日)で可決されたと発表した。同様の趣旨を持つ実用新案法・デザイン(意匠)保護法改正案も併せて可決された。
今回の改正は、資金や人材が不足し、特許管理に困難を抱える個人や中小企業が、単なるミスによって貴重な権利を失う問題を解決するために設けられた。
<「正当な事由」から「故意でない場合」へ>
改正案の柱は、特許料未納時の権利回復のハードルを大幅に引き下げた点だ。
これまで、コロナによる隔離やシステムエラーといった「正当な事由」が証明されてこそ初権利回復が可能だったが、今後は「故意でない場合(単純なミスや誤認など)」であれば、追加手数料*を支払うことで権利回復が認められるようになる。
* 今後、適正金額を総理令で定める予定
< 恩恵は個人・中小企業に集中 >
今回の改正により、期限管理に脆弱な個人や中小企業の権利喪失被害が大幅に減少すると期待される。
直近4年間(2022.4~2025.12)における全体の特許権回復申請85%が個人・中小企業であり、全体の回復申請のうち15.6%のみが正当な事由として認められ、権利が回復された。しかし今後は、回復申請のほとんどが故意によるものではない場合に該当し、権利回復を受けることができると期待される。また、国際基準(米国・日本など)に合致する権利回復体制を整え、国内特許制度の信頼度も高まると見込まれる。
< 特許法条約(PLT)加盟に向けた法案を順次提出 >
今回の改正案は、韓国企業の国際進出を支援するため、特許法条約(PLT)*への加盟に必要な一部規定を反映した最初の法案である。知識財産処は、権利回復要件の緩和に向けた今回の改正を皮切りに、今年下半期に特許法条約(PLT)加盟に必要な規制緩和法案を順次発議する計画である。
* Patent Law Treaty(PLT):各国の特許手続きを単一の基準に統一する国際条約であり、韓米首脳会合(2025.11)の後続措置として韓国の加盟が明記され、米国・日本など45カ国が加盟(2026.7)
特許手続きにおいて、優先権主張の期間(12ヶ月)を逃しても優先権を回復できる制度を導入するなど、残された課題を段階的に法制化し、下位法令の改正、情報システムの再編などを活用し、2029年までに特許法条約(PLT)に加盟する予定だ。
知識財産処のキム・ヨンソン処長は、「今回の法案は、些細なミスで貴重な特許を失う危機に直面している個人・中小企業を強力に保護するための措置だ」とし、「特許法条約(PLT)への加盟を滞りなく準備し、企業の特許取得を阻む規制を一掃して、韓国の特許制度を先進化させていく」と述べた。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
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