備考

最終更新日:2025年09月17日

備考

ニュージーランドの人口は約531万人で、市場は小さい。しかし、外国企業に対する規制が少なく、生活環境も良い。

ビジネス上の留意点

業種による認可

業種によっては、事業の性質に応じて、地方自治体や関連当局からの投資認可が必要な場合がある。
不動産開発事業の場合、一般的に開発許可(Resource Consent)を地方自治体から取得すれば、土地開発が可能。自治体側は、主に環境保護、地域住民の健康、経済的メリット、ゾーニング等の観点で判断を下す。

その他

一般的な問題点・留意点は次のとおり。

  1. 国内市場は小さく(人口約531万人、2024年12月31日時点の推定値)、労働人口も少なく(約431万人、2024年6月30日時点の推定値)、失業率は5.2%(2025年6月時点)。賃金は他国と比較して高水準であり、週当たりの平均収入(残業代を含むフルタイム換算の従業員の場合)は1,666NZドル(2025年3月時点)。
    ビジネスは比較的小規模で、家族経営も多い。
    ビジネス上の役職名で人を呼ぶことはほとんどなく、他国と比べ服装はカジュアルな傾向があり、定期的に同僚との社交を行う。
  2. 優秀な人材(例:医師)はオーストラリアや英国などの国外に出るケースが多い。ただし、国内の各都市は調査機関による住みやすい都市ランキングなどで上位入りすることが多く、家族を育てるため、帰国するニュージーランド人も多い。
    国内全域で良好なインフラ基盤が整備され、政府と民間の投資による高速インターネット通信の推進により、通信ネットワークが改善された。また、送電、公共交通機関や道路の改善にも投資されている。
    2015年に策定された「ニュージーランド・30カ年インフラ整備計画」では、ニュージーランド政府は2025年までの10年間でインフラ整備に1,100億NZドル以上を費やすと見込んでいた。その後、最新の2025/2026年度予算案では、年間67億NZドルの新規資金を経済成長促進・公共サービスの向上・インフラ整備に投じる方針を発表した。インフラ整備に関しては、医療に10億NZドル以上、教育に7億NZドル以上、交通に4.6億NZドル以上の支出が予定されている。
  3. 地元企業は規模が小さいため、供給能力が低く、十分な物品を調達できないこともある。特に工業製品(農業、園芸、林業に使用される工業製品以外)は、製品・部品を海外から調達することが多い。
  4. 日本と比べると、ニュージーランドは個人主義の傾向が強いため、雇用の際には契約書が必要とされ、能力主義が一般的である。
  5. ワイタンギ条約に基づき、マオリ族の優先的な土地所有権や管理権が認められており、土地への投資に関する許可取得までに、相当の労力と時間を要する場合がある。
    また、環境保護の観点から、一部のインフラ投資は資源管理法(Resource Management Act)の規制を受けることもある。
健康住宅基準(Healthy Homes Standard

健康住宅保証法(Healthy Homes Guarantee Act)により、2019年7月1日以降の新賃貸契約に関し、住居が適切に断熱されている、もしくは住宅を暖かく湿気から守るための暖房設備が含まれていることを保証する必要がある。当初、2024年7月1日までにすべての賃貸住宅が新基準を満たさなければならないとされていたが、1年延長され、2025年7月1日までとなっている。

ガソリン価格の上昇

2019年の通商委員会(Commerce Commission)の報告書によると、税抜きガソリン価格が現在OECD諸国で最も高い国の1つとなっている。2025年3月13日時点のオクタン価91/95無鉛ガソリンに対する税金は1リットル当たり77.404セント(GST別)(オークランド地域にて販売されているガソリンに適用されていた追加の地域自動車燃料税は2024年6月30日付で廃止された)。