外国企業の会社設立手続き・必要書類

最終更新日:2026年10月02日

外国企業の会社設立手続き・必要書類

1.現地法人の設立、2.支店・営業所の設立、3.資本金、4.投資の実行額認定、5.資本金移動・子会社設立・投資資産変更、6.取締役と支配人、7.登記の各項目について規則がある。

「生産的外国投資憲法法」(LCIEP、2017年12月29日付官報第41,310号)は、ベネズエラにおける物品・サービス分野の生産的外国投資に関する原則、政策および手続きを定めている。同法は、外国投資を通じた国内生産能力の向上、経済の多角化、技術移転、輸入代替および輸出促進等を目的とし、国内投資家と外国投資家との平等待遇を原則としている。

ただし、炭化水素、鉱業、電気通信、メディアその他の特定分野については、分野別の特別法がLCIEPに優先して適用される。また、外国投資家としての権利の行使や個別の優遇措置の適用には、外国投資登録、投資の国内維持、外国投資契約の締結、投資計画上の目標の履行その他の要件が適用される場合がある。

外国企業がベネズエラで事業を行う方法には、主として、ベネズエラ法に基づく現地法人を設立する方法と、外国会社の支店または営業所を登録する方法がある。

  1. 現地法人の設立

    外国投資家がベネズエラ法に基づく株式会社、有限会社その他の商事法人を設立する場合の主な手続きは、次のとおり。

    1. 登記・公証自治行政サービス庁(Servicio Autónomo de Registros y Notarías:SAREN)所管の商業登記所における商号の調査・予約
    2. 設立証書および定款の作成
    3. 株主、代表者、資本金、事業目的、所在地等に関する必要書類の提出
    4. 商業登記所における設立証書・定款の登記
    5. 法令に従った公告
    6. 国家税関租税統合庁(SENIAT)における税務情報登録番号(RIF)の取得
    7. 市の経済活動登録、社会保障登録および必要な業種別許認可の取得
    8. 外国投資の実行後、外国投資所管機関への外国投資登録

    外国人または外国法人である株主が代理人を通じて設立手続きを行う場合には、会社設立、設立証書・定款への署名、商業登記その他の必要な手続きを行う権限を明記した委任状を提出する。外国で作成された委任状は、文書発行国に応じてアポスティーユまたは領事認証等を受け、スペイン語以外で作成されている場合には公認翻訳を添付する。

    SARENの商業登記所は、株式会社、有限会社その他の商事法人の設立登記を担当する。

    外国人である設立者、株主または代表者については、パスポートその他の身分証明書を提出する。ベネズエラ国内で投資、経営または就労活動を行う者は、その活動に適した査証・滞在資格を取得する必要がある。

  2. 外国会社の支店・営業所

    外国で設立された会社がベネズエラに支店または営業所を設置する場合、商法第354条以下に基づき、支店所在地を管轄する商業登記所で登記を行う。外国会社は本国法人としての国籍を維持するが、ベネズエラ国内において住所を有するものとして扱われる。

    主な提出書類は次のとおり。

    • 外国会社の設立証書および現行定款の認証謄本
    • ベネズエラ支店の設置、現地事業、支店資本および代表者の選任を承認する本社の決議
    • 十分な権限を有するベネズエラ国内代表者への委任状
    • 外国会社の設立および支店開設に関係する本国法令の条文の認証謄本
    • 代表者の身分証明書
    • その他、商業登記所が求める書類

    外国会社は、ベネズエラ国内において支店を代表する十分な権限を有する代表者を選任し、その選任決議および委任状を商業登記所に提出する。

    外国で作成された文書は、文書発行国に応じて、アポスティーユまたは領事認証等の合法化手続きを行い、スペイン語以外で作成されている場合には、公認翻訳者によるスペイン語訳を添付する必要がある。

