2020年、自動車産業は生産減、販売増(トルコ)

2021年3月29日

トルコの自動車産業にとって2020年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けた1年だった。生産は3~5月の一部ロックダウンの影響から停滞し、販売用の在庫不足が年末まで続いた。他方、販売は自動車ローンの金利低下や公共交通機関の利用控えの影響もあり、5月以降は好調だった。

自動車生産は11.2%減

自動車工業会(OSD)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(639.28KB)によると、2020年の自動車生産台数は、前年比11.2%減の129万7,854台だった。新型コロナ禍の影響を受け、国内生産が一時停滞したことや、海外からの需要が減少したことが原因だ。全体の65.9%を占める乗用車は13.0%減の85万5,043台だった(表1参照)。同様に、自動車の輸出額も20.0%減の164億9,110万ドル。関連部品を含めると16.9%減の259億4,550万ドルで、過去4年間で最低の記録となった(表2参照)。

表1:車種別生産台数(単位:台、%)(△はマイナス値)
項目 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 構成比 前年比
乗用車 950,888 1,142,906 1,026,461 982,642 855,043 65.9 △ 13.0
商用車 535,039 552,825 523,689 478,602 442,811 34.1 △ 7.5
階層レベル2の項目大型トラック 14,826 19,386 22,883 17,604 21,169 1.6 20.3
階層レベル2の項目小型トラック 2,548 4,116 2,654 1,399 2,057 0.2 47.0
階層レベル2の項目ピックアップトラック 461,837 462,389 429,361 386,245 358,182 27.6 △ 7.3
階層レベル2の項目大型バス 8,083 8,166 8,541 9,199 7,896 0.6 △ 14.2
階層レベル2の項目小型バス 44,415 55,036 56,934 61,629 51,464 4.0 △ 16.5
階層レベル2の項目中型バス 3,330 3,732 3,316 2,526 2,043 0.2 △ 19.1
自動車計 1,485,927 1,695,731 1,550,150 1,461,244 1,297,854 100.0 △ 11.2

出所:自動車工業協会(OSD)

表2:自動車関連(部品を含む)の輸出額(単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)
項目 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 前年比 構成比
自動車合計 15,302.1 19,257.1 21,350.3 20,613.8 16,491.1 △ 20.0 63.6
階層レベル2の項目乗用車 8,336.9 11,790.6 12,421.0 11,864.8 9,312.1 △ 21.5 56.5
階層レベル2の項目大型・軽商用車 4,616.6 4,849.0 5,376.4 4,945.4 4,255.0 △ 14.0 25.8
階層レベル2の項目大型バス 1,190.5 1,308.2 1,503.2 1,759.4 1,300.7 △ 26.1 7.9
階層レベル2の項目中・小型バス 238.9 217.7 215.5 222.9 188.4 △ 15.5 1.1
階層レベル2の項目その他の自動車 919.2 1,091.5 1,834.3 1,821.2 1,435.0 △ 21.2 8.7
自動車部品合計 8,947.9 9,835.9 10,881.6 10,616.4 9,454.4 △ 10.9 36.4
階層レベル2の項目スペアパーツ 7,254.9 7,785.4 8,406.4 8,071.3 7,251.5 △ 10.2 76.7
階層レベル2の項目タイヤなどゴム製品 978.3 1,131.8 1,353.9 1,479.1 1,248.0 △ 15.6 13.2
階層レベル2の項目エンジン 370.6 486.4 582.0 518.1 461.4 △ 10.9 4.9
階層レベル2の項目バッテリー 224.6 295.8 388.1 397.3 353.0 △ 11.1 3.7
階層レベル2の項目セーフティーガラス 119.6 136.5 151.1 150.6 140.4 △ 6.8 1.5
合計 24,250.0 29,093.0 28,986.5 31,230.1 25,945.5 △ 16.9 100.0

出所:自動車工業協会(OSD)

トルコ輸出業者会議(TIM)によると、2020年のトルコの輸出総額は前年比6.3%減の約1,695億ドル。このうちの15.1%を占める自動車関連(部品を含む)の輸出額は16.5%減の約255億ドルだった(表3参照)。国・地域別でみると、全体の75.4%を占めるEU向けが17.8%減となった。EU以外では、イスラエル、ロシア、モロッコ、米国、日本でも減少がみられた。一方、上位20カ国では、エジプトへの輸出が26.6%増と好調だった。

