日本からの輸出に関する制度

牛肉の輸入規制、輸入手続き

EUの食品関連の規制

1. 残留農薬

調査時点:2018年11月

指令96/23/EC Article29に基づき、EU域内に牛肉を輸出することが可能な認定を受けた加工施設などの事業者は、別途定められたモニタリング計画および実施要領に従い、残留動物用医薬品などのモニタリング検査の実施が必要です。

なお、本項目に関して、主要加盟国(英国、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ)において、EU規制に上乗せで課される独自規制は確認されていませんが、加盟国によってEU規制の運用が異なる場合があることに留意が必要です。

関連リンク

関係省庁
厚生労働省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
指令96/23/EC(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、すべて制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
その他参考情報
厚生労働省 対EU 輸出食肉の取扱要綱PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1.4MB)
ジェトロ EU食品輸出ガイドブック(2018年2月)

2. 重金属および汚染物質

調査時点:2018年11月

EUでは、欧州委員会規則(EC)1881/2006で食品カテゴリーごとに含まれる汚染物質の上限値を規定しています。ここでの「汚染物質」とは、意図的に食品に添加されたものではなく、食品の生産(作物管理、畜産、獣医療における作業を含む)、製造、加工、調理、処理、包装、梱包、輸送および保管などのプロセスまたは生育環境に由来して、食品中に存在する物質をいいます(欧州理事会規則 (EEC) No315/93 Article 1(1))。
骨付きでない生鮮牛肉が該当する汚染物質の上限値は、次のとおりです。

汚染物質の上限値(骨付きでない生鮮牛肉)
項目 上限値 対象品目
0.10mg/kg 牛肉(内臓は除く)
カドミウム 0.050mg/kg 牛肉(内臓は除く)
メラミン 2.5mg/kg 乳児用調製粉乳および乳児用栄養補給調整食品を除くすべての食品
ダイオキシン類の上限値(骨付きでない生鮮牛肉)
項目 上限値 対象品目
ダイオキシン類合計(WHO-PCDD/F-TEQ(ポリ塩化ジベンゾパラジオキシンとポリ塩化ジベンゾフランの毒性等量合計) 2.5pg/脂肪1g当たり※ 牛・羊由来の肉、肉ベース製品(食用の内臓は除く)
ダイオキシン類、ダイオキシン様PCB類の合計(WHO-PCDD/F-PCB-TEQ(ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン、ポリ塩化ジンゾフラン、コプラナーポリ塩化ビフェニルの合計)) 4.0pg/脂肪1g当たり※ 牛・羊由来の肉、肉ベース製品(食用の内臓は除く)
PCB28,PCB52,PCB101,PCB138,PCB153,PCB180の合計(ICES-6) 40ng/脂肪1g当たり※ 牛・羊由来の肉、肉ベース製品(食用の内臓は除く)

なお、ドイツでは、アフラトキシンおよびオクラトキシンAについて、EU規制に加えて独自規制が課されているため、注意が必要です。スペインにおいても、アフラトキシンについて、EU規制に加えて独自規制が課されているため、注意が必要です。
フランスでは、海藻を対象とする独自の汚染物質規制が定められていますが、生鮮牛肉に適用され得る独自の汚染物質規制はみられません。
オランダでは、サプリメントなどを対象とする独自の汚染物質規制が定められていますが、生鮮牛肉に適用され得る独自の汚染物質規制はみられません。
英国、イタリアに関しては、汚染物質に関する独自規制はみられません。

関連リンク

根拠法等
規則(EC)No 1881/2006(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EEC)No 315/93(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、すべて制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
食品中の汚染物質に関する規則(ドイツ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
食品中のアフラトキシン最大許容量を定める勅令475/1988(スペイン語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
その他参考情報
ジェトロ EU食品輸出ガイドブック(2018年2月)

3. 食品添加物

調査時点:2018年11月

EUでは、食品添加物については欧州議会・理事会規則(EC)1333/2008に基づきポジティブリスト形式で規制が課されており、認可を得た食品添加物のみが使用を認められています。 EU規制におけるポジティブリストでは、食品添加物ごとに「使用可能な食品カテゴリー」および「許容含有量(定められていない食品添加物もある)」が定められているため、食品添加物が「08.1肉調整品を除く生鮮肉」の食品カテゴリーにおいて使用可能かどうかを確認する必要があります。

ポジティブリストについては、欧州委員会のウェブサイトで検索が可能です。

なお、本項目に関して、主要加盟国(英国、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ)において、EU規制に上乗せで課される独自規制は確認されていませんが、加盟国によってEU規制の運用が異なる場合があることに留意が必要です。

