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外国企業の会社設立手続き・必要書類

最終更新日:2019年01月31日

外国企業の会社設立手続き・必要書類

進出日系企業のほとんどは、有限会社、株式会社、支店、駐在員事務所のいずれかの形態を採用している。

有限会社(Sp. z o.o.)と株式会社(S.A.)

単独で100%出資し、有限会社や株式会社を設立することが可能。

日系企業が現地法人を設立する場合、有限会社の形態が多い。
理由として、株式会社は最低資本金が高額なこと、 監査役会の設置義務があること(有限会社も規模により義務が生じる)などが挙げられる。

有限会社の場合、最低資本金は5,000ズロチで1株当たり最低額面価格は50ズロチ。株式会社の場合、最低資本金は10万ズロチで、1株当たり最低額面価格は100分の1ズロチ(1グロシュ)。

有限会社の設立手続き(株式会社の手続きもほぼ同様)

  1. 会社定款作成など申請書類の準備
    1. 会社の設立のための適切な代理委任状の準備(アポスティーユがあり、認定翻訳者に翻訳されたもの)
    2. 有限会社の会社設立契約書、または株式会社の定款の作成と署名(公正証書が必要)
    3. 会社の本社所在地の賃貸契約の締結、または不動産・オフィスを利用する権利を有すると証明できるその他書類
    4. 取締役(または監査役会)選定(任命承認や取締役員のアドレスについての申告の準備が必要)
  2. 銀行口座の開設
  3. 資本金の拠出
  4. 会社登記裁判所における登記申請、会社登記裁判所公報(Monitor Sądowy i Gospodarczy)における会社登記に関する通知、申請するものが外国人であるという宣誓書
  5. 適切な税務署で会社をNIP-8フォームに登記後、補足書類の提出:税務署(US)、中央統計局(GUS)、社会保険庁(ZUS)に関連するもの

2017年6月1日に公布された変更点として、申請書(企業登記申請書あるいは株式の売買・権利・義務に関する登録変更書)に、申請人は〔外国人による不動産取得に関する規制(1920年3月24日付)〕に規定する外国人に該当するか否かの宣誓書を添付する必要がある。
この規制に該当する場合、さらに「ポーランド国内に立地する不動産の所有者である、または永久使用者である」旨の宣誓書を添付する必要がある。

また、ポーランドでの会社設立手続きにおける要件(2018年3月15日施行)として、登記申請書とともに、氏名および住所、またはポーランドの会社の取締役選任において権利を有する会社もしくは組織の名称および所在地が記載されている文書を提出しなければならない。
当要件の注意点として、ポーランドの会社の取締役任命を認められた組織が法人である場合は、その法人を代表する機関(取締役など)の氏名および住所も記載する必要がある。

設立手続き1~5までの一般的な所要期間はこれまで6~8週間であったが、現在改善がなされ、4の窓口一つで従来の4ステップを行えるようになった。
裁判所による登記自体は、裁判所に書類が到着後7日間で行われる。

有限会社設立の事実を、会社設立契約書の締結日から6カ月以内に会社登記裁判所に届け出ること。会社設立契約書の締結日から裁判所での登記日まで、当該会社は「設立中の有限会社」として活動が可能であり、権利の取得や出費の承認などができる。

〔商法企業法改正(官報2011年第92号531項、2012年1月1日施行)〕により、有限責任会社に限り、法務省内のSystem S24を利用し、電子設立申請ができるようになった。
電子申請には、次の書類の作成が必要。

  1. 所定のフォームに従い、作成された会社定款(電子署名が必要)
  2. 出資者名簿(全取締役による電子署名の添付が必要)
  3. 資本金の全額の支払いが済んでいる旨の宣誓書

電子申請時には、資本金の拠出は現金でのみ行うことができる。
ただし、標準契約雛形による会社設立契約書を所有する場合は、登記後に現金または現物で資本金の増資が可能。現金のみで拠出する場合、有限会社の資本金は登記後7日以内に拠出しなければならない。
電子申請の場合、通常、24時間以内に会社設立手続きが完了する。

