日本からの輸出に関する制度

清涼飲料水の輸入規制、輸入手続き

EUの輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2023年1月

なし
※本項以降では、EU規制に加え、主要EU加盟国がEU規制に上乗せで定めている独自規制についても言及していますが、これは、ジェトロで把握できた範囲において言及しているものであり、各国の独自規制を網羅しているものではありません。また、各項目で明示的な言及がない国については、記載できる情報がないということであり、独自規制が存在しないということではありません。

2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)

調査時点:2023年1月

日本からEU域内に清涼飲料水を輸入する際に、施設登録は必要ありません。 ただし、EUに「天然ミネラルウオーター(natural mineral water)」と表示して輸出する場合、日本産のミネラルウオーターであっても、指令2009/54/ECに規定される定義、一定の処理や条件にのっとり、加盟国により承認された地下水源から採水された水の場合のみに「ミネラルウオーター」として表示、販売することが可能です。

EUにおいて、水道水以外の飲料水は、「天然ミネラルウオーター(natural mineral water)」、「水源水(spring water)」と「その他の水」に区別されます。「水源水(spring water)」と「その他の水」の定義については、食品関連の規制「1. 食品規格」で確認してください。

「天然ミネラルウオーター(natural mineral water)」の定義は、指令2009/54/EC の第5条ならびにANNEXE Iに規定されており、汚染から保護された地下水源に由来し、寄生虫や細菌など人体の健康に害を及ぼす成分を含まない清浄な飲用水であること、本指令(第4条)に規定される処理を除く化学処理は禁止されています。また、水源地で直接ボトル詰めすること、ミネラル成分や微量成分の含有量や成分に特徴があり自然本来の性質であること、これらは自然的要因の範囲内で安定している必要があります。

「天然ミネラルウオーター」ならびに「水源水」フッ化物を除去するための活性アルミナ(Activated alumina)の使用条件については、規則(EU) No 115/2010に規定されます。

なお、「飲料水」とは直接関連しませんが、医薬用の水は指令 2001/83/ECに規定されており、温泉施設などで治癒目的に使用される天然ミネラルウオーターについては、本指令の対象外となっています。
また、「天然ミネラルウオーター」は、ヒトの病気の予防、治療、または治癒に関連する天然ミネラルウオーターの特性に起因する表示は禁止されています。
その他、「天然ミネラルウオーター」のミネラル成分の含有量の上限(ヒ素、バリウム、フッ化物、ホウ素、マンガン)やラベル表示などについては、指令 2003/40/ECに規定されます。

日EU経済連携協定に基づく特恵税率の適用を受けるためには、当該輸出品の原産地が日本である旨を証明する原産地証明が必要となります。日EU経済連携協定では、自己申告による原産地証明制度が採用されており、輸入者、輸出者または代理人(通関業者など)のいずれかが、自ら原産地を証明することになります。自己申告制度や書式に関しては税関のウェブサイトで確認することができます。
輸出側としては、「日 EU・EPA」に定める義務を履行できる者である限り「輸出者自己申告」ができ、財務省関税局・税関「日 EU・EPA 自己申告及び確認の手引き(2021 年 2 月)」に記載されているとおり、日EU経済連携協定ANNEX 3-D に規定された原産地に関する申告文をインボイスその他の商業上の文書上に記載することとなっています。23言語(EU加盟国公用語)の申告文は、同ANNEX 3-Dで確認することができます。

申請の際に記載する「輸出者参照番号」とは、日本で登記された企業およびその他の組織に国税庁が割り当てた13桁の法人番号にあたります。(輸出者が登録番号を有しない場合には、記入欄は空欄のままで良い。)

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2023年1月

日本からEUに清涼飲料水を輸出する場合は、特別な検疫上の措置は求められません。本稿で定義する清涼飲料水に植物検疫証明書の取得も不要です。

ただし、乳糖など動物由来加工製品を原材料に含む場合(例.ミルクティーやカフェオレなど)には、混合食品の規制の対象となります。詳細はポータルサイト「EU」の「混合食品」で確認してください。

関連リンク

その他参考情報
農林水産省から入手できる主な情報

EUの食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2023年1月

EU域外から輸入される食品については、欧州議会・理事会規則(EC) No 178/2002に基づきEU規制が求める衛生基準などとの同等性(輸出国と特定の合意がある場合はその合意事項)を満たす必要があります(同規則Article 11)。

EUの食品輸入事業者は、輸入した食品がEUの食品衛生要件を満たしていないと判断した場合、即時に製品を市場から回収する手続きをとり、加盟国の所管当局に通知する義務があります(欧州議会・理事会規則(EC) No 178/2002 Article 19)。また、同規則では、食品がヒトの健康や環境に甚大なリスクをもたらす可能性があると判断された場合、EUが当該食品の上市停止などの緊急措置をとることが認められています(同規則Article 53)。

EUの食品の食品衛生要件に関しては、欧州議会・理事会規則 (EC) No 852/2004 (一般食品衛生規則)と欧州議会・理事会規則 (EC) No 853/2004 (動物由来食品衛生規則)で規定されています。

飲料水

水道水以外の飲料水は、「天然ミネラルウオーター(natural mineral water)」、「水源水(spring water)」と「その他の水」に区別されます。指令2009/54/ECに規定される、「天然ミネラルウオーター(natural mineral water)」については、輸入規制「2.施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)」を確認してください。
なお、「天然ミネラルウオーター(natural mineral water)」および「水源水(spring water)」のミネラル成分の含有量の上限(ヒ素、バリウム、フッ化物、ホウ素、マンガン)やラベル表示などについては、指令 2003/40/ECに規定されます。

「水源水(spring water)」とは、地下水を源泉とし、人体の健康に害を及ぼす成分を含まないこと、ただし、ミネラル成分の含有量や構成を保持する要件までは求められず、水源地の認定は不要とされます。一方で、殺菌および一部を除く化学処理の禁止など、「天然ミネラルウオーター」と同等の要件が課され、微生物基準、ラベル表示、販売要件などが指令2009/54/ECに規定されます。

他方、「水源水(spring water)」に加えて「その他の水(天然ミネラルウオーターと水源水以外の飲料水)」の要件に関して、新EU指令(EU)2020/2184(旧指令 98/83/ECから段階的に移行中)に規定されています。「ヒトが消費することを意図した水」とは処理されているか否か問わず、公共および私有施設、(家庭用目的)で飲用、調理、食品の準備のために使用されるすべての水で、ボトルや容器に入れたもの、「水源水(spring water)」を含むとされます。また、ヒトが消費することを意図した食品や物質の製造、加工、保存、または販売のために食品事業で使用されるすべての水を指します。

このため、「天然ミネラルウオーター(natural mineral water)」に関しては、指令2009/54/ECと指令 2003/40/ECを、「水源水(spring water)」に関しては、指令2009/54/ECと指令 2003/40/ECならびに指令(EU)2020/2184(旧指令 98/83/EC)を、「その他の水(天然ミネラルウオーターと水源水以外のペットボトルやパックの水)」に関しては、指令(EU)2020/2184(旧指令 98/83/EC)を確認する必要があります。

フルーツジュースなど

一方、「フルーツジュース・果汁(Fruit juices)」や「フルーツネクター・果肉飲料(Fruit nectars)」に関しては、指令 2001/112/ECに規定されており、定義、Brix (糖度)、製品が「果汁と濃縮還元の混合物」である場合、または「濃縮還元から全体または一部からなるフルーツネクター」の場合のラベル表示義務、認可された成分および処理方法などが規定されています。なお、「トマトジュース」も本指令(2001/112/EC)にカバーされます

「フルーツジュース・果汁(Fruit juice)」「濃縮還元果汁(Fruit juice from concentrate)」「濃縮果汁(Concentrated fruit juice)」「乾燥果実からまたは果肉からの果汁の抽出など、水で抽出されたジュース (Water extracted fruit juice)」「乾燥(脱水)・粉末果汁(Dehydrated/powdered fruit juice)」「フルーツネクター・果肉飲料(Fruit nectars)」の定義については、本指令 ANNEX Iで確認することができます。

本項において、「フルーツジュース・果汁(Fruit juice)」とは、次のとおり定義されます。

  • 健全で熟した果実の食用部分から得られた、新鮮あるいは、冷蔵または冷凍保存された1つまたは複数の種の混合物で、特徴的な色、風味、および味を持つ果実の果汁で、発酵していないが発酵し得る製品
  • 同種の果実から適切な物理的手段によって得られる風味、果肉、および細胞は、果汁に還元することが可能である。
  • かんきつ類の場合、果汁は内果皮から抽出される必要があります。ただし、ライム果汁は果実全体から得ることができる。
  • 果汁が種、種子、果皮を含む果実から得られる場合、これらの種、種子、果皮の一部または構成要素を果汁に混ぜることはできない。(ただし)この規定は、種、種子、および果皮の一部または構成要素が適正製造基準(GMP)によっても除去できない場合には適用されない。
  • 果汁の製造において、果汁と果汁ピューレの混合は認可されます。

なお、「濃縮還元果汁(Fruit juice from concentrate)」に使用される水は前述の「指令 98/83/EC(新EU指令(EU)2020/2184に段階的に移行中)によって規定される「ヒトが消費することを意図した水の品質基準」を満たす必要があります。 最終製品の糖度(soluble solids)は、本指令98/83/EC(新EU指令(EU)2020/2184に段階的に移行中)ANNEX Vに規定される還元果汁の最低Brix値(果実飲料の糖度)を満たす必要があります。濃縮物から果汁を(還元)製造する際に、果汁および/または濃縮果汁を、果実ピューレおよび/または濃縮果汁と混合することは認可されています。

「フルーツネクター・果肉飲料(Fruit nectars)」としての要件は本指令98/83/EC(新EU指令(EU)2020/2184に段階的に移行中)ANNEX IVに規定されます。 さらに、「Fruit(果実)」「果実ピューレ(Fruit purée)」「濃縮果実ピューレ(Concentrated fruit purée)」「フレーバー・風味(Flavour)」「砂糖(Sugars)」「ハチミツ(Honey)」「果肉あるいは細胞(Pulp or cells)」に関しては、本指令98/83/EC(新EU指令(EU)2020/2184に段階的に移行中) ANNEX IIで確認することができます。

関連リンク

根拠法等
規則(EC)No 178/2002(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則 (EC) No 852/2004 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則 (EC) No 853/2004 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EU)No 2017/625 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
指令2009/54/EC (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EU) No 115/2010(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
指令 2003/40/EC(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
指令(EU)2020/2184(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
指令 2003/40/EC(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
指令 98/83/EC(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
指令 2001/112/EC(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、すべて制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
"
その他参考情報
欧州委員会「ナチュラルミネラルウオーターと水源水」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

