外資に関する規制

最終更新日:2022年11月03日

規制業種・禁止業種

「ベネズエラ・ボリバル共和国憲法」第301条には、国内資本の企業と外資系企業を平等に扱うことが謳われている。外資企業や外国人従業員を、ベネズエラ企業やベネズエラ人従業員より優遇することはできない。基本的に、外資への参入規制はない。石油、石油化学、農業、公共サービスおよび財などの分野は、外資比率などに関して規制がある(参入自体に規制があるわけではない)。

  1. 民間資本による出資規制
    石油および石油化学分野への民間出資比率は、50%未満に制限されている。
  2. 外資が規制されている部門
    外国投資法(2017年12月29日官報第41310号)は、治安、国防上の理由により、政府は外資による出資を規制する部門を設けることができるとしている。
    鉄鉱石の開発については、内資・外資を問わず、民間資本の参加は認められていない。
    また、政府は、国益に応じて戦略的セクターの開発を留保できる。米国と欧州連合の制裁が実施されている間、外国投資のいくつかの特別な条件を規定する「封鎖防止法(Ley Constitucional Antibloqueo)」を考慮する必要がある。
  3. 地域規制
    産業の地方分散化政策により、内資・外資を問わず、地域によって規制される業種がある。

出資比率

2017年12月に発表された新しい法律は、炭化水素、鉱業、電気通信、ソーシャルメディアを含む特定分野への外国投資を規制する特別法が存在する場合、この特別法が優先されると明示している。
外資比率50%未満:石油、石油化学部門。同55%未満:金開発部門。同60%未満:鉄鉱石開発部門。

  1. 炭化水素部門
    炭化水素組織法PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(128KB、国営石油公社(PDVSA)ウェブサイト)」(2006年5月)により、石油の探査、採掘、回収、輸送、初期貯蔵(第一次活動)を行う企業への民間資本参加は、50%未満に制限されている(超重質油田地帯であるオリノコベルトの開発を行う合弁企業は、実際には40%以下のケースが多い)。合弁企業については、国会による事前承認が必要。
    2009年5月の「炭化水素第一次活動に係る財・サービスの国家留保組織法PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(116KB、PDVSAウェブサイト)」により、第一次活動に付随するサービスや財(ガスや蒸気注入、ガス圧縮、マラカイボ湖における輸送サービスなど)に関しても国が留保し、国、国営石油公社(PDVSA)あるいはその子会社、もしくはPDVSAの統制下で合弁企業が行う形に制限された。
    一方、ガスの探査、採掘、輸送、初期貯蔵については、100%民間企業の出資が認められている。
  2. 石油化学部門
    2009年6月の「石油化学活動の開発組織法」により、石油の場合と同様、民間企業の出資は50%未満に制限された。合弁企業は、国会による事前承認が必要。2013年4月、石油化学公社の登録要件を規定した石油鉱業省は、財・サービスの有効活用を目的として、国の資本割合記載を石油化学公社に義務付けている(2013年4月24日付官報40153号)。
  3. 鉄鉱石開発部門
    1974年12月の「鉄鉱石開発を国家に留保する政令」により、内資・外資を問わず、鉄鉱石開発分野への民間投資は不可となっている。2008年4月30日付法令6058号により、ガイアナ地域の製鉄についても、国の留保対象となっている。
  4. 金開発部門
    2014年11月の「金の探査・採掘活動および関連活動を国に留保する法律」により、金の探査、開発や貯蔵、輸送、流通、販売などの活動は国に留保され、国営企業あるいは国の出資比率が55%以上の合弁企業のみが従事できる。合弁企業の設立には国会による承認が必要となり、また、採掘によって得られた金は、中央銀行への販売義務を負わされる。法令4661号(2022年3月18日付官報42340号)により、金の探査および開発に関する主要な活動を行う権利は、ベネズエラ鉱山会社(Corporación Venezolana de Minería, S.A.: CVM)に移管されたことに伴い、CVMが金の探査および開発に関する権利を取得した。
  5. 鉱業部門
    1999年の「鉱山法」により鉱物の開発は、[1]国が直接行う、[2]探査・開発コンセッション付与、[3]小規模鉱山の開発許可、[4]鉱業共同体、[5]手工業鉱業という5方式に限られる。
  6. 錫石、ニッケル、ロジウム、チタン、マグネサイト
    錫石、ニッケル、ロジウム、チタンなどレアアース鉱物の探査、開発、加工、商業化は、法令4598号によって戦略的鉱物として国が留保すると定められた。よって、「金およびその他の戦略的鉱物の探査・開発活動を国家に留保する法令」の適用を受ける(2021年8月10日付官報42230号)。
    マグネサイトの探査、開発、加工、商業化は、法令4631号によって戦略的鉱物として国が留保すると定められた。よって、「金およびその他の戦略的鉱物の探査・開発活動を国家に留保する法令」の適用を受ける(2022年1月17日付官報42298号)。
    錫石の探査権利は、法令4662号によってベネズエラ鉱山会社(Corporación Venezolana de Minería, S.A.: CVM)に移管された(2022年3月18日付官報42340号)。
    政令第4681号により、エネルギー安全保障を保証し、石油生産および流通に影響を与えうる外的・内的侵略から産業を守るために、炭化水素産業におけるエネルギー緊急事態宣言を維持することが定められた(2022年4月27日付官報42634号)。