電子(インターネット)申請利用の際には、以下のものを所有していなければならない。

  1. ポーランド法務省の電子システムにおけるオンラインアカウント外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
  2. 安全なプロファイル(国が提供するインターネットで保護されている識別ツール)または電子署名(ポーランドで認可された団体から購入したもの)

電子申請System S24には、申請人が〔外国人による不動産取得に関する規制(1920年3月24日付)〕に該当する外国人か否かの宣誓書のテンプレートは存在しない。
同宣誓書は電子署名(証明書を有するもの)を施し、外部書類として添付する。

商業企業法(官報2000年第94号1037項、最終改正官報2017年1577項)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ポーランド語)

申請後のステップ

税番号(NIP)や国内経済登録番号(REGON)は現在自動的に発行されるが、税務署(US)、中央統計局(GUS)、社会保険庁(ZUS)は会社登記裁判所(KRS)のデータに添付された追加情報を集めている。追加情報の提供は会社の義務である。

会社は、税務署でNIP-8フォームに記入後、登録・通知する必要がある。
NIP-8フォームは会社登記後21日以内に届け出る必要がある。中央国内納税者登録所(Centralny Rejestr Podmiotów Krajowej Ewidencji Podatników) からの情報と国内経済登録番号(REGON)が、納税積立センターに電子送信される。
社会保険庁によれば、会社登記情報の登録後7日間は、基礎情報と社会保険庁による追加情報で被保険者の積立口座開設と申請情報の整理に当てられる。この7日間で済まない場合には、社会保険庁はその理由を明らかにする。
社会保険システムの規定では、1人目の従業員雇用あるいは年金保険・傷害保険の権利を有する者が出た日から7日間を届出期限としている。

支社(Oddzial

外国法人によってポーランドで設立される支社の経済活動の範囲は、当該外国法人の範囲と同じでなければならない。
支社内に、その外国法人を代表する権限を委任された人物を指定する必要がある。
その支社は「外国法人の本社名、会社形態(ポーランド語翻訳)、ポーランド支社名」の名称で登記する。なお、支社は独立の法人ではないため、支社事業活動による債務(負債を含む)は本社の無限責任となる。

支社の設立手続き

  1. 支社住所の賃貸契約の締結
  2. 会社登記裁判所における支社登記申請(登記後、支社は活動を開始できる)
    申請書には、支社代表者の署名見本(公証人の認証が必要)を添付。
  3. 現在、中央統計局への登録(REGON取得)は義務付けられていないが、ポーランド企業登録と同様、会社登録の際に自動的に発行される。
  4. 補足書類の提出
    税務署、中央統計局、社会保険庁の連携により必須(支社において労働者を雇用する場合、賃金支払いの際に必要なNIP番号の取得も含まれる)。
  5. 銀行口座の開設
  6. 支社を設立する外国法人のNIP番号の取得(任意)(支社のNIP番号とは別個に付与される)
    これは外国法人のVAT登録の際に必要となる(支社は別個の法人格を持たないため、支社のVAT登録はできない)。

現状では、会社登記裁判所が中央統計局、税務署、社会保険庁等、各機関へ登記フォームに基づき会社情報を送る。従来は、会社がそれぞれ登録・通知を行う必要があった。

駐在員事務所(Przedstawicielstwo

駐在員事務所は活動可能な業務範囲が限定的。販売促進、広告活動のみ認められている。
外国企業の駐在員事務所登録は、経済開発大臣に企業申請を行う。
駐在員事務所を開設した外国企業は、その名称に「ポーランド駐在員事務所(przedstawicielstwo w Polsce)」と入れ、ポーランド語独自の名称を持つ必要がある。
外国企業は、駐在員事務所の現在ならびに将来の資産・負債の責任を負う。ポーランド領土において、その企業の駐在員事務所は1つのみ活動できる。

駐在員事務所の設立手続き

  1. 駐在員事務所の賃貸契約の締結
  2. 経済開発省への駐在員事務所登録申請
  3. 中央統計局への登録(REGONの取得)
  4. 税務署への登録(NIPの取得)
  5. 社会保険庁への通知
  6. 銀行口座の開設

