輸出入手続

最終更新日:2023年08月30日

輸出入許可申請

通関申告:経済財政省 関税消費税総局
輸出入許可:商業省 CCF(カムコントロールから改称)
原産地証明:商業省 貿易支援サービス総局

通関申告

経済財政省 関税消費税総局(General Department of Customs and Excise外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
所在地:N° 6-8, Preah Norodom Blvd., Sangkat Phsar Thmei III, Khan Daun Penh, Phnom Penh, Cambodia
連絡先はGDCEのウェブページ(List of Focal Point of General Customs and Excise of Cambodia外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を参照。
E-mail:info-pru@customs.gov.kh
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※ウェブサイトに関税租税総局の各地方の部署の連絡先が追加された。詳細は関税租税総局ウェブサイト参照。

輸出入許可

商業省 CCF(Consumer Protection, Competition and Fraud Repression Directorate-General外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、CAMCONTROLから改称)
所在地:St. 18, Kdey Takoy Village, Sangkat Veal Sbov, Khan Chbar Ampov, Phnom Penh, Kingdom of Cambodia
Tel:+855-23-231-856、+855-92-830-856
E-mail:info@ccfdg.gov.kh

原産地証明

商業省 貿易支援サービス総局(General Directorate of Trade Support Services Ministry of Commerce外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
所在地:Lot 19-61, Russian Blvd, Phum Teuk Thla, Sangkat Teuk Thla, Khan Sen Sok, Phnom Penh, Kingdom of Cambodia
Tel:+855-12-838-909, +855-12-995-377
各部門の担当者の連絡先については次のリンクを参照。
Contact Us外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

Certificate of Origin外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2016年8月26日付オンラインでの原産地証明発行手続きに関する商業省令(Prakas No. 3198 (MOC) on Procedure for Application for and Issuance of All Forms of Certificate of Origin via Automation SystemPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(103KB))に基づき、オンラインシステム上で原産地証明書の発行申請が行われている。さらに、現在、ATIGA原産地自己申告制度のパイロット事業が実施されている。
なお、原産地証明については関税消費税総局(GDCE)のウェブサイト(Certificate of Origin外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を参照。さらに詳細な原産地証明の申請条件については、2013年5月23日付原産地証明発行手続きの変更に関する商業省令第112号(Prakas No. 112 (MOC) on Revision of Certification of Origin Issuance Procedure)を参照。

2023年7月5日、カンボジアにおける輸出入品の原産地を決定する際の基準および規則を定めることを目的とした原産地規則に関する法律(Law on Rules of Origin)が制定された。同法では、原産地判定基準(特に非特恵原産地基準)、原産地証明の所轄官庁、罰則などについて定められている。

必要書類等

電子通関システムと単一管理書類の導入、輸入手続き(シハヌークビル港・プノンペン港の場合)、輸出手続き(シハヌークビル港・プノンペン港の場合)

電子通関システムと単一管理書類の導入

貿易・通関手続きを簡素化するため、「電子通関システムASYCUDA(Automated System for Customs Data)」および新しい通関申告書である「単一管理書類SAD(Single Administration Document)」が導入されている。またリスクマネジメント・システムの導入により、現物開梱調査の減少が図られている。
2014年から、税関・商業省・CCF(旧カムコントロール)においては、手続きの簡素化、電子化、透明化などの改革に着手されている。また、2018年にはASYCUDAへのe-Customs Permite-Paymentなどの機能が追加、2021年には必要書類のオンラインアップロード機能が追加された。2022年には、ASYCUDAの使用方法に関するガイドラインが公開されている。

なお、UNCTAD(国連貿易開発会議)が開発したASYCUDAは、カンボジア全土の輸出入貨物量の100%をカバーしている。

輸入手続き(シハヌークビル港・プノンペン港の場合)