2. 残留農薬および動物用医薬品

調査時点:2023年1月

基本的に、EUでは、使用可能な農薬について、ポジティブリスト制を採用しており、食品の種類ごとに許容される残留農薬の上限値(Maximum Residue Limit、MRL)が規定されており、規則 (EC) No 396/2005 ANNEX Iに対象のカテゴリーが定義されます。MRLは、当該食品1kgあたりに許容される農薬量(mg/kg)として示され、同規則のANNEX IIならびにANNEX IIIに MRLが設定されていない農薬と食品の組み合わせに対しては、一律0.01mg/kgの上限値が適用されます。
野菜ジュースや果実ジュースなどの場合、原料の青果の残留農薬の上限値の確認が必要となります。 すべての食品に対するMRLは、「EU農薬データベース」で検索が可能です。データベースは科学的評価に基づき更新されるため、随時確認する必要があります。

一方、飲料に使用される「水源水(spring water)」と「その他の水(ペットボトル水を含む)」は残留農薬規則の規則 (EC) No 396/2005 ANNEX Iの対象になっていませんが、「使用できる農薬」の最大値に関して、新EU指令(EU)2020/2184(旧指令 98/83/ECから段階的に移行中)ANNEX Iに規定されており、農薬別で0.1μg/ℓ、総量で0.5μg/ℓとなっています。分析基準については、ANNEX IIIに規定されます。

関連リンク

関係省庁
欧州食品安全機関(EFSA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
規則(EC)No 396/2005(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
指令(EU)2020/2184(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、すべて制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
その他参考情報
EU農薬データベース(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農林水産省 諸外国における残留農薬基準値に関する情報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ EUにおける残留農薬に関する規制(2015年2月)

3. 重金属および汚染物質

調査時点:2023年1月

EUでは、欧州委員会規則 (EC) No 1881/2006で食品カテゴリーごとに含まれる汚染物質の上限値を規定しています。ここでの「汚染物質」とは、意図的に食品に添加されたものではなく、「食品の生産(作物管理、畜産、獣医療における作業を含む)、製造、加工、調理、処理、包装、梱包、輸送および保管などのプロセスまたは生育環境に由来して、食品中に存在する物質」をいいます。これらの最大規定値を超えるものは原材料としても使用できないとされています。(規則 (EC) No 1881/2006第3条)このため、果実ジュースや野菜ジュースなどに、原料として使用される青果物の汚染物質の上限値に注意が必要です。

また、乳児・幼児向け飲料には別の規定値が設定されていることもあるため注意が必要です。

一方、飲料に使用される「水源水(spring water)」と「その他の水(ペットボトル水を含む)」は規則 (EC) No 1881/2006の対象となっていませんが、「汚染物質」の使用上限値に関して、新EU指令(EU)2020/2184(旧指令 98/83/ECから段階的に移行中)ANNEX Iに規定されています。カドミウム、アクリルアミド、ビスフェノールAや鉛など32点(前述の農薬を含む)の化学物質の使用上限値が設定されているため注意が必要です。

関連リンク

根拠法等
規則(EC)No 1881/2006(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
指令(EU)2020/2184(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EEC)No315/93(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、すべて制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。

4. 食品添加物

調査時点:2023年1月

EU では、着色剤や保存料、酸化防止剤、その他乳化剤・安定剤などの食品添加物と、食品香料および食品酵素を区別し、これらを合わせて「食品改良剤(Food Improvement Agents)」)と総称しています。

表 1 食品改良剤(Food Improvement Agents)
食品改良剤 根拠法 定義
食品添加物 規則(EC) No 1333/2008 それ自体は通常は食品として消費されず、栄養価の有無を問わずに食品の典型的な原材料としては通常は使用されない物質で、食品の製造、加工、調理、処理、包装、輸送、保存の段階において技術的な効果(防腐、酸化防止、色の定着など)を意図的に追加することにより、その物質やその副産物が直接的・間接的に食品の構成要素となるか、なることが十分に予想される物質。
食品香料 規則(EC) No 1334/2008 それ自体は食品として消費されず、香りや風味を添えるか、もしくは変えるために食品に添加される製品。香料物質、香料調整品、熱処理香料、スモーク香料、香味料前駆体、その他香料およびこれらの複合物からなる。
食品酵素 規則(EC) No 1332/2008 植物、動物、微生物、または植物、動物、微生物に由来する製品から得られる製品で、微生物の発酵によって得られる製品も含む。

食品添加物は、規則(EC)No 1333/2008に基づき、ポジティブリスト形式での規制が課されており、認可を得た食品添加物のみが使用を認められています。食品添加物ごとに「使用可能な食品カテゴリー」および「濃度限度(定められていない食品添加物もある)」が定められているため、食品添加物が当該食品カテゴリーにおいて使用可能かどうかについても確認する必要があります。

本稿で定義する清涼飲料水については、同規則ANNEX II のPART E「14. Beverages(飲料)」の「14.1.2 Fruit juices(フルーツジュース・果汁)」「14.1.3 Fruit nectars(ネクタージュース・果肉飲料)」「14.1.4 Flavoured drinks(フレーバー飲料水)」「14.1.5コーヒー、茶、ハーブティー、植物・果実を煎じた飲料など」で食品カテゴリーごとに使用可能な添加物と使用条件を確認することができます。また、ポジティブリストについては、欧州委員会のウェブサイトでも検索が可能です。

本規則(EC)No 1333/2008(ANNEX I)に27の食品添加物の機能分類が掲載されていますが、ラベルに表示する際には、機能分類による一括表示ではなく、E番号または添加物名で表示する必要があります。例えば、日本では、「pH調整剤」と一括表示が許可されていますが、EUにおいては、「E 500」または「Sodium carbonates(炭酸ナトリウム)」、「E 336」「Potassium tartrates(酒石酸カリウム)」などと表示する必要があります。添加物の記載については、「食品関連の規制」の「6.ラベル表示」の項も確認してください。

なお、ANNEX IIに記載されていない場合でも、ANNEX IIIに掲載されている添加物やキャリアは使用条件に従って食品添加物、食物酵素、食品香料、栄養物(ビタミン・ミネラル)に使用することが可能です。その他、ANNEX II PART B(食品への使用が認められるすべての食品添加物で着色料、甘味料以外のリスト)やPART Cのグループ分類(「quantum satis(適量)」の使用を認める)の確認も必要です。

他方、同規則ANNEX II Part Aに「食品添加物を含むことが禁止されている食品」が規定されています 。基本的に、指令 2009/54/EC で定義されている「天然ミネラルウオーター」ならびに「水源水」、「その他すべての水(ボトル入りまたはパック入りの水を含む)」に関しては、本規則ANNEX IIのTable 1ならびにTable 2に規定されており、キャリーオーバー原則が認められず、添加物と着色料の存在は認可されていません。
ただし、「14.1.1 水(天然ミネラルウオーター、水源水、その他のボトル入りまたはパック入りの水)」の項でE 338-452の添加は認められています。
指令 2001/112/ECにカバーされる「フルーツジュース・果汁(Fruit juices)」や「フルーツネクター・果肉飲料(Fruit nectars)」などに関しても、ANNEX IIのTable 2に規定されており、キャリーオーバー原則が認められず、着色料の存在は認可されていません。

なお、本添加物規則(EC) No 1333/2008は「水源水」、「その他すべての水」を規定する「指令 98/83/EC(新EU指令(EU)2020/2184に段階的に移行中)にカバーされるヒトの消費を目的とした水の処理に使用される添加物質」は対象外としています。

一方で、「1. 食品規格」に記載した指令 2001/112/ECにカバーされる「フルーツジュース・果汁(Fruit juices)」や「フルーツネクター・果肉飲料(Fruit nectars)」などに認可される成分は、添加物規則 (EC) No 1333/2008およびビタミン・ミネラル規則(EC)No 1925/2006に加え、指令 2001/112/ECの ANNEX I (II)も確認する必要があります。
例えば、同指令で定義される果汁製品の場合、酸味を調整するための、レモンおよび/またはライム果汁および/または濃縮レモン果汁および/または濃縮ライム果汁は、果汁1リットルあたり最大3 グラムまで「無水クエン酸」として表示できます。
その他、トマト果汁または濃縮還元トマト果汁の場合、塩、香辛料、ハーブを添加することができます。

食品に添加できるビタミンおよびミネラル成分

食品に添加できるビタミン剤およびミネラル成分に関しては、規則(EC)No 1925/2006に規定されており、同規則 ANNEX Iに食品に添加できるビタミンとミネラルが規定されます。

なお、本項目に関して、国によってEU規制の運用が異なる場合があることに留意が必要です。

5. 食品包装(食品容器の品質または基準)

調査時点:2023年1月

EUでは、食品用の容器・包装をはじめ、調理器具や食品製造機械、食品輸送用のコンテナなど、食品と接触することが意図されている、または通常の使用条件において食品と接触することが合理的に予見されるあらゆる素材・製品(Food Contact Material:食品接触素材)について、健康被害を引き起こしてはならない、食品成分に許容できない変化を引き起こしてはならない、食品の味・香り・食感などを劣化させてはならない旨が定められています(欧州議会・理事会規則(EC)No 1935/2004)。また、規則(EC)No 2023/2006においては、食品接触素材の製造工程における適正製造規範(Good Manufacturing Practice: GMP)が定められています。

食品接触材であることを示す規則 (EC) No 1935/2004のANNEX IIに規定されるロゴ

前述の一般原則を規定する規則に加え、特定の食品接触素材について、個別の規則が定められており、定められた条件に準拠していることを示す適合宣言書の添付が求められています。プラスチックの適合宣言書には、規則 (EU)No 10/2011のANNEX IVの情報を記載する必要があります。

なお、食品接触を意図する「再生プラスチック」に関して、旧規則の規則(EC)No282/2008が廃止され、2022年10月10日から、新規則(EU) 2022/1616が施行されています。リサイクル業者、または、再生プラスチックが含まれるプラスチック加工製造業者向けは本規則ANNEX IIIに規定される「適合宣言書」の提出が求められます。

