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閉じる知的財産に関する情報（The Daily NNA【韓国版】より）欧州での特許出願件数、韓国が第5位へ浮上！
2024年05月08日
The Daily NNA【韓国版】掲載（File No.188）
ジェトロ・ソウル 副所長 大塚 裕一（特許庁出向者）
欧州特許庁（EPO）が最近発表した「2023特許統計（Patent Index 2023）」によると、韓国が初めて欧州への特許出願国として、第5位であったことがわかりました。この結果を受けて、韓国特許庁は、3月26日に欧州への出願状況等について発表を行いました。
1．全体の傾向
EPOの2023特許統計によりますと、EPOへ出願された特許出願件数の傾向は、この5年間で増加傾向にあります。
EPO特許出願件数の傾向（Patent Index 2023より）
また、技術分野別の傾向においては、デジタル技術が非常に堅調な成長を行ってる点が見て取れます。
技術分野別の上位傾向（Patent Index 2023より）
2．国別、企業別の動向
次に、EPOへの出願件数を国別で見ますと、韓国からの特許出願が、前年比伸び率が第1位の21％となり、次表のとおり全体で第5位となりました。上記技術分野別の統計にもあったとおり、欧州への特許出願は、デジタル技術が堅調にあり、当該技術分野は韓国企業の強い技術分野であり、今回の結果に表れています。
また上位出願人別のランキングでは、韓国企業であるサムスン、LGが、それぞれ、2位と3位にランクインしています。特にサムスンは、前年比59.3％増加と大幅な特許出願件数の増加が見られます。
| 国別ランキング | 国別の出願件数（増減率） | ||
|---|---|---|---|
| 1（-） | アメリカ | 48,155 | 0.4 |
| 2（-） | ドイツ | 24,966 | 1.4 |
| 4（-） | 日本 | 21,520 | △0.3 |
| 5(↑前回6) | 韓国 | 12,575 | 21.0 |
| 6(↓前回5) | フランス | 10,814 | △1.5 |
EPO特許出願企業上位（Patent Index 2023より）
3．注目分野
韓国特許庁の発表によりますと、「国家競争力を左右すると思われる先端技術分野でほかの国に比べて優位を確保していることがわかった。とりわけ、半導体分野ではコア技術の先取りに向けた韓国、アメリカ、中国間の競争が激しくなっていることがわかった。」、「蓄電池分野（2次電池を含む）でLG1位、サムスン3位、SK5位など、韓国勢3社が上位5位に入り、韓国企業が同分野で強みを持っていることがわかった。」との分析がなされています。半導体や蓄電池分野の技術競争力が、欧州においても今後の注目分野となりそうです。
まとめ
半導体や蓄電池に関しては、韓国特許庁においても迅速な権利化を行う審査体制を整備し、EPOや日本を含めたIP5等、諸外国との制度調和も進められています。世界で技術覇権争いが激化しており、当該技術分野の今後の状況に注視したいと思います。
今月の解説者
日本貿易振興機構（ジェトロ）ソウル事務所
副所長 大塚 裕一（日本国特許庁知財アタッシェ）
2002年日本国特許庁入庁後、特許審査官・審判官として審査・審判実務や管理職業務に従事。また特許庁 総務課・調整課・審判課での課長補佐、英国ケンブリッジ大学客員研究員、（国）山口大学大学院技術経営研究科准教授、（独）INPIT知財人材部長等を経て現職。
本記事はジェトロが執筆あるいは監修し、The Daily NNA【韓国版】に掲載されたもので、株式会社エヌ・エヌ・エーより掲載許諾をとっています。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
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