外資に関する規制
最終更新日:2026年10月02日
- 最近の制度変更

規制業種・禁止業種
外国投資は、原則としてベネズエラ法令により認められるあらゆる分野、部門または経済活動で行うことができる。ただし、石油・天然ガス、石油化学、鉱業、金融サービス、メディアおよび電気通信など、個別の法制度が設けられている分野がある。
「生産的外国投資憲法法」(LCIEP、2017年12月29日付官報第41,310号)は、財およびサービスへの生産的投資を規律する主要な法令である。
外国投資は、原則としてベネズエラ法令により認められるあらゆる分野、部門または経済活動で行うことができる。ただし、石油・天然ガス、石油化学、鉱業、金融サービス、メディアおよび電気通信など、個別の法制度が設けられている分野については、各分野を規律する特別法令が優先して適用される。
また、LCIEP第15条に基づき、国は、国益、憲法および国内法令に従い、戦略的分野の開発を国家に留保することができる。さらに、国家行政機関は、国家の安全保障および防衛上の理由から、LCIEPに定める一般的な比率とは異なる外国資本参加比率を適用する投資制度を設けることができる。
さらに、一方的強制措置その他の制限的または懲罰的措置への対応として実施される投資プロジェクトなどについては、2020年10月12日付官報第6,583号で公布された「国家発展および人権保障のための反封鎖憲法法」に基づく特別措置が適用される場合がある。
炭化水素(石油・天然ガス)
2026年1月29日付官報第6,978号で公布された「炭化水素組織法改正法」により、炭化水素部門への民間資本の参加方法が拡大された。
同法によると、探鉱、採掘、収集、輸送および初期貯蔵などの第一次活動は、次の主体が行うことができる。
- 国が直接、または国が全額出資する企業もしくはその子会社
- 国または公的主体が会社資本の50%を超える持分を保有し、株主として支配権を有する混合企業
- 国が全額出資する企業またはその子会社との契約に基づいて活動する、ベネズエラ国内に住所を有する民間企業
国内に住所を有する民間企業は、国有企業またはその子会社との契約に基づき、自己の費用、責任およびリスクで第一次活動を一体的に運営できる。ただし、炭化水素鉱床の所有権は国に留保される。これにより、従来の国が過半数を出資する混合企業方式に加え、民間企業が契約に基づいて第一次活動を行う参入方式が設けられた。
また、所管省の認可を受けた場合、混合企業の少数株主は、生産物の全部または一部の直接販売、銀行口座の開設・管理、ならびに混合企業の技術面および事業運営面の管理を行うことができる。国有企業などとの契約に基づいて活動する民間企業も、契約で定めるところにより、政府に対する義務を履行した後、報酬として取得する炭化水素を直接販売できる。ただし、直接販売の認可は、鉱床の所有権またはこれに関する主権的権利の移転を意味しない。
改正法施行前に設立された混合企業については、施行後180日以内に所管省が評価を行い、必要に応じて改正法への適合措置を講じる。また、反封鎖憲法法に基づいて締結された生産参加契約その他の契約モデルについても、施行後180日以内に必要な調整を行うこととされた。
同法の施行に必要な技術、事業運営、税務および監督上の規則は、2026年7月7日付官報第7,052号に掲載された大統領令第5,381号「炭化水素組織法施行規則」に定められている。
なお、天然ガスについては、石油と異なる特別法令が適用される場合があるため、事業内容に応じて個別に確認する必要がある。
石油化学
石油化学活動には、2015年12月30日付官報第6,210号に掲載された大統領令第2,171号「石油化学活動開発組織法」が適用される。同法は、石油化学活動を国家に留保し、国有石油化学会社ペキベン、その子会社、混合企業などを通じて実施する枠組みを定めている。
石油化学部門では民間資本の参加が認められているが、国家留保活動の実施主体、資本構成、許認可などについて同法上の条件が適用される。また、原料となる炭化水素の供給その他の面で炭化水素部門と密接に関係するため、2026年1月の炭化水素組織法改正および同年7月の同法施行規則も考慮する必要がある。