このため、EU向けの「適合宣言書」の提示ができる素材メーカーまたは、安全性の試験を実施できる分析会社を介して証明する必要があります。

表 2 主な食品接触素材に関する根拠法
食品接触素材 規則・指令 主な内容
プラスチック 規則(EU)No 10/2011 ポジティブリスト形式での使用規制がなされており、同規則ANNEX Iのリストに掲載されている物質を原料として製造されたプラスチックのみが、食品接触素材として使用可能となっています。このリストは科学的評価に基づき更新されるため、随時確認する必要があります。
アクティブ・インテリジェント素材 規則(EC)No 450/2009 食品と誤認されるおそれがある場合には、3mm以上のフォントサイズで“DO NOT EAT’’と表記する必要があります。なお、調査時点では、ポジティブリストは制定されていません。
〔鮮度保持などの目的で食品から物質を吸収する素材(吸湿材など)、容器内に物質を放出する素材(防腐剤を放出する鮮度保持材など)、食品の状態を監視する素材(温度変化に反応する素材など)〕
再生プラスチック 規則(EU) 2022/1616 同規則に従って「認可を受けたリサイクル工程」から得られた物質を原料として製造された再生プラスチックのみが、食品接触素材として使用可能で、「認定されたリサイクル工程」を使用する域外の事業者はEU加盟国に通知、登録が必要であった。新規則ではこれに加え、「新規技術を用いたリサイクル」、リサイクルスキーム(システム)、および除染設備に関してもEUへの通知・登録が必要となっている。
セラミック 指令84/500/EEC カドミウムと鉛の検出上限値が規定されています。
再生セルロースフィルム 指令2007/42/EC ポジティブリスト形式での使用規制がなされており、同規則ANNEX IIのリストに掲載されている物質を原料として製造された再生セルロースのみが、食品接触素材として使用可能となっています。
BPA(ビスフェノールA) 規則(EU) 2018/213 乳幼児向け食品に接触することが意図された包装材の原料への禁止
エポキシ樹脂 規則No 1895/2005/EC エポキシ誘導体の定義と使用制限
ゴム 指令93/11/EEC エラストマーまたはゴムに由来するN-ニトロソアミンおよびN-ニトロソアミンに転化可能な物質の放出、基準、分析方法に関する規則

また、EUレベルでの法規制に加えて、EU加盟国は独自規制を導入することが可能となっているため、注意が必要です。

例えば、フランスでは、国内法(デクレ・アレテ)により、ゴム、シリコンゴム(ポリマー)、イオン放射線処理、金属・合金 (ステンレススチール、アルミニウム) に関する独自規制が定められており、適用される基準値や添加できる物質のポジティブリストなどが規定されています。
また、食品の包装と保管、着色に関する1912年6月28日付アレテ(省令)により、一部の製造・醸造を除き、飲食品に直接、銅、亜鉛、亜鉛メッキが触れることは禁止されており、食品に接触する重金属(ヒ素、鉛、スズ)、紙・ボール紙、ニス・コーティング剤、人口着色料などについても独自規定が設けられています。

その他、ガラス・グラスセラミックなどに含有する重金属量(カドミニウム、鉛、クローム)の上限値や禁止の有無を定めた規定、製造に使用できる素材(木材など)の規定や洗浄剤それぞれ該当規定を確認する必要があります 。
また、法令No 2012-1442に基づき、食品に接触するすべての包装容器などについてビスフェノールAの使用が禁止されています。日本では缶の裏側にビスフェノールAが使用されていることが多いため、留意が必要です。

表 3 食品接触素材に関するフランス国内法
EU規則 フランス国内法 独自規制
プラスチック・熱可塑性エラストマ-(TPE) 規則(EU) No 10/2011
アクティブ・インテリジェント素材 規則(EC) No 450/2009
再生プラスチック 規則 (EU) 2022/1616
セラミック 指令84/500/EEC 1985年11月7日付アレテ カドミウムと鉛の検出上限値が規定
再生セルロースフィルム 指令2007/42/EC 1993年11月4日付アレテ ポジティブリスト形式で使用規制
BPA(ビスフェノールA) 規則(EU) 2018/213 法令2010年6月30日付 2010-729 EUでは、乳幼児向け食品に接触することが意図された包装材の原料への禁止。フランスではすべての食品接触材に使用禁止
エポキシ樹脂 規則No 1895/2005/EC
木材 1945年11月15日付アレテ フランスとヨーロッパで伝統的に使用されてきた木材や食品に接触可能な木材の他、合金、ワニス・コーティング他材料を規定
ゴム 指令93/11/EEC 2020年8月5日付アレテ 家庭用品 (圧力鍋、ジャー、キャップのシール、手袋、乳幼児の哺乳瓶、おしゃぶりなど) または食品産業の機器 (ホース、コンベア ベルト、バルブ、ガスケット、手袋など)
イオン放射線処理 1986年8月12日付アレテ
金属・合金 (ステンレススチール、アルミニウム) 1976年1月13日付アレテ
1987年8月27日付アレテ
1912年6月28日付アレテ
食品に接触するステンレス材
アルミニウム・アルミニウム合板
スズ・スズめっき
シリコンエラストマー 1992年11月25日付アレテ

ペットボトルの蓋の設計に関する規則

EU指令 (EU) 2019/904 第6条により、EU域内では容量が 3 リットル以下の使い捨てプラスチックの飲料ボトル(容器)、例えば、キャップやふたがついた飲料ボトル、およびキャップとふたがついた複合飲料などの液体を入れるために使用されるボトル(ただし、キャップとふたがプラスチック製の場合のガラスまたは金属製の飲料ボトルは除く)に関して、ボトルから離れないキャップやふたに設計にしたもののみが流通できるよう、2024 年 7 月 3 日までに、各国内法を整備・施行することが求められています。

例えば、フランス国内法では環境法ならびに2020 年 12 月 28 日付デクレ No 2020-1724 により、規定されています。

キャップやふたの設計の詳細については欧州委員会ガイドラインの「4.4.2. Caps, lids and covers」でも確認することができます。

容器包装のリサイクルなどに関する表示

EUレベルでは、環境を配慮する目的で、包装および包装廃棄物の管理に関する国内措置(システム)を整備するEU指令94/62/CEの枠組みの中で、2014年より、使用されている包装容器が「PRO EUROPE」のリサイクルシステムに組み込まれていることを証明するロゴ 「グリーンドット」Green Dot.(独 :グリューネ・プンクト, 仏 : Le Point vert)が導入されています。 これらのリサイクルシステムは各加盟国の団体組織により管理されています。

フランスにおいては、CITEO (現Eco-Emballageただしガラス瓶はAdelphe)により運営されており、92年以降本システムを利用している包装容器に「Point vert」の表示が義務化されていましたが、2017年に義務的表示が廃止となりました。他方で、一部のEU加盟国(スペイン、キプロス)では表示が義務化されています。

PRO EUROPEに参加していることを証明する ロゴ「グリーンドット」(Green Dot.)

フランス国内法で禁止される使い捨てプラスチック

フランスに国内法においては、本枠組みの中で「廃棄物削減および循環経済に関する2020年2月10日付法律N°2020-105 」により、2020年からプラスチック製使い捨てコップ、グラス、皿類、2021年からストロー、ナイフ・フォーク類への使用が禁止、2022年1月1日以降、青果(1.5kg以下)のプラスチック過剰包装の禁止、プラスチックのティーバックの禁止、ファーストフードにおけるプラスチック玩具の「おまけ(無償配布)」が禁止されています。その他、鉱物油がリサイクルを阻害する物質を含むとして、フランスでは2023年からの包装材への使用が禁止されています。

さらに、リサイクル可能か否か関係なく家庭消費向け包装容器(飲料用ガラス瓶は除く)が分別の対象であることを示す「トリマンロゴ」に加えフランスで統一したゴミの分別方法のロゴ(旧「Info-tri」ロゴに代わるもの)の表示が義務づけられています。(「トリマン(Triman)」ロゴの表示は2015年から義務化されており、新「Info-tri」ロゴは2022年1月1日から開始)詳細はジェトロビジネス短信でも確認することができます。

トリマンロゴ(必須),「仕分け」+ 「簡単」,仕分けしやすいように「+」で分別を表示,ゴミ箱の図または、ガラス瓶に「Tri Verre」その他は「Bac de Tri」の文字を併記できる,ガラス瓶の場合緑色、その他は黄色で囲む

なお、木箱やパレットなど木製の梱包に関する規制は本ポータルサイト「EU」の「花き」を確認してください。また、中国ならびに香港を原産国とするポリマアミド(ポリマー)およびメラミンプラスチックキッチン用品には別途規定があります。

関連リンク

関係省庁
欧州委員会外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
規則(EC)No 1935/2004(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EC)No 2023/2006(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EC)No 1895/2005(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
指令(EEC) 84/500(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EU)No 10/2011(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則 (EU) 2022/1616 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EU) 2020/1245(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
指令(EC)No 2007/42(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EC)No 450/2009(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則 (EU) No 2016/2031(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EU) 2019/787 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
EU指令 2011/91/EU (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
委任規則 (EU) 2019/2125 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EU) 2018/213(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
指令93/11/EEC(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
2007年5月10日付 デクレNo 2007-766 (フランス語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2008年12月30日付 デクレNo 2008-1469 (フランス語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
1994年11月9日付飲食品に接触するゴム製品・素材に関するアレテ (フランス語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
1992年11月25日付飲食品に接触するシリコンゴム製品・素材に関するアレテ (フランス語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
1986年8月12日付飲食品に接触する製品・素材へのイオン放射線処理に関するアレテ (フランス語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
1976年1月13日付食品に接触するステンレス製品・素材に関するアレテ (フランス語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(375KB)
1987年8月27日付飲食品に接触するアルミニウムまたはアルミニウム合金製品・素材に関するアレテ (フランス語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
1985年11月7日付アレテ飲食品に接触するセラミック製品から抽出可能なカドミニウムや鉛の上限値に関するアレテ (フランス語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
1999年9月8日付アレテ (フランス語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
1912年6月28日付食品の包装と保管、着色に関するアレテ (フランス語)
フランス法令No 2012-1442(フランス語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※ 関連リンクに示した仏国内法のリンクは、すべて制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、Version à la date du で最新の日付を入力してください。
指令94/62/CE (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
リサイクル可能な製品にかかる共通の記載に関する2014年12月23日付 デクレn° 2014-1577 (仏語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
廃棄物削減および循環経済に関する2020年2月10日付N°2020-15 (仏語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
フランス国務院の2021年3月15日付け決定(仏語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
指令 (EU) 2019/904 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2020 年 12 月 28 日付デクレ No 2020-1724(フランス語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
その他参考情報
欧州委員会 食品接触材 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州委員会 食品接触材に関する一般情報とコンタクト先(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州委員会 各加盟国言語の食品接触材に関するEUガイドライン(各国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州委員会 EU加盟国の食品接触素材に対する独自規制に関するレポート(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州委員会通知「指令 (EU) 2019/904に準拠した使い捨てプラスチック製品に関する委員会ガイドライン」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
フランス国立計測試験研究所(LNE)(フランス語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ「海外向け食品の包装制度調査(EU、TPP、米国、中国、韓国、台湾、インド、タイ、インドネシア、GCC、メルコスール)(2020年3月)」
Pro Europe(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
CITEO「Info tri」(フランス語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロビジネス短信
ジェトロビジネス短信
ジェトロ「欧州グリーン・ディールの概要と循環型プラスチック戦略にかかわるEUおよび加盟国のルール形成と企業の取り組み動向」PDFファイル(3.08MB)

