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2018年のメキシコの世帯平均実質所得は中高所得層を中心に減少

2019年8月14日

国立統計地理情報院(INEGI)の2018年全国家計調査(ENIGH 2018)によると、同年の世帯平均実質所得は前回調査(2016年)よりも4.1%減少した。経済危機前の2008年と比較すると12%強の減少となり、メキシコの世帯の平均所得は危機前の水準に達していない。所得格差は以前より縮小しているものの依然として大きく、上位10%の世帯の平均所得は下位10%の18倍に及ぶ。南北格差も大きく、首都メキシコ市の世帯平均所得は南部チアパス州の3倍に達する。

上位30%の世帯が全世帯所得の6割を占める

INEGIが2019年7月31日に結果を発表した2018年全国家計調査(ENIGH 2018)は、2018年8月21日~11月28日に全国8万7,826戸を対象に実施された2年に一度の標本調査である。同調査に基づく推定によると、メキシコの世帯総数は3,474万4,818世帯,世帯構成員総数は1億2,509万1,790人、1世帯当たりの平均構成員数は3.6人となっている(表1参照)。世帯当たりの就業者数は1.7人であり、共働きが多い。世帯主の平均年齢は49.8歳で、世帯構成をみると若い層が依然として多く、30歳未満の構成員が50.9%に達する。しかし、核家族化および少子高齢化の兆しは見えており、世帯関連データを10年前と比較すると、世帯構成員数は0.4人減少、世帯主の平均年齢は1.6歳上昇、30歳未満の構成員の比率は5.1%ポイント低下、60歳以上の人口は2.3%ポイント上昇している。

表1:メキシコの世帯関連データの推移
指標 単位 2008年 2010年 2012年 2014年 2016年 2018年
人口 1,000人 111,612 114,560 117,284 119,906 122,644 125,092
世帯数 1,000世帯 27,875 29,557 31,559 31,671 33,463 34,745
世帯構成員数 人/世帯 4.0 3.9 3.7 3.8 3.7 3.6
世帯当たり就業者数 人/世帯 1.7 1.6 1.7 1.6 1.7 1.7
世帯主平均年齢 48.2 48.3 48.6 48.8 49.2 49.8
30歳未満の構成比 56.0 54.9 53.9 53.4 52.1 50.9
60歳以上の構成比 9.8 10.1 10.8 10.6 11.3 12.1

出所:国立統計地理情報院(INEGI)「全国家計調査(ENIGH)」データからジェトロ作成

2018年の世帯平均所得額は、四半期で4万9,610ペソ(約28万4,800円、2018年期中平均レートは1ペソ=5.74円)、月額換算で1万6,537ペソ(約9万4,900円)である。所得分配をみると、所得上位10%(第X階層)の世帯所得を合計すると全世帯所得の33.6%を占めるが、下位10%(第I階層)の世帯所得を合計しても同1.8%に過ぎない(図参照)。依然として、所得格差が大きな国だ。上位10%の世帯平均所得(5万5,583ペソ=約321万9,000円)は、下位10%の世帯平均所得(3,038ペソ=約1万7,400円)の18.3倍に及ぶ。上位20%の世帯だけで全家計所得の49.5%を占め、上位30%まで広げると全体の6割強に及ぶ。他方、下位30%の所得を合計しても、全体の9.4%に過ぎない。

図:2018年の世帯所得の所得階層別シェア(%)
第I階層が最も貧しい10%の世帯。第X階層が最も裕福な10%の世帯を意味する。第I階層の世帯所得の合計が全世帯所得に占める比率は1.8%、第II階層は3.2%、第III階層は4.3%、第IV階層は5.4%、第V階層は6.5%、第VI階層は7.9%、第VII階層は9.5%、第VIII階層は11.9%、 第IX階層は15.8%、第X階層は33.6%を占める。

注:所得階層は世帯数を均等に所得の低い順から高い順(I→X)へ10分割したもの。
出所:国立統計地理情報院(INEGI)「全国家計調査(ENIGH)2018」

世帯構成員1人当たりの所得額でみると、その差はさらに大きくなる。貧しい世帯ほど構成員が多い傾向があり、1人当たりの平均所得額(月額換算)は、第I階層の844ペソ(約4,845円)に対し、第X階層では月額1万6,723ペソ(約9万6,000円)に達し、その差は19.8倍にもなる。

