知的財産ニュース 2023年特許庁による産業財産権の紛争調停件数が159件と前年比2倍増え

2024年1月11日
出所: 韓国特許庁

個人・中小企業の申請件数が84%…社会的弱者の紛争解決を支える


#(スタートアップA社:申請人)同じ業界の中堅企業B社と意匠権をめぐる紛争に巻き込まれ、代理人の選任費用に莫大なコストがかかるなど負担が大きかった。ところが、産業財産権紛争調停制度を利用して4か月で相手側と合意に至り、その後民事訴訟になった場合にかかる時間や費用が抑えられ、事業に専念することができた。
#(中堅企業/大企業C社:被申請人)新商品を発売する中で類似する名称の商標権を保有するユーチューバーD氏と紛争が起きた。ところが、産業財産権紛争調停制度を利用して合意に至り、合理的な費用で商標権を譲渡されたことで、新商品の発売をめぐる紛争のリスクを解消することができた。

韓国特許庁は11日、2023年に特許庁による産業財産権の紛争調停に159件が申請※され、紛争調停委員会を設立(1995年)した以降、過去最多となったと発表した。これは前年に比べて2倍以上増えた数値であり、訴訟の代わりに産業財産権紛争調停によって解決する事例が急増していることがわかった。
※産業財産権紛争調停の申請件数:(2022年)76件→(2023年)159件

産業財産権紛争調停制度は、特許・商標・営業秘密など知的財産の紛争を専門家からのサポートを受けて当事者間で対話と合意を導き解決する制度で、迅速かつ経済的に紛争を解決できるメリットがある。とりわけ、産業財産権紛争調停制度を通じて調停が成立したら確定判決と同一の「裁判上の和解」の効力があるため、訴訟の代わりに合意を導くことができる。

個人・中小企業の申請が84%…訴訟費用への負担が大きい社会的弱者の利用が多く

昨年の産業財産権紛争調停制度の活用状況を分析したところ、▲(活用の主体)個人・中小企業による申請(134件)が84%と、紛争解決にかかる費用や時間の負担が大きいとされる個人・中小企業による利用が多いことがわかった。

▲(調停の対象)小規模事業者が巻き込まれることが多い商標・意匠をめぐる紛争(111件)が70%と最も多かったが、特許・営業秘密など技術紛争(34件)も21%に達し、さまざまさ知的財産分野で幅広く利用されていることがわかった。

訴訟に比べ6~8倍迅速な事件処理と調停成立率の高さで好評が続き

昨年の産業財産権紛争調停制度による事件処理の状況を分析したところ、▲(期間)事件の受付から処理まで平均66日がかかり、訴訟に比べて約6~8倍※迅速に事件を処理したことがわかった。
※第一審の平均処理期間:特許554日、商標393日(2021年、法院行政処)

▲(成立率)両当事者が調停に応じた場合、事件の半数以上(53%)が成立するなど、効果的に紛争を解決できたことがわかった。知的財産紛争は技術の類似性や権利侵害の有無など判断が難しい紛争であるにもかかわらず、産業財産権紛争調停委員会が高い専門性を生かして一般的な調停制度※に比べて20%ポイント以上高い調停の成立率となった。
※民事調停の成立率:30.7%(2022年、司法年鑑)

特許庁の産業財産保護協力局長は「多くの企業が産業財産権紛争調停制度を利用して迅速に紛争を解決して本業に専念できたことにやりがいを感じる」とし、「今後も特許庁はより多くの企業が訴訟の代わりに調停制度で紛争を解決できるよう、紛争調停制度と特許庁の行政調査・捜査機能を連携する「ワンストップ紛争解決システム」の構築、調停成立率の向上に向けた常任紛争調停委員の構成などさまざまな角度で取り組んでいく」と述べた。

特許・商標・意匠・実用新案権および営業秘密の侵害や不正競争行為により困難を抱えている企業・個人は、韓国知識財産保護院の産業財産権紛争調停委員会の事務局ウェブサイ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますから申請書をダウンロードできる。申請書の書き方についての質問は事務局(電話番号1670-9779)で受け付けている。

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