牛肉の輸入規制、輸入手続き
品目の定義
本ページで定義する牛肉のHSコード
- 0201:
- 牛肉(生鮮のものおよび冷蔵したものに限る)
- 0202:
- 牛肉(冷凍したものに限る)
具体的な製品の内容により規則が異なる場合があるため、詳細は必ず確認してください。
関連リンク
米国の輸入規制
1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)
調査時点:2025年9月
2014年3月4日に米国農務省(USDA)の動植物検査局(APHIS)が「BSE包括的規則」を施行したことで、骨なし牛肉の米国への輸入は牛海綿状脳症(BSE)を理由に制限されることがなくなりました。日本からの牛肉の輸入は骨なし肉に加え、骨つき肉、内臓のも認められています。具体的には、枝肉(二分割または四分割した枝肉)、カット、食用内臓(※)、その他の未加工生肉、およびプライマル・サブプライマル(※※)に該当する製品が日本から米国に輸入が可能です。
(※)頬肉(Cheek Meat)、頭肉(Head Meat)、心臓(Heart Meat)および食道(Weasand Meat)を除く可食臓器
(※※)牛肉のと畜後、まずはプライマルカットに分割され、さらにそれを部分肉にカットしたものをサブプライマルカットと呼びます。
米国政府は、牛肉の輸入に際し、米国の食品安全基準やラベル規制などに準拠していること、米国側でのサンプル検査などを課しています。準拠していないと判断されると出荷物が拘留されるため注意が必要です。
2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)
調査時点:2025年9月
米国向け牛肉輸出では、食品安全検査局(FSIS)が認定する日本国内施設で生産された製品のみ輸出が認められています。そのため、対象となる製品が米国農務省(USDA)の「米国向け食肉輸出が認められた国および各国の食肉取扱施設リスト」や農林水産省の「アメリカ合衆国向け輸出食肉取扱施設リスト」に含まれる施設で処理されたものでなければなりません。農林水産省のリストは、関連リンクの「北米|証明書や施設認定の申請」に掲載されています。
新たに対米輸出食肉を取り扱うと畜場や食肉処理場としての認定を受けるには、関連リンク「アメリカ合衆国向け輸出食肉の取扱要綱」に記載の食肉衛生関係および家畜衛生関係の要件を満たす必要があります。
また、新規施設認定の申請に際しては、と畜場ならびに食肉処理場の設置者が、と畜場などを管轄する食肉衛生検査所長および都道府県知事などを経由して申請書とその他の必要資料を厚生労働省宛てに提出し、あわせて、当該申請書類の副本を当該と畜場の所在する地域を管轄する地方厚生局宛てに提出します。
必要書類は次のとおりです。
- 施設の構造・設備に関する書類(施設・設備の図面など)
- 衛生管理などに関する書類
- 施設・設備の衛生管理マニュアル(就業後清掃・始業前点検プログラムを含むもの)
- 給水・給湯の管理マニュアル
- 排水処理マニュアル
- 廃棄物処理マニュアル
- ねずみ・昆虫防除マニュアル
- 消毒剤などの管理マニュアル
- と畜・解体処理作業マニュアル(と畜場の場合)、分割・細切処理作業マニュアル(食肉処理場の場合)
- 動物福祉に関する書類(と畜場のみ)
- その他参考資料(当該施設におけると畜・解体処理能力および3カ年の実績、処理する獣畜の生産地についての過去3カ年の実績および今後3カ年の計画)
- HACCPなどに関する資料
「加工場および製品が米国基準に合致すると認定されるための審査」と「検疫証明」に関する申請過程は、厚生労働省の規定に基づいて進められ、厚生労働省が書類審査および輸出食肉検査担当官による現地調査を実施し、要件を満たしていると判断した場合、担当地方自治体を通じて、申請者に対して審査合格についての通知をするとともに、FSIS向けに施設認定通知を送付します。
認定手続きの詳細は、農林水産省のウェブサイト「北米|証明書や施設認定の申請」から「アメリカ合衆国向け輸出食肉の取扱要綱」を参照してください。
なお、連邦規則集第9巻第94.27条(9CFR Part94.27)では、食肉処理解体前の圧搾空気注入気絶法ならびに食肉処理解体時の脊髄破壊法(ピッシング)を使用してと畜した牛肉の輸入を禁じています。
関連リンク
- 関係省庁
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米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS) (英語)
-
米国農務省動植物検疫検査局(USDA APHIS) (英語)
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厚生労働省
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農林水産省
- 根拠法等
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連邦食用獣肉検査法(英語)
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第9巻第94.11条(9CFR Part94.11)「特定地域からの肉およびその他の動物製品の輸入制限」(英語)
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第9巻第94.18条(9CFR Part94.18)「牛海綿状脳症(BSE):牛由来の食用製品の輸入」(英語)
-
第9巻第94.19条(9CFR Part94.19)「BSEのリスクが無視できる地域からの牛由来の肉、肉副産物、肉食品の輸入」(英語)
-
第9巻第92条~第96条、第98条(9CFR Part92-96, 98)「牛海綿状脳症(BSE):牛および牛製品の輸入」 (英語)
(357KB)
-
第9巻第327.2条(9CFR Part327.2)「畜産および畜産物 米国に製品を輸入する外国の資格」 (英語)
-
第9巻第94.27条(9CFR Part94.27)「日本からの骨なし牛肉の塊肉の輸入」(英語)
(181 KB)
- その他参考情報
-
肉・鶏肉・卵製品の輸入に関する情報 (英語)
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肉・鶏肉・卵製品の輸入ガイダンス(英語)
(835KB)
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日本からの牛肉の輸入要件に関する情報(英語)
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米国向け食肉輸出が認められた国および各国の食肉取扱施設リスト(英語)

(「認定外国施設”Eligible Foreign Establishments”」内”Japan”を参照。日本は2023年5月22日時点) -
食品安全検査局(FSIS)輸入再検査(FSIS Import Reinspection)(英語)
-
北米|証明書や施設認定の申請
-
アメリカ合衆国向け輸出食肉の取扱要綱
(865KB)
-
偶蹄類の畜産物の輸出(動物検疫所)
-
米国向け日本産牛肉の輸出に関するレポート 2023年4月
(1.5MB)
- バイオテロ法に関する情報(食品関連施設の登録、輸入時の事前通知等)
-
2024年度 米国の食品安全・輸入関連制度の解説(2025年2月)
(2.5MB)
3. 動植物検疫の有無
調査時点:2025年9月
日本から輸入される牛肉は、連邦規則集第9巻第94.11条(9CFR Part94.11)に規定されている口蹄疫(FMD)要件と、連邦規則集第9巻第94.18条(9CFR Part94.18)または連邦規則集第9巻第94.19条(9CFR Part94.19)に規定されている牛海綿状脳症(BSE)要件の対象となり、輸出検疫証明書が求められます。従って動物検疫所による輸出検査が必要になります。