前記4.金開発部門および5.鉱業部門に影響を与える政令が、次のとおり2017年3月27日付官報に掲載された。

  • 「ダイヤモンドの探査・採掘活動および関連活動を留保する政令第2781号」
  • 「銅の探査・採掘活動および関連活動を留保する政令第2782号」
  • 「銀の探査・採掘活動および関連活動を留保する政令第2783号」

2018年9月28日付官報41492号に公示された政令3586号に基づき、廃棄物(アルミニウム、銅、鉄、青銅、鋼、ニッケルまたはその他金属などの固形廃棄物)、スクラップ、および非金属固体廃棄物(光ファイバー、リサイクル段ボールや紙などの二次繊維製品など)の購入を国家に留保する措置は、ベネズエラ産業の持続可能な開発にとって、戦略的かつ重要である旨の宣言がなされている。

政令第3176号により、ガイアナ開発公社(CVG)および子会社(CVG Aluminio delCaroní S.A.、CVG Aluminio de Carabobo SA、Briquetera delCaroníC.A.など)は、副大統領府の管轄下に置かれることになった(2017年11月24日付官報第41286号)。

  1. 銀行部門
    政令1402号(2014年11月19日付官報6154E号)は、金融機関法を改正。外資の参入に関する規則を定めた同第23条では、国の銀行活動への外国人の参加は、以下を通じて行うことができるとしている。
    1. 既存の銀行機関の株式取得
    2. 外国銀行や外国人投資家が所有する銀行機関の設立
    3. 外国の銀行機関の支店の設立

    また、外国資本の銀行または支店を国内に設立する場合、同法に規定される銀行と同様の規則に従うものとし、国内で営業するには、金融機関監督局の認可を必要とすることが追加された。政府は、適切と判断した場合、国内の銀行部門に参加する外国資本に対し、ベネズエラ資本への相互条件を要求することができる。
    2021年7月6日付官報42162号に、ベネズエラにおける金融技術サービスを規定する新規則で、銀行部門のデジタル変革に関する一般的な側面が記載されている。

  2. 準備金に関する規則
    中央銀行は、2022年1月27日付決議22-01-01(2022年2月4日付官報第42312号)を公布し、2021年12月15日付決議第21-12-01号(2021年12月27日付官報第42284号)を廃止した。同決議の第15条は、銀行が自国通貨建ての純債務総額の73%を最低準備金として保持しなければならないと定めている。外貨建てのオペレーションを行う場合、銀行は純債務総額の31%を最低準備金として保持しなければならない。

外国企業の土地所有の可否

原則として、外国企業の不動産所有に関する制限はない。

外国企業の不動産所有に関する制限はないが、国境、軍事施設、海岸付近などでは、安全保障上の理由から、あるいは環境上の理由から、制限される場合がある。
また、2011年5月の「都市部・都市部周辺の土地所有に関する統合規則を定めた大統領授権法」により、都市部・都市部周辺の集落では、低所得者向けの住宅建設が優先される。

資本金に関する規制

原則として、有限会社だけに最低払込資本金が定められている。

有限会社の場合のみ、最低払込資本金が定められているが(「商法」第315条)、株式会社などその他の形態については、法的な規定はない。
ただし、「公的登記・公証法」には資本金は十分でなければならないと規定されているため、資本金の額が少ない場合、会社の業態に見合っていないとして商業登記の受付を拒否される場合がある。
なお、2017年改正の外国投資法には、金額は米ドルではなくユーロまたは人民元で記載されており、最低資本金は80万ユーロまたは650万人民元、または同等の外国通貨とされている。

その他規制

自動車については、国産化率の規定あり。

自動車分野

  1. 自動車産業再生プラン

    2017年3月22日付政令2787号により、自動車産業再生プランが策定され、国内の自動車産業、特にディーラーや個人、自動車部品メーカー、金属加工関連企業の資源を活用している自動車や自動二輪の組み立て工場を強化するために、「個人利用の車両」、「商品運搬車両」、「生産的な自動二輪車」に関する再生プログラムを定めた。
    経済財務省は、自動車産業再生プランの第1条で定められている次のプログラムの達成度合いを、毎年評価する。