関連リンク

関係省庁
欧州食品安全機関(EFSA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
規則(EC)No 1333/2008(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EC)No 853/2004(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、すべて制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
その他参考情報
食品添加物検索データベース(英語) (化学物質名や食品カテゴリーでの検索が可能)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ EUにおける食品添加物に関する規制(2014年3月) 
ジェトロ 食品添加物規制調査 EU(2016年2月) 
ジェトロ EUにおける食品香料食品酵素に対する規制動向(2017年3月)
ジェトロ EU食品輸出ガイドブック(2018年2月)

4. 食品包装(食品容器の品質または基準)

調査時点:2018年11月

EUでは、食品用の容器・包装をはじめ、調理器具や食品製造機械、食品輸送用のコンテナなど、食品と接触することが意図されているまたは通常の使用条件において食品と接触することが合理的に予見されるあらゆる素材・製品(Food Contact Material:食品接触素材)について、健康被害を引き起こしてはならない、食品成分に許容できない変化を引き起こしてはならない、食品の味・香り・食感などを劣化させてはならない旨が定められています(欧州議会・理事会規則(EC)No 1935/2004)。また、規則(EC)No 2023/2006においては、食品接触素材の製造工程における適正製造規範(GMP)が定められています。
特にプラスチック素材については、ポジティブリスト形式での使用規制がなされており、欧州委員会規則(EU)No 10/2011 ANNEX Iのリストに掲載されている物質を原料として製造されたプラスチックのみが、食品接触素材として使用可能となっています(ただし、複数のプラスチック層からなる食品接触素材で、食品と接触しない層に使われるプラスチック原料については、当該層が機能的なバリア層によって食品接触層から隔離されており、かつ、当該原料が食品に移行しないことが検査によって確認できていれば、ANNEX Iのリストに記載されていない物質も利用することができます)。このリストは科学的評価に基づき更新されるため、随時確認する必要があります。

鮮度保持などの目的で食品から物質を吸収する素材(吸湿材など)、容器内に物質を放出する素材(防腐剤を放出する鮮度保持材など)、食品の状態を監視する素材(温度変化に反応する素材など)については、食品と誤認される恐れがある場合には、委員会規則(EC)No 450/2009の規定により、3mm以上のフォントサイズで‘DO NOT EAT’と表記する必要があります。なお、これらの素材についても、今後、ポジティブリスト規制が導入されることとされていますが、調査時点では、ポジティブリストは制定されていません。

また、欧州委員会規則(EC)No 1895/2005により、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(BFDGE)、ノボラックグルシジルエーテル(NOGE)は、食品接触素材(吸湿剤などを含む)への使用が禁止されるとともに、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(BADGE)およびその派生物は、食品接触素材(吸湿剤などを含む)に使用する場合の上限値が定められています。

なお、EUレベルでの法規制に加えて、EU加盟国は独自規制を導入することが可能となっています。 フランスでは、ゴム、ステンレススチール、アルミニウム、スズ、亜鉛、紙、印字インクなどについて独自規定が設けられているため、それぞれ該当規定を確認する必要があります。また、法令No 2012-1442に基づき、食品に接触するすべての包装容器などについてビスフェノールAの使用が禁止されています。
オランダでは、紙、コーディング剤、ゴム、金属、木材・コルク、布、着色料・顔料、エポキシ樹脂、ガラス、エナメルなどについて独自規制が定められているため、それぞれ該当規定を確認する必要があります。また、プラスチックについても、EUのポジティブリストに加え、独自の規定が設けられています。
イタリアでは、再生セルロース、ゴム、紙、段ボール、ガラス、アルミニウムなどについて独自規制が定められているため、それぞれ該当規定を確認する必要があります。
ドイツでは、接着剤、紙、ゴム、シリコン、ワックスなどについて、法的拘束力を有さない自主規制(勧告)が定められています。
英国に関しては、食品接触素材に関する独自規制はみられません。

5. ラベル表示

調査時点:2018年11月

食品のラベル表示は、欧州議会・理事会規則(EU)No 1169/2011で規定されています。同規制は EU 域内で流通する食品全般(ケータリング向け食品含む)に適用され、輸入食品にも適用されます。EU 市場で流通し消費者に販売される時点から、輸入者もしくは販売者に表示の義務が課されます。アレルギー物質や栄養素の表示など、日本よりも義務表示の対象が広い項目もあるため、注意が必要です。