日本から牛肉を輸出するためには、まず食肉衛生証明書を取得してから、動物検疫所による輸出検査を受けて輸出検疫証明書を得ることが必要です。
食肉衛生証明書を取得するためには、認定と畜場などを管轄する食肉衛生検査所などへ検査申請書を提出します。食肉衛生証明書の取得にあたって必要な申請事項は次のとおりです。
- と畜しようとする年月日
- と体番号
- 性別、品種、月齢、出生の年月日
- 特徴
- 産地
- 個体識別番号
- 生産者氏名録
- 販売先住所・氏名
- と畜場および食肉処理施設名称
- 仕向け地
- 積み荷番号
検査に合格した牛肉に対して、厚生労働省より、当該牛肉の輸出時に必要となる食肉衛生証明書が発行されます。当該証明書は、動物検疫所による輸出検査を受けて農林水産省により輸出検疫証明書の発行を受ける際に必要となります。
輸出検疫証明書の取得にあたっては、輸出検査申請書を動物検疫所へ、もしくはNACCS(輸出入・港湾関連情報処理システム)を通じて申請する必要があります。
なお、食肉衛生証明書については、2025年4月1日以降、申請1件あたり870円の発行手数料の納付が必要になりました。
輸出国の動物にかかわる病気の状況や制限に関する情報および質問については動植物検査局(APHIS)の次の部署にお問い合わせください。
USDA APHIS
Veterinary Services, Strategy and Policy, Animal Product Import and Export (APIE)
4700 River Road, Unit 40
Riverdale, MD 20737
電話:(301)851-3300
Eメール:APIE@USDA.GOV
米国の食品関連の規制
1. 食品規格
調査時点:2025年9月
牛肉の規格は明確に定められていません。なお、米国の牛肉の格付けは、米国農務省(USDA)が行っています。
関連リンク
- 関係省庁
-
米国農務省(USDA)(英語)
- その他参考情報
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牛肉の格付けに関する情報(英語)
2. 残留農薬および動物用医薬品
調査時点:2025年9月
残留農薬に関する規制は該当しませんが、残留動物用医薬品規制の対象になります。
牛肉の残留抗生物質の許容値については、米国食品医薬品局(FDA)が制定しており、USDA食品安全検査局(FSIS)は、FDAが制定する、畜肉、家きん肉、卵製品に区分した残留許容値を各業者が順守するよう強化・監視します。
2022年12月にFDAは、業界向けガイダンス「ヒトの健康が懸念される細菌に対する微生物学的影響に関する動物用新規抗生物質医薬品の安全性の評価」の改正案を公表しており、パブリックコメントを経て最終化される予定です。当該ガイダンスに記載のリスク評価アプローチは、食品生産動物におけるすべての抗生物質動物用新規医薬品に対して提出された申請の評価に推奨されます。次に説明する3つの申請者は、リスク評価アプローチが自社の申請に適しているかどうかを判断するためにFDAに相談されることをお勧めします。ガイダンスには法的な強制力はないと書かれていますが、抗生物質は特に重要なトピックになっている事もあるため、該当する医薬品を取り扱う場合にはFDAの提案しているフォームに従って申請する事によりFDAの考え方をよく理解しておく必要があります。
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特定の追加の動物用新規医薬品申請(NADA:New Animal Drug Applications)
微生物の食品安全情報は、通常、カテゴリーIの補足NADAには必要ありません〔21 CFR 514.106(b)(1)〕。ただし、特定のカテゴリーII 補足NADAについては情報が必要な場合があります〔21 CFR 514.106(b)(2)〕。これらの補足では、親申請の特定の安全性または有効性データの再評価が必要になる場合があります。 -
抗菌薬の組み合わせに対するNADA
微生物の食品安全性情報は、通常、同法のセクション 512(d)に定義されている抗菌薬の組み合わせには必要ありません〔21 U.S. C. 360b(d)〕。微生物の食品の安全性は、通常、組み合わせを構成する個々の抗菌薬に対するNADAの一部として扱われます。ただし、特定の種類の抗菌薬の組み合わせについては情報またはデータが要求される場合があります。 -
短縮された(一般的な)NADA
微生物の食品安全性情報は、承認された抗菌性の動物用新規医薬品およびその組み合わせのジェネリックコピーについてFD&C法第512条(b)(2)に基づいて提出される動物用医薬品の短縮された申請(ANADA)には必要ありません。
また、日本と米国の相違の一例に、フルオロキノロンの使用が挙げられます。日本では抗菌剤の慎重使用として「フルオロキノロンなどの第二次選択薬は、第一次選択薬が無効の場合にのみ使用」できますが、FDAはラベル表示外薬品使用ELDU(Extra label Drug Use:承認済み表示に掲載されていない目的・方法における薬品の使用)規定で、フルオロキノロンの使用を禁止しています。
肥育用ホルモン剤については、FDAが製造・販売を承認し、適正な使用方法と食肉への残留基準を設定しています。詳細については、ホルモン剤の使用方法や禁止事項について規定している連邦規則集第21巻522「動物用新規医薬品の注入・投薬形態」を参照してください。
関連リンク
- 関係省庁
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米国食品医薬品局(FDA) (英語)
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米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS)(英語)
- 根拠法等
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第21巻第522条(21CFR Part522)「動物用新規医薬品の注入・投薬形態」 (英語)
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第21巻第510条~第558条(21CFR Part510-558)「動物用の医薬品、餌、および関連製品に関する規定」(英語)
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第21巻第342条「食品の不良」 (英語)
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第21巻第360b条(21U.S.C.360b)「動物用、および動物の餌用の医薬品」(英語)
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「動物用医薬品使用明確化法令」Animal Medicinal Drug Use Clarification Act of 1994 (AMDUCA) (英語)
- その他参考情報
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抗菌剤の耐性について(英語)
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動物用抗菌薬の安全性評価に関するガイダンス改訂の提案(英語)
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承認済み動物医薬品(水産向けを含む)データベース(英語)
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動物用新規医薬品申請ガイドライン(英語)
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ラベル表示外使用(Extralabel Use)と抗菌剤(英語)