6. ラベル表示

調査時点:2023年1月

天然ミネラルウオーターと水源水に必要なラベル表示

「食品関連の規制」の「1. 食品規格」の項で説明のとおり、「天然ミネラルウオーター」と「水源水」に関連する規則にのっとり、個別に規定される要件を表示する必要があります。

表 4 「天然ミネラルウオーター」と「水源水」の個別ラベル表示規定
天然ミネラルウオーター 水源水
「Water subjected to an authorised adsorption technique(承認された吸着技術で処理された水)」の表示
規則 (EU)No 115/2010
必要
フッ化物除去のための活性アルミナの使用(フッ素除去処理)条件に準拠して、分析成分の表示の近くに文言を記載
必要
フッ化物除去のための活性アルミナの使用(フッ素除去処理)条件に準拠して、分析成分の表示の近くに文言を記載
特徴を示す構成成分の成分分析の表示
指令 (EC) 2009/54第7条
必要 対象外
水源の名称と採水地
指令 (EC) 2009/54第7条および第9条
必要 必要
指令 (EC) 2009/54第4条に規定される処理 必要
鉄、マンガン、硫黄化合物、ヒ素などの分離などのために施した処理の記載
必要
鉄、マンガン、硫黄化合物、ヒ素などの分離などのために施した処理の記載
「1.5 mg/ℓ以上のフッ化物を含む: 7 歳未満の乳幼児の定期的な摂取に適していません」の表示
指令 (EC) 2003/40第4条
必要
商品名の隣に、はっきりと見える文字で文言を記載
必須成分の物理化学的組成にかかる実際のフッ化物含有量を表示する
対象外
「water subjected to an authorised ozone-enriched air oxidation technique(承認された高濃度オゾン浄水技術で処理された水)」
指令 (EC) 2003/40第6条
必要
高濃度オゾン浄水処理がされた場合、製品の特徴成分の分析組成の近くに記載
必要
高濃度オゾン浄水処理がされた場合、製品の特徴成分の分析組成の近くに記載

消費者向け事前包装された食品のラベル表示ト

EUにおける食品のラベル表示については、規則 (EU) No 1169/2011で規定されています。同規則は、最終消費者向けおよび調理施設(レストラン、食堂など)向けの輸入食品を含む食品すべてに適用されます。オンライン販売などの手法により遠隔地から販売する事業者にも同様の規定が適用されます。アレルギー物質や栄養表示など、日本よりも義務表示の対象が広い項目もあるため注意が必要です。
また、特定栄養用途食品やEU規則で特例が規定される場合を除き、いかなる食品情報に関しても、ヒトの病気を予防、治療または治癒する特性があるとうたったり、そのような特性に言及したりすることは禁止されています。

日本から清涼飲料水を輸出する場合、同規則第9条に基づき、次の項目を表示する義務があります。 定義などについては「食品関連の規制」の「1. 食品規格」の項で確認してください。

  1. 水源水 (天然ミネラルウオーターを除く)
  2. その他のペットボトルやパックの水(天然ミネラルウオーターを除く)
  3. 果汁・フルーツジュース(Fruit juices)
  4. 果肉飲料・フルーツネクター(Fruit nectars)
  5. フレーバードリンク・ソフトドリンク
表 5 規則(EU) 1169/2011第9条に規定される義務表示
1 2 3 4 5 項目 補足説明
食品の名称 食品の名称は、次の優先順位で記載する必要があります。
  1. 法的名称:EUまたは加盟国の法律、規則等で定められた名称。
  2. 慣習的名称:当該販売国で消費者に食品名称として受け入れられている名称。その名称以外に説明が不要なもの。
  3. 説明的名称:製品の本質が消費者に分かり、混同しやすい他の製品と区別できる食品を形容した説明、および必要に応じてその用途を示す名称。
なお、商標やブランド名を食品の名称として使用することはできません。
その他、ANNEX VIに該当する個別項目が要求される場合もあります。
原材料リスト 原則として、すべての原材料(食品添加物や酵素を含む。)を重量順に表示する必要があります。ただし、食品に占める割合が2%未満の原材料については、重量順と異なるかたちで列挙することも可能です。なお、複合原材料についても、名称・総重量を記載したうえで、その後に原材料リストを記載する必要があります。食品添加物および食品香料は、そのカテゴリー(酸化防止剤、防腐剤、着色料など)ごとに物質名またはE番号を表示する必要があります。ただし、加工助剤や最終製品技術的な機能を持たない担体(キャリア)などについては同規則第20条を参照。
単一原材料で下記の場合は不要です。
  1. 食品名が成分名と同一
  2. 食品名が成分の性質を明確に識別できる
果汁や果肉飲料に添加された果肉は指令 2001/112/ECのANNEX IIのとおり表示が必要です。
その他の表示免除に関しては、第19~20条、ANNEX VIIを確認してください。
アレルギー物質

表示が義務付けられているアレルギー物質は、次のとおりです。

  • グルテンを含む穀物(小麦、大麦、オーツ麦など)および同製品(一部例外あり)
  • 甲殻類および同製品
  • 卵および同製品
  • 魚および同製品(一部例外あり)
  • ピーナッツおよび同製品
  • 大豆および同製品(一部例外あり)
  • 乳(ラクトースを含む)および同製品(一部例外あり)
  • ナッツ類および同製品
  • セロリおよび同製品
  • 辛子および同製品
  • ゴマおよび同製品
  • 濃度が 1キロまたは1リットル当たり10mg 超の二酸化硫黄または亜硫酸塩
  • ルピナス(マメ科植物)および同製品
  • 軟体動物および同製品

原材料リストの標記を太字、色を変えるなど強調して表記します。

特定原材料の量的表示(QUID) 次の場合、食品の製造または調理時に使用された原材料の量的表示が必要となります。
  1. 当該原材料が、食品の名称に使用される、消費者がその名称から通常連想する場合
  2. 当該原材料がラベル上で言葉・写真・図で強調されている場合
  3. 当該原材料がある食品を特徴づけ、名称や見た目が類似する他の製品と区別するのに必須な場合
特定の要件や量の表示が不要な例外についてはANNEX VIIIに規定されます。
正味量 重量単位で「kg(キログラム)」または「g(グラム)」で表示します。
文字の大きさは重量に応じ、次のとおり表示する必要があります。
公称重量 文字の高さ
50g以下 2mm以上
50g超200gまで 3mm以上
200g超1,000gまで 4mm以上
1,000g超 6mm以上

また、容量誤差の許容範囲(容器に記載された公称重量と実質重量の誤差)については、指令76/211/EEC により、次のとおり規定されています。

公称重量
(g)
許容範囲
(公称容量より少ない場合)
公称重量
に対する%
g
5 ~ 50 9
50 ~ 100 4.5
100 ~ 200 4.5
200 ~ 300 9
300 ~ 500 3
500 ~ 1,000 15
1,000 ~ 10,000 1.5

表示されている正味量が関連するEU規制に準拠していることを示すため、eマークを正味量の横に表示することが可能です。

eマーク

○g
図:eマーク

賞味期限または消費期限 適切に保管された場合に当該製品がその特性を維持できるまでの日付、「賞味期限(the date of minimum durability)」を表示します。ただし、微生物学の視点からみて傷みやすく、短期間で危険となりうる食品の場合、日本と同様に「消費」期限(the ’use by’ date)を表示する必要があります。
特殊な保存条件や使用条件 当該食品が特別な保存条件や使用条件を必要とする場合には、表示する必要があります。また、開封後の食品の適切な保存または使用を可能にするために、必要に応じて保存条件や消費期限を表示することができます。
例:「冷暗所で保管」
食品事業者の名称または商号、および所在地 食品情報について責任を負う、食品を当該名称または商号で販売している食品事業者(EU域内事業者でない場合は、EUへの輸入者)の名称または商号および所在地を表示する必要があります。
委託製造の場合、フランスでは« EMB »の後に5桁の登記番号
原産地

消費者が真の原産国または起源地について誤解し得る場合、食品に添えられた情報またはラベルが異なる国または起源地を暗示する場合、原産国の表示は必要とされます。

最終製品の原産地と、最終製品に含まれる主原料の原産地が異なる場合、当該主原料の原産地を記載するか、「(〇○:主原料)は(××:最終製品の原産地)に由来しない」(○○ do/does not originate from ××)と記載する必要があります。(例えば、最終製品の「オレンジジュース」と主原料の「オレンジ」の原産地が異なる)主原料とは、最終製品の50%以上を占める原材料、または、製品の名称から消費者が通常想起する原材料(「オレンジ」)を指します。また、原産地を想起させる国旗などがパッケージに表示されている場合も、本規制の対象となります。(実施規則 (EU) 2018/775)

使用方法の指示 記載がなければ適切な使用が困難な場合に記載する必要があります。
栄養表示

ヒト向け消費を意図した水で二酸化炭素(carbon dioxide)または香味料(flavourings)(もしくはその両方)を添加しただけのもの、単一の原材料または原材料カテゴリーから成る未加工製品に関して、栄養表示の義務は免除されます。

次の項目について、100gまたは100mlあたりの栄養素を表示する必要があります。これに加えて、一食あたりの栄養素を表示することも可能です。栄養表示はスペース上で可能であれば表形式で記載し、難しい場合は列記しなければなりません。

  • エネルギー量(kJ/kcalの両方を記載する必要があります)
  • 脂肪(g)
  • 飽和脂肪酸(g)
  • 炭水化物(g)
  • 糖類(g)(単糖類および二糖類の合計値のことを指します。)
  • タンパク質(g)
  • 塩分(g)〔(塩分)=(ナトリウム含有量)×2.5で算出することとなっています〕
製造ロット番号
(EU指令2011/91/EU)
EU域内で流通する包装済み食品は、製造ロット番号を表示する必要があります。明確な表示(LOTなど)の場合を除き、「L」の文字に続けてロット番号を表示する必要があります。