  1. 必要書類の準備

    輸入者(通関業者)は、まず、関税消費税総局情報技術局(Department of Information Technology)においてASYCUDAのアカウントを登録し、同省税関調査局(Department of Customs Audit)において輸入者登録を行う必要がある。各輸入手続き時には、各港税関支署に申告する前にプノンペンにある関税消費税総局(税関本庁)に行き、申告価格(インボイス価格)の認証を申請する(認証は1~2日内に終了)。なお、プノンペン港への申告に関しては税関本庁へのインボイスの認証申請は必要なくなっているが、原産地証明の認証は引き続き必要となっている。
    食品や化学品などを輸入する場合は、関税消費税総局が必要と認めた場合にはCCFに検査(サンプリング検査を含む)を依頼することがある。
    なお、2013年から開始されている事前教示制度により、関税分類・課税評価額・原産地などについて税関本庁に事前に教示申請を行えば、30営業日以内(課税評価額については90営業日以内)に回答が得られる。
    税関では、認証済インボイス、パッキングリスト、B/L、VAT登録証、税務登録証、他省庁発給の輸入許可証(必要な場合)などが必要となる。

  2. 電子通関システムASYCUDAに入力
    輸入者(通関業者)は各税関支署に行き、ASYCUDAに輸入貨物の情報などを入力してSAD(Single Administrative Document:通関申告書)を作成する。なお現在では、各税関支署に行かなくても、インターネット経由でASYCUDAに直接入力できる機能(Direct Traders Input:DTI)が付加されている。
  3. 必要書類の提出
    輸入者(通関業者)は、単一管理書類(SAD)および添付書類(認証済インボイス、パッキングリスト、B/L、VAT登録書、税務登録証、必要に応じて他省庁発給の輸入許可証、原産地証明書、保険証書など)を各税関支署に提出する。
  4. ASYCUDAによる分類および検査
    ASYCUDAにおいて、SADは輸入案件のリスクの度合いに応じ、4つの色(青、緑、黄、赤)に区分される。
    1. 青および緑色判定の申告書:原則として書類審査と開披検査が省略される。ただし、通関後の書類審査あるいは事後調査の対象にはなる。
    2. 黄色判定の申告書:書類審査が必要。
    3. 赤色判定の申告書:開披検査が必要(書類審査含む)。

    開披検査は、税関が必要と認めた場合、CCFによる共同検査となる場合がある。なお書類審査で過誤や疑問などがあった場合、検査官による質問が行われる可能性がある。
    またリスク判定の結果により輸入コンテナ貨物はX線スキャン検査の対象となる場合がある。スキャン検査後、赤色申告の貨物については税関による開披検査が行われ、特に異常がなければ、関税などの納付に移る。貨物に問題があれば、一時的に当該貨物は留置される。

  5. 関税・手数料の支払い

    SADの書類審査が終了すると、納付すべき関税および付加価値税(貨物によっては、特別税が課税される)が決定される。輸入者(通関業者)は、銀行窓口において関税などを納付し、銀行が発行する領収書を各港税関支署に提示して貨物引き取り書類を受領する。なお、関税などの支払いについては、e-Paymentを利用することができる。

    省令上、税関申告手数料(Customs Processing Fee:CPF)は、コンテナ(20フィート以上)1本当たり6万リエル(約15ドル)、それ以外の貨物の場合は、1件4万リエル(約10ドル)である。SADの税関申告手数料(Customs Declaration Fee)1万5,000リエル(約3.75ドル)も併せて支払う必要がある。なお、関税消費税総局は、2018年12月21日付経済財政省令第1608号により、税関検査場以外の検査手数料や時間外手数料を含めて、税関での手続きなどに関するすべての手数料・税額を明確化した。

    通関におけるコンテナのスキャン検査費用は、民間セクターからの要望によって順次引き下げられ、40フィート未満のコンテナの場合4万リエル(約10ドル)、40フィート以上のコンテナの場合6万4,000リエル(約16ドル)(2019年1月29日付経済財政省通達第568号)となった。