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動物用抗菌性物質製剤のリスク管理措置
3. 重金属および汚染物質
調査時点:2025年9月
食品に含まれる有毒および有害な物質の許容量は、食品医薬品化粧品(FD&C)法第406条に基づく規則で定められています。現在、FDAが規則で食品に関して暫定残留許容濃度を定めている物質は、ポリ塩化ビフェニル類(PCB類)のみで〔連邦規則集第21条第109.30条(21CFR Part 109.30)〕、紙製の食品包装材のPCBの残留物に対する暫定的な許容量は10ppmとなっています。一方で、ヒ素および有害重金属などの汚染に関する規制については、総括的な法的水準は決められていないのが現状です。それぞれの有毒・有害物質が長期的に健康に与える影響は不明確とし、有害な物質の含有は避けることが望ましいとされています。
1.有毒・有害物質の欠陥対策レベル
FDAは、有毒・有害物質に関する欠陥対策レベルをガイダンス「ヒト向け食品および動物飼料に含まれる有毒・有害物質に関する対策レベル」として2000年に発行しています。同ガイダンスでは、19種類の有毒・有害物質について、食品と飼料の品目別に対策レベルの値(ppmなど)が設定されています。
なお、このガイダンスには規則のような法的拘束力はありませんが、FDAが法的措置を発動するかどうかを決定する際の基準と位置付けられています。従って、有毒・有害物質の含有量が欠陥対策レベルを下回っている必要があります。
2.トータルダイエットスタディに基づく参考指標
米国では、1991年からさまざまな食品に含まれる物質(ヒ素および有害重金属などを含む)のトータルダイエットスタディ(Total Diet Study:TDS)が実施されており、FDAのウェブサイト上で結果が公開されています。これは法的に設定された許容量や基準値ではありませんが、米国で消費されているさまざまな食品中におけるヒ素や有害重金属などの含有量について、最小値、最大値、平均値などを知ることができるため、参考指標として有効利用することができます。
公表されている直近のデータは2018年から2020年に実施されたサンプリングによるもので、次のような結果となっています。ここでは例として、加熱済み牛ひき肉、およびオーブン調理済み牛ステーキ(ロース/サーロイン)について取り上げます。
| 名称 | 最小値 | 最大値 | 平均値 |
|---|---|---|---|
| ヒ素 | 検出なし | 8.5 | 4.1 |
| カドミウム | 検出なし | 検出なし | N/A |
| 銅 | 580 | 910 | 760 |
| 鉛 | 検出なし | 検出なし | N/A |
| マンガン | 検出なし | 170 | 27 |
| 亜鉛 | 48,000 | 78,000 | 56,444 |
| 名称 | 最小値 | 最大値 | 平均値 |
|---|---|---|---|
| ヒ素 | 検出なし | 21 | 5.6 |
| カドミウム | 検出なし | 検出なし | N/A |
| 銅 | 560 | 1,400 | 896 |
| 鉛 | 検出なし | 検出なし | N/A |
| マンガン | 検出なし | 140 | 26 |
| 亜鉛 | 46,000 | 78,000 | 61,037 |
3.その他
米国では連邦レベルより州レベルでさらに厳しい規制を設けている場合があるため、詳しくは、州、地方自治体のウェブサイトで確認してください。
一般的に、カリフォルニア州は、全米で最も食品に対する規制が厳しいとされています。具体的には、カリフォルニア州法プロポジション65(安全飲料水および有害物質施行法:Prop.65)の警告表示にかかわる改正で、2018年8月30日以降は、警告文に有害物質名を表示し、その物質を’含む’ではなく、’有害物質にさらされる’という表現にしています。インターネットでの販売にも該当する製品には警告文の表示をすることが義務付けられました。そして、2024年12月6日には、短縮形警告要件を最終決定し、次の例のように、警告文に少なくとも1つの化学物質名を含めることを義務付けました。施行日は2025年1月1日で、従来の短縮形警告表示を使用している事業者に対しては、新しい短縮形警告への移行期間として3年間の猶予が与えられています。なお、短縮形警告ではない、通常の警告表示については、変更点は特にありません。
例:”[the warning symbol] WARNING: Cancer risk from exposure to [name of chemical]. See www.P65Warnings.ca.gov”
”[警告記号] 警告: [化学物質名]への暴露により発がんリスク。www.P65Warnings.ca.govを参照してください”
さらに、オンラインやカタログを通じて製品を販売する事業者に対する警告要件についても明確化され、インターネットでの販売については、要件を満たす警告を記載し、次のいずれかの方法を用いて警告を提示するようになりました。
- 製品表示ページに警告文を記載
- 製品表示ページ上に「Warning」または「CA Warning」もしくは「California warning」という単語を用いて警告文に繋がるハイパーリンクを明示
- 購入者が購入を完了する前に、警告文をその他の方法で目立つように表示
なお、製品に関する消費者への情報が英語以外の言語で含まれている場合、Prop.65の警告は、英語に加えて、その言語でも記載することが必要です。
Prop.65の有害物質リストは1,000種類以上におよび、年に2~3回はリストの内容が更新されます。例えば、ビスフェノールS(BPS)は、2023年に女性の生殖毒性に関するProp.65のリストに追加され、2025年1月には男性の生殖毒性に関するProp.65のリストに追加されました。また、酢酸ビニルは、2025年1月に発がん性物質としてProp.65のリストに追加され、2026年1月から警告義務が発効します。確認の際には必ず直近のリストを参照してください。
関連リンク
- 関係省庁
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米国食品医薬品局(FDA)(英語)
-
米国カリフォルニア州環境保護庁有害物質管理局(OEHHA)(英語)
- 根拠法等
-
第21巻第109.30条(21CFR Part109.30)「PCB暫定残留許容濃度」 (英語)
- その他参考情報
-
産業界向けガイダンス: ヒト用食品および動物用飼料中の毒物または劇物に関するアクションレベルについて
-
トータルダイエットスタディ(Total Diet Study) 分析結果 (英語)
-
化学物質、金属、自然毒、農薬のガイダンス文書と規制(英語)
-
食品中の環境汚染物質(英語)
-
プロポジション65(安全飲料水および有害物質施行法):Prop. 65 Safe Drinking Water and Toxic Enforcement Act of 1986(英語)
-
Prop65:明確かつ合理的な警告 – セーフハーバーの方法と内容(英語)
-
調理済みまたは加熱加工食品中のリストに掲載された化学物質への曝露に関するセクション25505の規則制定案の採択に関する通知(英語)
-
アクリルアミドを対象としたProp.65訴訟を一時的に禁止する暫定的な差し止め命令発行に関する情報(英語)
- 米国における食品中のヒ素および有害重金属などの規制に関する情報(2016年2月)
-
2024年度 米国の食品安全・輸入関連制度の解説(2025年2月)
(2.5MB)
-
よくある質問:米国カリフォルニア州法プロポジション65(安全飲料水および有害物質施行法)
(554KB)
4. 食品添加物
調査時点:2025年9月