近年は中高所得層の実質所得が減少

2018年の世帯平均所得を、2016年と比較すると4.1%の減少になる。インフレが低水準で推移した2015~2016年に実質所得が上昇したこともあり、2012年や2014年と比較すると2%強の減少にとどまる(表2参照)。しかし、リーマン・ショック前の2008年と比べると依然として12.3%も少ない。

表2:階層別の世帯平均所得額(月額)推移(単位:2018年価格ペソ,%)(△はマイナス値)
所得階層
(10段階)
2008年 2012年 2014年 2016年 2018年 伸び率(2018年)
時系列 時系列 時系列 時系列 現行モデル 時系列 現行モデル 08年比 12年比 16年比
I 2,325 2,195 2,332 2,529 3,028 2,550 3,038 9.7 16.2 0.3
II 4,567 4,194 4,350 4,579 5,267 4,677 5,367 2.4 11.5 1.9
III 6,389 5,840 5,956 6,184 7,015 6,327 7,143 △ 1.0 8.3 1.8
IV 8,217 7,537 7,540 7,797 8,734 7,965 8,899 △ 3.1 5.7 1.9
V 10,233 9,402 9,365 9,611 10,683 9,729 10,773 △ 4.9 3.5 0.8
VI 12,691 11,681 11,506 11,735 12,917 11,799 12,986 △ 7.0 1.0 0.5
VII 15,958 14,588 14,271 14,402 15,733 14,416 15,755 △ 9.7 △ 1.2 0.1
VIII 20,438 18,723 18,340 18,250 19,794 18,062 19,628 △ 11.6 △ 3.5 △ 0.8
IX 28,297 25,703 25,357 24,855 26,712 24,306 26,197 △ 14.1 △ 5.4 △ 1.9
X 64,790 56,296 57,296 59,630 62,610 52,700 55,583 △ 18.7 △ 6.4 △ 11.2
平均 17,390 15,616 15,631 15,957 17,249 15,253 16,537 △ 12.3 △ 2.3 △ 4.1

注:所得階層は世帯数を均等に所得の低い順から高い順(I→X)へ10分割したもの。平均所得は原典の四半期額を3で除して月額に換算した。構成比は各階層の所得合計が全世帯所得に占める割合。家計調査(ENIGH)は2016年に統計モデルを変更したため、2014年以前のデータとの時系列比較はモデル間で数値調整した上で行う。2016年と2018年については、現行モデルの2018年価格の数字と過去のモデルとの間で調整した時系列比較のデータの2種類を掲載した。
出所:INEGI「ENIGH2018」および「ENGIH-社会経済状況モジュール(MCS)2018年統計モデル」からジェトロ作成

所得階層別にみると、第Ⅷ階層、第Ⅸ階層、第Ⅹ階層の平均所得は減少傾向が続いている。第Ⅰ階層、第Ⅱ階層など貧困層の所得水準は政府の補助などもあり、危機前の水準まで戻っているが、中間層以上の所得は危機前の水準に回復していない。

他方、世帯の平均支出データをみると、2018年の世帯平均現金支出額は月額1万645ペソ(約6万1,100円)だが、第I階層の3,358ペソ(1万9,300円)と第X階層の2万9,028ペソ(約16万6,600円)の間には8.6倍の開きがある(表3参照)。階層別に現金支出と自己収入(世帯の経常収入から政府や社会保障基金などからの移転所得を除いた収入)を比較すると、第I~III階層の貧しい層では現金支出が自己収入の100%を超えており、低所得層の家計が政府などからの移転所得に依存していることが分かる。

表3:所得階層別世帯平均現金支出と自己収入(単位:2018年価格ペソ,%)(―は値なし)
所得階層
(10段階)
現金支出 自己収入(注) 現金支出
/自己収入
支出額 構成比 金額 構成比
I 3,358 3.1 1,117 0.8 300.7
II 4,792 4.5 3,083 2.2 155.4
III 5,795 5.4 5,100 3.6 113.6
IV 6,803 6.4 6,924 4.9 98.3
V 8,058 7.6 8,798 6.3 91.6
VI 9,133 8.6 10,913 7.8 83.7
VII 10,659 10.0 13,535 9.7 78.8
VIII 12,701 11.9 17,107 12.2 74.2
IX 16,084 15.1 23,075 16.5 69.7
X 29,028 27.3 50,290 35.9 57.7
平均 10,645 13,994 76.1

