日本からの輸出に関する制度

牛肉の輸入規制、輸入手続き

品目の定義

本ページで定義する牛肉のHSコード

0201:
牛肉(生鮮のもの及び冷蔵したものに限る)
0202:
牛肉(冷凍したものに限る)

具体的な製品の内容により規則が異なる場合がありますので、詳細は必ずご確認ください。

関連リンク

米国の食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2018年10月

牛肉の規格は明確に定められていません。なお、米国の牛肉の格付けは、米国農務省(USDA)が行っています。

関連リンク

関係省庁
米国農務省(USDA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
その他参考情報
米国農務省(USDA)から入手できる情報

2. 残留農薬および動物用医薬品

調査時点:2019年10月

残留農薬に関する規制は該当しませんが、残留動物用医薬品規制の対象になります。 牛肉の残留抗生物質の許容値については、米国食品医薬品局(FDA)が制定しており、同機関が制定する、肉、鶏肉、卵製品に区分した残留許容値を各業者が順守するよう強化・監視するのが食品安全検査局(USDA FSIS)の役割となります。

日本と米国の相違の一例に、フルオロキノロンの使用が挙げられます。日本国内の抗菌剤の慎重使用では、「フルオロキノロンなどの第二次選択薬は、第一次選択薬が無効の場合にのみ使用」としていますが、FDAはラベル表示外薬品使用ELDU(承認済み表示に掲載されていない目的・方法における薬品の使用)規定で、フルオロキノロンの使用を禁止しています。

肥育用ホルモン剤については、FDAが製造・販売を承認し、適正な使用方法と食肉への残留基準を設定しています。詳細については、ホルモン剤の使用方法や禁止事項について規定している連邦規則集第21巻第522条「動物用新規医薬品の注入・投薬形態」を参照してください。

3. 重金属および汚染物質

調査時点:2019年10月

食品に含まれる有毒および有害な物質の許容量は、食品医薬品化粧品法第406条に基づく規則で定められています。現在、FDAが規則で食品に関して暫定残留許容濃度を定めている物質は、ポリ塩化ビフェニール類(PCB類)のみで(21CFR Part109.30)、ヒ素および有害重金属などの汚染に関する規制については、総括的な法的水準は決められていないのが現状です。それぞれの有毒・有害物質が長期的に健康に与える影響は不明確とし、有害な物質の含有はなるべく避けることが望ましいとされています。

(1)有毒・有害物質の欠陥対策レベル

FDAは、有毒・有害物質に関する欠陥対策レベルをガイダンス「ヒト向け食品および動物飼料に含まれる有毒・有害物質に関する対策レベル」として2000年に発行しています。同ガイダンスでは、19種類の有毒・有害物質について、食品と飼料の品目別に対策レベルの値(ppmなど)が設定されています。
なお、このガイダンスには規則のような法的拘束力はありませんが、FDAが法的措置を発動するかどうかを決定する際の基準と位置付けられています。従って、有毒・有害物質の含有量が欠陥対策レベルを下回っている必要があります。

(2)トータルダイエットスタディに基づく参考指標

米国では、1991年からさまざまな食品に含まれる物質(ヒ素および有害重金属などを含む)のトータルダイエットスタディ(Total Diet Study:TDS)が実施されており、FDAのウェブサイト上で結果が公開されています。これは法的に設定された許容量や基準値ではありませんが、米国で消費されているさまざまな食品中におけるヒ素や有害重金属などの含有量について、最小値、最大値、平均値などを知ることができるため、参考指標として有効利用することができます。
2006年から2013年に行ったサンプリングでは次のような結果となっており、米国で消費されている食品に含まれるヒ素および有害重金属などの参考指標として活用することができます。ここでは一例として、加熱済み牛ひき肉について取り上げます。

加熱済み牛ひき肉に含まれるヒ素および有害重金属などの参考指標(mg/kg)
名称 最小値 最大値 平均値
ヒ素 0 0 0
カドミウム 0 0 0
0.6 0.9 0.7
0 0 0
マンガン 0 0 0
亜鉛 43.4 72.3 56.7