食品に含まれる食品添加物に関する規制は、合衆国法典第21巻第348条(21U.S.C.348)Food Additivesに基づいて行われています。食品添加物の定義は、合衆国法典第21巻第321条(21U.S.C.321)により規定されており、食品への直接または間接に使用が認められている食品添加物やそれにかかわる規則は、連邦規則集第21巻第170条から第189条(21CFR Part170-189)に列挙されています。
使用可能な食品添加物のリストについては、関連リンクの「使用が許可されている着色料一覧」および「食品に添加できる物質(旧EAFUS)」から確認することが可能です。米国において新規の食品添加物を使用する場合には、食品添加物申請(Food Additive Petition:FAP)をFDAに申請し、事前許可を得る、またはGRAS(Generally Recognized As Safe:一般に安全と認められる物質)とFDAが合意する必要があります。
なお、製造/加工、梱包、包装、保管または輸送に用いられる資材を構成している物質であって、食品の性質に技術的な影響を与えないものを食品接触物質と呼び、食品添加物として定義しています。食品接触物質に関する情報は、後述の「5.食品包装」の項を参照してください。
着色料に関する規制は、合衆国法典第21巻第379条(21U.S.C.379)に基づいて行われています。使用することができる着色料は、日本で許可されているものとは異なるため、FDAウェブサイト上の「使用が許可されている着色料一覧(Color Additive Status List)」と「連邦規則集第21巻第70条から第82条(21CFR Part70-82)」を事前に確認してください。
特に、赤色102号については日本をはじめEUやアジアの主要国では着色料として使用が認められていますが、米国では認められていません。また、ベニバナ、ベニコウジも日本では古くから着色料として使用されていますが、米国では使用することはできません。
カリフォルニア州では、発がん性など健康を損なうリスクが大きいとされる4種類の食品添加物を用いた食品製造や使用、販売を禁止するカリフォルニア州食品安全法案418号が2023年10月に成立しました。規制対象となっているのは、臭素化植物油(BVO)、臭素酸カリウム、プロピルパラベン、および赤色3号で、2027年1月1日以降、これらの添加物を含む加工食品をカリフォルニア州で製造、販売(カリフォルニア州への輸入を含む)することが禁止されます。違反した個人や団体は、初回5,000ドル以下、2回目以降は1万ドル以下の罰金が科されます。
2024年7月3日に、FDAは食品へのBVOの使用を許可する規制を撤回する最終規則を定め、2024年8月2日に発効されました。この規則の適用日は発効日から1年後となっています。
2025年1月、FDAは食品への赤色3号の使用許可を取り消しました。食品に赤色3号を使用する製造業者は、2027年1月15日までに製品を調製し直す必要があります。
2025年4月には、保健福祉省とFDAが、米国内の食品供給における石油由来合成着色料の段階的廃止を発表しました。主な具体的措置は次のとおりです。
- 数カ月以内に、シトラスレッドNo.2とオレンジBの2種類について、認可を取り消す手続きを開始する。
- FD&CグリーンNo.3(日本名 緑色3号)、FD&CレッドNo.40(日本名 赤色40号)、FD&CイエローNo.5(日本名 黄色4号)、FD&CイエローNo.6(日本名 黄色5号)、FD&CブルーNo.1(日本名 青色1号)、FD&CブルーNo.2(日本名 青色2号)を2026年末までに食品供給から排除する。
合成着色料の廃止に関連して、2025年5月に、FDAは3種類の天然由来の食品着色料(ガルディエリア、バタフライピー、リン酸カルシウム)を承認しました。さらに、2025年7月にFDAは、GMP(適正製造基準)に適合した量で、天然由来であるクチナシ(ゲニピン)青色着色料を食品に使用することを許可しました。
なお、米国では連邦レベルより州レベルでさらに厳しい規制を設けている場合があるため、詳しくは、州、地方自治体のウェブサイトで確認してください。
関連リンク
- 関係省庁
-
食品医薬品局(FDA)(英語)
- 根拠法等
-
第21巻第321条(21.U.S.C.321)「定義」(英語)
(175KB)
-
第21巻第348条(21.U.S.C.348)「食品添加物」(英語)
(148KB)
-
第21巻第379e条(21.U.S.C.379e)「着色料に関する規定」(英語)
(149KB)
-
第21巻第70条から第82条(21CFR Part70-82)「着色料に関する規定」(英語)
-
第21巻第170条から第189条(21CFR Part170-189)「食品添加物に関する規定」(英語)
-
カリフォルニア州下院法案418 食品安全(AB-418 Food product safety) (英語)
- その他参考情報
-
食品添加物に関する情報(英語)
-
食品添加物申請(FAP)提出フォーム(英語)

(" Petition Guidance"内、"Food Additive Petition Submission"参照。) -
動物向け食品添加物申請に関する情報(英語)
-
一般的に安全と認められている物質(Generally Recognized As Safe:GRAS)通知に関するページ (英語)
-
使用が許可されている着色料一覧(英語)
-
食品に添加できる物質(旧EAFUS)(英語)
-
臭素化植物油(BVO)について(英語)
-
FD&C 赤色3号(英語)

(" Petition Guidance"内、"Food Additive Petition Submission"参照。) -
保健福祉省とFDA、米国内の食品供給における石油由来合成着色料の段階的廃止を発表(英語)
-
FDA、天然由来の食品着色料3種類を承認(英語)
-
FDA、クチナシ(ゲニピン)青色着色料を承認(英語)
- 食品添加物規制調査 米国(2016年3月)
-
2024年度 米国の食品安全・輸入関連制度の解説(2025年2月)
(2.5MB)
5. 食品包装(食品容器の品質または基準)
調査時点:2025年9月
食品の製造、包装、梱包、輸送または保管に用いられる資材を構成している物質であって、食品の性質に技術的な影響を与えないものを食品接触物質(Food Contact Substances:FCS)といいます〔食品医薬品化粧品法第409条(h)(6)、合衆国法典 21U.S.C.348(h)(6)〕。FDAは、食品接触物質を間接添加物(Indirect additive、食品添加物の一種)として定義しています。なお、包装などの資材から構成している成分が溶出し食品に移行するかどうかを確認する責任は、包装資材の製造業者が負うことになります。
食品接触物質は、FDA規則に合致している物質(次の1を参照)ではない場合は、FDAへの食品接触物質通知(次の2を参照)が必要です。
-
食品接触物質の規制の適合確認
次の規則にあてはまらない食品接触物質は、FDAへ食品接触物質通知をしなければなりません。- 間接添加物(連邦規則集第21巻第174条から第179条:21CFR Part174-179)
- GRAS (Generally Recognized As Safe、一般に安全と認められる物質)(連邦規則集第21巻第182条、第184条、第186条:21CFR Part182,184,186)
- 1958年以前に容認されている物質(Prior Sanctioned Material,連邦規則集第21巻第181条:21CFR Part181)
- 規制の適用除外になる物質(Threshold of Regulation Exemption, 連邦規則集第21巻第170.39条:21 CFR Part170.39)
-
FDA への食品接触物質通知(Food Contact Substance Notification)