    登記後、会社関係書類を現地新聞に公告し、SENIATでRIFを取得する。また、投資の実行後は、外国投資の所管機関に対して外国投資登録を申請する。

  3. 資本金

    商法上、資本金の最低額および最高額が明記されている一般的な会社形態は、有限責任会社(Sociedad de Responsabilidad Limitada:S.R.L.)である。商法第315条は、有限責任会社の資本金を2万ボリバル以上200万ボリバル以下と定めている。ただし、この金額は複数回の通貨単位変更以前に規定された名目的な金額であるため、現在のボリバルによる実際の会社設立基準として、そのまま用いることは適切ではない。

    株式会社(Sociedad Anónima:S.A.)、合名会社(Sociedad en Nombre Colectivo:S.N.C.)および合資会社(Sociedad en Comandita:S.C.)については、商法上の一般的な最低・最高資本金額は定められていない。ただし、銀行、保険、証券、電気通信その他の規制業種については、分野別の特別法令により、別途、最低資本金等が定められる場合がある。

    会社設立に際しては、資本金額および各出資者の出資内容を設立証書・定款に記載し、出資の実在性を証明する書類を提出する必要がある。

    1. 外国投資として認定される資産

      「生産的外国投資憲法法」(LCIEP、2017年12月29日付官報第41,310号)第17条によると、外国投資として登録する当初投資価値は、その全額がベネズエラ国内に所在する資産によって裏付けられていなければならない。対象には、設備、投入財その他の物品、および生産プロセスの開始に必要な有形資産が含まれる。これは、外国企業の資本構成を100%ベネズエラ国内資本とすることを求めるものではない。外国投資として登録される価値の全額について、それに対応する資産がベネズエラ国内に存在することを求める規定である。

      これらの資産は鑑定の対象となり、その評価額について外国投資所管機関の確認を受ける。また、外国投資家が国内で調達する融資は、投資総額の15%を超えてはならない(第17条、第18条)。

    2. 外国投資登録の最低投資額

      LCIEPに基づく外国投資登録を取得するための最低投資額は、公式為替レートにより、次のいずれかの金額とされている。

      1. 80万ユーロ
      2. 650万人民元(レンミンビ)
      3. ⅰ、ⅱに相当するその他の外貨

      ただし、外国投資所管機関は、対象分野の重要性、中小企業の振興その他の生産的な事業形態を考慮し、通常の基準額の10%を下限として、より低い最低投資額を設定できる(第19条)。

      この金額は、会社設立時の最低資本金ではなく、LCIEP上の外国投資登録を取得するための基準である。したがって、これより少ない資本金でベネズエラ法人を設立できる場合であっても、その出資がLCIEP上の通常の最低投資額を満たすとは限らない。

    3. 投資価値の決定

      外国投資登録における投資の実質価値は、外国投資家が対象事業年度中に会社資本として実際に払い込んだ金額および資産を基礎として決定される。外国投資、利益再投資および増資については、各項目について実際に払い込まれた外貨額が外国投資登録に記録され、国内金融市場で調達した資金は外国投資額から除外される(第20条、第21条)。

    4. 投資の最低維持期間

      外国投資は、原則として、外国投資登録が付与された日から最低2年間、ベネズエラ国内に維持しなければならない。この期間の経過後、外国投資家は、税金その他の債務を履行した上で、登録・更新された当初投資資本を国外へ送金できる。ただし、外国投資契約により、2年を超える維持期間が定められる場合がある(第19条、第26条)。

    5. 利益または配当金の送金

      外国投資家は、第1事業年度の終了後、登録・更新された外国投資から生じることが確認された利益または配当について、投資目的を履行していることを条件として、原則として最大100%を自由交換可能通貨で国外へ送金できる。ただし、不可抗力または異例の経済状況がある場合、行政府は送金可能割合を利益の60~80%に制限できる。一部のみを送金した場合、未送金額は原則として最大3事業年度分まで累積できる(第28条)。

    6. 外貨による納税

      収入の70%超を伝統的輸出品または鉱産品の輸出代金の決済から得る企業は、税金を外貨で納付しなければならない(第29条)。ただし、対象税目、納付通貨および具体的な納付手続きに関するSENIATの包括的な公開規則は確認できないため、実際の適用に当たっては管轄のSENIATへ確認する必要がある。