注:政府やNGOからの補助金,年金・社会保障給付金などの移転所得を除く、世帯の経常収入。原典の4半期データを3で除して月額換算。2018年の期中平均為替レートは1ドル=19.24ペソ、1ペソ=5.74円。構成比は各階層の合計が全世帯の合計に占める割合。
出所:INEGI「ENIGH 2018」からジェトロ作成

外食や個人用品・美容への支出は拡大傾向

所得階層により、支出項目別の構成比は大きく異なる。貧しい階層(I~III)では食費が4割前後に達するとは対照的に、裕福な家庭では教育や娯楽・旅行など生活必需品以外に費やす支出が大きくなっている(表4参照)。ただし、住宅関連・光熱費、個人用品・美容の2分野については、所得階層間で構成比の差が小さく、どの階層でも同様の割合を支出しているのが分かる。

支出項目別の構成比の推移をみると、生活必需品としての食費の割合は大きく変わっていない一方、衣類・履物、家庭用品・サービス、医療・健康関連、教育の構成比が減っている。日々の生活における厳しさが続いているとみられる中で、ほとんど全ての階層で支出構成比が拡大しているのは、外食、交通・輸送手段、個人用品・美容である。これらの分野は、中長期的にみても支出が拡大する傾向にあるとみることができるが、外食は共働きが増えたことなどによる生活習慣の変化、交通・輸送手段は2017年以降、ガソリンに対する補助金が大幅に削減されたことによる、燃料価格および公共交通機関の値上げが影響しているとみられる。