食品接触物質の製造業者あるいは供給業者は、市販の120日以上前に、その物質の情報を FDAに通知しなければなりません(連邦規則集 第21条第170.100条:21CFR Part170.100)。通知から120日の間にFDAから異議申し出がない場合はその通知が有効となり、食品接触物質の使用が合法となります(連邦規則集 第21条 第170.104条:21CFR Part170.104)。ただし、食品接触物質通知は、申請した製造業者に対して有効となるものであるため、同じ物質であっても申請した製造業者以外の製造業者には、通知の効果は及びません。提出方法および提出先については関連リンクを参照してください。2024年3月、FDAは、食品接触物質通知が無効であるとFDAが判断する方法と時期に関する規則(21CFR170.105および21CFR170.102)を改正する最終規則を発表しました。この最終規則が発表される前は、FDAは安全性への懸念に基づいてのみ、食品接触物質通知がもはや有効ではないと判断することができましたが、今回の改正により、FDAが安全性以外の理由で、食品接触物質通知が無効であると判断できるようになりました。安全性以外の理由とは、例えば製造業者が、その食品接触物質通知の物質を製造、供給、または使用しなくなった場合や、食品接触物質通知の認可がほかの認可と重複した場合(例えば、食品接触物質の使用が食品添加物規制によって既に認可されている場合、または発効された規制免除の閾値の対象である場合など)にFDAは食品接触物質通知が無効であると判断し、宣言することができます。最終規則では、安全性への懸念に基づいて認可を取り消すFDAの権限も、引き続き維持されており、一方、FDAが無効であると判断する前に、企業からFDAに関連情報を提出することも可能です。FDAは規則改訂を通じて食品接触物質の管理プロセスをより効率的にすることが、食品化学物質の安全性を強化するアプローチの一部であるとしています。食品接触物質通知が有効であるかどうかは、FDAの「有効な食品接触物質通知一覧」から確認できます。
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PFAS
PFASとは、ペルフルオロアルキル物質およびポリフルオロアルキル物質と呼ばれる化学物質の部類で、非粘着性、潤滑性、耐油性、耐水性に優れた特性により調理器具、食品包装、および食品加工において使用されています。FDAは食品接触物質として長鎖PFASを2011年に禁止しましたが、短鎖PFASは許可してきました。しかし、FDAは、6:2フルオロテロマーアルコール(6:2 FTOH)を含む短鎖PFASの安全性に関しても懸念し、規制の変更措置を取りはじめています。
2024年2月、FDAは、PFASを含むすべての防油剤の米国での販売を中止すると発表しました。また、2025年1月には、紙および板紙製の食品包装に防油剤として使用されているPFAS含有食品接触物質に関連する35件の食品接触通知(FCN)が無効になることを発表し、2025年1月6日以前に製造、供給、または使用された特定の紙製食品包装については、適用日が2025年6月30日と設定されました。これにより、以前は認可されていた、油や水の漏れを防ぐために紙や板紙の包装に塗布する耐油コーティングに使用される食品接触物質が使用できなくなりました。
また、FDAは、輸入警告#99-48 有害な化学物質(PFASなど)を含む製品の物理的検査なし拘留により、PFASを高い濃度で含む製品の入国を認めていません。
また、FDAの連邦レベルにおける動きだけでなく、ワシントン州、ニューヨーク州、カリフォルニア州などいくつかの州では、食品包装だけでなく、その他のPFASの使用を禁止していますので注意が必要です。
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フタル酸エステル類
FDAは、可塑剤、接着剤、消泡剤、表面潤滑剤、樹脂、および殺ダニ剤として使用される23種類のフタル酸エステルと、ほかの2つの物質の食品接触使用許可を取り消しました。この措置により、これらのフタル酸エステルは、連邦規則集第21巻第175条から第178条(21CFR Part175~178)の規制によって認可された物質のリストから削除され、食品接触用途ではフタル酸エステルの使用は残り9つに制限されます。このうち8つは可塑剤としての使用が許可され、1つはモノマーとしての使用が許可されています。
連邦レベルのFDAのみならず、複数の州において、立法議会でフタル酸エステル類を制限する法案を検討しています。メイン州やバーモント州では、意図的に添加されたフタル酸エステル類を含む食品包装の販売が禁止されているなど注意が必要です。
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食品包装用リサイクルプラスチック
米国では、プラスチックを含む使用済みリサイクル(PCR: post-consumer recycled)材料の使用を増やすことに重点が置かれています。一方で、食品接触物質におけるPCRプラスチック材料の使用に関するFDAの主な安全上の懸念は、次の3点です。
- PCR材料中の汚染物質がPCR材料から作られた最終的な食品接触物質に出現することで食品に移行する可能性があること。
- PCR材料は食品接触用途として規制されていない可能性があること。
- PCRプラスチック中のアジュバント(添加剤・補助物質)は食品接触用途としての規制を順守していない可能性があること。
PCRプラスチックから作られた食品接触物質の製造業者は、未使用の材料と同様に、リサイクルされた材料が意図された用途に適した純度であり、未使用の材料のすべての既存の仕様を満たすことを保証する責任があります。
リサイクルポリマーに新規添加物を使用する場合、あるいは未使用ポリマーに現在許可されている添加量を超えて認可された添加物を使用する場合は、食品接触物質通知(FCN)または食品添加物申請(FAP)が必要です。
FDAは、食品包装材メーカーがPCRプラスチックを食品包装材に使用するための工程を評価する際の参考として「産業界向けガイダンス-食品包装における再生プラスチックの使用:化学上の検討事項(Guidance for Industry - Use of Recycled Plastics in Food Packaging: Chemistry Considerations)」を作成しています。また、FDAは食品接触物質の製造に使用されるPCRプラスチックを製造するための特定のプロセスの適合性に関して肯定的な意見を出した申請のリストを公開しています。
また、カリフォルニア州では2022年6月30日にカリフォルニア州上院法案54「固形廃棄物:報告、包装、プラスチック製食品サービス用器具」(SB54)が成立し、次のとおり、プラスチック削減のために、生産者に使い捨て包装材および使い捨てプラスチック製の食品容器に再生材などの環境負荷の少ない素材を一定の割合以上使用することを義務付けています。
- 2032年1月1日までに、州内で販売される使い捨て包装材および使い捨てプラスチック製食品容器の100%をリサイクル可能または堆肥化可能な製品とする。
- 2032年1月1日までに、州内で使用される使い捨てプラスチック包装材および使い捨て食品容器の65%をリサイクルする。
- 2032年1月1日までに、使い捨てプラスチック包装材および使い捨て食品容器の販売または流通を2023年比で25%削減する。
SB54は2025年4月8日に施行予定でしたが、企業や消費者にとって負担が大きいなどの理由から、米国カリフォルニア州の再生資源局(CalRecycle)はSB54を実施するための規則の修正案を公表し、2025年8月22日から同年10月7日までの間、パブリックコメントを募集しています。
関連リンク
- 関係省庁
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食品医薬品局(FDA)(英語)
- 根拠法等
-
第21巻第170条(21CFR Part170)「食品添加物」(英語)
-
第21巻第174条(21CFR Part174)「間接食品添加物:一般」(英語)
-
第21巻第175条(21CFR175)「間接食品添加物: 接着およびコーティングの成分」(英語)
-
第21巻第176条(21CFR Part176)「間接食品添加物:紙およびボール紙の成分」(英語)
