特集:駐在員が見るアジアの投資環境オセアニア

2018年4月2日

オーストラリア・シドニー
スーパーマーケット事情

当地の海外駐在員がよく利用するスーパーマーケットの一つがColes(コールス)だ。客層は中間所得層が中心、商品の品質も良く、価格もリーズナブルなことに加え、ジュース、菓子類などのプライベート・ブランドの開発にも注力している。オレンジジュースを例に挙げると、オーストラリアの飲料水メーカーであるゴールデン・サークルのオレンジジュース(2リットル)が3オーストラリア・ドル(豪ドル、豪ドル=約88円、約266円)に対し、プライベート・ブランド(2リットル)は2豪ドル(約178円)と、3割近くも安くなるが、味にそん色はない。


スーパーマーケット店内(ジェトロ撮影)

オーストラリア人はオーガニック商品を好む傾向があり、店内で売られる商品(ジュース、菓子類)には、「防腐剤無使用、糖無添加、人工調味料・着色料無使用」と書かれた商品が売られており、人気が高い。売れ筋はレッドロックデリというブランドのポテトチップ(165グラム)だ。4.50豪ドル(約400円)と若干お高めなので、セールを狙って買うのがおすすめだ。

執筆者紹介
ジェトロ・シドニー事務所 小柳 智美(こやなぎ ともみ)
2016年6月、ジェトロ入構。同月よりジェトロ・シドニー事務所所員。

ニュージーランド・オークランド
注目される住宅市場の動向

ニュージーランド(NZ)は、人口増を背景に労働力や市場の拡大が期待される国であり、近年は3%近い経済成長率を維持している。

NZ統計局によれば、2017年第4四半期の消費者物価指数は前年同期比で1.6%上昇した。上昇をけん引しているのは「住宅関連(3%増)」であり、内訳をみると「建設関連(5.3%増)」、「賃貸住宅(2.3%増)」が上昇している。その他「食費(2.3%増)」も物価指数が上昇しており、国内需要が好調であることが伺える。

同国では、こうした物価上昇を理由に、最低賃金引き上げも議論されている。現在、15.75NZドル/1時間である最低賃金が、4月1日から16.5NZドル/1時間となる見込みだ。今後もさらなる上昇が想定される。

さらにNZ政府は、非居住者による中古住宅購入に制限をかける議論をしている。過剰な住宅価格高騰を防ぐのが目的だ。物価上昇に大きな影響を与える住宅市場は、今後もその動向が注目される。

執筆者紹介
ジェトロ・オークランド事務所長 奥 貴史(おく たかし)
1996年、ジェトロ入構。海外はジェトロ・ダルエスサラーム事務所、国内は本部の他、ジェトロ盛岡、ジェトロ青森などを経て、2018年より現職。