    目標 評価基準 1年目 2年目 3年目
    雇用創出 労働者数(直接/間接) 各組み立て工場で直接雇用している労働者数を維持する 各組み立て工場で直接雇用している労働者数を維持する 2,000人の新たな雇用(直接雇用1,100人、オートパーツメーカーで間接雇用900人)
    国内生産の活性化 プログラムに参加している車両数(組み立て工場) 一般車両5,800台、商品運搬車両2,068台、自動二輪2,161台 一般車両5,800台、商品運搬車両2,068台、自動二輪2,161台 一般車両1万台、商品運搬車両3,500台、自動二輪3,500台
    自動車保有者数の増加 プログラムに参加している車両数(販売) 一般車両5,800台、商品運搬車両2,068台、自動二輪2,161台 一般車両5,800台、商品運搬車両2,068台、自動二輪2,161台 一般車両1万台、商品運搬車両3,500台、自動二輪3,500台

    政令の第12条によると、このプログラムにおける企業活動に関し、次の条件の下で、付加価値税および輸入税の支払いが免除される。

    1. 車両組立輸入材料(Material de Ensamblaje Importado para Vehículos:MEIV)の規定に関連する部品の輸入。
    2. 販売契約を締結している組み立て会社によって製造された自動車の販売。
    3. 本政令で定められている要件を満たす組み立て会社による許可を受けたディーラーが行った自動車の販売。

    決議第518号により、最小原材料を測定するための方法が定義され、自動車部品の原産地の定義および国別分類、自動車産業再生計画に割り当てられた車両および自動二輪の一般的な特性などのカテゴリー別に計算されることが定められた(2017年10月9日付官報第41253号)。

  2. 個人輸入の許可
    国家税関徴税統合庁(SENIAT)は、決議013号で、ベネズエラの個人および法人に対し、非商業目的の新車および中古車(メーカー、モデルを問わない)の輸入を認可した(2019年5月17日付官報6454)。決議では、中古車は「輸入が行われる年よりも5年以上古いものであってはならない」と説明されている。個人であれば、3年ごとに1台ずつ輸入することができる。

その他

  1. 国内非生産証明書・不十分証明書
    輸入決済用外貨を調達するにあたり、「国内非生産証明書・不十分証明書」の取得が必要な品目がある。これは、当該輸入品目が国内で生産されていない、あるいは生産されていても国内需要を満たすのに十分ではないため輸入してよいという証明書で、国内産業保護を目的としている。部品や原材料を含め広範な品目が対象となっているが、対象品目は不定期に見直される。本証明書発行に関する手続きは、貿易・国際投資省に集約されている。
  2. 生産的な外国投資に関する法律

    生産的な外国投資に関する法律は、2017年12月29日付官報第41310号にて公示された。
    同法律は、財およびサービスの外国投資に関する政策や手続きを定めているほか、(i)生産的な外国投資の促進、(ii)外国投資が技術移転、バリュー・チェーン、生産性マトリックスの多様化、輸入代替と輸出促進を生み出すことを確実にする、(iii)国家の独立と主権、領土保全、人権、環境保護、生命の保全に基づいて、生産的な外国投資が開発されることを確保する、(iv)公正かつ生産的な雇用の創出、(v)外国資金へのアクセスが増加・改善し、外貨獲得や新市場へのアクセスを得る、(vi)伝統産業以外のセクターで、外貨を産出する外国投資を呼び込むことを定めている。
    法人に関しては、外国投資法と同様の適用対象を規定しているが、自然人には外国に所在する外国人に加え、ベネズエラに投資する海外在住外国人および、外国投資を行うベネズエラ在住外国人も含まれる。

    外国投資がベネズエラの裁判所の管轄下にあることを示し、ベネズエラの裁判所は、南米・カリブ海地域の統合の枠組みの中で確立された他の紛争解決メカニズムに参加することができ、国内司法救済措置が疲弊し、事前に合意されていることを条件として、他の枠組みの中で確立された紛争解決メカニズムにも参加することができることを示している。

    また、関連する用語の定義変更が含まれている。「投資」の定義を、合法的に入手し、原材料や中間製品、最終製品を含む財およびサービスへ投下された資金を含むと明確化している。同法律では、「外国投資による国内投資家」は、3年以上国外に居住する自然人、または、外国からの資金を用いて投資を行う国内法人を指す。この投資のためには、外国にある財務的または物質的資本は、少なくとも3年以上前に取得されていなければならない。「優先投資」は、経済および社会発展のために内閣府が定めた、優先分野における外国投資を指す。他のセクターよりも好条件のインセンティブを受けることができる。「直接外国投資」は、国内資産への外国投資であり、投資により生産プロセスに付加価値を生み出し、株式資本が10%以上となる投資を指す。「ポートフォリオ外国投資」は、10%未満の株式取得または、すべてのタイプの企業の株式保有を指す。

    2017年12月29日官報第41310号「生産的な外国投資に関する新法律(スペイン語)」PDFファイル(6498KB)