外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用

最終更新日:2023年07月07日

外国人就業規制

外国人が就職できない民間職種は、特に定められていない。

一般に外国籍の者が香港で就業を希望する場合、香港にとって役立つ、香港人にはない特別な技術、知識または経験を有している、または香港経済に実質的に貢献できることが必要とされている。
2006年5月、扶養家族ビザ取得者の就労が認められた。

詳細は入境事務処のウェブページ(Immigration Department - Visas外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を参照。

在留許可

香港にて就業または投資を行う際は、ビザの申請が必要となる。ビザは、香港政府の入境事務処(Immigration Department)へ直接申請するか、中国大使館または領事館を通して申請する。

短期的な活動のために香港に入境する際に、就労査証を要しない6つの類型については、次のとおり。

  1. 契約の締結、入札への参加
  2. 商品や設備の梱包・設置に係る検査・監督
  3. 展示会や貿易見本市への参加(一般大衆に対し、直接的に商品の販売やサービスの提供を行う行為、および、展示ブースの設置作業は除く)
  4. 賠償履行およびその他民事訴訟
  5. 商品説明会への参加
  6. 短期セミナーやその他のビジネス会議への出席

3.の「展示会や貿易見本市への参加」の具体的な基準については、短期間の製品・サービスまたは地域のプロモーションであり、直接商品の販売やサービスの提供を行わない活動の場合は就労査証が不要となる。
なお、次のa.~e.に該当する場合は、就労査証を要しない可能性がある(ただし、活動の態様によっては、就労査証を必要とする場合もある)。

  1. ハッピその他、製品・サービスや地方を紹介するような言葉や図柄の描かれた衣装を身に付けること
  2. 製品・サービスや地方をプロモーションするためハイライトすること(ブランド名を連呼すること等)
  3. 製品の試飲・試食を勧める等、無償で製品やサービスを推薦すること(アルコール飲料、その他の飲料を試飲のために注いだり、食材を食器に並べる、カットする、加熱するといった簡単な調理も含まれる)
  4. 試供品、チラシ等を配付すること
  5. アンケートを配付すること

前記1.~6.の類型以外でも、次のⅰ.~ⅲ.を満たす講演・プレゼンテーションについては、就労査証を要しない。

  1. 報酬を得るものではないこと(宿泊費、旅費、食費等イベントに関わる費用を提供したり、あるいは補填することは認められる)
  2. 7日間以内であること
  3. 1回のみであること

ダンス、日本の伝統舞踊等のパフォーマンスを行う場合には、たとえ短期間で、非商業目的で、報酬を得ないとしても就労査証を要する。
公務による来港であっても、一般旅券で入境する場合には、適当な査証が必要である。

詳細は、在香港日本国総領事館ウェブサイト(短期的な活動のために来港する際の香港就労査証の要否・手続等についての説明会概要外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(182KB))を参照。

次に掲げる申請書は、香港入境事務処、申請者の居住する最寄りの国の中国大使館または領事館にて無料で入手できる。入境事務処ウェブサイトからもダウンロードできる。
詳細は、入境事務処のウェブサイト(Immigration Department - Visas外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を参照。

就業ビザ申請

香港で就業するためのビザを申請する際、必要な提示情報は次のとおり。

  1. 申請者
    1. 申請書(ID 990A)(写真添付)
    2. 申請者のパスポートのコピー(注1)
    3. 申請者の香港IDカードのコピー(保有している場合)
    4. 学歴・関係する就職経験に関する証明書のコピー

    (注1)香港に滞在している申請者は、パスポートの香港特別行政区への最新の入境印・ランディングスリップ(入境ラベル)・在留延長証のページのコピーも提出。

  2. 雇用主
    1. 申請書(ID 990B)
    2. 雇用契約書または辞令のコピー(役職、給与額、手当、採用期間を明記)
    3. 商業登記証明書のコピー(注2)
    4. 財政状態を示す書類のコピー(年次報告書、納税申告書、決算書など)(注2)
    5. 会社の業務内容に関する詳細な資料(注2、3)
    6. 詳細な業務計画(注2、4)

    (注2)申請書の提出日直前18カ月の間に、非現地スタッフ用の雇用・研修のためのビザまたは入国許可を取得していれば、提出の必要はない。
    (注3)商品カタログ、パンフレットなども必要。
    (注4)12カ月以内に新設した会社のみ必要。

投資ビザ申請

投資ビザを申請する際、必要な提示情報は次のとおり。

  1. 申請者
    1. 申請書(ID 999A)(写真添付)
    2. 申請者のパスポートのコピー(注5)
    3. 申請者の香港IDカードのコピー(保有している場合)
    4. 学歴・関係する職務経験に関する証明書のコピー
    5. 銀行口座取引明細書など申請者の財務状況に関する証明書のコピー
    6. 役職、給与額、手当、採用期間が明記された雇用契約書または辞令のコピー(該当する場合)
    7. 詳細な2年間の投資計画(予定している業務活動、投資金額、ローカル従業員の採用、設立する予定のオフィスなど)
    8. 契約書や請求書のコピー、交渉中の商取引に関する証明書など会社の事業活動に関する証明書
    9. 最新の監査済財務報告書や納税申告書など会社の財務状況に関する証明書のコピー
    10. 会社の業務内容に関する詳細な資料(事業活動、運営方式、関連会社、製品など)(注6)
    11. オフィスの賃貸契約書またはオフィスの立ち上げに関する資料
    12. 毎月の強制積立金(MPF)の積み立てに関する記録のコピーなどローカル従業員の採用に関する証明書
    13. 商業登記証明書および商業登記詳細のコピー
    14. 会社設立証明書や最新の年次報告書、定款など公司註冊処(Companies Registry)に提出した資料のコピー
    15. 業務上必要なライセンスや証明書のコピー
    16. 政府の支援プログラムによって支援されていることが証明できる有効な文書や証明書(香港政府の支援プログラムによって支援を受けてスタートアップ事業を開始または参加する予定の申請者に適用される)。