(3)その他

米国では、連邦レベルより州レベルでさらに厳しい規制を設けている場合があるため、詳しくは、州、地方自治体のウェブサイトで確認してください。

一般的に、カリフォルニア州は、全米で最も食品に対する規制が厳しいとされています。具体的には、カリフォルニア州法プロポジション65(安全飲料水および有害物質施行法:Prop.65)の警告表示に係る改正で、2018年8月30日以降は、警告文に有害物質名を少なくとも一種類表示し、その物質を’含む’ではなく、’暴露する’という表現にする、インターネットでの販売にも該当する製品には警告文の表示をすることが義務付けられました。なお、生殖毒性があるとされるビスフェノールA(BPA)に関しては、当該製品の容器に表記する、または小売店の棚の表示でも製品を明確にすることにより消費者などに警告することが義務付けられました。BPAに関しては、緊急法に基づく暫定措置として、全体警告を認め、個々の商品もしくは商品棚への警告の義務は免れていましたが、2017年12月30日で終了し、2017年12月31日以降は個々の商品もしくは商品棚への警告表示が必要となり、全体警告も認められません。Prop.65の有害物質リストは900種類以上に及び、年に2~3回はリストの内容が変更されるので、確認の際には必ず直近のリストを参照してください。

4. 食品添加物

調査時点:2019年10月

食品に含まれる食品添加物に関する規制は、合衆国法典第21巻第348条(21U.S.C.348)Food Additivesに基づいて行われています。食品添加物の定義は、合衆国法典第21巻第321条(21U.S.C.321)により規定されており、食品への直接または間接に使用が認められている食品添加物やそれに係る規則は、米国連邦規則集第21巻第170条 から第189条(21CFR Part170-189)に列挙されています。

米国において新規の食品添加物を使用する場合には、食品添加物申請(Food Additive Petition:FAP)をFDAに申請し、事前許可を得る必要があります。

なお、食品の製造、包装、梱包、輸送または保管に用いられる材料を構成している物質であって、食品の性質に技術的な影響を与えないものを食品接触物質とよび、食品添加物として定義しています。食品接触物質に関する情報は、「5. 食品包装規制」の項目を参照してください。

着色料に関する規制は、合衆国法典第21巻第379条(21U.S.C.379)に基づいて行われています。使用することができる着色料は、日本で許可されているものとは異なるため、FDAウェブサイト上の「使用が許可されている着色料一覧(Color Additive Status List)」と「米国連邦規則集第21巻第70~82条(21CFR Part70-82)」を事前に確認してください。

特に、赤色102号については日本をはじめEUやアジアの主要国では食品添加物として使用が認められていますが、米国では認められていません。また、クチナシ、ベニバナ、ベニコウジも日本では古くから着色料として広く使用されていますが、米国では食品添加物として使用することはできません。

5. 食品包装規制(食品容器の品質または基準)

調査時点:2019年10月

食品の製造、包装、梱包、輸送または保管に用いられる資材を構成している物質であって、食品の性質に技術的な影響を与えないものを食品接触物質(Food Contact Substances:FCS)といいます〔食品医薬品化粧品法第 409 条(h)(6)、合衆国法典 21U.S.C.348(h)(6)〕。FDAは、食品接触物質を間接添加物(Indirect additive)として、食品添加物として定義しています。なお、包装などの資材から構成している成分が溶出し食品に移行するかどうかを確認する責任は、資材の製造業者にゆだねられています。

