税制

最終更新日:2023年10月26日

法人税

2023年6月から導入(9%)。

UAEでは基本的に法人税が徴収されていなかったが、2022年1月、連邦財務省は2023年6月1日以降に開始する事業年度を課税対象として、法人税を導入すると発表した。2022年12月には施行規則として「企業及びビジネスに係る2022年連邦政令第47号(Federal Decree-Law No. 47 of 2022 on the Taxation of Corporations and BusinessesPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(442KB))」が発行された。

  • 2023年6月1日以降の会計年度で、法人の課税所得に対して税率9%を適用。
  • 課税対象となるのは年間所得が37万5,000ディルハムを超えるUAE国内の企業で、同金額以下の小規模事業者は対象外。
  • UAE国内でビジネスを行っていない外国投資家や、投資に対するキャピタルゲインと配当についても対象外。
  • 個人所得は引き続き課税対象とはならない。
  • フリーゾーン企業は、「この施行規則で指定されたすべての条件を満たす」場合に免税としている。原則として、UAE国内(メインランド)との取引がなければ課税対象外となるが、税務当局への申告は必要になる。

詳細は、2022年12月13日付ジェトロの記事「政府が法人税の施行規則を発表」を参照。

その後も詳細が段階的に発表されているが、フリーゾーン企業への課税に関する詳細は2023年7月末時点で依然発表されていない。

その他法人税の概要ならびに詳細は、ジェトロ「法務関連ビジネス情報」ページ内の次のレポートを参照。

  • 「UAEにおける法人税導入(1)(2023年3月)」
  • 「UAEにおける法人税導入(2)(2023年3月)」
  • 「UAEにおける法人税導入(3)(2023年3月)」

二国間租税条約

日本とUAEの間では、2014年12月に租税条約が発効した。

二重課税防止条約は、日本(2014年12月24日発効)、中国、韓国、マレーシアを含む142カ国との間で締結されている(2023年10月時点、28カ国は未発効)。

その他税制

付加価値税(VAT)、物品税、その他首長国政府により課される手数料など。
個人所得税はない。
「経済的実体規制」の対象事業者は、経済的実体テストの充足と、毎年の財務相への通知および報告が求められる。

  1. 付加価値税(VAT):5%
    2018年1月より導入された。詳細はPDFファイルを参照。

    ジェトロ:UAEにおける付加価値税(VAT)制度についてPDFファイル(1409KB)

  2. 物品税
    2017年10月に、たばこ(100%)、炭酸飲料(砂糖や他の甘味料を加えたもの:50%)、エナジードリンク(100%)に物品税が導入。2019年12月には物品税の対象が拡大された。現行の課税対象品目は以下のとおり。
    • たばこ及びたばこ製品:100%
    • 電子たばこ機器:100%
    • 電子たばこ機器用の液体:100%
    • 炭酸飲料:50%
      ※砂糖や他の甘味料を加えたもの。
      ※飲料に変換できる液体、濃縮物、粉末などを含む。
      ※炭酸水は除く。
    • エナジードリンク:100%
    • 甘味(砂糖や他の甘味料を加えた)飲料:100%
  3. その他
    アパート・店舗賃料やホテル・娯楽施設、宅配サービス等の一部のサービスに対して、首長国政府による手数料(実質的な税金)が課せられる。

    ドバイ首長国で徴収される例としては、次のものが該当する。

    • アパート(年間):賃借料の5%
    • 事業資産(年間):賃借料の5%
    • ホテル、レストラン、娯楽施設:7%
      ※ホテル施設等の宿泊客には、別途1室1泊当たり7~20ディルハムのツーリズム・ディルハム(宿泊手数料)が上限30日分について課せられる。
    • アルコール:30%(消費税)※2023年1月1日から1年間、徴税を停止。
  4. 経済的実体規制
    UAEでは、2019年4月以降「経済的実体規制」が導入(2020年8月に改訂)されている。同規制は、事業者がUAE国内で行う経済活動の実態を把握し、実際の活動に見合う利益を報告するもの。対象となる事業者は、経済的実体テストの充足と、毎年の財務相への通知および報告が求められる。
    同規制の概要は次の資料を参照。

    ジェトロ:アラブ首長国連邦(UAE)における経済的実体規制PDFファイル(833KB)