外資に関する規制

最終更新日:2019年01月11日

規制業種・禁止業種

規制業種や禁止業種は一般的にない。例外として、国家経済にとって重要と指定される国有企業については、株式取得に制限がある。また、国家安全保障の観点から重要な分野で外国企業が出資する場合、所管省大臣への届け出を義務付けている。

外国企業の法人設立、株式取得に対する規制は、以下の例外を除き、一般的にない(内外無差別)。
例外についての詳細は以下のとおり。

  1. 国家経済にとって重要とされる国有企業については、国家資産に関する法(2011年制定 CXCVI号)によって政府の株式最低保有率が規定されているため、法改正が行われない限り買収には制限がある。
    (例:輸出入銀行、ハンガリー郵便会社、ハンガリー電力会社、ハンガリー国鉄、陶器メーカー「ヘレンド」、各地域の森林管理会社)。
  2. 国家安全保障の観点から重要な分野において、外国企業が株式を取得する場合、また子会社を設立する場合、所管省大臣への届け出を義務付けている(「ハンガリー国家安全保障を損なう外国投資家の考査に関する法」2018年制定 LVII号。2019年1月1日施行)。
    1. 届け出対象分野の例
      • 武器一部の軍事技術、諜報関連機器
      • デュアル・ユース品(民生用、軍事用の両方に利用可能)
      • 一部の金融サービス、決済システムオペレーション
      • 電力エネルギー法の定めにより行う業務
      • 天然ガス供給法の定めにより行う業務
      • 水道事業法の定めにより行う業務
      • 電子情報通信法の定めにより行う業務
    2. 届け出の義務の対象者
      • EU、欧州経済領域(EEA)、スイス以外の国に登記している法人、また国籍保有者
    3. 届け出義務が発生する取得株式の割合
      ハンガリーに登記されている前記の事業を行う企業の株式を
      1. 直接・間接的に25%以上を取得、またNyrt.(株式公開会社・資本金2,000万フォリント)であれば10%以上を取得する場合
      2. 民法下で定められる影響力を与える以上の株式を取得する場合

    また、企業設立に関しても届け出が必要となる。
    大臣に届け出を行い、大臣が国家安全保障上、問題がないかを調査する。調査は原則60日以内。大臣は、調査結果により、株式取得、子会社設立を禁じることもできる。外国企業は大臣の調査終了後に株式取得、子会社設立を行える。禁止の決定には、異議申し立てをすることができる。

出資比率

100%による外資出資も可能。

外国企業の土地所有の可否

農地以外の土地は、取得、所有とも可能である。

非居住者、外国国籍者、企業などの法人は、農地・森林でない限り、土地の取得、所有が可能である。2014年5月1日には新土地法が施行され、ハンガリー市民に加え、EU市民(自然人)による農地・森林の取得も可能となった。
しかし、農業従事者やその近親者は300ヘクタールまでの取得が可能だが、未経験者は1ヘクタールまでに制限される。また、こうした土地は、利用が農業目的などに限定される。

法人は、一定の例外を除き、引き続き取得は禁じられている(例外:国家、農協、宗教団体、当該農地が所在する地方公共団体など)。
ただし、地方自治体、同自治体が属する県当局が農地・森林指定を解除し、工業用地等へ転用すれば、取得、所有は可能になる。

資本金に関する規制

外国企業の資本参加の有無にかかわらず、会社の形態によって最低資本金額が定められている。

最低資本金額

  • 株式非公開会社(Zrt):500万フォリント(現物出資でも可能)
  • 株式公開会社(Nyrt):2,000万フォリント
  • 有限会社(Kft):300万フォリント(現物出資でも可能)
  • その他:合名会社、合資会社については、最低資本金の規定はない。

その他規制

国内外企業を問わず、金融保険業、飲食業、医療サービス、賭博業などは監督当局から許可を得ることが必要。
たばこの小売販売は、営業権(コンセッション)を得た事業者のみが可能。また、こうしたたばこ小売事業者へ直接販売ができるのは、国から営業権を得た「たばこ供給会社(卸売会社)」のみ。たばこメーカーおよび輸入業者は、「たばこ供給会社」を通してのみ、国内販売が可能である。
小売業については、新規店舗建設・増築に関する規制や赤字企業に関する規制がある。これらの措置は国内・外国資本を問わず、すべてに適用されるが、実際には規模や売上高の高い外資系の小売りチェーンが最も大きな影響を受けている。

小売業の新規店舗建設・増築・改築に関する規制

  1. 建設、増築の場合
    小売業の場合、400平方メートルを超える新規店舗建設および増築は原則禁止。
    例外扱いを求めるためには、政府内の小委員会に申請しなければならない。小委員会の審査結果を基に、中央政府ハイドゥ・ビハル県地方局が最終決定する。決定に対し異議申し立てがあった場合は、ヘヴェシュ県地方局が最終決定する。
    増築については、既存店舗床面積と併せて400平方メートル超になる場合は原則禁止となる。
  2. 改築の場合
    2018年8月より、改装の場合も建設当局の許可が必要になった。許可申請の際は、中央政府ハイドゥ・ビハル県地方局の意見書の添付が必要(背景:外資系スーパーが規制回避のために、ハンガリー資本スーパーの既存店舗を買収し、その後改装してリニューアルオープンするという方法への対抗措置である)。

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