表3:自動車・同部品の国別輸出額 (単位:1,000ドル、%)(△はマイナス値)
順位 国・地域 2019年 2020年 構成比 前年比 寄与度
EU 23,431,909.18 19,265,999.78 75.4 △ 17.8 △ 13.6
1 ドイツ 4,372,486.33 3,571,447.37 14.0 △ 18.3 △ 2.6
2 フランス 3,430,655.26 2,963,032.75 11.6 △ 13.6 △ 1.5
3 英国 2,455,651.42 2,223,988.49 8.7 △ 9.4 △ 0.8
4 イタリア 2,910,429.95 2,136,146.81 8.4 △ 26.6 △ 2.5
5 スペイン 1,669,897.05 1,401,967.40 5.5 △ 16.0 △ 0.9
6 スロベニア 1,299,789.38 1,170,066.75 4.6 △ 10.0 △ 0.4
7 ベルギー 1,125,062.11 1,101,089.72 4.3 △ 2.1 △ 0.1
8 ポーランド 1,097,901.68 966,526.18 3.8 △ 12.0 △ 0.4
9 米国 1,038,825.85 951,071.04 3.7 △ 8.4 △ 0.3
10 イスラエル 747,623.16 704,381.53 2.8 △ 5.8 △ 0.1
11 ルーマニア 940,001.66 696,309.88 2.7 △ 25.9 △ 0.8
12 オランダ 1,157,003.12 560,236.62 2.2 △ 51.6 △ 2.0
13 エジプト 396,444.24 501,996.87 2.0 26.6 0.3
14 ロシア 528,089.54 467,742.67 1.8 △ 11.4 △ 0.2
15 モロッコ 566,311.88 459,806.68 1.8 △ 18.8 △ 0.3
16 スウェーデン 436,829.61 366,933.14 1.4 △ 16.0 △ 0.2
17 ハンガリー 404,617.00 353,227.92 1.4 △ 12.7 △ 0.2
18 デンマーク 245,657.73 240,438.70 0.9 △ 2.1 △ 0.0
19 ポルトガル 342,842.49 222,660.26 0.9 △ 35.1 △ 0.4
20 ブルガリア 251,712.86 222,621.19 0.9 △ 11.6 △ 0.1
51 日本 43,224.31 40,709.26 0.2 △ 5.8 △ 0.0
総額 30,587,063.51 25,548,566.20 100.0 △ 16.5 △ 16.5
トルコ輸出総額 180,832,721.70 169,514,167.03 15.1 △ 6.3 △ 2.8

注:総額の構成比はトルコの輸出額全体に占める自動車・同部品の割合、その他は自動車・同部品の輸出額に占める国別割合。
出所:トルコ輸出業者会議(TIM)

輸出台数をメーカー別でみると、全体的に前年比で減少している。特に輸出を主力とする上位4社は19.8~28.2%減の落ち込みとなった。10位のハッタト・トラクターが唯一、前年比では47.9%増と増加した。それでも、2017年の輸出台数を下回る実績だ(表4参照)。

表4:完成車メーカー別輸出台数(単位:台、%)(△はマイナス値)
メーカー 2017年 2018年 2019年 伸び率 2020年 伸び率
フォード・オトサン 296,840 328,502 333,734 1.6 254,003 △ 23.9
オヤク・ルノー 287,915 280,411 295,275 5.3 211,954 △ 28.2
トヨタ 246,466 237,451 227,019 △ 4.4 182,089 △ 19.8
現代・アッサン 204,382 190,347 169,803 △ 10.8 128,003 △ 24.6
トファシュ・フィアット 270,698 243,796 194,107 △ 20.4 117,886 △ 39.3
テュルク・トラクター 12,023 14,502 15,207 4.9 12,553 △ 17.5
メルセデスベンツ 9,865 16,309 16,324 0.1 11,184 △ 31.5
ホンダ 9,391 13,699 7,528 △ 45.0 6,421 △ 14.7
マン 2,007 2,425 2,892 19.3 2,628 △ 9.1
ハッタト・トラクター 1,100 621 637 2.6 942 47.9
オトカル 691 901 1,156 28.3 862 △ 25.4
カルサン 2,969 3,419 2,713 △ 20.6 760 △ 72.0
アナドル・いすゞオート 700 964 1,433 48.7 510 △ 64.4
合計 1,345,917 1,333,992 1,268,430 △ 4.9 930,038 △ 26.7

出所:自動車工業協会(OSD)