  6. 貨物の引き渡し

    関税などの納付後、貨物リリース書類に各税関支署長の署名をもらって貨物を引き取る。
    港湾倉庫では、45日(空港の場合30日)以内であれば保管も可能であるが、45日を超えた場合は、関税評価額の0.1%が1日ごとに課せられ、3カ月以上引き取りがない場合、貨物は、関税法第55条に基づいて廃棄・売却などの処分が行われる。

(参考)ドライポートでの手続き

シハヌークビル港に到着した貨物のうち15%程度は、プノンペンなどにあるドライポートで通関される。

  1. 輸入者は、税関総局本部にインボイス、パッキングリスト、船荷証券、輸入許可証(必要な場合)、関税免除許可証(必要な場合)などの書類を提出し、その後、ドライポート税関支署長に提出する。
    貨物をドライポートに輸送する許可は、税関総局本部からドライポート運営者に与えられる。承認された輸送申告書は、4部がシハヌークビル港税関に送付され、登録、押印される。登録済み4部の輸送申告書のうち、3部はドライポート運営者に戻される。
  2. 貨物の到着時に、運送業者は積荷リストと船荷証券を税関と倉庫運営者に提出する。
    運送業者または輸入者は、シハヌークビル港税関に保証・担保を供託する。税関は、情報を税関総局本部に送付するとともに、必要に応じて貨物に同行する。
  3. ドライポートに輸送された貨物がポートに到着した時、同ポート運営者は同ポート税関に3部の登録済み輸送申告書を提出する。
    税関登録後、1部は輸送業者に戻され、残り2部は記録のために保管される。
  4. 照合と現物調査が実施され、問題がなければ貨物の受け取りが可能となる。なお、リスクアセスメント方針により、貨物の一部のみランダムに検査される場合がある。

輸出手続き(シハヌークビル港・プノンペン港の場合)

  1. 必要書類の準備

    税関での必要書類は、通関申告書(ASYCUDAで作成)、パッキングリスト、インボイス、VAT登録証、税務登録証、輸出許可・証明書・ライセンス(必要な場合)、原産地証明書(必要な場合)である。
    輸出許可・証明書・ライセンスが必要な品目は、未加工ゴム、木製品、野菜や果物などの農産物、魚などの水産物、生きた動物、薬品、芸術・文化関係品、未加工宝石などである。

  2. 電子通関システムASYCUDAに入力
    輸出者(通関業者)は各税関支署に行き、ASYCUDAに輸出貨物の情報などを入力し、SADを作成する。なお現在では、各税関支署に行かなくても、ASYCUDAにインターネット経由で直接入力できる機能が付加されている。
  3. 必要書類の提出
    輸出者(通関業者)は、SADと添付書類(認証済インボイス、パッキングリスト、B/L、VAT登録書、税務登録証、必要に応じて他省庁発給の輸入許可証、原産地証明書、保険証書など)を各税関支署に提出する。
  4. ASYCUDAによる分類および検査
    ASYCUDAにおいてSADは、輸出案件のリスクの度合いに応じ、4つの色(青、緑、黄、赤)に区分される。
    1. 青および緑色判定の申告書:原則として書類審査と開披検査が省略される。ただし、通関後の書類審査および事後調査の対象となる場合はある。
    2. 黄色判定の申告書:書類審査が必要。
    3. 赤色判定の申告書:開披検査が必要(書類審査含む)。

    なお開披検査は、税関が必要と認めた場合、CCFの共同検査となる場合がある。またリスクマネジメントに基づき、一部のコンテナ貨物は港湾内のスキャンで検査される。

  5. 輸出税・手数料の支払い

    SADの書類審査が終了すると、輸出税対象貨物の場合、納付すべき輸出税が決定される。輸出者(通関業者)は銀行窓口において輸出税を納付し、銀行発行の領収書を各税関支署に提示して貨物船積み書類を受領する。なお、関税などの支払いについては、e-Paymentを利用することもできる。