規則(EU)No 1169/2011 ANNEX III に追加表示義務が規定されています。例えば、

  • 添加物規則(EC) No 1333/2008により認可された甘味料(一種ないし複数種)を含む場合、「甘味料入り(with sweetener(s))」を製品の名称に添える
  • 糖(類)と規則(EC) No 1333/2008に認可された甘味料(一種ないし複数種)の両方を添加した場合、「糖(類)および甘味料入り(with sugar(s) and sweetener(s))」を製品の名称に添える
  • 空気を除去して、密閉した包装容器内に窒素などその他のガスを充てんしたガス充てん包装がなされた食品は、「packaged in a protective atmosphere」と表示する
  • アスパルテーム(aspartame)またはアスパルテームアセスルファム塩(aspartame-acesulfame salt)を使用した場合、原料リストにE番号を記載し、「‘contains aspartame (a source of phenylalanine)’「(フェニルアラニン源の)アスパルテームを含む」と記載するか、原料リストに具体的な名称を記載して「‘contains a source of phenylalanine’(フェニルアラニン源を含む)」と記載する
  • カフェインの含有量が150mg/リットルを超える飲料(希釈または抽出して飲む飲料を含む)には、「高カフェイン含有。子供、妊婦、授乳中の女性にはお奨めしません(High caffeine content. Not recommended for children or pregnant or breast-feeding women)」と商品名の側に記載した上で、続けてカフェイン含有量(mg/100ml)をカッコ書きで表記する

規則(EU)No 1169/2011 ANNEX VIIおよび 第19条、第20条には原材料の表示の個別規定や原材料リストからの省略について規定されています。例えば、

  • 最終製品に占める割合が2%未満の『類似性と互換性のある原材料』(製造や準備で使用しても組成や性質、知覚価値が変わりにくい)の場合、二つ以下の原材料のうち少なくとも一つ以上が最終製品に存在する場合、原材料リストに「…および(または)…を含む(contains … and/or …)」と表示できる。本規定は、食品添加物やアレルギーや不耐症の誘発物質または本ANNEX VII PART Cの物質には適用されない。
  • 「複合原材料(compound ingredient)」(それ自体が1つ以上の原材料から作られる原材料)は、原材料リストに独自の呼称(法律、慣習上定められている限り)で総重量を記載し、その直後に含まれる原材料のリストを続けてもよい。
  • 「EU規則で定義されている場合の複合原材料」あるいは「スパイスやハーブを混合した複合原材料」で最終製品に占める割合が2 %未満の場合、複合原材料の原材料リストは必須とされない。ただし、本規定は、食品添加物やアレルギーや不耐症の誘発物質には適用されない。
  • 「加工助剤として使用されたもの(最終的に残存しない)」あるいは「キャリア(担体)や類似の目的で必要な量だけ使用された物質」、「キャリーオーバー(持ち越し原則)として含有する(最終食品において効力を有しない)当該食品の原料または複数に含まれていた食品添加物や食品酵素」「製造過程で、濃縮または乾燥(脱水)した形の原材料を戻す目的で使用された水」に関しては、原材料リストからの省略が可能です。ただし、アレルギーや不耐症の誘発物質を含む場合は、第21条にのっとり表示が必要です。(第20条)
  • 濃縮(concentrated)または乾燥・脱水(dehydrated)させ、製造時に還元(reconstituted)して使われる原材料の場合、濃縮または乾燥の前に記録された重量順に列挙してよい。
  • 濃縮または乾燥させた食品で水を加えて還元することを意図したものに使われる原材料の場合、還元後の製品中の比率で列挙してよいが、その場合は原材料リストに「還元後の製品の原材料(ingredients of the reconstituted product)」または「使用可能な状態にした製品の原材料(ingredients of the reconstituted product)」などの表現を添えることを条件とする。
  • 果実、野菜、またはキノコ類で、そのいずれも圧倒的な重量を占めるわけではなく、配合して食品の原材料として使われ、使用割合が変わる場合が多い場合、原材料リストでは「果実」、「野菜」、または「キノコ類」の呼称で括り、その呼称の後に「配合割合は変わります(in varying proportions)」と記し、続けて存在する果実、野菜、またはキノコ類のリストを記載することができる。その場合、当該配合物は、存在する果実、野菜、またはキノコ類の総重量を基に、第18条第1項に従って(製造時の使用記録に基づいて重量の多いものから順に挙げる)原材料リストに記載する。

なお、添加物質の個名称(またはE番号)を記載する際、ANNEX VII Part Cに規定されるカテゴリーの1つに属する場合、次の「カテゴリー名 + 個別名称またはE番号」を呼称として用いる必要があります。

酸(Acid)
pH 調整剤(Acidity regulator)
凝結防止剤(Anti-caking agent)
消泡剤(Anti-foaming agent)
酸化防止剤(Antioxidant)
増量剤(Bulking agent)
色素(Colour)
乳化剤(Emulsifier)
乳化塩(Emulsifying salts)
固化剤(Firming agent)
風味増強剤(Flavour enhancer)
小麦粉処理剤(Flour treatment agent)
起泡剤(Foaming agent)
ゲル化剤(Gelling agent)
光沢剤(Glazing agent)
保湿剤(Humectant)
加工でん粉(Modified starch)
保存料(Preservative)
噴射ガス(Propellent gas)
膨張剤(Raising agent)
隔離剤(Sequestrant)
安定剤(Stabiliser)
甘味料(Sweetener)
増粘剤(Thickener)

規則 (EU) No 1169/2011 ANNEX VIIIには、特定原材料の量的表示(QUID)の要件や適用除外(表示免除)について規定されます。例えば、

  • 「甘味料入り(with sweetener(s))」または「糖(類)および甘味料入り(with sugar(s) and sweetener(s))」と付属書IIIに従って製品の名称に添えられている場合、あるいは、添加されたビタミンおよびミネラルで、その物質が栄養表示の対象の場合、(食品の製造または調理時に使用された原材料または原材料カテゴリーの量的表示は)不要。
  • 原材料または原材料カテゴリーの量的表示は、パーセンテージで表記するものとし、値は当該原材料の使用時の量に対応するものとする。
  • 量的表示は、当該原材料または原材料カテゴリーにかかる食品の名称の中またはその隣、あるいは原材料リストに表示する。
  • ただし、濃縮(concentrated)または乾燥・脱水(dehydrated)させ、製造時に還元(reconstituted)された原材料の量的表示は、濃縮または乾燥・脱水の前に記録された重量順に列挙してよい。
  • 水を加えて還元することを意図された濃縮または乾燥品の場合、原材料の量は還元後の製品中の重量比を基に表示することができる。

その他、詳細については、ジェトロ調査レポート「EUにおける食品ラベル表示に関する規制」や欧州委員会「ラベル表示に関するガイダンス文書」なども参照してください。なお、消費者を惑わせる表示や医学的効能を宣伝する表示が禁止されているほか、食品ラベルに使用される言語は、EUの公用語であれば複数の記載も可能ですが、当該製品を販売する国の公用語を必ず使用してください。

ラベル表示に使用する文字の大きさについても、同規則において次のとおり指定されています。

  • 包装面の最大面積が80 cm2以上の場合、「x」の文字の高さ(図中の6)は1.2mm以上
  • 包装面の最大面積が80 cm2未満の場合、「x」の文字の高さは0.9mm以上

栄養・健康に関する強調表示

規則(EC)No 1924/2006により、栄養・健康に関する強調表示(例:「DHA は正常な血圧の維持に寄与します」「脂肪分 0 %」)に関する規制が定められています。食品ラベル上に記載可能な強調表示はポジティブリスト形式(EU リスト)で定められており、強調表示が可能な栄養素など・記載可能な表現・強調表示を行うために含まれるべき栄養素などの基準が詳細に定められているため、強調表示を行う場合には、注意が必要です。

例えば、治療・治癒をうたう表示(例:「風邪の時に利用できる」「にきびを治癒する」)、ポジティブリストに掲載されていない表示(例「コロナに打ち勝つ」「お茶は消化を助ける」)、許可された表示の意味を変える表現(例:ポジティブリストで表示が許可されている「ビタミンCは正常な免疫系機能の維持に寄与する」との表現ではなく「ビタミンCは免疫力を増加させる」との記載)、「一般的」な強調表現(例:「スーパーフルーツ」「デトックス」、製品の組成と異なる栄養強調表示は禁止されます。

その他、使用できる健康強調表示のポジティブリストは欧州委員会のウェブサイトで公開されています。健康強調表示の検索ページ(EU Register of Health Claims)から必ず確認してください。
例えば、加工済み果実・野菜ジュースに対し「Polyphenols contained in this product ensure antioxidant action(この製品に含まれるポリフェノールは、抗酸化作用を保証します)」という表現や、果実(生、冷凍、缶入り、ボトル飲料、ドライ、果汁含む)に対し「Fruit protects the body’s cells(果実は体の細胞を保護します)」や「protects you from free radicals(活性酸素・フリーラジカルからあなたを守ります)」などの表現は許可されていません。

また、栄養強調表示において、「Low sugars(低糖)」「Sugars-free(無糖)」などと表示する場合、本規則で定義される基準を遵守する必要があります。

その他、特定の母集団向け(例:50代以上の女性向け)強調表示について維持規則(EU) No 1228/2014で定められています。その他、ビタミンやマグネシウムに使用できる表現など詳細についてはジェトロレポート「健康食品関連規制調査(EU)2017年3月」を確認してください。

グルテンフリー表示

委員会施行規則 (EU) No 828/2014に基づき、グルテン含有量が20mg/kg以下である場合には「gluten-free」の表示が可能です。その際には、「gluten-free」の表示とともに「suitable for people intolerance to gluten(グルテン不耐症のヒト向け)」または「suitable for coeliacs(セリアック病患者向け)」の文言を付すことも可能です。

規則(EU) No 115/2010(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

容器包装前面表示制度(FOPL)

規則(EU)1169/2011 により、EUで義務化されている「栄養表示」の数値を同規則 第35条を適用して、グラフィックを用いて消費者に分かりやすく伝える「容器包装前面表示制度(FOPL)」がEU内の市場でプライベートスタンダードとして、採用されています。ただし、EU規則上、調査時点では任意表示となっており、統一したグラフィックは規定されていません。このような背景から、現状、EU内で複数のFOPLが存在しており、将来的にEUで統一の図を用いた義務表示が示唆されています。