鉱業
2026年4月16日付官報第7,020号で公布された「鉱山組織法」は、鉱物資源の管理および鉱業活動を規律する。鉱床の所有権は国に帰属し、鉱物資源の管理は、鉱業を所管する省が行う。
同法によると、鉱業活動は、次の主体が行うことができる。
- 国が全額出資する企業またはその子会社
- 国または公的主体が会社資本の50%を超える持分を保有し、株主として支配権を有する混合企業
- 国または公的主体が少数持分を保有し、国の認可を受けた企業
- 国の認可を受けた民間企業
- 適法に登録・認可された零細鉱業者の組織
- 個人で零細鉱業を行う自然人
したがって、国または公的主体による過半数出資は、鉱業活動を行うすべての企業に一律に義務付けられているわけではない。国の認可を受けることを条件として、民間企業による鉱業活動や、民間資本が過半数を占める企業形態も認められる。
探鉱および採掘などの第一次活動を行うためには、鉱業コンセッションその他の必要な鉱業権原を取得しなければならない。また、採掘を行おうとする者は、対象地域の探鉱計画および該当期間の投資計画を所管省に提出し、採掘段階の開始に必要な要件を満たす必要がある。
小規模鉱業については、暫定的な性質を有する鉱業許可を取得する必要がある。当該許可は不動産に関する物権を付与するものではなく、売却、担保設定、賃貸、移転または譲渡を行うことはできない。
さらに、鉱業活動を行う自然人または法人は、公的主体か民間主体かを問わず、鉱業統一登録簿に登録しなければならない。登録後、所管省は「鉱業統一登録電子証明書」を発行する。
新鉱山組織法は、次の法令を明示的に廃止した。
- 1999年9月28日付官報第5,382号の旧鉱山法
- 2015年12月30日付官報第6,210号の「金およびその他の戦略的鉱物の探鉱・採掘活動を国家に留保する組織法」
一方、2017年に公布されたダイヤモンド、銅および銀の探鉱・採掘活動ならびに関連活動を国家に留保する政令第2,781号、第2,782号および第2,783号は、新法で個別に廃止されていない。ただし、新法は国の認可を受けた民間企業による鉱業活動を認めているため、これらの政令と新法が抵触する範囲における適用関係には留意が必要である。
なお、2018年9月28日付官報第41,492号に再掲載された政令第3,586号は、アルミニウム、銅、鉄、青銅、鋼、ニッケルその他の金属廃棄物・スクラップ、および光ファイバー、再生紙・段ボール由来の二次繊維などの非金属固形廃棄物の購入を国家行政機関に留保している。同政令が2026年の新鉱山組織法によって廃止されたことは確認できず、鉱床からの鉱物採掘ではなく、廃棄物・スクラップなどの購入および流通を対象とする別個の規制として留意する必要がある。
メディアおよび電気通信
「電気通信組織法」(官報第39,610号)は、電気通信分野における外国投資への参加制限は、ラジオ放送および地上波テレビ放送サービスについて設けることができると定めている。
また、電気通信サービスを提供するための行政上の認可、および無線周波数に係る公有財産を使用・利用するためのコンセッションは、ベネズエラが締結・批准した国際協定または条約に別段の定めがある場合を除き、ベネズエラ国内に住所を有する者にのみ付与される。
したがって、電気通信部門全体について外資参入が禁止されているわけではないが、ラジオ放送および地上波テレビ放送では外国資本参加に制限が設けられるほか、電気通信サービスの提供主体には国内住所要件が課される。
銀行部門
銀行部門への外国投資には、2014年11月19日付官報第6,154号で公布され、同年12月8日付官報第40,557号に再掲載された大統領令第1,402号「銀行部門機関法」が適用される。同法は、現在も銀行部門を規律する基本法令として使用されている。
同法第23条によると、外国投資による銀行部門への参入は、次の方法により行うことができる。
- 既存の銀行機関の株式を取得する
- 外国銀行または外国投資家が所有する銀行機関を設立する
- 外国銀行の支店を開設する