    7. 制裁

      LCIEP上の義務を履行しなかった場合、外国投資所管機関は、違反による損害の重大性および投資額を考慮し、実施された投資総額の最大2%の罰金を科すことができる。複数の義務違反が同時にある場合には、適用される罰金に1ポイントが加算される。また、同一の違反を繰り返した場合には、当初の罰金に3ポイントが加算される。
      罰金は投資に用いた通貨で支払い、通知後15営業日以内に納付しなければならない。また、違反の程度に応じて、優遇措置、給付またはインセンティブが停止される場合がある(第43条、第44条)。

    8. 国内調達および企業の社会的責任

      外国企業には、国内の生産構造および社会連帯経済の発展に寄与するため、国産品、とりわけ公共部門、社会的所有形態および協同組合の生産主体による製品を優先的に調達することが奨励される。

      また、外国企業による社会的責任ある行動は、当該企業に適用されるインセンティブの条件を定める際に考慮される(第34条)。これは一律の国内調達義務ではなく、国産品の優先調達を奨励する規定である。

    9. 優遇措置

      外国投資は、国の生産・経済開発上の利益、投資の種類、および外国投資契約に定める目標の達成状況に応じて、一般的または個別の優遇措置を受けられる場合がある。

      LCIEPが定める主な優遇措置は、次のとおり。

      • 租税負担の軽減
      • 加速償却
      • 公的機関による生産物の購入
      • 税の減免措置
      • 関税免除
      • 租税免除
      • 特別な融資条件
      • 公共サービスの特別料金
      • 国が管理する投入財・原材料への優先的アクセス
      • 税制安定措置の適用期間の設定
      • 大統領が定めるその他の措置

      これらの優遇措置は、外国投資を実行したことだけをもって自動的に適用されるものではない。その具体的内容および適用条件は、登録された外国投資契約に記載され、投資計画上の目標の達成状況に応じて段階的に適用される(第22条~第24条)。

  4. 外国投資額の評価・登録

    外国投資は、外貨その他の認められた決済手段による金融投資、設備・機械・原材料等の有形資産、一定の要件を満たす無形資産、株式・持分の取得、ならびに登録済み外国投資から生じた利益・配当の再投資等によって行うことができる。受入企業の資本に占める持分が10%以上の場合は原則として外国直接投資、10%未満の場合は外国ポートフォリオ投資に分類される。

    外国投資登録における投資の実質価値は、外国投資家が対象事業年度中に会社資本として実際に払い込んだ金額および資産を基礎として決定される。外国投資、再投資および増資については、実際に払い込まれた外貨額が外国投資登録に記録され、国内金融市場で調達した資金は外国投資額から除外される(第20条、第21条)。

    1. 金融投資

      外貨その他の認められた決済手段による金融投資は、実際に払い込まれた外貨額を基礎として登録される。送金記録、銀行の受領証明、為替取引書類その他、資金の出所・入金・交換を証明する書類の提出が必要となる場合がある。

    2. 有形資産による出資

      設備、機械、原材料その他の有形資産による現物出資は、外国投資として登録できる。当該資産の価値は、商業インボイス、輸入・通関書類その他の取得価額を示す書類により証明し、専門家による鑑定および外国投資所管機関の確認を受ける(第7条、第17条)。

    3. 株式・持分の取得

      外国投資家がベネズエラ企業の株式または持分を取得する場合、実際に払い込まれた外貨額および取引価額を証明する書類を基礎として投資価値を登録する。外国投資登録後に株式取得、債権取得、合併、買収等を行う場合には、外国投資所管機関への通知が必要となる。
      証券取引所を通じた株式取得については、取引約定書、証券会社または証券取引所の証明書、決済記録等により取引価額を証明する。具体的な換算日、適用為替レートおよび外国投資登録の更新方法については、申請時に外国投資所管機関へ確認する必要がある。