自動車販売は61.3%増

トルコ自動車販売協会(ODD)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます) (880.65KB)によると、2020年の国内自動車販売台数(小売り)は、乗用車が前年比57.5%増の61万109台、軽商用車が77.2%増の16万2,679台。全体の販売台数は、61.3%増の77万2,788台だった。同販売台数は2017年以降では最高値となった。ただし、過去10年間の平均台数の80万3,210台は下回った。

乗用車販売は、例年どおりセダンタイプが中心で、全体の44.0%(26万8,509台)を占める。次いで、スポーツ用多目的車(SUV)タイプが29.8%(18万1,554台)を占め、前年と同様、ハッチバックのシェア23.2%(14万1,271台)を上回った。軽商用車の販売シェアでは、バンが76.9%(12万5,038台)と大半を占める。続いて、軽トラックが11.5%(1万8,708台)、ミニバスが4.9%(7,961台)、ピックアップが6.7%(1万,972台)だった。

乗用車の種類(燃料)をみると、ガソリン車が全体の52.4%で最大、次いで、ディーゼル車が39.5%、LPG(液化石油ガス)車は4.4%となった。ハイブリッド車の販売台数は2万2,272台、電気自動車(EV)は844台で、合わせて全体の3.7%にとどまる。2020年の時点では「環境に優しい」自動車の需要はごく限られたものとなっている。

また、2021年2月2日にはEVの特別消費税率が3~15%から10~60%と大幅に引き上げられた。そのため、今後のEV販売の逆風になっている。また、トルコでのEVの普及が欧州に比べて後退する、と産業界は反発している。

メーカー別にみると、トルコで販売実績のある42社のうち、例年どおりフィアットが自動車販売台数1位。全体の17.8%(13万7,325台)を占めた(表5参照)。フィアットは、乗用車販売台数が61.6%増、軽商用車販売台数が2.4倍で、市場シェアを拡大した。ルノーが56.3%増(10万1,534台)で2位、フォードが96.3%増(9万2,487台)で3位、フォルクスワーゲン(VW)は33.6%増(6万4,776台)で4位になった。日本企業では、トヨタ(66.1%増、4万375台)が6位となったほか、ホンダ(9.2%増、2万2,222台)、日産(1.5%増、1万3,261台)、三菱自動車(2.2倍、5,866台)、スズキ(25%増、2,977台)が前年に比べると好調だった。他方で、いすゞ(41.1%減、545台)とマツダ(62.6%減、156台)は前年と同様、落ち込みが続いた。

表5:販売台数上位15社(2020年)

乗用車 (単位:台、%)(△はマイナス値)
順位 メーカー 国産 輸入 合計 構成比 伸び率
1 フィアット 91,066 1,298 92,364 15.1 61.6
2 ルノー 89,561 9,339 98,900 16.2 63.0
3 フォード 3,699 23,897 27,596 4.5 75.7
4 フォルクスワーゲン 0 52,740 52,740 8.6 35.9
5 プジョー 0 36,589 36,589 6.0 58.7
6 トヨタ 36,942 2,016 38,958 6.4 66.8
7 オペル 0 31,229 31,229 5.1 87.1
8 ダチア 0 25,910 25,910 4.2 47.8
9 ヒュンダイ 8,506 19,035 27,541 4.5 20.9
10 シトロエン 0 22,254 22,254 3.6 152.1
11 シュコダ 0 24,175 24,175 4.0 57.3
12 ホンダ 19,885 2,337 22,222 3.6 9.2
13 メルセデスベンツ 0 15,617 15,617 2.6 58.4
14 アウディ 0 18,168 18,168 3.0 81.2
15 キア 0 13,542 13,542 2.2 171.5
合計(その他を含む) 249,659 360,450 610,109 100.0 57.5
軽商用車 (単位:台、%)(△はマイナス値)
順位 メーカー 国産 輸入 合計 構成比 伸び率
1 フィアット 41,100 3,861 44,961 27.6 135.5
2 ルノー 0 2,634 2,634 1.6 △ 38.9
3 フォード 61,857 3,034 64,891 39.9 106.6
4 フォルクスワーゲン 0 12,036 12,036 7.4 24.4
5 プジョー 0 7,085 7,085 4.4 22.1
6 トヨタ 0 1,417 1,417 0.9 50.9
7 オペル 0 3,067 3,067 1.9 123.9
8 ダチア 0 4,890 4,890 3.0 97.7
9 ヒュンダイ 0 990 990 0.6 △ 11.1
10 シトロエン 0 5,226 5,226 3.2 63.0
11 シュコダ 0 0 0 0 0
12 ホンダ 0 0 0 0 0
13 メルセデスベンツ 0 5,175 5,175 3.2 2.0
14 アウディ 0 0 0 0 0
15 キア 0 1,900 1,900 1.2 40.2
合計(その他を含む) 103,677 59,002 162,679 100.0 77.2
総合 (単位:台、%)(△はマイナス値)
順位 メーカー 国産 輸入 合計 構成比 伸び率
1 フィアット 132,166 5,159 137,325 17.8 80.1
2 ルノー 89,561 11,973 101,534 13.1 56.3
3 フォード 65,556 26,931 92,487 12.0 96.3
4 フォルクスワーゲン 0 64,776 64,776 8.4 33.6
5 プジョー 0 43,674 43,674 5.7 51.3
6 トヨタ 36,942 3,433 40,375 5.2 66.1
7 オペル 0 34,296 34,296 4.4 89.9
8 ダチア 0 30,800 30,800 4.0 54.0
9 ヒュンダイ 8,506 20,025 28,531 3.7 19.4
10 シトロエン 0 27,480 27,480 3.6 128.4
11 シュコダ 0 24,175 24,175 3.1 57.3
12 ホンダ 19,885 2,337 22,222 2.9 9.2
13 メルセデスベンツ 0 20,792 20,792 2.7 39.2
14 アウディ 0 18,168 18,168 2.4 81.2
15 キア 0 15,442 15,442 2.0 143.5
合計(その他を含む) 353,336 419,452 772,788 100.0 61.3