外国資本の銀行および外国銀行の支店には、国内銀行と同一の法令が適用され、国内で営業するためには銀行部門機関監督局の認可などを受ける必要がある。また、国家行政機関は、必要と判断した場合、当該外国資本の出身国に対し、ベネズエラ資本について相互主義的な取扱いを求めることができる。
出資比率
多くの産業分野で明確な出資比率規制は盛り込まれておらず、外資100%も可能。ただし、炭化水素部門など、原則として国が過半数の持分を保有しなければならない生産活動が存在する。
外国投資の一般的な区分
生産的外国投資憲法法(LCIEP)第7条によると、外国投資は、外国投資家による出資を通じて行われる生産的投資であり、外国直接投資と外国ポートフォリオ投資に区分される。
外国直接投資とは、外国投資家が、有形資産または資金をベネズエラ国内の投資受入主体に拠出し、その投資が組み込まれる生産プロセスに付加価値を生み出すことを目的とする生産的投資をいう。当該出資は、投資受入主体の会社資本の10%以上の持分に相当するものでなければならない。
これに対し、外国ポートフォリオ投資とは、あらゆる形態の企業について、その会社資本に占める持分が10%未満となる株式または持分を取得することをいう。したがって、10%という基準は、外国投資を外国直接投資と外国ポートフォリオ投資に区分する基準となる。
また、外国投資家が会社資本の50%を超える持分を保有し、所管機関によってその旨の認定を受けた会社は、LCIEP上の「外国企業」に分類される。
炭化水素部門
炭化水素の第一次活動を行う混合企業については、国または公的主体が会社資本の50%を超える持分を保有し、株主として支配権を有する必要がある。
ただし、2026年1月の炭化水素組織法改正により、混合企業方式とは別に、ベネズエラ国内に住所を有する民間企業が、国有企業またはその子会社との契約に基づいて第一次活動を直接運営することが認められた。この契約方式では、国が民間企業の会社資本の過半数を保有することは要件とされていない。
また、国が過半数を出資する混合企業であっても、所管省の認可を受けることにより、民間の少数株主に直接販売、銀行口座の管理、技術面および事業運営面の管理を担わせることができる。このため、法的な株式支配と実際の事業運営権限は分けて確認する必要がある。
石油化学部門
石油化学部門は「石油化学活動開発組織法」によって個別に規律される。同部門では民間資本の参加が認められているが、国家留保活動の実施主体や混合企業の資本構成には同法上の条件が適用される。
したがって、石油化学部門の出資比率については、LCIEPの一般的な10%・50%基準だけでなく、個別プロジェクトの実施形態、ペキベンの参加、所管省の認可および石油化学活動開発組織法上の要件を確認する必要がある。
鉱業部門
2026年の鉱山組織法は、鉱業活動を行う外国企業について、一般的な最低外資比率または一律の外資上限比率を定めていない。
同法上の混合企業は、国または公的主体が会社資本の50%を超える持分を保有する企業である。一方、国または公的主体が少数持分を保有する企業や、国の認可を受けた民間企業も鉱業活動を行うことができる。したがって、国による過半数出資は、鉱業活動を行うすべての事業者に一律に適用される要件ではなく、民間資本または外国資本が過半数を占める企業による参入も制度上可能である。
ただし、出資比率にかかわらず、鉱業活動には国の認可、鉱業コンセッションその他の鉱業権原、および鉱業統一登録簿への登録などが必要となる。
銀行部門
銀行部門機関法第23条は、外国銀行または外国投資家による国内銀行の設立、既存銀行の株式取得、および外国銀行の支店開設を認めているが、銀行一般について外国資本の一律の上限比率は定めていない。ただし、銀行部門機関法上の開発銀行については、資本金を国が公的機関等を通じて引き受けることを原則とし、国家行政機関が国の出資比率を引き下げる場合であっても、民間資本の持分は国の持分を超えることができない。これは外国投資一般に対する上限ではなく、開発銀行という特定の銀行形態に対する資本構成規制である。
外国企業の土地所有の可否
原則として、外国企業の不動産所有に関する制限はない。