    4. 利益・配当の再投資

      登録済み外国投資から生じた未分配利益または配当は、受入企業の資本金または資産に組み入れることにより、外国投資として再投資できる。再投資は外国投資所管機関へ届け出る必要があり、所管機関は外国投資登録への追記について60日以内に決定する(第30条)。

    債権の資本組入れその他の方法による増資については、取引の原因、国外からの資金流入、商業登記および外国投資所管機関の認定要件を個別に確認する必要がある。ボリバル建て金額を登録上の外貨額に換算する場合の適用レートおよび換算日は、申請時の公式為替制度と所管機関の運用に従う。

  5. 資本移動・子会社設立・投資資産変更時の届出義務

    ベネズエラにおける外国投資に関し、資本移動、子会社の設立または投資資産の変更が生じた場合には、商業登記所への登記後、暦日で60日以内に、その内容を外国投資所管機関へ報告し、外国投資登録を更新しなければならない。所定の変更を報告しなかった場合、当該変更は外国投資登録に反映されず、行政制裁の対象となる。

  6. 取締役等の選任

    商事会社の取締役、管理者その他の業務執行者は、会社形態、設立証書および定款の定めに従い、株主総会または社員総会により選任される。株式会社について、商法第275条は、管理者の選任を定時株主総会の権限として定めている。

    議決権は、原則として各株主が保有する議決権付き株式または出資持分に応じて行使される。ただし、株式の種類、議決権、定足数および決議要件について定款に別段の定めがある場合には、その定めに従う。

    外国企業が議決権付き株式の過半数または全部を保有する現地子会社では、定款、株主間契約、合弁契約または分野別規制に別段の定めがない限り、当該外国企業が株主総会を通じて取締役等の選任を主導できる。国内投資家であることのみを理由として、取締役等について排他的な選任権または拒否権が当然に付与されるものではない。
    ただし、合弁会社では、国内投資家または少数株主に対し、一定数の取締役の指名権、重要事項に関する事前同意権または拒否権が、定款、株主間契約その他の合弁契約に定められる場合がある。

  7. 外国投資の登記

    経済財務貿易省が国内における外国投資の管理を行う。同省は、すべての外国投資登記を取りまとめる役割を担い、関係機関に対して、法律に従って登記がなされるよう要請することができる。国内企業および外国企業は、最初の投資登記以降に実施されるいかなる追加投資についても、管轄当局への届け出が必要である。

外国企業の会社清算手続き・必要書類

1.解散、2.清算、3.解散・精算に必要な書類、4.各種登録の削除の各項目について規則がある。

  1. 解散

    会社は、定款に定める存続期間の満了、事業目的の消滅・達成、事業目的を達成できないこと、破産、資本の全部または一定割合の喪失、株主・社員の決議、他社への吸収等を理由として解散する(商法第340条)。

    解散によって会社の法人格が直ちに消滅するわけではない。会社は清算目的の範囲で存続し、解散、清算、清算結了および会社消滅の各手続きを行う必要がある。

      1. 総会での承認

        会社の解散を株主・社員の決議によって行う場合には、定款および会社形態に従って株主総会または社員総会を開催し、解散を決議する。

        株式会社の株主総会は、定時総会または臨時総会のいずれであるかを問わず、原則として管理者が新聞で招集しなければならない。招集公告は総会開催日の少なくとも5日前に行い、解散を議題とすることを明記する。招集公告に記載されていない事項について行われた審議は無効となる(商法第277条)。
        ただし、具体的な招集方法については、会社の定款に定める手続きも併せて確認する必要がある。

        定款に別段の定めがない場合、会社の期限前解散を決議するには、資本金の4分の3を代表する株主・社員の出席と資本金の少なくとも2分の1を代表する株主・社員の賛成が必要となる(商法第280条)。

        解散決議を行う総会では、通常、次の事項も決定する。

        • 解散の理由および効力発生日
        • 会社を清算手続きへ移行させること
        • 清算人の選任
        • 清算人の権限および会社の代表方法
        • 清算開始時の財務諸表または貸借対照表
        • 精算手続きに関するその他の事項
      2. 解散登記・公告