出所:トルコ自動車販売協会(ODD)

自動車工業協会(OSD)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます) (639.28KB)によると、2020年の国内自動車販売(出荷)台数は前年比61.9%増の79万6,200台だった(表6参照)。国内生産車は71.8%増、輸入車は54.1%増となった。2015年から続いていた市場の縮小傾向が2020年に好転し、国内販売における輸入車の割合も53.6%と、過去10年間で最低値を記録した。なお、2020年11月末時点の自動車登録台数(2,406万4,532台)のうち、54.2%の1,304万4,176台が乗用車となっている(表7参照)。

表6:自動車販売(出荷)台数(単位:台、%)(―は値なし)
項目 2017年 2018年 2019年 2020年 前年比
国内販売 986,829 641,541 491,909 796,200 61.9
階層レベル2の項目国内生産車 362,342 244,275 214,839 369,172 71.8
階層レベル2の項目輸入車 624,487 397,266 277,070 427,028 54.1
階層レベル2の項目国内販売における輸入車比率 63.3% 61.9% 56.3% 53.6%

出所:自動車工業協会(OSD)

表7:登録自動車数、 2016年~2020年(遡及台数)(単位:台数)
年月 合計 乗用車 小型バス バス ピックアップ トラック 自動二輪 その他 トラクター
2016年 21,090,424 11,317,998 463,933 220,361 3,442,483 825,334 3,003,733 50,818 1,765,764
2017年 22,218,945 12,035,978 478,618 221,885 3,642,625 838,718 3,102,800 60,099 1,838,222
2018年 22,865,921 12,398,190 487,527 218,523 3,755,580 845,462 3,211,328 63,359 1,885,952
2019年 23,156,975 12,503,049 493,373 213,358 3,796,919 844,481 3,331,326 65,470 1,908,999
2020年11月 24,064,532 13,044,176 494,031 212,954 3,926,954 858,501 3,505,647 69,689 1,952,580

出所:トルコ統計機構(TUIK)

新型コロナウイルス感染拡大の影響が最も大きかった3~4月を除き、2020年の自動車販売が全体的に好調だったのはなぜか。その背景として、トルコの複数のメディアが、金利の低下と公共交通機関の利用控えを指摘する。トルコ中央銀行による政策金利の引き下げを受け、2018年から2019年にかけて20%台で推移した。一時期は30%を超えた自動車ローンの金利が、2018年以前の水準まで低下したわけだ。それだけでなく、国営銀行による低金利キャンペーンが2020年6月以降の自動車販売の追い風となった(図参照)。

8月中旬以降は、自動車ローンの金利がやや上昇した。しかし、新型コロナウイルスへの感染リスクを減らすため、公共交通機関の利用を控え安心して出勤する手段として自動車を購入する人が増えた。また、販売会社による年末恒例のキャンペーンなどの影響により、好調が続いた。同様に、中古車販売台数も前年比10%増と好調だった。自動車の需要の高さに対して新車の在庫が少なかったことから、中古車の価格が急騰。中古車と新車との価格差が小さくなった。