生鮮牛肉を輸出する場合、同規則Article 9に基づき以下の項目を表示する義務があります。 なお、消費者を惑わせる表示や医学的効能を宣伝する表示が禁止されているほか、オンライン販売などの手法により遠隔地から販売する事業者にも同様の規定が適用されます。

  1. 食品名
  2. 原材料リスト(食品添加物を添加した場合)
  3. アレルゲン物質(該当物質については、同規則のANNEXⅡを参照。)
  4. 正味量
  5. 賞味期限/消費期限
  6. 特別な貯蔵条件/使用条件(ある場合)
  7. (当該商品について責任を負う)EU域内の事業者あるいは輸入業者の名称と住所
  8. 使用方法(指示がないと使用が困難と思われる場合)

その他、冷凍牛肉の場合は、冷凍日を『Frozen on 日/月/年』(複数回冷凍されている場合には最初の冷凍日)の表示義務が追加されます(同規則ANEX III.6)。

また、密閉した包装容器内の空気を除去し、窒素などその他のガスを充てんしたガス充填包装がなされた食品については、「packaged in a protective atmosphere」と表示する義務が追加されます(同規則ANNEX III.1)。

肉の切り身、骨付き肉、スライス、塊、または枝肉の外観を有する肉製品および肉調整品で、添加水が最終製品の重量の5%を超える場合は、食品の名称に添加水の存在の表示を含める必要があります(同規則ANNEX VI Part A)。

これらに加え、EU域外から輸入される生鮮牛肉に関しては、欧州議会・理事会規則(EC)No 1760/2000 Article 15に基づき

  • 原産国:non-EU
  • と畜国:Slaughtered in 国名

食品のラベルに使用される言語は、EUの公用語であれば複数の記載が可能ですが、当該製品を販売する国の公用語を必ず使用する必要があります(欧州議会・理事会規則(EU)No 1169/2011 Article 15)。
また、ラベル表示に使用する文字の大きさについても、同規則において次のとおり指定されています。

  • 包装面の最大面積が80cm2以上の場合、「x」の文字の高さ(図中の6)は1.2mm以上
  • 包装面の最大面積が80cm2未満の場合、「x」の文字の高さは0.9mm以上

また、日EU経済連携協定の発効に伴い、日本の地理的表示(GI)がEU圏内でも保護されることになりました。牛肉に関しては、GI「但馬牛」「神戸ビーフ」「特産松坂牛」「米沢牛」「前沢牛」「宮崎牛」「近江牛」「鹿児島黒牛」がEU圏内でも保護されます。」

なお、オランダでは、内容量の表示に関して、おおよその重量を表す「e」マークを使用する際の条件が、独自に定められています。
英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペインに関しては、生鮮牛肉に適用され得るラベル表示の独自規制はみられません。

関連リンク

関係省庁
欧州委員会 貿易総局(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州委員会 保健衛生・食の安全総局(英語) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州食品安全機関(EFSA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国食品基準庁(FSA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
規則(EU)No 1169/2011(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EC)No 1760/2000 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、すべて制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
商品法包装数量表示法令(オランダ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
その他参考情報
農林水産省 日EU・EPAにおける地理的表示(GI)の取扱いについてPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(KB) (3.16MB)
ジェトロ EUにおける食品ラベル表示に関する規制(2014年3月)
ジェトロ EU食品輸出ガイドブック(2018年2月)

6. その他

調査時点:2018年11月

  1. EU域外から輸入される食品については、欧州議会・理事会規則(EC)No 178/2002に基づきEUが求める衛生基準などとの同等性(輸出国と特定の合意がある場合はその合意事項)を満たす必要があります(同規則Article 11)。
  2. EU の食品輸入事業者は、輸入した食品が EU の食品衛生要件を満たしていないと判断した場合、即時に製品を市場から回収する手続きをとり、加盟国の所管当局に通知する義務があります(欧州議会・理事会規則(EC)No 178/2002 Article 19)。また、同規則では、食品が人の健康や環境に甚大なリスクをもたらす可能性があると判断された場合、EU が当該食品の上市停止などの緊急措置をとることが認められています(同規則Article 53)。

関連リンク

関係省庁
欧州委員会 保健衛生・食の安全総局(英語) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州食品安全機関(EFSA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
規則(EC)No 178/2002(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、すべて制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
その他参考情報
ジェトロ EU食品輸出ガイドブック(2018年2月)

品目の定義

本ページで定義する牛肉のHSコード

0201.30:牛の肉(生鮮のものおよび冷蔵したものに限る)のうち、骨付きでない肉

関連リンク

根拠法等
規則(EEC)No 2658/87(英語) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、すべて制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
その他参考情報
財務省貿易統計外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

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