    省令上、税関申告手数料はコンテナ(20フィート以上)1本当たり6万リエル(約15ドル)で、それ以外の貨物の場合は1件4万リエル(約10ドル)である。
    SADの税関申告手数料1万5,000リエル(約3.75ドル)も、併せて支払う必要がある。なお、関税消費税総局は、2018年12月21日付省令第1608号により、時間外手数料および税関検査場以外の検査手数料や時間外手数料を含め、税関での手続きに関するすべての手数料・税額について明確化した。

    通関におけるコンテナのスキャン検査費用は、民間セクターからの要望によって順次引き下げられ、40フィート未満のコンテナの場合4万リエル(約10ドル)、40フィート以上のコンテナの場合6万4,000リエル(約16ドル)(2019年1月29日付経済財政省通達第568号)となった。

  6. 船積み

    輸出用必要書類の準備およびASYCUDA入力と同時並行で、輸出者(通関業者)は、港湾から船への貨物の積み込みについて各港湾公社のStevedoring Department/Business Department(貨物の積み下ろし担当部署)と調整し、同部署がコンテナヤードなどから船積みを行う。

    貨物の積み下ろし作業にかかる費用は、プノンペン港の場合は次のとおり。

    • LO/LO料金(Lift-On/Lift-Off Charge):(40フィート、45フィート)67ドル、(20フィート)45ドル(VAT別)
    • 船舶荷役料金(Stevedoring Charge):(40フィート、45フィート)74ドル、(20フィート)49ドル(VAT別)
    • クレーン料金(Crane Charge):(40フィート、45フィート)25ドル、(20フィート)16ドル(VAT別)

特別通関手続き

  1. プノンペンから縫製品などを輸出する場合

    経済特別区や生産工場において税関の審査・検査を受けることが可能となり、審査・検査後はコンテナにシールがなされる。
    輸出者(通関業者)は、プノンペンで税関がサインした関係書類(コピー可)を、シハヌークビル港税関支署またはプノンペン港税関支署に持参する。
    コンテナはシールされているため開封されることはないが、各税関支署でも関係書類の確認などは行われる。

  2. ベトナム国境沿いの場合
    ベトナム国境近くのマンハッタン経済特区やタイセン経済特区でも、工場内で審査・検査が実施されてコンテナにシールがなされると、国境やベトナム・ホーチミン港で再度開披されることはない(2008年9月11日付経済特区に対する特別通関手続の適用に関する経済財政省政令第734号)。

査証

日本から輸出する際の領事査証手続きは不要。
その他の貿易為替制度についても特にない。

その他

原産地証明手続きや通関手続きは各種ウェブサイトで確認できる。カムコントロールの国境検査廃止、原産地証明の合理化などの改善が進められている。

通関ハンドブックの発行

2015年10月、カンボジアの通関手続について分かりやすく解説した通関ハンドブック(Handbook on Customs ClearancePDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(2.24MB))が発行された。英語版とクメール語版があり、関税消費税総局のウェブサイトにも掲載されている。

ウェブサイトの更新

2015年10月、関税消費税総局はウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを全面的に更新した。関税率の確認も可能で、通関手続きの解説も掲載。また2021年、商業省もウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを全面的に更新した。

カムコントロール(現CCF)による国境検査の廃止

2019年2月1日より、これまで国境(港湾、空港などを含む)で行われてきたCCF(旧カムコントロール)の検査は廃止された(2019年1月28日付貿易の円滑化およびカンボジアの競争力強化のための国境検問所における輸出入管理権限の調整に関する政令第27号)。税関検査との重複、手数料の負担などが問題となっており、日本側からも官民合同会議などで解決を求めていた。なお、国境検査撤廃後も、税関が必要と認めた場合には、CCF(旧カムコントロール)は開披検査への参加、サンプル検査などで協力することとなっている(2019年6月25日付関税消費税総局およびカムコントロールの連携に関する経済財政省・商業省共同省令第574号)。

原産地証明書の合理化

これまですべての輸出に必要だった原産地証明書について、輸出先国が必要としない場合は申請・添付が不要となった(2018年12月28日付輸入手続きに必要な手続きの改定に関する経済財政省・商業省共同省令第1627号)。