原則として、外国の自然人および外資系のベネズエラ法人による都市部の土地ならびに事務所、工業施設、倉庫などの商業用不動産の取得・所有について、外国人または外資であることのみを理由とする一般的な制限はない。国内に所在する不動産には、権利者が外国人である場合もベネズエラ法が適用される。
ただし、農業用途に適した土地については、公有地・私有地を問わず「土地・農業開発法」の適用を受け、その利用、生産性および土地の社会的機能に関する規制が課される。国立土地院(INTI)が所有する農地については、通常の完全な所有権ではなく、土地付与などにより使用・収益および相続が認められることがあるが、原則として売却できず、第三者への移転にも制限がある。
また、国境地域、沿岸地域、軍事・公共施設、基幹産業、戦略的産業および重要サービス施設の周辺など、国家安全保障区域に指定された地域では、人、財産および活動に関する特別規制が適用される。外国の自然人・法人による不動産の取得または利用が制限される場合があるため、個別区域に適用される規則および許認可を確認する必要がある。
外国企業がベネズエラ国内で事業活動の一環として不動産を取得・利用する場合、通常、適法に登記された現地法人または支店を通じて事業を行い、税務登録番号(RIF)を取得する必要がある。不動産の売買に当たっては売買証書を作成し、所有権移転を公示して第三者に対抗するため、不動産所在地を管轄する公的登記所に登記する。
資本金に関する規制
有限責任会社について資本金額の下限および上限を定めているが、株式会社については一般的な最低資本金額を定めていない。会社形態ごとに設立時の資本金の引受けおよび払込みに関する要件がある。
商法は、有限責任会社について資本金額の下限および上限を定めているが、株式会社については一般的な最低資本金額を定めていない。ただし、会社形態ごとに設立時の資本金の引受けおよび払込みに関する要件が設けられている。
有限責任会社については、設立時に資本金の全額を引き受け、金銭出資の少なくとも50%および現物出資の全額を払い込む必要がある。株式会社については、資本金の全額を引き受けた上で、各株主が引き受けた株式の少なくとも20%を払い込む必要がある。
また、「登記・公証法」第57条は、商業登記官に対し、会社の事業目的との関係で合理性の基準を適用し、資本金が不十分な会社の登記を拒否するよう定めている。このため、株式会社について一般的な法定最低資本金額がない場合でも、資本金が事業内容や事業規模に見合わないと判断されれば、登記を拒否される可能性がある。
その他規制
投資を構成する資産の国内所在および同鑑定、国内融資の上限、LCIEP上の外国投資登録のための最低投資額などの規制がある。
投資を構成する資産の国内所在および鑑定
LCIEP第17条によると、外国投資の構成価額は、その全額がベネズエラ国内に所在する資産によって表示されなければならない。これには、生産活動の開始に必要な設備、投入財その他の財および有形資産が含まれる。外国投資の構成価額については、資産価値を確認するための鑑定が行われる。所管機関はその結果を審査し、投資として認められる価額を承認する鑑定証明書を発行する。
国内融資の上限
LCIEP第18条によると、外国投資家が投資の実施に当たって利用する国内融資は、投資総額の15%を超えることができない。
最低投資額
LCIEP第19条によると、外国投資登録を取得するための最低投資額は、原則として80万ユーロ、650万人民元またはその他の外国通貨による同等額とされる。ただし、所管機関は、対象分野、中小企業の振興その他の事情を考慮し、同基準額の10%を下回らない範囲で、より低い最低投資額を設定できる。
最低存続期間
LCIEP第26条によると、登録された外国投資は、外国投資登録が付与された日から最低2年間、ベネズエラ国内に維持しなければならない。この期間の経過後、外国投資家は、租税その他の債務を履行した上で、登録・更新された当初投資資本を国外に送金できる。また、同法第19条は、同法上の権利を行使するため、投資が実現した時点から原則として最低2年間の存続を求めており、外国投資契約により期間が延長される場合がある。





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