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特集

EUデジタル単一市場 ‐ 構築への進捗状況と課題

2015年に16の施策を掲げ発表されたデジタル単一市場(DSM)戦略について、欧州委は17年5月に中間レビューを発表。当初は16年中の達成を目指すとしていた同戦略の進捗状況を確認し、さらなる対策が必要となる項目を整理した。企業は各施策の進捗状況を踏まえた上で、今後の欧州ビジネスチャンスを見極める時だ。

本リポートでは、この中間レビューに基づき、EU・DSM戦略の新たな方向性を紹介する。特に、個人情報保護の新ルール「一般データ保護規則」(GDPR)については、欧州ビジネスを行う日本企業にとって早急に対応が必要となる。そこで、これから対応する日本企業のために基本的な手順や把握しておくべきポイントについても解説する。

2017年9月15日

デジタル単一市場(DSM)とは

デジタル単一市場(DSM)とは、EU加盟国間でいまだ分断されているデジタル市場を統合することだ。 このデジタル単一市場(DSM)の構築が実現すれば、デジタル分野でも5億人規模の市場が生まれ、欧州でのビジネスチャンスは大幅に拡大する。その実現のために克服すべき課題は依然として存在するが、産業デジタル化に関連する施策はIoT(モノのインターネット)推進政策の基盤ともなるものであり、DSMは現在のEUにとって最も重要なテーマの一つだ。

DSM戦略を巡る動き

  • 2017年6月15日
    ローミング費用撤廃
  • 2018年3月20日
    オンラインコンテンツへの越境アクセスが可能に
    (映画・スポーツ視聴、音楽鑑賞、電子書籍、ビデオゲームなど)
  • 2018年5月25日
    個人情報保護の新ルール「一般データ保護規則(GDPR)」の適用開始
  • 2018年5月9日
    初の包括的なサイバーセキュリティー指令の、加盟国における国内法制化の期限
  • 2020年
    地上デジタル放送で使用中の700MHz 周波数帯の再割り当て
  • 2020年
    電子政府行動計画の普及により、年間50億ユーロの節約が可能に

キーワード紹介

  • オンラインプラットフォーム
    マーケットプレイス、検索エンジンなどを含む広範なネット上の活動の基盤
  • データエコノミー
    デジタルデータ市場によってもたらされる経済的効果。2020年までにEUのGDPの3%を占めると試算される。
  • ジオブロッキング
    小売業者が国外の顧客へのオンライン販売を制限・差別すること
  • サイバーセキュリティー
    コンピューターウイルスなどを使用したサイバー攻撃に対する防御行為
  • GDPR (一般データ保護規則)
    個人情報保護のための新たなEU規則。18年5月施行開始
  • プライバシーシールド
    EU-米国間で締結された個人データの相互移転を認める協定。
  • データ主体
    氏名、個人識別番号、住所などにより識別され得る自然人。個人データが関連する当該個人
  • データ管理者
    単独または共同で個人データの処理の目的と手段を決定する。当該処理の適法性とGDPR違反に対する責任を負う

DSM構築に向けた欧州委員会のさらなる提案

オンラインデジタルプラットフォームの促進

  • 2017年末までに、企業向けプラットフォームで特定された不公正な契約条項や取引慣行への対策を準備
  • 法的責任ルールに関する会ダンスの提供や違法コンテンツの除去を自主的に行っているプラットフォームを支援

データエコノミーの活用

  • 2017年秋までに、域内のデータの自由移動の原則に関する法案を準備
  • 2018年春には、域内のデータの自由移動に関する既存法制評価と影響評価に基づき、公的データおよび公的資金データの入手や再利用に関するイニシアチブを準備

サイバーセキュリティー対策の強化

  • 17年秋をめどに、13年に策定したEUサイバーセキュリティー戦略と、欧州ネットワーク情報セキュリティー庁(ENISA)の権限を見直す
  • IoT機器の安全性を一層高めるための、サイバーセキュリティーの基準や認証、表示方法に関する追加措置の提案を検討

EU域内の電子商取引の促進

  • 消費者、事業者双方に利益のあるEC契約ルールの近代化
  • ジオブロッキング規制による越境ECの促進
  • より利用しやすい国際小荷物配送サービス

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