-
第21巻第177条(21CFR Part177)「間接食品添加物:ポリマー」(英語)
-
第21巻第178条(21CFR Part178)「間接食品添加物: 補助剤、生産補助具、殺菌剤」(英語)
-
第21巻第179条(21CFR Part179)「食品の製造、処理、取扱いにおける放射線照射」(英語)
-
第21巻第181条(21CFR Part181)「事前に容認された食品成分」(英語)
-
第21巻第182条(21CFR Part182)「一般的に安全と認識される物質」(英語)
-
第21巻第184条(21CFR Part184)「一般に安全と認識される食品に直接添加される物質」(英語)
-
第21巻第186条(21CFR Part186)「一般に安全と認識される食品に間接的に添加される物質」(英語)
-
カリフォルニア州下院法案793 リサイクル: プラスチック飲料容器(AB-793 Recycling: plastic beverage containers: minimum recycled content) (英語)
-
カリフォルニア州上院法案54 固形廃棄物:報告、包装、プラスチック製食品サービス用器具(SB-54 Solid waste: reporting, packaging, and plastic food service ware) (英語)
- その他参考情報
-
包装および食品接触物質(FCS)(英語)
-
FDA3480の記載要領(英語)
(318 KB)
-
21 CFRに記載されている食品接触物質の一覧(英語)
-
FDA、食品接触物質通知が無効であるとFDAが判断する方法と時期に関する規則を改正する最終規則を発表(英語)
-
有効な食品接触物質 (FCS)通知一覧(英語)
-
PFASについて(英語)
-
食品包装に使用される特定のPFASの、産業界による自主的な段階的削減に関する情報(英語)
-
食品からのPFASへの曝露を理解し削減するためのFDAの継続的な取り組みに関する最新情報(英語)
-
FDA、業界団体が米国の食品包装に使用されるPFASの販売を終了したと発表(英語)
-
FDA、PFASに関連する35件の食品接触通知の認可がもはや有効ではないと決定(英語)
-
食品包装材および食品接触用途のフタル酸エステル類(英語)
-
食品包装におけるリサイクルプラスチック(英語)
-
食品接触物品用の使用済みリサイクル (PCR) プラスチックに関する申請のリスト(英語)
-
再生材料における情報伝達の取扱いについて
(472 KB)
- 食品添加物規制調査 米国(2016年3月)
-
2024年度 米国の食品安全・輸入関連制度の解説(2025年2月)
(2.5MB)
- 食品輸出にかかる食品接触材規則と留意点:米国(貿易・投資相談Q&A)
- 海外向け食品の包装制度調査(EU、TPP、米国、中国、韓国、台湾、インド、タイ、インドネシア、GCC、メルコスール)(2020年3月)
- ビジネス短信「米FDA、PFASに関する食品のサンプル調査結果のアップデートを公表」
- ビジネス短信「米カリフォルニア州、プラスチック削減法の見直しでパブコメの募集を開始」
6. ラベル表示
調査時点:2025年9月
1. 表示の「事前承認」および「一般承認表示」
食品安全検査局(FSIS)は所管する牛肉などについて、それぞれの小売段階での表示内容の必要条件とその基準を定めています。牛肉およびその加工品の販売には、ラベル表示内容について原則として米国農務省(USDA)から事前承認を受ける必要があります。
FSISのラベル表示の「事前承認」を担当しているLPDS(The Labeling and Program Delivery Staff)に、様式FSIS Form 7234-1、ラベルなどの必要書類にカバーレターを添えて郵送、もしくはLSAS(ラベル提出・承認システム:Label Submission and Approval System)を通じてオンラインで承認申請手続きを行います。
なお、日本から米国向けに牛肉を輸出できる施設はUSDAのFSISから認定されている施設のみであり、これらの施設からの出荷については「一般承認表示(generically approved labeling)」の使用が許可されており、表示内容の「事前承認」は不要です。
ただし、一般承認表示で許可されているのは、特別な表記(Wagyuなど)がない場合のみであり、記載すべき情報がすべて書かれていればFSISにあらためて承認を受ける必要なく使用する事ができます。「一般承認表示」であっても記載すべき情報が記載されているかなどのサンプルチェックは行われています。
「一般承認表示」は、連邦規則集第9巻第412条(9CFR Part412)(畜肉)、または「食品基準・表示方針書(Food Standards and Labeling Policy Book)」で製品基準が明示され、かつ品質表示(quality claims)や栄養成分表示(nutrient content claims)、健康表示(health claims)などの表示に誤りがないことなどの要件を満たさなければなりません。
一方、動物の育種や飼育を含む“Wagyu”など特別な表記(品種に関する記載のほか、有機製品なども含む)を記載する場合には、その根拠を立証するために必要な文書に関するラベル申請のガイドライン(Labeling Guideline on Documentation Needed to Substantiate Animal Raising Claims for Label Submission)が規定されています。製品のラベルにWagyuという表記をする場合は必要な書類を準備し、個別にFSISへの事前承認申請が必要となります。
2. 表示義務項目
必要な表示項目は、次のとおりです。
- 主要表示パネル:PDP(Principal Display Panel)
-
- 食品名〔連邦規則集第9巻第317.2(e)条:9 CFR Part317.2(e)〕
- 取り扱い上の注意〔連邦規則集第9巻第317.2(k)条:9 CFR Part 317.2(k)〕(※「要冷蔵」など)
- USDA検査証明マーク(official inspection legend)と認定施設番号(Est. Number)〔連邦規則集第9巻第312.2(b)条: 9CFR Part 312.2(b)〕
- 内容量〔連邦規則集第9巻第317.2(h)条:9 CFR Part 317.2(h)〕
- 主要表示パネル、もしくは情報パネル:IP(Information Panel)
-
3.のUSDA検査証明マークについては、主要表示パネル(PDP)上において配置する場所や最小サイズ要件は規定されていません。しかしUSDA検査証明マーク内の情報が、文字サイズや太さの比率が同じであるなど一貫性があることが求められています。また、「検査済みおよび合格」を1行で表示するのではなく、連邦規則集第9巻第312.2(b)条:9 CFR Part 312.2(b)に規定されているマークのとおり、マーク内本文の1行目に「検査済(INSPECTED)」、2行目に「合格(AND PASSED)」と表示しなければならないと細かく指定されています。
- 製造業者、梱包業者または流通業者の名称と住所〔連邦規則集第9巻第317.2(g)(2)条:9 CFR Part317.2(g)(2)〕
- 原材料〔連邦規則集第9巻第317.2(c)(2)条:9 CFR Part317.2(c)(2)〕
- 栄養表示〔連邦規則集第9巻第317.300-400条:9 CFR Part317.300-400〕
- 安全な取り扱い上の注意〔連邦規則集第9巻第317.2(1)条:9 CFR Part317.2(l)〕
- 原産国〔連邦規則集第19巻第134.11条:19CFR Part134.11〕