    (注5)申請者がすでに香港に滞在している場合、パスポートの香港特別行政区への最新の入境印・ランディングスリップ(入境ラベル)・在留延長証のページのコピーも提出。
    (注6)商品カタログ、パンフレットなども必要。

  2. 保証人
    会社の場合
    1. 申請書(ID 999B)
    2. 商業登記証明書のコピー
    個人の場合
    1. 申請書(ID 999B)
    2. 保証人の香港IDカードのコピー
    3. 保証人のパスポートのコピー(保証人が非香港永住者の場合)(注7)

    (注7)申請者は、パスポートの香港特別行政区への最新の入境印・ランディングスリップ(入境ラベル)・在留延長証のページのコピーも提出。

申請者の家族を帯同する場合について

  1. 申請書(就業ビザ申請者:ID990A Part B、投資ビザ申請者:ID999A Part B)(写真添付)
  2. 申請者の家族のパスポートのコピー(注8)
  3. 申請者と帯同する家族の関係に関する証明(結婚証明書、出生証明書、家族写真など)

(注8)申請者の家族がすでに香港に滞在している場合、パスポートの香港特別行政区への最新の入境印・ランディングスリップ(入境ラベル)・在留延長証のページのコピーも提出。

なお、駐在員とその家族が別々で香港に来る場合、駐在員家族が必要な提示情報は次のとおり。

  1. 申請書(ID 997)(写真添付)
  2. 申請者(駐在員家族)本人のパスポート(注9)
  3. 保証人(駐在員)との関係に関する証明書コピー(結婚証明書、出生証明書、家族写真など)
  4. 保証人(駐在員)の香港IDカードのコピー、就労ビザのコピー、パスポートのコピー(保証人が非香港永住者の場合)
  5. 保証人(駐在員)の財政状態を示す書類コピー
  6. 保証人(駐在員)の住所を示す書類のコピー

(注9)申請者がすでに香港に滞在している場合、パスポートの香港特別行政区への最新の入境印・ランディングスリップ(入境ラベル)・在留延長証のページのコピーも提出。

就業ビザの延長

香港に滞在する駐在員が就業ビザを延長する際は、有効期限が切れる4週間前から入境事務処で手続きができる。パスポートおよびパスポートのコピー、就労ビザのコピー、香港IDカードのコピー、記入済みの申請書(ID 91)、現在の役職と月額給与・報酬、雇用期間を記載した雇用主のレターが必要。
なお、香港内での転職に伴い保証人を変更する際は、記入済みの申請書(ID 990B)およびサポート書類も必要となる。

現地人の雇用義務

雇用・登用に関して、現地人を優先する法律上の措置はない。

法定最低賃金制度

2011年5月1日から、法定最低賃金制度が施行されている。2023年5月1日以降の法定最低賃金は時給40香港ドル(約740円)。

現行の法定最低賃金制度の詳細は、労工処のウェブページ(Labour Department - Statutory Minimum Wage外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を参照。

なお、付加給付(ボーナス、各種補助・手当、法定祝祭日、病気休暇・産休・解雇手当など)については、雇用条例(Employment Ordinance、香港法第57章)に定められている。

詳細:労工処 A Concise Guide to the Employment Ordinance外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

労働時間は、オフィスワークが週5日、それ以外は週6日が一般的。

強制積立金制度(Mandatory Provident Fund:MPF)

2000年12月より、強制積立金制度が実施されている。同制度は、企業、従業員双方が積み立てを行う強制拠出型の退職金制度。
この制度の対象者は、原則、18~65歳の労働者であり、日本人駐在員など香港にて現地採用されていない外国人の加入は強制されない。
雇用者と従業員はそれぞれ、従業員の毎月の現金収入の5%(月給3万香港ドル以上の場合、強制拠出上限の1,500香港ドル)を、登録されたMPF運営会社に預託。従業員が退職する際に、雇用者はMPF積立金を解雇補償金、長期服務金として使うことができる。

※給与が既定の下限(月給7,100香港ドル)に達していない場合、従業員側の拠出は免除される。
強制拠出に関する給与上限・下限の詳細は、強制性積立金計画管理局のウェブサイト参照。
MPF System Mandatory Contributions外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

※2012年11月から、雇用者拠出分と従業員拠出分をそれぞれ別のMPF運営会社に預託することが可能になった。
詳細は、香港政府ワンストップサービスのウェブページ「強制性積立金計画(MPF Employee Choice Arrangement外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を参照。

その他

特になし。