例えば、フランス国内では、法的効力はありませんが(任意表示)、2017年3月15日、政府推奨のFOPLロゴをA(緑)~E(赤)の5段階で表示するニュートリスコア(5C)方式にすると発表、これに続きベルギー、スペイン、スイス、オランダ、ドイツ、ルクセンブルグの7カ国で導入されています。

ニュートリスコア方式
塩分高めで、食物繊維が少ない食品は低いレベル(E)になりやすいことから一部の伝統的な食品(チーズやサラミなど)の団体や生産国からは採用の反対を受けています。日本の味噌や醤油などの伝統食品も低め(C~D)に分類される可能性があります。

ニュートリスコア方式栄養表示

NutriformBattery方式
イタリアで導入されています。

NutriformBattery方式栄養表

Keyhole logo方式
スウェーデン食品庁が導入して以来、北欧諸国(ノルウェー、デンマーク、アイスランド)、リトアニア、マセドニアで導入されています。

Keyhole logo方式栄養表示

Zivjeti Zdravo(Healthy living)マーク方式
クロアチア保健省とクロアチア公衆衛生研究所(HZJZ)により導入されています。

Zivjeti Zdravo(Healthy living)マーク方式栄養表示

Traffic Light方式
英国で導入されています。

Traffic Light方式栄養表示

関連リンク

関係省庁
欧州委員会 貿易総局(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州委員会 保健衛生・食の安全総局(英語) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州食品安全機関(EFSA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
規則(EU) No 115/2010(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
指令2009/54/EC (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
指令 2003/40/EC(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EU)No 1169/2011(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
指令(EU)No 2003/89/EC(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
指令2009/54/EC (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
指令 2001/112/EC(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EU)2018/775(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EU)No 828/2014(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
指令 2011/91/EU(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則 (EC) No 282/2008 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EC)No 1935/2004(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則 (EC) 1924/2006 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、すべて制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
規則(EC) 1829/2003(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EU) 2015/2283(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
実施規則(EU) 2017/2470(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
指令76/211/EEC(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
その他参考情報
Food Labelling Information System (FLIS)(食品ラベル規則の検索ツール)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州委員会「Health and nutrition claims 検索ツール」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ EU向け食品ラベルの翻訳例(2020年12月)
ジェトロ EUにおける食品ラベル表示に関する規制(2014年3月)
ジェトロ 新食品ラベル表示規則(1169/2011)の適用に関する Q&A(仮訳)(2014年3月)PDFファイル(1.0MB)
ジェトロ「健康食品関連規制調査(EU)2017年3月」
欧州委員会「容器包装前面表示(FOPL)に関する包括的なレビュー」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ「「欧州におけるNutri-Score制度をはじめとした容器包装前面表示制度(FOPL)に関する議論の動向調査(2022年2月)」

7. その他

調査時点:2023年1月

有機食品、遺伝子組み換え食品、新規食品に関する規制について、本ポータルサイトの「その他」の項目で確認してください。

EUでの輸入手続き

1. 輸入許可、輸入ライセンス等、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)

調査時点:2023年1月

EU規制において、清涼飲料水の輸入に際してライセンスなどの要件は定められていません。

2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2023年1月

日本からEU域内に清涼飲料水を輸入する際に、次の書類が必要になります。

  1. 通関申告書(単一管理文書 (SAD : Single Administrative Document)) EU域外の第三国とのすべての輸出入手続きに必要な共通申請書。様式は委員会実施規則(EU) 2016/341 Appendix B1に記載されています。
  2. インボイス(商業送り状)
  3. パッキングリスト(包装明細書: P/L)
  4. 価格申告書(Customs Value Declaration) CIF価格が2万ユーロを超える場合、SADとあわせて価格申告書の提出を求められます。様式は規則 (EU) 2016/341 ANNEX 8に記載されています。
  5. 船荷証券(Bill of Lading: B/L)/航空運送状(Air Waybill: AWB)
  6. 有機製品の場合、共通衛生入域文書(Common Health Entry Documents: CHED-PP)貨物の到着1日前までに共通衛生入域文書(CHED : Common Healthy Entry Document)をTRACES などの電子システム経由で国境管理所(BCP:Border Control Post)に通知する

なお、「輸入規制」の「3. 動植物検疫の有無」の項で記載のとおり、動物由来加工製品を原材料に含む清涼飲料水の場合(例. 乳糖などを含むミルクティーやカフェオレなど)は、混合食品規制の対象となります。混合食品規制については、本ポータルサイト「EU」の「混合食品」のサイトを参照してください。

関連リンク

根拠法等
規則(EU)No 2017/625 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EU) 2016/341(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
その他参考情報
欧州委員会 TRACES(英語) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州委員会 「Access2Markets(貿易ヘルプデスク)」 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
日欧産業センター「EPAヘルプデスク」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

3. 輸入時の検査・検疫

調査時点:2023年1月

EUに日本から清涼飲料水を輸入する場合、特別な検疫上の措置は求められません。ただし、公的管理の規則(EU) 2017/625第44条および第47条に基づき、通常国境管理所で公的管理の対象とならない製品も、リスクに応じた適切な頻度で定期的に、EUの食品衛生基準に適合しているか、消費者を誤認させる可能性があるかどうかのサンプリング検査をしており、書類検査または、同一検査あるいは現物検査が実施される場合があります。検査に要した費用は請求されます。

なお、動物由来加工製品を原材料に含む清涼飲料水の場合(例. 乳糖などを含むミルクティーやカフェオレなど)は、混合食品規制の対象となります。混合食品規制については、本ポータルサイト「EU」の「混合食品」のサイトを参照してください。

関連リンク

根拠法等
規則 (EU) 2017/625(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
その他参考情報
欧州委員会 「Access2Markets(貿易ヘルプデスク)」 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ「EUにおける新しい公的管理・植物衛生・動物衛生制度に関する調査(2021年3月)」

4. 販売許可手続き

調査時点:2023年1月

EU域内での飲料水の販売にあたっては、販売許可などは必要ありません。アルコール飲料の販売を伴う場合は、本ポータルサイト「EU」の「アルコール飲料」のサイトを参照してください。

その他、食品事業者は、EUの衛生法または加盟国法に従い動物性由来の原材料を含む食品を取り扱う場合、第一次産業、家庭用消費を除き、管轄当局により各施設の登録、通知、または承認を受けることが義務付けられている場合があります(「一般食品に関する衛生規則」規則(EC) No 852/2004第6条ならびに「動物性食品に関する衛生規則」規則(EC) No 853/2004第4条)。

例えば、フランスの場合、個人消費者向けの小売りについては申請(Déclaration)を様式CERFA 13984 の「Section 2 ACTIVITÉS DE COMMERCE OU DE PRODUCTION FERMIÈRE(商行為または農産物の生産)」の欄に必要事項を記入して、管轄地域の住民保護局 (DDPP : 競争・消費・不正抑止局DGCCRFに管轄される衛生面の監督局)に申請をする必要があります。
レストランの場合であっても、動物性食品を取り扱う場合は、事業を開始する前に、住民保護局に申告をする必要があり、所定の様式 「CERFA 13984」の「Section 1 – ACTIVITÉS DE RESTAURATION(外食事業)」に必要事項を記入して郵送するか、オンラインで申請をする必要があります。
この申請は、宅配サービス、遠隔販売(オンライン販売)、フードトラック、マルシェ、慈善活動、自宅で調理した料理の提供、公共給食の場合においても同様に必要となります。

その他、フランスにおいては、加糖または合成甘味料を添加した非アルコール飲料(ソーダなど)の販売に砂糖税(la contribution sur les boissons contenant du sucre ajoutée)が課税されます。フランスにおける清涼飲料水の販売にかかる税などについては、「輸入関税等」「2. その他の税」で確認してください。

関連リンク

根拠法等
規則(EC)No 178/2002(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EC) No 852/2004 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EC) No 853/2004 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、すべて制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
規則 (EU) 2017/625(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、すべて制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
動物性食品市場の施設の衛生認定にかかる2006年6月8日のアレテ(フランス語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

5. その他

調査時点:2023年1月

なし

EUの輸入関税等

1. 関税

調査時点:2023年1月

EUは域外共通関税制度の下で、域外からの輸入品の関税率は域内各国で一律となっています。関税および統計的分類表ならびに共通関税率に関する欧州理事会規則(EEC) 2658/87では、共通関税を設定するために合同関税品目分類表(CN)とよばれる物品の分類表を設定しており、これはHSコードに相当します。そのため、当該合同関税品目分類表のCNコードの中から該当する品目の関税率を特定する必要があります。

また、2019年2月から、日本からEUへの輸出品は、日EU経済連携協定(以下「日EU・EPA」)の適用対象となります。「日EU・EPA」適用後の関税率の例は、次の表のとおりです。

「日EU・EPA」の適用を受けるには、当該輸出品の原産地が日本である旨を証明する原産地証明が必要となります。「日EU・EPA」では、自己申告による原産地証明制度が採用されており、輸入者、輸出者または代理人(通関業者など)のいずれかが、自ら原産地を証明することになります。原産地証明に関する詳細は、税関のウェブサイトで確認することができます。また、商品に非日本産原料が含まれており、原産地の判断が困難な場合は、事前教示の制度により、税関当局に照会することができます。

関税率は、欧州委員会通商総局が提供する「Access2Markets」や税制・関税同盟総局が提供する「TARIC Consultation」などで検索できます。

2201.10: 鉱水(ミネラルウォーター)及び炭酸水(天然又は人造の鉱水及び炭酸水を含むものとし、砂糖その他の甘味料又は香味料を加えたものを除く。)

2202: 水(鉱水及び炭酸水を含むものとし、砂糖その他の甘味料又は香味料を加えたものに限る。)