表4:所得層別の経常現金支出構成比(上段:2008年,中段:2012年,下段:2018年)(単位:%)
現金支出項目 全世帯 所得階層
平均 I II III IV V VI VII VIII IX X
(↓)食品・飲料・たばこ 27.1 48.1 42.8 39.1 37.0 35.0 33.3 30.7 27.1 22.8 15.1
26.4 46.4 43.5 40.8 39.1 35.2 32.5 30.5 25.5 22.0 14.4
(↓)27.1 (↓)45.2 (↓)41.1 (↓)39.1 (↓)36.5 (↓)34.2 (↓)32.2 (↓)29.8 (↓)26.9 (↑)23.6 (↑)15.4
(↑)外食 6.4 3.5 4.1 4.5 4.9 5.4 5.8 5.8 6.8 7.3 7.6
7.3 5.4 5.6 4.9 6.7 5.9 7.1 6.5 7.8 8.5 8.1
(↑)8.0 (↑)4.6 (↑)5.7 (↑)5.8 (↑)6.2 (↑)7.0 (↑)6.9 (↑)7.6 (↑)8.2 (↑)8.9 (↑)9.9
(↓)衣類・履物 5.3 4.6 4.5 4.9 4.8 5.0 5.1 5.3 5.5 5.3 5.6
5.1 3.9 4.6 4.7 4.7 5.0 5.0 4.6 5.8 5.1 5.4
(↓)4.5 (↓)3.6 (↓)3.7 (↓)3.8 (↓)3.9 (↓)4.2 (↓)4.3 (↓)4.5 (↓)4.7 (↓)4.7 (↓)4.9
(↓)住宅関連・光熱費 10.0 10.8 11.8 11.8 11.7 11.4 10.8 10.1 10.2 9.4 8.5
8.9 10.2 10.2 10.7 10.1 9.5 10.1 8.8 8.2 8.5 7.9
(↓)9.5 (↓)10.2 (↓)10.9 (↓)10.8 (↓)11.1 (↓)10.3 (↓)10.2 (↓)9.6 (↓)9.1 (↓)9.0 (↓)8.5
(↓)家庭用品・サービス 6.0 6.3 5.8 5.2 5.4 5.3 5.2 5.1 5.2 5.6 7.6
6.1 5.8 5.7 5.5 5.4 5.1 5.1 5.4 5.0 6.1 7.4
(↓)5.9 (↑)6.6 (↑)6.0 (↑)5.6 (↑)5.5 (↓)5.2 (↓)5.1 (↑)5.1 (↑)5.3 (↓)5.6 (↓)7.1
(↓)医療・健康関連 3.1 2.6 2.8 2.6 2.7 2.4 2.4 2.7 2.8 3.0 4.1
2.5 1.9 2.3 2.2 1.8 2.3 3.1 2.9 2.2 2.0 2.9
(↓)2.6 (↑)2.6 (↓)2.6 (↓)2.2 (↓)2.2 (↑)2.4 (↓)2.1 (↓)2.3 (↓)2.4 (↓)2.9 (↓)3.1
(↑)交通・輸送手段 13.7 9.0 10.2 11.3 11.6 11.9 13.6 13.6 14.0 14.6 15.4
13.5 7.7 9.4 10.6 10.6 12.2 12.8 12.9 13.2 17.2 14.7
(↑)15.5 (↑)9.9 (↑)11.1 (↑)11.9 (↑)12.8 (↑)13.9 (↑)14.8 (↑)15.6 (↑)16.5 (↑)17.0 (↑)17.6
(↓)通信 4.7 2.0 2.3 3.0 3.8 3.8 4.5 4.8 5.3 5.9 5.4
5.0 2.0 2.9 3.2 3.7 4.4 5.0 5.2 6.2 6.2 5.0
(↓)4.5 (↑)2.3 (↑)2.8 (↑)3.4 (↑)3.8 (↑)4.1 (↓)4.4 (↑)4.8 (↓)4.9 (↓)5.2 (↓)4.7
(↓)教育 9.5 4.4 5.7 7.3 7.4 8.5 7.7 8.9 9.3 9.9 12.3
9.4 3.9 6.1 6.1 6.6 7.9 7.0 9.5 11.0 7.7 12.9
(↓)8.6 (↓)4.3 (↓)5.4 (↓)6.3 (↓)6.8 (↓)7.4 (↑)8.1 (↓)8.2 (↓)8.5 (↓)8.7 (↓)11.0
(↓)娯楽・旅行 4.0 0.6 1.1 1.5 1.7 1.8 2.4 3.1 3.6 4.9 6.8
4.4 1.3 1.1 2.0 2.0 2.5 2.7 3.4 4.5 4.7 7.0
(↓)3.5 (↑)1.4 (↑)1.7 (↑)1.9 (↑)2.0 (↑)2.1 (↑)2.4 (↓)2.5 (↓)3.2 (↓)3.7 (↓)5.9
(↑)個人用品・美容 5.6 6.4 6.6 6.6 6.7 6.2 6.0 5.9 5.9 5.5 4.7
5.8 5.9 6.4 6.6 6.5 6.2 6.2 6.2 6.2 5.6 4.8
(↑)5.9 (↑)6.6 (↑)6.8 (↑)6.6 (↓)6.4 (↑)6.3 (↑)6.2 (↑)6.2 (↑)6.1 (↑)5.9 (↑)5.0
(↓)移転支出・その他 4.4 1.5 2.1 2.0 2.0 3.1 2.9 3.6 3.8 5.5 6.7
5.5 5.3 2.1 2.3 2.4 3.5 3.1 3.8 4.1 5.9 9.0
(↓)4.3 (↑)2.4 (↓)2.1 (↑)2.5 (↑)2.5 (↓)2.7 (↑)3.1 (↓)3.5 (↑)4.0 (↓)4.7 (↑)6.8
現金支出合計 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0

注:(↑)は2008年と比較して構成比が上昇した項目、(↓)は反対に低下した項目。
出所:INEGI,ENIGHの2008年,2012年,2018年版からジェトロ作成

なお、通信費の支出構成比は、低所得層において拡大、高所得層において縮小と対照的だ。この背景には、近年の機能を抑えた廉価なスマートフォンの登場と普及により、低所得層までスマホが普及し、低所得層のデータ通信支出が拡大していること、高所得層については2014年に実現した通信市場改革による競争の促進(2015年2月23日付ビジネス短信参照)により、高所得層が多く契約するポストペイドの料金体系において、値下げが行われたことが影響していると思われる。

