備考
最終更新日:2025年12月30日
備考
ハンガリーでは付加価値税(VAT)の脱税防止のため、様々な措置を講じている。
その1つとして、国内での一部の食品や製品の自動車輸送には、国家税・関税局(NAV)への事前申告が義務付けられている。また、企業が発行する請求書(invoice)やレシートはデジタル化が進み、データがNAVへリアルタイムで届けられる仕組みになっている。
電子輸送管理システム(Elektronikus Közúti Áruforgalom-Ellenőrző Rendszer:EKAER / Electronic Trade and Transport Control System)
- 目的と内容
付加価値税(VAT)の脱税防止を目的としており、特定の品目の国内流通を国家税・関税局(NAV)がリアルタイムで把握するためのシステム。導入以来、複数回の制度変更を経て、現在は脱税リスクが高いとして指定された「申告義務のある品物(notifiable products)」を輸送する場合にのみ、事前の申告と、原則として預託金の積み立てが義務付けられている。こうした品物を輸送する場合、トラックだけでなく、すべての車両が対象となる(積載量や車両重量は関係ない)。
- 申告義務がある品物および免除規定
申告義務がある品物は、国家経済省省令2014年第51号(Regulation by the Minister of National Economy No. 51/2014 on Determining Risky Products Related to the Operation of the Electronic Public Road Trade Control System)で指定されている。品物は従来の「リスクのある食品、製品」対象品から変更はない。例として、肉、肉製品、牛乳、乳製品、卵、蜂蜜、野菜果物、コーヒー、小麦粉など。
※申告の免除規定:同一自動車で同一荷受人に運搬される品物の価格が合計100万フォリント未満、かつ重量が500キログラム未満の場合は、申告義務は免除される。
- 対象
- 他のEU加盟国からハンガリーへの供給(輸入)
- ハンガリーから他のEU加盟国への供給(輸出)
- ハンガリー国内での供給
- 申告義務者、EKAER番号の取得
ハンガリーへの輸入の場合は荷受人が、ハンガリーからの輸出の場合または国内供給の場合は荷送人が、報告義務を負う。EKAERが発行するID番号(EKAER番号)を取得しなければならない。 - 申告内容
荷受人、荷送人に関するデータ、積荷・荷卸場の住所、積載品についての一般的な説明、関税番号(一般4ケタ、危険物資の場合8ケタ)。
品物の価格等に関する申告は、EKAERのウェブサイトを通じて行える。その申告を基に、国家税・関税局がEKAERシステムに登録。
その後、同局に対し、輸入の場合は到着時間を、輸出の場合は積載開始時刻を、報告しなければならない。 - 預託金
申告義務のある食品や製品を輸送する場合は、税金債務を保証するため、原則として国家税・関税局(NAV)に必要な金額の預託が必要。預託金の金額は輸送する品物の正味価格の15%。
ただし、以下の場合は預託金の義務は免除される。- NAVの納税者データベース「適格納税者リスト」に収載されている課税事業者
- 申告義務のある食品・製品の付加価値税(VAT)が軽減税率5%の対象となっている場合
オンライン・インボイス制度(Online Számla / Online Invoice)
ハンガリーでは、脱税対策および取引の透明化を目的とした「オンライン・インボイス制度」が運用されている。本制度により、ハンガリー国内の企業(課税事業者)が発行するすべての請求書データは、リアルタイムで国家税・関税局(NAV)へ送信・登録される仕組みとなっている。
具体的には、すべての企業はNAVの専用ウェブサイトに登録した上で、自社の請求書発行ソフトをNAVのシステムとオンラインで接続しなければならない。当初は国内法人宛の取引が中心であったが、現在は取引相手が国外法人(EU域内・域外問わず)や自然人(個人)である場合も、すべてのデータが送信義務の対象となっている。1度発行した請求書の修正や破棄を行う場合も、そのデータは同様にリアルタイムで送信する必要がある。
国家税・関税局:制度についての詳細説明、法律、よくある質問、技術仕様などについて "The Online Invoice Platform
"(ハンガリー語、英語、ドイツ語)
電子レシート制度(e-NYUGTA / e-receipt)
2025年7月から、デジタル形式の「e-NYUGTA(電子レシート)」制度の運用が始まった。導入は以下のように段階的に行われる。
- 2025年7月1日~:試験運用期間
指定された一部の業種や、新型の電子レジスター(e-penztargep)を導入した企業を対象に運用を開始。 - 2026年9月1日~:全面的義務化
すべてのレシート発行義務者に対し、電子レシートシステムを介したNAVへのリアルタイムのデータ提供が義務化される。顧客は専用アプリを通じてデジタルレシートを受け取ることが可能になる。 - 2028年7月1日:紙ベースレジスターの完全廃止
従来の紙によるレシート発行のみに対応したレジスターの使用が禁止され、デジタル対応機種への移行が完了する。
小売・サービス業に従事する企業は、2026年9月までに新型レジスターへの買い替えやシステム対応が必要となる。
電子ポータルサイト登録義務
ハンガリー国内のすべての企業は、企業向けの電子行政ポータルサイト(Allampolgarsag Program:DAP
/ 旧Cegkapu)への登録義務が課せられている。当局との公式な連絡、納税申告、各種許認可申請はすべてこのポータルを通じて行われる。






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