表 6本原稿で定義する一部のCNコードと関税率
CNコード/品目 関税率(通常) 関税率(EPA適用)
2201.10.11
天然ミネラルウォーター(非炭酸)で香料、フレーバー、砂糖や甘味料を添加していないもの
非課税(0%) 非課税(0%)
2201.10.11
天然ミネラルウォーター(炭酸水)で香料、フレーバー、砂糖や甘味料を添加していないもの
非課税(0%) 非課税(0%)
2201.10.90
人造のミネラルウォーター又は炭酸水で香料、フレーバー、砂糖や甘味料を添加していないもの
非課税(0%) 非課税(0%)
2201.90
上記3つ(ミネラルウォーター、炭酸水)を除く香料、フレーバー、砂糖や甘味料を添加していない水、氷、雪
9.6 % 非課税(0%)
2202.91.0090
ノンアルコールビール(無糖)
9.6 % 非課税(0%)
2009.12.0010
冷凍していないBrix値20以下のオレンジ果汁で包装済みのもの(2ℓ以下)
12.2 % 非課税(0%)
2009.31.1999
Brix値20以下のカンキツ類の果汁(オレンジ・グレープフルーツ、ポメロー、レモンを除く)で価格が € 30/ 100 kgを超え、加糖していない非粉末のもの
15.2 % 非課税(0%)

2. その他の税

調査時点:2023年1月

付加価値税(VAT)

EUへの輸入には、輸入関税に加え、各国が独自に定める付加価値税(VAT)や物品税が課されます。これらの税率は国によって異なるため、最終消費国ごとに確認する必要があります。なお、VATに関する共通システムについては欧州理事会指令2006/112において規定されています。

フランスの場合は、5.5%のVATが課されます。オランダの場合は、9%のVATが課されます。イタリアの場合は、通常の食品には10%のVATが課されますが、品目によって異なります。例えば一部の果汁、天然ミネラルウオーターやヒトの消費用の水には22 %が課税されます。ドイツの場合も、通常の食品には7%のVATが課されますが、一部の果汁、天然ミネラルウオーターやヒトの消費用の水には19 %が課税されます。

詳細は、欧州委員会通称総局が提供するAccess2Marketsでも確認することができます。

物品税(Excise Tax)

EUレベルでは統一の規定はありませんが、EU加盟国によっては飲料水や清涼飲料水に物品税が課されることがあります。

例えば、フランスにおいては、本稿の定義対象であるヒトの消費用の水、アルコール度数が 1.2 % を超えない飲料水およびその他の炭酸飲料と非炭酸飲料に物品税が課税されます。ただし、シロップや一部の果汁などの特定の飲料は免除されます。

表 7 フランスにおける物品税の課税対象(清涼飲料水)
課税対象 物品税
アルコール度数が 0.5% を超えないノンアルコールビール 0.54 ユーロ / hℓ
天然ミネラルウオーター(炭酸か否か問わず) 0.54 ユーロ / hℓ
水源水(炭酸か否か問わず) 0.54 ユーロ / hℓ
ヒトの消費用の水(ラボなどでフィルター、殺菌、消毒処理されたものを含む) 0.54 ユーロ / hℓ
その他、飲料水として販売または供給されるボトルやパックに包装された水 0.54 ユーロ / hℓ
アルコール度数1.2% を超えない、発泡性または非発泡性のその他の飲料 0.54 ユーロ / hℓ

一方で、オランダにおいても、一部の果汁、天然ミネラルウオーター(発泡性・非発泡性問わず)やヒトの消費用の水、ノンアルコールビールを輸入する際は、8.83ユーロ / hℓの物品税が課税されます。
詳細は、欧州委員会通称総局が提供する「Access2Markets」で確認ができます。

砂糖・甘味料税

EUレベルでは統一の規定はありませんが、輸出先の加盟国によっては加糖した飲料水や清涼飲料水に租税が課されることがあります。

例えば、フランスにおいては、加糖または人工甘味料を添加した非アルコール飲料(ソーダなど)に砂糖・甘味料税(la contribution sur les boissons contenant du sucre ajoutée)が課税されます。課税対象となる飲料は次のとおりです。

  • 小売用の容器(ペットボトル、紙パック、缶、瓶、樽など)に包装された飲料
  • CNコード2009あるいは2202に該当する果物や野菜の果汁(ジュース)ならびに砂糖や甘味料を含むミネラルウオーター・炭酸水などの水
  • フランスで消費者に直接販売されるもの、または業者(レストランやパブなど)を通じて販売される飲料
  • 非アルコール飲料のための液体調製品と飲料で、砂糖や甘味料が加糖されたもの
  • 含有量を問わず、砂糖を加糖された飲料(果物または野菜ジュース、ソーダ、フレーバーウオーターなど)
  • 砂糖を加糖していないが、含有量を問わず、人工甘味料を添加した飲料(低カロリーライトタイプ)
  • アルコール度数1.2%を超えない飲料(例えばアルコール度数が0.5% を超えないノンアルコールビールやパナシェ)

スープ、乳飲料(乳幼児用ミルクや飲むヨーグルトを含む)、大豆ベースの飲料(大豆由来タンパク質を最低2.9 %含む)などは課税の対象となりません。

なお、飲料に砂糖と甘味料の両方が含まれている場合、販売の際に両方が課税対象となります。人工甘味料を含む飲料の場合、3.17 ユーロ/ hℓが課税されます。砂糖の場合、加糖量により、課税額が変動します(2023年1月の調査時点では、砂糖≧1kg /hℓの場合、€ 3.17/hℓの課税、砂糖2 kg /hℓの場合、€ 3.7/hℓの課税、など)。詳細は、フランス政府のウェブサイトで確認することができます。

その他、フランスにおいて、アルコールと非アルコール飲料水(炭酸水やフルーツジュース)を混ぜたアルコール度数1.2%を超え、12%未満の飲料やフレーバーのついたワインベースの清涼飲料水には3ユーロ/純アルコールデシリットルまたは11 ユーロ/純アルコールデシリットルのプレミックス税が課税されます。詳細は本ポータルサイト「EU」の「アルコール飲料」で確認してください。

関連リンク

根拠法等
指令2006/112(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、すべて制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
その他参考情報
欧州委員会Access2Markets (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
フランス内務省「飲料税」(フランス語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

3. その他

調査時点:2023年1月

なし

その他

調査時点:2023年1月

1. 有機食品に関する規制

EU域内で有機食品を第三国から輸入、販売するための要件およびそのラベル表示に関する規制は、新公的管理の規則(EU)2017/625に照らし合わせ、新規則 (EU) 2018/848が 2022年1月1日から適用されています。これにより、旧有機生産規則の欧州理事会規則(EC)No 834/2007および規則(EC)No 1235/2008は廃止されています。
(ただし、規則(EC) No 889/2008の建物および設備の洗浄および消毒用製品にかかる規定に関しては2023年12月31日まで適用)

有機JAS製品の同等性を利用して、EUで有機食品として販売する場合

委任規則(EU) 2021/2325により、日本の有機JAS制度は、EUの有機制度との同等性を有するとみなされており、EU域内で「有機」として販売が可能な国のリスト(第三国リスト)に掲載されているため、同リストに掲載された有機登録認証機関 (Control bodies) が発行する検査証明書を添付することにより、有機食品としてEU加盟諸国に輸出することが可能です。
なお、「有機JAS」認証を取得した食品が無条件にEU域内で有機食品として販売できるわけではないこと、発行できる登録認証機関は、規則(EU) 2021/2325 ANNEX Iに記載される有機認証団体のみであり、すべての有機JAS登録認定機関が発行可能でない点にも留意が必要です。

輸出時には委任規則 (EU) 2021/2306に規定される当該検査証明書を、有機JAS食品に添付しなければなりません。なお、当該証明書は、2017年10月19日からTRACESシステムを用いて電子的に提出することが義務付けられており、証明書を発行する登録認定機関がTRACESに登録されている必要があります。

また、製品に「organic」などの語句を表示してEU域内で販売する際には、有機JAS登録認定機関の認証機関コード番号もラベル表示(事前包装されていない場合は当該商品に言及したボードなど)に記載する必要があります。また、任意でEUの有機ロゴ(ユーロリーフ)の使用もできますが、日本から輸入した有機JAS認定食品の場合は「non-EU Agriculture」の表示もあわせて記載する必要があります。生産国が日本のみの場合は、「non-EU」を国名で代替・補足することも可能です。

EUの有機ロゴ(ユーロリーフ)

たとえ日本で有機JASを取得していても、EUの有機認証を取得していない商品の包装に「Organic」と印刷することは違反行為となり、輸入国でラベルを張り替える、「Organic」を塗りつぶすなどの措置が求められることにも注意が必要です。

日本の有機JAS制度はEUの有機制度との同等性が認められていますが、日本の有機JAS制度においては一部農薬(無機銅など)の使用が認められており、かつ残留農薬基準が日本よりEUのほうが低く設定されている場合があります。有機JAS農産物であっても、EUの有機生産規則の基準に準拠する必要があることについて留意が必要です。(規則 (EU) 2018/848第24条および実施規則 (EU) 2021/1165)

なお、委任規則 (EU) 2021/2306ならびに実施規則 (EU) 2021/2307に基づき、EU域内に有機食品を輸入・流通させるにあたり、EU側の輸入者と最初の荷受人はTRACESの登録をしている必要があり、TRACESのアカウント作成には有機登録認証機関による認定が含まれます。このため、輸出に際してはEU域内の相手方事業者がこれらの要件を満たす事業者であるかどうかについて確認を行うことも必要です。

ただし、新規則 (EU) 2018/848 第48条には、有機の第三国との同等性の規則が失効することが規定されており、規則 (EU) 2020/1693ならびに規則(EU) 2021/2325によると、EU有機と日本の有機JASの同等性の有効期限は2026年12月31日までとなっているため、有機JAS制度を利用したEUへの有機食品の輸出はこの日付以降できなくなる可能性があります。

有機JAS製品の同等性を利用せずに、EUで有機食品として販売する場合

有機JAS対象外品目や「同等性」の対象外品目については、規則 (EU) 2018/848ならびに関連規則(例えば、実施規則 (EU) 2021/1165、規則(EC) No 1235/2008第10条)にのっとり、実施(EU) 2021/2325のANNEX II に掲載される日本向けEU有機認証団体(ならびに関連リンクの有機認証団体リスト)に直接認定してもらうことで、EUで有機食品としての販売が可能です。ただし、リストに掲載されていても、実質的には認定が不可能なケースもあるため、詳細は有機認証団体に直接問い合わせてください。