南北の所得格差が大きい

州別の世帯平均所得をみると、メキシコで最も世帯平均所得が高いのは首都メキシコ市で月額換算2万6,362ペソ(約15万1,300円)、有力財閥の本拠地であり有数の工業都市でもあるモンテレイがある北東部ヌエボレオン州が2位、ロス・カボスという有数のリゾート地があり観光が盛んな南バハカリフォルニア州、中央高原バヒオ地区のケレタロ州、メキシコ第2の都市グアダラハラ市があるハリスコ州と続く。メキシコでは、総じて工業州である北部諸州の所得水準が高く、農業州である南部諸州の所得水準が低い。近年は、中央高原バヒオ地区への自動車産業を中心とする企業進出が相次いでいるため、ケレタロ州やアグアスカリエンテス州などの所得水準も高くなっている。他方、最も所得水準の低い州はグアテマラと国境を接している南部チアパス州であり、世帯平均所得は月額換算で8,837ペソ(約5万7,200円)、首都メキシコ市の3分の1に過ぎない。下位3州は、チアパス州に続いてゲレロ州、オアハカ州で、いずれも南部の州である。

州別の世帯平均現金支出額をみると、支出額が最も多いのは首都メキシコ市であり、ヌエボレオン州、ハリスコ州、バハカリフォルニア州と続く。各州における所得水準に加え、物価の水準や商業施設、娯楽・サービス施設などの数(消費の選択肢の多さ)が影響しているものと思われる。最も支出額が小さいのはチアパス州であり、オアハカ州やゲレロ州と続く。世帯平均所得と同様、南部諸州において支出額も小さくなっている。現金収入に占める現金支出額をみると、全国平均は64.3%だが、物価が総じて高い割には全体の所得水準が低いメキシコ州では71.9%に達している。貧しい世帯の多いチアパス州やゲレロ州の比率も7割を超えており、生活の厳しさがうかがえる。反対に、所得水準が総じて高い割には物価がそれほど高くない南バハカリフォルニア州、ソノラ州、チワワ州では50%台の水準となっている。

表5:主要州別の所得階層別世帯平均現金収入・支出額(2018年,月額)

(単位:2018年価格ペソ,%)

平均現金収入額
平均収入
メキシコ市 26,362
ヌエボレオン 22,986
南バハカリフォルニア 22,926
ケレタロ 20,446
ハリスコ 20,180
ソノラ 19,961
アグアスカリエンテス 19,782
バハカリフォルニア 19,726
キンタナロー 18,904
コアウイラ 18,642
シナロア 18,491
チワワ 18,010
コリマ 17,589
ユカタン 16,626
全国平均 16,537
タマウリパス 16,383
ナヤリ 16,049
メキシコ州 16,004
カンペチェ 15,900
サンルイスポトシ 15,499
グアナファト 15,381
ドゥランゴ 14,549
モレロス 14,324
ミチョアカン 14,218
トラスカラ 13,434
タバスコ 13,150
プエブラ 12,992
イダルゴ 12,928
サカテカス 12,652
ベラクルス 10,815
オアハカ 10,531
ゲレロ 9,778
チアパス 8,837
平均支出額
平均支出 支出/収入
メキシコ市 15,552 59.0
ヌエボレオン 13,663 59.4
ハリスコ 13,216 65.5
バハカリフォルニア 12,846 65.1
南バハカリフォルニア 12,685 55.3
キンタナロー 12,546 66.4
ケレタロ 12,468 61.0
アグアスカリエンテス 12,057 60.9
メキシコ州 11,502 71.9
ソノラ 11,501 57.6
コアウイラ 11,175 59.9
コリマ 10,960 62.3
シナロア 10,881 58.8
全国平均 10,638 64.3
ユカタン 10,627 63.9
ミチョアカン 10,305 72.5
カンペチェ 10,185 64.1
ナヤリ 10,086 62.8
サンルイスポトシ 9,946 64.2
モレロス 9,810 68.5
チワワ 9,761 54.2
ドゥランゴ 9,728 66.9
グアナファト 9,658 62.8
タマウリパス 9,289 56.7
トラスカラ 9,220 68.6
プエブラ 9,101 70.1
サカテカス 8,814 69.7
タバスコ 8,026 61.0
イダルゴ 7,987 61.8
ベラクルス 7,736 71.5
ゲレロ 7,289 74.5
オアハカ 6,659 63.2
チアパス 6,329 71.6

注:平均所得は四半期額を3で除して月額に換算した。
2018年の期中平均為替レートは1ドル=19.24ペソ、1ペソ=5.74円。
出所:国立統計地理情報院(INEGI)「ENIGH2018」からジェトロ作成

自動車の世帯普及率は45%で横ばい

INEGIの家計調査では、世帯における自動車、電化製品、生活関連サービスなどの所有・利用状況も調査している。調査結果データベースから主要な財・サービスの普及率を計算したところ、自動車の普及率(乗用車、SUV・バン、ピックアップのうち、いずれかを所有する世帯の比率)はリーマン・ショック後に落ち込み、2010年には39.7%まで下がったが、その後は回復傾向にあり、2016年には45.0%まで拡大、2018年は2016年と同水準である。うち、乗用車の普及率は28.8%と上昇傾向が続いているが、ピックアップトラックの普及率は減少している。近年の都市部におけるスマホアプリを活用した宅配サービスの普及に伴い、同サービスに従事する個人事業者が増えたため、オートバイの世帯普及率が過去10年間で5%ポイント強も上昇している。

表6:自動車・電化製品・サービスなどの世帯普及率の推移(単位:%)
商品・サービス 2008年 2010年 2012年 2014年 2016年 2018年
テレビ 93.1 92.0 92.3 93.2 93.6 92.1
ミキサー 82.9 81.7 84.3 86.1 87.5 88.0
冷蔵庫 82.8 81.0 81.8 84.7 85.7 86.2
携帯電話 56.9 63.7 74.0 76.7 83.1 84.9
アイロン 84.0 79.8 79.7 79.2 78.1 75.9
洗濯機 53.2 62.0 63.8 65.6 67.6 67.8
自動車(注) 43.6 39.7 41.1 42.1 45.0 45.0
階層レベル2の項目乗用車 N.A. 26.0 27.1 27.1 28.2 28.8
階層レベル2の項目バン・SUV N.A. 9.9 11.2 12.3 11.8 11.5
階層レベル2の項目ピックアップ N.A. 9.4 12.6 10.6 8.7 8.4
有料テレビ放送 25.1 28.3 33.5 36.4 48.7 44.1
電子レンジ 43.5 41.1 43.2 44.6 44.3 43.5
オーディオ機器 83.0 74.3 70.0 65.8 39.5 36.6
DVD/BDプレーヤー 55.8 50.0 48.8 43.4 37.9 29.8
インターネット 14.5 19.2 24.4 27.9 29.7 34.3
固定電話 46.4 41.4 40.3 37.3 29.4 27.8
パソコン 23.8 25.9 30.1 29.9 29.0 27.2
クレジットカード 19.4 N.A. 21.9 25.8 24.8 24.0
プリンタ 16.3 14.6 14.2 13.4 13.0 12.3
ビデオゲーム機 12.6 9.3 10.6 11.4 10.5 10.5
電気掃除機 8.4 7.1 6.0 7.0 7.9 7.6
オートバイ 3.9 4.3 5.6 7.0 6.9 9.0

注:乗用車、バン・SUV、ピックアップのうちいずれかを所有している世帯の比率。
出所:INEGI 「全国家計調査(ENIGH)」データからジェトロ作成

AV機器の普及率でみると、カラーテレビが92.1%、オーディオ機器は36.6%、DVDプレーヤーは29.8%である。スマホの普及により、メキシコでも携帯電話で音楽や動画を視聴する習慣が拡大しているため、オーディオ機器やDVDプレーヤーの普及率は低下傾向にある。順調に普及率が拡大しているのは、携帯電話、インターネットなどの通信サービスである。パソコンの世帯普及率は2008年時点で23.8%にとどまっていたが、2012年には30.1%まで拡大し、それ以降はスマホなどの普及により減少傾向となっている。インターネット普及率は2018年時点で34.3%と3分の1以上の世帯に普及するようになった。冷蔵庫や洗濯機の普及は緩やかながら拡大を続けているが、電気掃除機の普及は進んでいない。カーペットの床が少ないことと、富裕層はメイドなどに掃除を行わせる習慣があるため、電気掃除機の利便性を求める消費者が少ないことが影響していると思われる。

執筆者紹介
ジェトロ・メキシコ事務所 次長
中畑 貴雄(なかはた たかお)
1998年、ジェトロ入構。貿易開発部(1998~2002年)、海外調査部中南米課(2002~2006年)、ジェトロ・メキシコ事務所(2006~2012年)、海外調査部米州課(2012~2018年)を経て2018年3月から現職。単著『メキシコ経済の基礎知識』、共著『FTAガイドブック2014』、共著『世界の医療機器市場』など。

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