        総会で解散を決議した後、SAREN所管の商業登記所に、解散決議および清算人の選任等を登記する。SAREN決議第019号は、登記手続き全般に共通する書類として、有効な身分証明書、弁護士が作成・査証した登記文書、および該当する租税・手数料等の納付証明を求めている。
        外国人が登記上の法律行為を自ら行う場合や、代理人を通じて行う場合には、パスポート、適切な査証、委任状等が必要となる場合がある。

        解散登記に必要な主な書類は、次のとおり。

        • 総会招集公告の写し
        • 解散および清算人選任を承認した株主・社員総会議事録
        • 登記関係者および清算人の身分証明書
        • 会社の税務情報登録番号(RIF)の写し
        • 清算開始時の財務諸表
        • コミサリオ(会社監査役)の報告書
        • 代理人を利用する場合の委任状
        • 弁護士が作成・査証した登記文書
        • 商業登記所が個別に求めるその他の書類

    会社を定款上の存続期間満了前に解散する場合、解散文書を公告した後1カ月が経過しなければ、解散は第三者に対して効力を生じない。これは、解散の1カ月前に公告しなければならないという意味ではなく、公告から第三者に対する効力発生まで1カ月の期間が設けられているという意味である。解散後、会社はその商号に「清算中」を意味する en liquidación を付して活動するのが原則となる。

    また、会社の管理者は、解散後に新たな事業・取引を開始してはならない。これに違反した場合、管理者は新たに開始した取引について個人的かつ連帯して責任を負う(商法第342条)。

  2. 清算

    会社は、保有資産の有無にかかわらず、解散後に資産・負債、債権・債務、租税、労働債務その他の未処理事項を確認し、清算手続きを行う。

    解散から清算人が正式に職務を開始するまで、従前の管理者は、新たな取引を行うことはできず、会社の債権回収、既存債務の履行および解散時点で未完了であった取引の処理に限って行うことができる(商法第347条)。

    清算人は、定款または株主総会・社員総会の決議で定められた権限に従って清算手続きを行う。主な職務は、次のとおり。

    • 就任時に会社の物品、債権および債務の全てについて財産目録を作成し、会社の帳簿、通信記録および書類を引き継ぐ
    • 解散時に進行中であった取引を継続・完了する
    • 従前の管理者その他会社財産を管理していた者に会計報告を求める
    • 第三者および各株主との間の債権・債務を整理する
    • 会社の債権を回収する
    • 商品、不動産その他の会社資産を処分する
    • 株主・社員から求められた場合、清算状況に関する財務報告を行う
    • 清算終了時に清算業務全体について最終報告を行う

    会社債権者への弁済を完了するまでは、株主・社員に残余財産を分配することはできない(商法第350条)。

    清算人は、会社の債権を回収し、税金、労働債務その他の債務を弁済した後、残余財産がある場合には、定款、株式・出資持分の内容その他の適用規定に従って株主・社員へ分配する。

    1. 清算結了

      清算人は、全ての債権回収、債務弁済および資産処分を終えた後、少なくとも次の書類を作成する。

      • 清算人の最終報告書
      • 最終貸借対照表および清算財務諸表
      • 残余財産の分配案
      • 税金、労働債務、社会保障料その他の債務の処理を示す資料
      • 必要に応じてコミサリオ報告書

      その後、株主総会または社員総会を開催し、清算人の最終報告書、最終財務諸表および残余財産分配案を承認する。承認議事録その他の必要書類をSAREN所管の商業登記所へ提出し、清算結了および会社消滅の登記を行う。

      会社の税務情報登録番号(RIF)は、解散と同時に当然に失効するものではない。清算期間中も必要な申告・納税を継続し、清算結了後に国家税関租税統合庁(SENIAT)に対して、事業終了およびRIFに関する手続きを行う必要がある。

  3. 会社の解散・清算手続きに必要な主な書類

    会社の解散・清算に当たっては、SAREN所管の商業登記所に、主として次の書類を提出する。具体的な提出書類は、会社形態、解散事由、定款および管轄商業登記所の運用によって異なる場合がある。