関連リンク

関係省庁
欧州委員会 保健衛生・食の安全総局(英語) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州委員会農業農村開発総局(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州食品安全機関(EFSA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
規則 (EC) No 889/2008(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則 (EU) 2017/625 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則 (EU) 2018/848 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則 (EU) 2020/1693(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
委任規則(EU) 2021/2325(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
委任規則 (EU) 2021/2306(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則 (EU) 2021/2307 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
委任規則 (EU) 2021/1698 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
委任規則 (EU) 2021/1342 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
実施規則 (EU) 2021/1165 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
規則(EC) 1829/2003(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EC) 1830/2003(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
規則(EU) 2015/2283(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
実施規則(EU) 2017/2470(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
その他参考情報
農林水産省 有機食品の検査認証制度 【EU加盟国との輸出入について】外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農林水産省 日本と EU の有機同等性について(令和4年 10 月 17 日版)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(98.7KB)
農林水産省 有機登録認定機関一覧 PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(149KB)
欧州委員会農業農村開発総局 Import/Export: Trade in organic products(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州委員会 TRACES(英語) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ECOCERT「(フランスにおける)TRACESの使用ガイド (2020年11月)(フランス語)」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州委員会 遺伝子組換え作物について(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州委員会 遺伝子組換え作物の登録検索サイト(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州委員会「各加盟国におけるGM-freeラベル表示スキームおよび統一化の試み調査報告書」(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)3607 KB
ジェトロ「遺伝子組換え食品規制調査 -EU-」(2016年3月)
欧州委員会 新規食品(Novel food)について(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州委員会 Novel food catalogue(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州委員会「各加盟国の新規食品の照会に関する所轄当局リスト」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ「EUにおける新規食品(Novel Food)規制」(2018年12月)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

2. 遺伝子組換え食品に関する規制

調査時点:2023年1月

EUでは、規則(EC) No 1829/2003により、認可を受けた遺伝子組換え作物のみ(大豆、とうもろこし、綿実、菜種、テンサイ)がEU域内での流通・販売を認められており、遺伝子組換え作物を含む食品を流通させる場合には遺伝子組換え作物を使用している旨の表示が義務付けられています。
認可を受けた遺伝子組換え体のリストは、欧州委員会ウェブサイトで検索が可能です。

清涼飲料水の原材料に日本で遺伝子組換え作物の流通・使用が認められている原材料(大豆など)を使用している場合には、次のEUと日本の規制の違いについて留意する必要があります。

  • 日本では、遺伝子組換え作物のDNAおよびタンパク質が加工工程で除去される食品(しょうゆや植物油など)については、(たとえ遺伝子組換え作物を原料としていても)遺伝子組換えの表示義務がありませんが、EUでは、最終食品におけるタンパク質・DNAの存在の有無にかかわらず、原材料に遺伝子組換え作物を使用した場合には、その旨の表示義務(原材料名の後ろに‘genetically modified’と記載、または、‘produced from genetically modified ○○(原材料名)’と記載)があります。
  • 日本では、遺伝子組換え作物が食品などの主な原材料(原材料の上位3位以内で、かつ全重量の5%以上を占める場合)ではない場合には、遺伝子組換えについての表示義務がありませんが、EUでは、食品添加物を含む加工食品のすべての原材料について、遺伝子組換え作物を原材料に使用している場合は、表示義務があります
  • 遺伝子組換え微生物などの機能を利用した生産を除き、遺伝子組換え作物から直接生産された添加物や香料にも表示義務があります(例えば遺伝子組換え由来の大豆レシチンやコーンスターチなど)。
  • 日本では、遺伝子組換えではない原材料について、許容される遺伝子組換え体の「意図せざる混入」の割合は5%未満とされていますが、EUでは、同割合は0.9%未満とされています。0.9%以上となる場合は、遺伝子組換え作物使用の表示が必要です。
  • 日本では、表示可能面積が30 cm2以下の加工食品については、遺伝子組換え表示義務の対象外となっていますが、EUでは、最大包装面積が10 cm2以上の食品には、遺伝子組換え表示の義務があります。また、最大包装面積が10 cm2未満の包装食品や非包装食品についても、遺伝子組換え作物を原材料に使用している場合には、食品陳列棚の近傍に常に見えるかたちで表示する義務があります。
  • 日本では『遺伝子組換え不分別』の概念がありますが、EUではこのような表記はできません。
  • 食品成分として使用した遺伝子組換え微生物(酵母エキスなど)にも遺伝子組換え作物使用の記載義務があります。

「遺伝子組換えでない(GM(O)-Free, Non-GM(O)s)」などの表示については、EUの共通規制はありません。ただし、加盟国によっては、GM(O)-Free表示に関して独自の規制を課していることがあるため、注意が必要です。

表 8 EUと日本の遺伝子組換え表示制度
EU規則における表示制度 日本における表示制度
表示対象 EUで認可されたGMO登録された品目(綿、とうもろこし、菜種、大豆、てんさい) 認可されない作物は使用不可 大豆、とうもろこし、ばれいしょ、菜種、綿実、アルファルファ、てん菜、パパイヤ及びからしおよびこれからなる33食品群(加工食品) 上記以外の作物に「遺伝子組換えでない」などの表示は不可
複合原材料からなり、GMOで構成されているあるいはGMOを含有する場合 使用した場合、表示義務あり 原材料リストの当該原材料の直後に「genetically modified(遺伝子組換え)」または「produced from genetically modified [name of ingredient ] (遺伝子組換えの[原材料名]から生産された)」を表示 表示義務あり、 ただし、
  • 原材料の重量に占める割合の高い原材料の上位3位まで、かつ、原材料及び添加物の重量に占める割合が5%以上の場合
  • 加工工程後(最終製品)も組換えられたDNAまたはこれに生じたたんぱく質が検出される場合 「遺伝子組換え」または「遺伝子組換え不分別」の表示をする
成分が品目の名前で指定されている場合 (例「GM大豆から生産されたレシチンを含む」など) 使用した場合、表示義務あり 「contains genetically modified [name of organism]’(遺伝子組換え[作物名]を含む)または 「contains [name of ingredient] produced from genetically modified [name of organism]」(遺伝子組換え[作物名]から生産された[原材料名]を含む)’
最終製品のDNAやタンパク質の検出の可否を問わず、GMOを使用している場合(添加物や香料、高度精製品含む) 最終製品のDNAやタンパク質の検出の可否を問わず、GMOを使用している場合表示義務あり。 食品成分として使用した、添加物や香料、高度精製品、微生物(酵母エキスなど)にも表示義務あり。 最終製品にDNAやタンパク質の検出がされない場合、表示義務なし。油や醤油の場合、DNA等が検出できないため、表示義務なし。 添加物についても遺伝子組換えの表示義務なし。
表示が免除される技術的に不可避または偶発的な(意図せざる)混入率 0.9 % 未満 ただし、回避するために必要なすべての措置を講じたことを証明する必要がある 「遺伝子組換えでない」「非遺伝子組換え」「不分別」「「分別生産管理流通管理済み」の表示は不可 大豆やとうもろこしは5%以下 「分別生産流通管理済み」等の表示が可能 (現行制度では「遺伝子組換えでない」「非遺伝子組換え」の表示が可能だったが、2023年4月1日から「分別生産流通管理をしており、かつ遺伝子組換えの混入がない場合」と改正されたため、表現の使用を下記の場合とで分ける必要がある)
「GMO Free / Non GMO (遺伝子組換えでない)」表示 EUで統一した規則はなく、各加盟国法で定められている場合や民間認証団体の仕様書に規定がある 例)フランスの場合、デクレn 2012-128により「Sans OGM (遺伝子組換えでない)」の表示は、植物性食品の場合、GMOの混入が0.1 %以下であれば可能。畜産品の場合0.1 %以下または0.9%以下の場合とし、正確な混入率を表示する。「sans OGM (<0,1 %) 」 「sans OGM (<0,9 %)」 分別生産流通管理をして、遺伝子組換えの混入がないと認められる原材料を使用した場合「遺伝子組換えでない」「非遺伝子組換え」の表示が可能 (2023年4月1日より改正)

関連リンク

関係省庁
欧州委員会 保健衛生・食の安全総局 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州食品安全機関(EFSA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
規則(EC) 1829/2003(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EC) 1830/2003(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
その他参考情報
欧州委員会 遺伝子組換え作物について(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州委員会 遺伝子組換え作物の登録検索サイト(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州委員会「各加盟国におけるGM-freeラベル表示スキームおよび統一化の試み調査報告書」(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)3607 KB
ジェトロ「遺伝子組換え食品規制調査 -EU-」(2016年3月)

3.新規食品に関する規制

調査時点:2023年1月

EUでは、規則(EU) 2015/2283により、1997年5月15日以前にEU内でヒトによって相当量(siginificant degree)を消費されていなかったとされる、食品または食品原料を「新規食品(Novel Food)」と定義し、認可を受けた新規食品のみEU域内で販売または食品に使用することができます。

新規食品には、植物からの新たな抽出物(例:菜種タンパク質)、第三国からの農産物(例:チアシード)、新たな生産工程を用いて製造された食品(例:紫外線処理されたパンや牛乳)、新たな栄養素源(例:藻類から抽出されるドコサヘキサエン酸が豊富なオイル)といった幅広い食品が含まれます。一部の日本や外国でなじみのある第三国由来の伝統食品であっても、1997年5月15日以前にEUで消費されていなかったとされ、規制の対象となり、流通できないこともあるため注意が必要です。

その他、原材料が新規食品とされる「人工ナノマテリアル」の形態で製品中に存在する場合、当該原材料の名称の後に括弧を付して『Nano』と記載する必要があります。
「人工ナノマテリアル」とは、意図的に製造された物質であって、「1またはそれ以上の外形寸法が100nm以下のもの」または「内面または表面が離散性の機能要素によって構成され、その多くの1またはそれ以上の外形寸法が100nm以下のもの(100nm以上の大きさであってもナノスケールの特性を有する強凝集性または弱凝集性の構造を含む)」を指します。 なお、EUではナノマテリアルである二酸化チタン(TiO2/E171) (白色着色料)の使用が2022年2月から禁止されています。

認可された新規食品のリストは、実施規則(EU) 2017/2470のANNEXに規定されています。 また、欧州委員会の「新規食品カタログ」でも新規食品に該当するかを調べることができます。

販売しようとする食品が新規食品に該当するかどうかの判断がつかない場合は、最初に販売しようとする加盟国の当局に対して、当該食品が新規食品に該当するか否かを照会することができます。各加盟国の所轄当局のリストは、欧州委員会のウェブサイトで確認することができます。

関連リンク

関係省庁
欧州委員会 保健衛生・食の安全総局 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州食品安全機関(EFSA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
規則(EU) 2015/2283(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
実施規則(EU) 2017/2470(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
その他参考情報
欧州委員会 新規食品(Novel food)について(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州委員会 Novel food catalogue(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州委員会「各加盟国の新規食品の照会に関する所轄当局リスト」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ「EUにおける新規食品(Novel Food)規制」(2018年12月)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます