貿易管理制度
最終更新日:2018年11月29日
管轄官庁
各省・機関が担当分野ごとに管轄する。
国家税関徴税統合庁(Servicio Nacional Integrado de Administracion Aduanera y Tributaria:SENIAT)
経済財務省(Ministerio del Poder Popular de Economia y Finanzas)
標準化・品質・度量衡・技術制度独立庁(Servicio Autonomo Nacional de Normalizacion, Calidad, Metrologia y Reglamentos Tecnicos:SENCAMER)
経済財務省管轄の機関。品質に関する国内制度を管理し、ベネズエラの規格であるCOVENINを規定。
農業生産性・土地省(Ministerio del Poder Popular para la Agricultura Productiva y Tierras:MPPAPT)
国家統合農業衛生院(Instituto Nacional de Salud Agricola Integral:INSAI)
農業生産性・土地省管轄の機関。動植物製品の輸出入に関する衛生証明書を発行。
国家漁業養殖業院(Instituto Socialista de la Pesca y Acuicultura:INSOPECSA)
漁業・水産省管轄の機関。水産品の輸出入に関する衛生証明書を発行。
保健省(Ministerio del Poder Popular para la Salud)
環境省(Ministerio del Poder Popular para Ecosocialismo)
旧環境・水資源省。2018年6月15日法令3.466号および同日付特別官報6.382号にて名称が変更された。同省は、環境保全および環境保護、環境衛生、天然資源、生物多様性、および廃棄物および残留物の管理を行う。
水資源省(Ministerio para Atención de Aguas)
2018年6月15日法令3.466号および同日付特別官報6382号にて、水資源省の創設が発表された。同省は、飲料水、下水道、集水域、水資源および貯水池の、管理、処理、監視および保護、ならびにサービス提供の運営および管理のための公共政策の実施を行う。
国家貿易センター(Centro Nacional de Comercio Exterior:CENCOEX)
為替管理制度に基づき、外貨の取得・清算許可を発給。2013年11月29日付特別官報6.116号により公布された政令601号により、それまで為替管理を行っていた外貨管理委員会(CADIVI)を廃止して設立された。
2017年5月19日付特別官報6.300号により公布された政令2877号により、CENCOEXの機構組織・機能を輸入に関する国家政策の実施機関に変更。
外国貿易銀行(Banco de Comercio Exterior:BANCOEX)
輸出振興機関。原産地証明等の発行。
貿易・国際投資省(Ministerio del Poder Popular para El Comercio Exterior e Inversión Internacional)
2016年6月2日付官報第40.917号の政令第2.344号により、貿易・国際投資省が創設された。直接外国投資、貿易および外国投資の推進、非石油、非金融および非鉱物資源の外国機関との貿易関係の開発など、貿易および投資に関するすべてを管轄する。
2018年5月4日より貿易統一窓口(Ventanilla Única de Comercio Exterior:VUCE)の運用が始まった。これにより、貿易関連手続きを迅速化および簡素化することができ、すべての手続きを貿易・国際投資省に集中できる。初期段階では、次のモジュールがある。ウェブサイト、登録、輸出可能品リスト、輸出手続き、デジタルファイル、物流および申告、外貨売却。
貿易統一窓口(Ventanilla Única de Comercio Exterior:VUCE)
貿易・国際投資省(Ministerio del Poder Popular para El Comercio Exterior e Inversión Internacional)
住所:Avenida Urdaneta. Torre Central, Piso 9, Caracas, Venezuela
Tel:+58-212-781.82.28/709.60.11/709.61.00
輸出者向け窓口:Avenida Abraham Lincoln con Calle Olimpo,
Torre Domus, Mezzanina. Parroquia El Recreo. Dtto. Capital. Municipio Libertador. Caracas., Venezuela.
E-mail:atencionalexportador@mippcoexin.gob.ve
E-mail:atencionalinversionista@mippcoexin.gob.ve
E-mail:vuce@mippcoexin.gob.ve
輸入品目規制
禁止品目は、中古タイヤ、古着、各種廃棄物、中古車、デモやゲリラの戦闘に流用の可能性のあるもの等。賭博用品等が政府留保品目。その他関係省の許可、衛生登録、輸入ライセンス等を要する品目がある。
関税率表の“Regimen Legal”の欄に1~21までの番号記載のあるものが規制対象。
- 輸入禁止品目
- 政府留保品目
- 保健分野を管轄する省の許可品目
- 産業分野を管轄する省の許可品目
- 原産国における衛生証明書を要する品目
- 農業分野を管轄する省の衛生許可を要する品目
- 防衛分野を管轄する省の許可品目
- 食糧分野を管轄する省が発行する輸入ライセンスを要する品目
- 商業分野を管轄する省が発行する輸入ライセンスを要する品目
- 環境分野を管轄する省の許可品目
- 石油および鉱業分野を管轄する省の許可品目
- 保健分野を管轄する省が発行する衛生登録を要する品目
- 農業分野を管轄する省が発行する衛生登録を要する品目
- 食糧分野を管轄する省の許可品目
- 科学技術分野を管轄する省の許可品目
- 産業分野を管轄する省が発行する輸入ライセンスを要する品目
- 電気エネルギー分野を管轄する省の許可品目
- 水産養殖分野を管轄する省の許可品目
- キンバリー・プロセス証明書が必要な品目
- 標準化・品質・度量衡・技術制度独立庁への規格登録が必要な品目
- 標準化・品質・度量衡・技術制度独立庁への技術登録が必要な品目
それぞれの対象品目詳細については、国家税関徴税統合庁(SENIAT)ウェブサイトに掲載されている関税率表(2016年12月30日付特別官報6281号で公布された政令2647号により規定:Decreto 2647)(6.62MB)を参照。
輸入地域規制
禁止地域は特になし。
輸入関連法
税関組織法(Ley Organica de Aduanas)・同細則など。
- 税関組織法(Ley Organica de Aduanas)・同細則(2014年11月19日付特別官報6.155号・1991年5月20日付特別官報4273号)
- 解除、停止その他の特別関税制度に関する税関組織法の細則(1996年12月30日付特別官報5.129号)
- 自動通関システムに関連する税関組織法の一部規定(2004年6月25日付官報37.967号)
- 自動車部門のための一時停止関税制度に関する関税組織法の一部規定(2002年10月3日付官報37.541号)
- 関税率の範囲および税率に関する関税組織法の一部規定(2014年12月4日付官報40.555号)
- 2010年12月28日密輸犯罪法(2010年12月30日付特別官報6.017号)
- 為替制度および同制度違反に関する法律(2015年12月30日付特別官報6.210号)
- 税関および税務に関する一般管理部門の設立(2009年1月28日付官報39.108号)
- 税関申告額の電子送信に関する規則(2010年9月10日付官報39.507号)
- 2016年関税率(2016年12月30日法令2647号、同日付特別官報6.281号)
- 国家税関徴税統合庁法(SENIAT、2015年12月30日付、特別官報6.211号)
- 付加価値税法(2018年8月21日付特別官報第6.396号)
輸入製品の付加価値税は、製品に応じて16%または8%があり、さらに15%相当の追加の税率が適用される可能性もあるため、確認する必要がある。
2010年8月21日付特別官報第6.396号で公表された付加価値税に関する政令改定によると、法律第17条および第18条に、付加価値税が免除される対象製品が明記されている。
また、製品が特別な、または追加の税率の適用対象となっているか第61条、63条および64条で確認する必要がある。
輸入管理その他
強制規格、ラベリング、輸入決済用外貨取得許可
- 強制規格
輸入する商品がベネズエラの強制規格(Comision Venezolana de Normas Industriales:COVENIN)や技術規則の対象となっていないかを確認する必要がある。COVENINには強制のものと任意(推奨)のものがある。照会先は標準化・品質・度量衡・技術制度独立庁(SENCAMER)。 - ラベリング
2001年2月13日付官報37139号に公示された生産商業省決議629号に、ラベル、容器、パッケージ等に最低限表示しなければならない事項が示されている。最低限の表示義務事項は次のとおり。
- 製品を特定できる名称
- 正味容量(個数あるいはメートル法)
- 主成分
- 製品の使用により生じる可能性のある、科学的に証明された健康や環境に対するリスクに関する注意書き
- 有効な法律に基づく消費期限
- 製造国
- 製造者および/あるいは輸入者の住所
- 有効な法律に基づく使用および保存方法
なお、ラベルあるいは容器の表示は、スペイン語で、消費者が判読しやすいものでなければならない。また製品の性質や産地について誤った印象を与えるような、虚偽表示やあいまいな表記等をしてはならない。ラベルあるいは容器にスペイン語の表示がない輸入品の場合、輸入者は追加でスペイン語表示のラベルを貼付しなければならない。
これに加え、2002年10月15日付官報37549号に公示された関係各省の共同決議が靴および衣料品に関するラベル表示規則を、2005年8月9日付官報38246号に公示された関係各省の共同決議がマグロ缶詰および同二次製品(人が消費するもの)に関するラベル表示規則を規定。
また、2013年8月23日付官報40235号に公示された関係各省の共同決議で、冷蔵庫・冷凍庫の電気使用量に関するラベル表示規則を規定した。それと同時に、政府の定める電気使用量規制をクリアしない冷蔵庫・冷凍庫の商業目的での輸入が禁止され、関税番号8418.10、8418.21、8418.30、8418.40、8418.50.10および8418.50.90に該当する中古冷蔵庫・冷凍庫の商業目的の輸入も禁止された。
その他、2014年3月17日付官報40373号に公示された関係各省の共同決議で、蛍光灯の消費電力に関するラベル表示規則が規定され、政府の定める消費電力要件を満たしていない商品の輸入が禁止された。同規制の対象は関税番号8539.31.00および8539.32.00に該当する商品に適用される。
2017年3月27日付官報41122号に公示された政令2787により、自然人の自動車の輸入は3年に1台に制限された。また、自動車産業競争力強化のため、自動車組み立てに必要な部品輸入リスト(MEIV)にある部品に関し、輸入関税および付加価値税(IVA)を免除する規則を規定した(2020年3月27日までの時限措置)。ただし、交換部品については対象外となる。
- 輸入決済用外貨取得許可
- 補足的なフロート為替レート(DICOM)
2018年8月2日付官報第41452号に掲載された政令により、経済的・生産的発展モデルへ参加する人(自然人、法人、ベネズエラ人、外国人)に最も広い保証を与える目的で、為替制度の撤廃と違反行為が確立された。この規則の第2条で定められているところによれば、為替制度の範囲、価格に関する法令は明確に廃止されているが、為替管理は有効である。 - 2018年8月21日付為替協定第1号(2018年9月7日付特別官報第6.405号)
国内通貨の自由な交換が確立され、有効あるいはシステムの中断を規制していた為替協定は廃止された。本協定では、通貨の取得、売買および管理に関する規則が定められている。官報第6.405号で新たに定められた為替協定によると、国内全土で通貨の自由な交換が可能であり、為替業務の制限は解除される。基準為替レートは、売り手と買い手が規制なしに参加する外国為替制度を通じて、個人および法人の需要と供給に応じて、中央銀行により運営される。為替レートは、中央銀行のウェブページに掲載される。両替所専用に保有されていた小売取引は、今後は公的および私的へも移される。
輸出部門の個人および法人は、外貨で受け取った所得の80%を保持し、管理することができる。残りは中央銀行に売却される。新しい為替協定の目的は、経済回復成長繁栄計画の枠組みの中で戦略的部門と位置付けられている農業、観光および非伝統産品の輸出などのセクターを強化することである。
中央銀行:為替協定第1号(Convenio Cambiario No1.
)
- 補足的なフロート為替レート(DICOM)
- その他
動物、食品、自動車、爆発物、ガス炭化水素、武器等について規制がある。その他、国内外の法定通貨や金の輸入・流通についても中央銀行の規制がある。
なお、2018年1月5日付官報41.314号に掲載された、2017年12月27日付共同決議第531号により、従来型白熱電球の輸入を規制している。現行の規制では、対象となる関税番号は特定されていないため、同決議の第4条を慎重に確認する必要がある。製品分類などに関する問い合わせ先は、国家税関徴税統合庁(SENIAT)。
輸出品目規制
禁止品目、関係省庁への登録や許可を要する許可品目がある。
病理廃棄物・危険廃棄物、体内に残留する化学汚染物質、核兵器・化学兵器・生物兵器、知的所有権の侵害品、ポルノ商品、犯罪を誘発し得る言及や描写を含む商品、麻薬・向精神薬等の輸出が禁止されている。
国内の需給が逼迫すると一時的に輸出を禁止することがある。近年では、牛乳、食肉、砂糖、コーヒー、コメ、生活資材、衣料資材の輸出が禁止された例がある(2014年8月22日付官報40.481号公示・大統領政令1.190号)。
また、2008年4月3日付官報38902号に公示された財務省、食糧省、農業土地省による共同決議(その後2009年2月4日付官報39113号の共同決議〔経済財務省決議2239号、食糧省決議007号、農業土地省決議009号〕にて一部修正)に基づき、関税率表01類から04類、07類から12類、15類から17類、19類、21類、23類の一部の品目については「国内需要充足証明書(Certificado de Demanda Interna Satisfecha)」の提出を求められることがある。
なお、たばこ・葉巻、鉱物、金、ダイヤモンド、マッチ、カカオ、コーヒー、野菜・植物・花卉、動物、リキュール、麻薬・向精神薬、治療用の天然製品、鋼鉄、放射線使用機器、オゾン層を破壊する物質など、輸出時に特別な手続きを要するものがある。
輸入と同様、関税率表の “Regimen Legal” の欄に、1~21までの番号記載のあるものが規制対象となる。
2017年3月30日付官報41125号に公示された政令2795号に基づき、廃棄物(アルミニウム、銅、鉄、青銅、鋼、ニッケルまたはその他の金属などの固形廃棄物・スクラップ、また非金属固体廃棄物(光ファイバー、リサイクル段ボールや紙などの二次繊維製品など)の輸出を禁止した。
輸出地域規制
禁止地域は特になし。
輸出関連法
税関組織法(Ley Organica de Aduanas)・同細則など。
- 税関組織法(Ley Organica de Aduanas)・同細則(2014年11月19日付特別官報6.155号・1991年5月20日付特別官報4.273号)
- 解除、停止その他の特別関税制度に関する税関組織法の細則(1996年12月30日付特別官報5.129号)
- 自動通関システムに関連する税関組織法の一部規定(2004年6月25日付官報37.967号)
- 自動車部門のための一時停止関税制度に関する関税組織法の一部規定(2002年10月3日付官報37.541号)
- 関税率の範囲および税率に関する関税組織法の一部規定(2014年12月4日付官報40.555号)
- 2010年12月28日密輸犯罪法(2010年12月30日付特別官報6.017号)
- 為替制度および同制度違反に関する法律(2015年12月30日付特別官報6.210号)
- 2016年関税率(2016年12月30日法令2647号、同日付特別官報6.281号)
為替管理の規制条項についてはCENCOEXウェブサイトを参照。
輸出管理その他
輸出奨励制度がある。
輸出奨励制度については、「外資に関する奨励」の「各種優遇措置」の項を参照。
外貨管理委員会(CADIVI)は、2010年1月15日付官報39.347号で、輸出手続き・要件に関する行政決定101号を公布している。
またベネズエラ中央銀行は、2017年2月23日付官報41.102号で、為替協定34号により輸出手続き・要件を規定している。