食品接触物質は、FDA 規則に合致している物質(次の1を参照)でない場合は、FDA への食品接触物質通知(次の2を参照)が必要です。

  1. 食品接触物質の規制の適合確認
    次の規則にあてはまらない食品接触物質は、FDA へ食品接触物質通知をしなければなりません。
    • 間接添加物(連邦規則集 21CFR Part174~179)
    • GRAS(連邦規則集 21CFR Part182,184,186)
    • 1958年以前に容認されている物質(Prior Sanctioned Material, 連邦規則集 21CFR Part181)
    • 規制の適用除外になる物質(Threshold of Regulation Exemption, 連邦規則集 21 CFR Part170.39)
  2. FDAへの食品接触物質通知(Food Contact Substance Notification
    食品接触物質の製造業者あるいは供給業者は、市販の 120 日以上前にその物質の情報を FDA に通知しなければなりません(連邦規則集 21CFR Part170.100)。通知から 120 日の間に FDA から異議申し出がない場合はその通知が有効となり、食品接触物質の使用が合法となります(連邦規則集 21CFR Part170.104)。ただし、食品接触物質通知は、申請した製造業者に対して有効となるものであるため、同じ物質であっても申請した製造業者以外の製造業者には、通知の効果は及びません。提出方法および提出先については関連リンクの「申請フォーム FDA3480」を参照してください。

関連リンク

関係省庁
米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
合衆国法典
その他参考情報
米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)から入手できる主な情報
ジェトロから入手できる主な情報

6. ラベル表示

調査時点:2019年10月

1. 表示の「事前承認」および「一般承認表示」

FSISは所管する牛肉などについて、それぞれの小売段階での表示内容の必要条件とその基準を定めています。牛肉およびその加工品の販売には、ラベル表示内容について原則としてUSDAから事前承認をもらう必要があります。FSISの表示の「事前承認」を担当しているThe Labeling and Program Delivery Staff (LPDS)に、様式FSIS Form 7234-1、ラベルなどの必要書類にカバーレターを添えて郵送、またはFAXで送付し、承認申請手続きを行います。

なお、日本の認定施設については「一般承認表示(generically approved labeling)」の使用が許可されており、表示内容の「事前承認」は不要です。ただし「一般承認表示」のサンプルチェックは行われています。「一般承認表示」は、連邦規則集9CFR Part412(畜肉)、または「基準・食品表示方針書(The Standards and labeling policy Book)」で製品基準が明示され、かつ品質表示(quality claims)や栄養成分表示(nutrient content claims)、健康表示(health claims)などの表示に誤りがないことなどの要件を満たさなければなりません。 ただし、Labeling Guideline on Documentation Needed to Substantiate Animal Raising Claims for Label Submissionの規定により、製品のラベルにWagyuという表記をする場合は個別にFSISへの申請が必要となります。

2. 表示義務項目

表示に必要な項目は、次のとおりです。

主要表示パネル:PDP(Principal Display Panel
  1. 食品名(9 CFR Part317.2(e))
  2. 取り扱い上の注意(9 CFR Part 317.2(k))(※「要冷蔵」など)
  3. 農務省検査証明マーク(official inspection legend)と認定施設番号(Est. number)(9 CFR Part 312.2(b))
  4. 内容量(9 CFR Part 317.2(h))
主要表示パネル、もしくは情報パネル:IP(Information Panel
  1. 製造業者、梱包業者または流通業者の名称と住所(9 CFR Part317.2(g)(2))
  2. 原材料(9 CFR Part317.2(c)(2))
  3. 栄養表示(9 CFR Part317.300-400)
  4. 安全な取り扱い上の注意(9 CFR Part317.2(l))
  5. 原産国(19CFR Part134.11)

7. その他

調査時点:2019年10月

食品衛生に関しては、危害要因分析重要管理点(HACCP)方式による衛生管理実施基準に準じます。牛肉の輸出施設は、衛生標準作業手順書(SSOP)を作成、実施するとともに、必要な改訂を行い維持管理することが義務付けられています。SSOPは食肉の直接的な汚染または粗悪化を防止するために毎日の作業前および作業中の手順を記載するもので、食品が直接接触する設備、装置、機械および器具の取り扱い方法についても詳細に文書化し、それに従った作業を手順どおり実施し記録・管理を行うものです。

マイリスト マイリストを開く 追加

閉じる

マイリスト
マイリスト機能を使ってみませんか?
ジェトロ・ウェブサイトのお好きなページをブックマークできる機能です。
ブックマークするにはお好きなページで追加ボタンを押してください。