また、全米バイオ工学食品情報開示基準(National Bioengineered Food Disclosure Standard : NBFDS)により、いわゆる遺伝子組換え食品の情報開示が義務付けられています。USDAの農産物マーケティング局(AMS)は、バイオ工学(BE:bioengineered)の技法を用いて生産されうる穀物・食品、つまりNBFDSの対象となるBE食品リストを作成しています。このリストは、BE食品の研究開発の進展により今後さらに追加・更新される可能性がありますが、2025年7月時点のリストには表示規制対象のBE食品としてりんご(アークティック種)、キャノーラ、トウモロコシ、パパイヤ(リングスポット抗ウイルス性)、パイナップル、大豆、テンサイなどが含まれており、バイオ工学技術を用いて作られた品種を原材料に使用している場合には開示義務があります。AMSのBE食品リストに牛肉は含まれておらず、NBFDSによる情報開示義務の対象にもなっていません。
関連リンク
- 関係省庁
-
米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS) (英語)
-
米国税関・国境取締局(CBP)(英語)
- 根拠法等
-
第9巻第312条(9CFR312)「牛、羊、豚、ヤギの検査済製品および合格品を識別するための公式マークと模様」 (英語)
-
第9巻第317条(9CFR Part317)「畜肉およびその加工品の表示など」 (英語)
-
第9巻第412条(9CFR Part412)「ラベルの承認」(英語)
-
第9巻第317条363(9CFR Part317.363)「ヘルシーを謳う栄養成分表示」(英語)
- その他参考情報
-
肉、鶏肉、卵製品に対する連邦食品表示要件ガイド (英語)
(516KB)
-
表示ラベル、およびその承認に関する情報 (英語)
-
ラベル承認に関する米国農務省食品安全検査局(FSIS)イドライン(英語)
-
ラベル申請フォーム FSIS 7234-1(英語)
(474KB)
-
ラベル提出と承認システム(LSAS) (英語)
-
ラベリング手続き(英語)

(ラベル承認の様式”FSIS Form 7234-1”は、上記サイト内 "FSIS Form 7234-1 - Application for Approval of Labels, Marking or Device" から入手可) -
ラベル表示の概要と一般承認表示について(英語)
-
食品基準と表示の方針書(Food Standards and Labeling Policy Book)(英語)
(2.0MB)
-
ラベルの提出のための動物飼育表記を立証するために必要な文書に関するラベルのガイドライン (2019.12)(英語)
-
食品安全検査局(FSIS) 規制の更新(2021.2.26)(英語)
-
遺伝子組換え食品(英語)
-
バイオ工学食品情報開示基準(BE Disclosure) (英語)
-
アメリカ合衆国向け輸出食肉の取扱要綱
(865KB)
-
農林水産物・食品 輸出支援プラットフォーム「日本産和牛の米国輸出に係る「Wagyu」表記申請のガイドライン」
(2.0MB)
-
2024年度 米国の食品安全・輸入関連制度の解説(2025年2月)
(2.5MB)
- 加工食品の現地輸入規則および留意点:米国向け輸出
7. その他
調査時点:2025年9月
食品衛生に関しては、危害要因分析重要管理点(HACCP)方式による衛生管理実施基準に準じます。牛肉の輸出施設は、衛生標準作業手順書(SSOP)を作成、実施するとともに、必要な改訂を行い維持管理することが義務付けられています。SSOPは食肉の直接的な汚染または粗悪化を防止するために毎日の作業前および作業中の手順を記載するもので、食品が直接接触する設備、装置、機械および器具の取り扱い方法についても詳細に文書化し、それに従った作業を手順どおり実施し記録・管理を行うものです。
米国での輸入手続き
1. 輸入許可、輸入ライセンス等、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)
調査時点:2025年9月
輸入通関にあたり、牛肉についてはForm FSIS 9540-1「Import Inspection Application(輸入検査申請)」を、米国農務省(USDA)の食品安全検査局(FSIS)に提出します。Form FSIS 9540-1は紙または電子申請が可能です。紙の場合は、公式輸入検査施設のFSIS検査担当官に紙の申請書を提出します。電子申請の場合は、米国税関・国境取締局(CBP)の輸入検査システム(ACE)を通じて提出することによって、FSISの公衆衛生情報システム(PHIS)の輸入コンポーネントに転送されます。輸入検査申請は、製品が再検査される公式輸入検査施設に貨物が到着する前に、かつ、米国税関・国境取締局(CBP)に輸入申告が申請される前に、FSISに提出されなければなりません。
2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)
調査時点:2025年9月
日本から牛肉を輸入するにあたって、通関に必要な書類は次のとおりです。
- 通関書類
-
- エントリーマニフェスト(CBP Form 7533)あるいは貨物引き取り申告(CBP Form 3461)、またはポートディレクターが要求する商品の引き取りに必要なその他の書類
- 通関権の証明(船荷証券など)
- 商業インボイスなど
- パッキング・リスト
- その他輸入が認められるか否かを判断するために必要な関連資料・情報〔エントリーサマリー(CBP Form 7501)、原産地証明(必ずしも必要ではないが求められることもあり)、輸出検疫証明書、食肉衛生証明書など〕
- インポート・セキュリティ・ファイリング(Import Security Filing: ISF)。(海上輸送で米国に輸入される貨物は、最後の外国港を出発する24時間前にISFの申請が必要となります)
関連リンク
- その他参考情報
- 輸出入手続(米国)
3. 輸入時の検査・検疫
調査時点:2025年9月
米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS)が、米国に入国した製品の状態、ラベルと添付書類を確認したのち、必要に応じて再検査を実施します。さらにFSISは、製品をランダムにサンプリングし、薬物および化学物質の残留物を検査します。再検査に合格した製品には、USDA検査マークが刻印されて、米国への入国が許可されます。もし、輸入された肉製品が米国の要件を満たしていない場合は、「米国入国拒否」と刻印され、45日以内に輸出、破壊、または動物向け食品に転換する必要があります。食品関連の規制の「2. 残留農薬および動物用医薬品」「3. 重金属および汚染物質」を参照してください。
関連リンク
- 関係省庁
-
米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS) (英語)
-
米国農務省動植物検疫検査局(USDA APHIS)(英語)
-
厚生労働省
-
農林水産省
- 根拠法等
-
連邦食用獣肉検査法(英語)
-
第9巻第92条から第96条、第98条(9CFR Part92-96, 98)「牛海綿状脳症(BSE):牛および牛製品の輸入」 (英語)
(357KB)
-
第9巻第327.2条(9CFR Part327.2)「畜産および畜産物 米国に製品を輸入する外国の資格」 (英語)
-
第9巻第94.27条(9CFR Part94.27)「日本からの骨なし牛肉の塊肉の輸入」(英語)
(181 KB)
- その他参考情報
-
肉・鶏肉・卵製品の輸入に関する情報 (英語)
-
肉・鶏肉・卵製品の輸入ガイダンス(英語)
(835KB)
-
米国向け食肉輸出が認められた国および各国の食肉取扱施設リスト(英語)

(「認定外国施設”Eligible Foreign Establishments”」内”Japan”を参照。日本は2021年9月24日時点) -
食品安全検査局(FSIS)輸入再検査(FSIS Import Reinspection)(英語)
-
輸入製品出荷プレゼンテーション - 第二版(英語)
-
北米|証明書や施設認定の申請
-