    1. 解散・清算に関する株主総会等の議事録
      解散、清算手続きへの移行、清算人の選任およびその権限等を承認した株主総会または社員総会の議事録。
    2. 登記関係者の身分証明書
      株主総会等の出席者・署名者、清算人その他の登記関係者の有効な身分証明書の写し。外国人が本人として登記行為を行う場合には、有効なパスポートおよび当該行為に適した査証を提出する。代理人を通じて手続きを行う場合には、適法な委任状を提出する。
    3. 会社の税務情報登録番号
      会社の有効な税務情報登録番号(RIF)の写し。
    4. 清算人の選任および身分証明書
      清算人の選任を証明する株主総会議事録その他の書類、および清算人の有効な身分証明書の写し。
    5. コミサリオ報告書
      会社のコミサリオ(会社監査役)が、解散・清算および関連する財務情報について作成した報告書。
    6. 中間財務諸表
      清算対象期間に係る中間財務諸表。公認会計士が作成または査証し、必要に応じて会社役員の承認およびコミサリオ報告書を添付する。
    7. 解散公告の証明書類
      解散文書を公告したことを証明する書類。会社を定款上の存続期間満了前に解散する場合、解散文書の公告後1カ月が経過しなければ、その解散は第三者に対して効力を生じない。
    8. 清算人報告書および清算財務書類
      清算人が作成した清算経過・結果に関する報告書ならびに関連する証拠書類。報告書には、資産・負債、債権回収、債務・税金等の弁済、資産処分、清算費用および残余財産の分配に関する情報を含める。
    9. 最終清算書類
      清算結了時には、最終貸借対照表、残余財産分配案、株主総会等による清算人報告・最終財務諸表の承認議事録その他の書類を商業登記所に提出し、会社の消滅に係る登記を行う。
  4. 各種登録の削除

    会社の解散・清算・消滅に伴い、税務、地方税、社会保障、住宅積立金その他の登録について、活動停止、登録情報の更新、雇用者登録の終了または登録抹消等の手続きを行う。解散決議だけで各登録が自動的に抹消されるものではなく、清算期間中も必要な申告・納付を継続する必要がある。

    1. 国家税関徴税統合庁(SENIAT)の登録削除
      経済活動の停止、会社の解散、清算開始その他のRIF登録事項に変更が生じた場合には、その事実が発生してから最長1カ月以内に、国家税関租税統合庁(SENIAT)の電子システムを通じて、税務情報登録番号(RIF)の登録情報を更新する(租税基本法第35条およびRIFを規律するSENIAT行政決議)。

      清算期間中も適用される税務申告・納付を継続し、清算結了後には、会社消滅の登記書類、清算財務諸表、納税関係書類その他の必要書類に基づき、税務上の終了手続きを行う。具体的な必要書類については、SENIATの電子システムおよび所轄部署へ確認する必要がある。

    2. 地方政府の登録削除
      会社所在地および事業所所在地を管轄する市役所に対し、経済活動ライセンスの終了または活動停止を申請する。必要書類、申請期限、最終地方税申告および納税証明等は市によって異なる。
    3. 社会保障・住宅積立金
      労働者との雇用関係を適法に終了し、退職給付、未払賃金、休暇、利益分配その他の労働債務を精算した上で、ベネズエラ社会保険庁(IVSS)のTIUNAシステム等を通じて各労働者の退職を登録する。また、雇用者登録および未払保険料について必要な終了・更新手続きを行う。

      国家住宅・居住銀行(BANAVIH)が管理する住宅強制貯蓄基金(FAOV)について、各労働者および雇用者の登録情報を更新し、未払積立金を精算する。

      このほか、会社が登録・拠出義務を負っている場合には、国家社会主義教育研修院(INCES)、労働社会過程省その他の関係機関について、未払拠出金・申告の精算および雇用者登録の変更・終了手続きを行う。

その他

特になし。