図:自動車販売台数と金利の関係
2016年はじめから2018年はじめにかけ、自動車ローンの金利は15~20%程度で推移し、自動車販売台数はほぼ横ばいだったが、2018年1月から2019年10月に、自動車ローンの金利が20~32.78%の幅に上昇すると、自動車販売台数に大きな減少がみられた。2019年10月以降は、自動車ローンの金利が16%以下まで低下し、自動車販売台数は再び上昇傾向となった。2020年年始から4月末までの自動車ローンの金利は13~14%で、自動車販売台数は月2万7,000台から5万台の幅だった。5月上旬から8月上旬にかけ金利が11~13%まで減少すると、自動車販売台数は3万2,000台から8万7,000台に上昇した。8月中旬以降に金利が14~19%の幅で動いたが、自動車企業による販売キャンペーンや、公共交通機関の利用を控えたい人が増加した影響で、販売の好調が続いた。

出所:自動車販売協会(ODD)とトルコ中央銀行のデータによりジェトロ作成

欧州市場の販売ランキングでは6位

2020年のトルコの自動車販売を欧州市場と比較してみる。トルコは販売台数で6位になり、欧州各国の市場が縮小した中で、唯一プラス成長の国となった。トルコ市場は2019年は9位にランクダウンしたが、2014年以降のそれ以外の年は欧州市場のランキングで6位を維持している(表8参照)。

表8:欧州・トルコ市場の自動車販売台数(単位:台、%)(△はマイナス値)
国・地域 2020年 2019年 前年比
乗用車販売台数 商用車販売台数 合計 合計
EU + EFTA + 英国 11,961,182 2,125,736 14,086,918 18,443,305 △ 23.6
ドイツ 2,917,678 349,071 3,266,749 4,017,059 △ 18.7
フランス 1,650,118 449,903 2,100,021 2,755,695 △ 23.8
英国 1,631,064 336,592 1,967,656 2,742,852 △ 28.3
イタリア 1,381,496 183,174 1,564,670 2,132,630 △ 26.6
スペイン 851,211 179,533 1,030,744 1,501,244 △ 31.3
トルコ 610,109 186,091 796,200 491,947 61.8
ベルギー 431,491 79,616 511,107 644,046 △ 20.6
ポーランド 428,347 81,806 510,153 656,258 △ 22.3
オランダ 358,330 71,502 429,832 537,777 △ 20.1
スウェーデン 292,024 38,191 330,215 418,478 △ 21.1
オーストリア 248,740 43,093 291,833 382,033 △ 23.6
スイス 236,828 32,377 269,205 351,094 △ 23.3
デンマーク 198,130 35,118 233,248 264,244 △ 11.7
チェコ 202,971 25,863 228,834 281,423 △ 18.7
ノルウェー 141,412 39,473 180,885 189,824 △ 4.7
ポルトガル 145,417 31,575 176,992 267,827 △ 33.9
ハンガリー 128,021 25,947 153,968 190,084 △ 19.0
ルーマニア 126,351 18,661 145,012 186,933 △ 22.4
フィンランド 96,415 16,556 112,971 133,520 △ 15.4
アイルランド 88,324 23,798 112,122 145,104 △ 22.7
ギリシャ 80,977 7,733 88,710 122,873 △ 27.8
スロバキア 76,305 8,604 84,909 113,863 △ 25.4
スロベニア 53,694 9,414 63,108 86,829 △ 27.3
ルクセンブルク 45,189 5,625 50,814 61,572 △ 17.5
リトアニア 40,232 7,362 47,594 58,291 △ 18.4
クロアチア 36,005 7,798 43,803 73,707 △ 40.6
ブルガリア 22,368 7,295 29,663 44,977 △ 34.0
エストニア 18,750 4,006 22,756 32,226 △ 29.4
ラトビア 13,864 2,909 16,773 22,598 △ 25.8
キプロス 10,061 1,920 11,981 14,763 △ 18.8
アイスランド 9,369 1,221 10,590 13,481 △ 21.4

出所:欧州自動車工業会(ACEA)、トルコ自動車工業協会(OSD)

執筆者紹介
ジェトロ・イスタンブール事務所 国際貿易専門家
エライ・バシュ
2009年6月にトルコのチャナッカレ・オンセキズ・マルト大学教育学部日本語教育学科を卒業。その後、大阪大学に留学し、2014年3月に言語文化研究科言語文化専攻博士前期課程を修了。2015年3月からジェトロ・イスタンブール事務所で調査担当として勤務。