偶蹄類の畜産物の輸出(動物検疫所)
-
2024年度 米国の食品安全・輸入関連制度の解説(2025年2月)
(2.5MB)
4. 販売許可手続き
調査時点:2025年9月
牛肉を含む食肉は、米国が、(1)米国向けに輸出ができると認可した国で、(2)連邦食用獣肉検査法の安全基準を満たすと認められた施設で生産された製品でなければ輸入、販売することができません。
販売そのものに関する免許ではありませんが、生のひき肉製品を販売する際に、情報管理に関して留意が必要です。連邦規則集第9巻第320.1(b)(4):9 CFR 320.1(b)(4)により、生のひき肉製品の情報管理が販売店・肉市場・卸売量販店に義務付けられています。記録義務のある情報は次のとおりです。
- 各ロットの牛ひき肉製品の製造に使用される原料を供給する事業所の事業所番号
- すべてのサプライヤーのロット番号と製造日
- 牛肉の成分や生産ロット間で引き継がれるあらゆる材料を含む、供給された材料の名称(牛の部位など)
- 生のひき肉製品の各ロットが製造された日時
- 粉砕装置、およびひき肉との接触面が洗浄、消毒された日時
これらの記録を、牛ひき肉を製造した場所で保管すること、および、1年間保管することが義務付けられています。各州や地方自治体が定める規制がないかについても確認が必要です。詳しくは、州、地方自治体のウェブサイトで確認してください。
なお、倉庫業、ラベル貼付や再包装を行う場合は、USDAや郡、市の衛生局への食品施設登録や査察が必要な場合もあるため確認が必要です。
5. その他
調査時点:2025年9月
なし
米国の輸入関税等
1. 関税
調査時点:2025年9月
米国に牛肉を輸入・販売するにあたって、輸入者は関税を納付しなければなりません。関税表は米国国際貿易委員会(USITC)が管理しており、「HTSA改訂版(HTSA Revision)」の第2章に肉類の関税率が記載されています。そこには、日本から米国内に輸入される牛肉に課せられる関税は、肉の質・部位・加工度合により4.4セント(¢)/kg、または4%、10%、26.4%と大幅に異なり、次表のように記載されています。「世界各国の関税率(World Tariff)」で検索が可能です。
| HSコード | 税率 |
|---|---|
| 201:牛肉(生鮮のものおよび冷蔵したものに限る) | 4%,10%,26.4%、4.4¢/kg |
| 202: 牛肉(冷凍したものに限る) | 4%,10%,26.4%、4.4¢/kg |
また、2019年12月4日に日本の国会で承認された日米貿易協定(2020年1月1日発効)により、2019年までの日本枠200トンと複数国枠を合体し、中南米の国などと合わせて65,005トンを上限に4.4セント/kgの低関税で日本から牛肉を輸入できるようになりましたが、その低関税枠を超えると、関税は26.4%へ引き上げられます。なお、ブラジル産牛肉の米国輸出が急増していることに伴い、低関税枠の全量消化が年々早まる傾向にあり、2025年は1月17日で全量を消化しました。
なお、牛肉は米国の国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づいて課している相互関税の対象外です。これは、2025年11月14日付で発表された大統領令により、特定の農産品が除外されたことによるものです。相互関税は今後も変化する可能性がありますので、輸入の際には最新の情報を確認してください。
関連リンク
- 関係省庁
-
米国国際貿易委員会(USITC) (英語)
-
米国税関・国境取締局(CBP)(英語)
- 根拠法等
-
第19巻第58c条(19U.S.C.58c)「通関にかかる手数料」(英語)
(301KB)
-
第19巻第1202条(19U.S.C.1202)「関税率表」 (英語)
(120KB)
-
第19巻第1505条(19U.S.C.1505)「関税と手数料の支払い」(英語)
(128KB)
-
相互関税率のさらなる修正(英語)
- その他参考情報
-
米国国際貿易委員会(USTIC) 関税表(英語)
-
2025 関税表(HTS)(英語)
-
2025年 州および地方売上税率(米国税金基金)(英語)
-
日米協定の実施(米大統領令:2025年9月4日)
-
免税対象となる少額貨物に関する優遇措置の一時停止(英語)
-
日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定 (略称:日米貿易協定)
-
日米貿易交渉における米国側の農林水産品に関する合意内容
(150KB)
- 国・地域別情報 - 米国 - 関税制度
- 世界各国の関税率(World Tariff)
- 日米貿易協定と日米デジタル貿易協定の主な内容について
-
日米貿易協定解説書
(10.6MB)
-
牛肉に関するカントリーレポート(2025年3月)
(3.4MB)
- トランプ米大統領、農産品を相互関税の対象外とする大統領令を発表
- ビジネス短信:トランプ米大統領、全世界に非課税基準額(デミニミス)ルール適用を停止する大統領令発表
2. その他の税
調査時点:2025年9月
州、地方自治体へ納付する売上税
米国内では地方自治体により売上税が課されます。州ならびに郡や市の地方自治体により売上税の合計税率は異なるため、米国国際貿易委員会(USITC)、米国税関・国境取締局(CBP)、州、地方自治体のウェブサイトで確認する必要があります。
3. その他
調査時点:2025年9月
商業貨物税関使用料、港湾維持料
輸入者は牛肉やその加工品の輸入にあたって、関税だけでなく商業貨物税関使用料(Merchandise Processing Fee:MPF)を納付する必要があります。正式通関(Formal Entry)の場合、MPFは輸入申告価格(FOB価格)の0.3464%で、最低33.58ドル、最高651.50ドルです。さらに、船便による輸入の場合には、輸入者は貨物価格の0.125%の港湾維持料(Harbor Maintenance Fee:HMF)を納付しなければなりません。これらは米国税関・国境取締局(CBP)が徴収しています。
その他
調査時点:2025年9月
- 日本の有機JAS制度との同等性
-
米国は、日本の有機JAS制度を米国の有機制度と同等と認め、輸入時の手続きについて双方で合意しています。これにより、2020年7月16日から有機JAS制度による認証を受けた有機畜産物などに「organic」などと表示して、米国へ輸入できます。対象範囲は、有機JAS制度に基づき、最終的に日本国内で生産、加工または包装され、格付けがされた有機畜産物、有機畜産加工食品および有機農畜産物加工食品(ただし、有機JASに基づく管理方法により抗生物質を使用していないと認められる家畜、家きんに由来するものに限る。)となっています。
2023年1月に、米国農務省のNOP(National Organic Program)が、有機製品の監視を強化し、不正を防止するための規則(Strengthening Organic Enforcement)を最終決定し、2024年3月19日から適用されました。新規則は、米国へ輸入されるすべての有機製品に電子NOP輸入証明書(NOP Import Certificate)の使用を義務付け、有機認証取得には輸入業者や取引仲介業者を含むより多くのサプライチェーン内の企業に有機認証取得を要求するなど、有機製品への信頼性強化のために、当局の監視と執行の権限を大幅に強化するものです。
電子NOP輸入証明書は、有機JAS登録認証機関によりOrganic Integrity Database上で発行されます。電子NOP輸入証明書の発行には、有機JASの認証を受けた日本側の生産者などおよびNOPの認証を受けた米国側の輸入業者がOrganic Integrity Databaseに登録されている必要があります(日本側の輸出業者の認証およびOrganic Integrity Databaseへの登録は、現状は必要ありません)。






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