外国企業の会社清算手続き・必要書類

有限会社、 株式会社の清算手続き

有限会社(Sp. z o.o.)の清算手続き

有限責任会社の解散決議には全議決権の3分の2以上の賛成が必要(会社定款の変更と同じ要件)とされており、会社の清算に関する決議文は、公証人が作成する報告書に添付する必要がある。

清算手続きに入ると同時に、取締役会は自らの業務執行を停止し、取締役会に代わって清算人が選任される。ただし、会社設立契約書または取締役会の決議が他を規定しない限り、会社の取締役が清算人となる。
清算人の業務は、会社の債権回収、会社の債務の履行、会社資産の現金化、会社の残余財産の出資者への分配となっている。
清算手続き中は、清算人は清算と関係のない業務を行うことは原則としてできない。

清算の開始は会社登記裁判所(KRS)へ清算手続き開始事項の記載申請書を提出する義務を伴う。通知内容は、清算手続き開始および清算人の選任である。
裁判所への通告と同時に、会社登記裁判所公報(Monitor Sądowy i Gospodarczy)への記載手続きを取る必要がある。
記載申請書1部を会社が提出し、会社登記裁判所広報への記載手続きは会社登記裁判所が行う。
電子申請System S24で有限会社の登録を行った場合は、同様に電子方式で解決を図れる。会社清算の決議が全取締役により電子サイン(証明書を有するシステムやePUAPプロフィールで確認されたもの)されたもので行われる。

清算人は、会社登記裁判所への通告後、債権者に清算開始の公告を行い、この公告が行われた日から3カ月以内に、債権者に債務の届け出を行わせる義務を負う。
また、清算手続き開始時点における貸借対照表を作成し、社員総会による承認を受ける必要がある。

会社清算開始は、税務署にも通告する義務がある。
会社の債権取立てを終了し、債権を届け出た債権者に対する債務も弁済されると、清算人は、会社の残余財産分割の前日時点での貸借対照表を作成する。
出資者に対する残余資産の分配は、清算の開始を裁判所に対して通告し、債権者に対して公告・催告を行った日から起算し、最短でも6カ月が経過しないと行うことはできない。
実務上では、清算人に対して、会社の全残余資産を現金化せず、その一部を元の資産のまま出資者に分配するよう委任することも可能である。例えば、不動産や事業の一部を残余資産として出資者が引き継ぐことが可能である。

清算終了時における決算報告は、社員総会による承認を得る必要がある。社員総会による承認後、清算人は会社登記裁判所に会社登記抹消の申請を行う。
会社は会社登記簿からの法人抹消に関する決議の発効日をもって、法人格を完全に失う。同時に、税務署、統計局、社会保険庁にて、登記抹消の手続きが行われるが、(特にVATの分野において)これらの政府機関に登記抹消の通知を書面にて行うことが推奨される。

清算された会社の帳票・書類は、会社設立契約書または取締役会による決議によって指名された者が保管する。また、指名がない場合は、会社登記裁判所が保管する者を指名する。

外国法人の支社の清算手続きには、有限責任会社の清算手続きに関する法規が準用される。

株式会社(S.A.)の清算手続き

株式会社の清算手続きは、前述の有限責任会社の手続きとほぼ同一である。相違点は、債権者が自らの債権の届出ができる期間が、より長く設定されていることである。

清算人は会社解散および会社清算の開始について、2度にわたり公告を行い、かかる公告から6カ月以内に申立てを行うよう債権者に公告(催告)する。
当該公告は、第1回目の公告と第2回目の公告を行う間に、最短で2週間を置かねばならず、最長で1カ月間以内に1回目および2回目の公告を行わなければならないとされている。
第2回目の債権者への最後の公告から、少なくとも1年を経過した段階で、債権者が債権の全額弁済を保障され、または債権の保全が担保されている場合に、初めて残余資産を株主間で分配することができる。

ポーランドの会社の清算手続きについては、次の調査レポートを参照。

ジェトロ:ポーランド・企業設立ガイドライン(2012年12月)

その他

特になし

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