外資に関する規制

最終更新日:2018年11月29日

規制業種・禁止業種

「ベネズエラ・ボリバル共和国憲法」第301条には、国内資本の企業と外資系企業を平等に扱うことが謳われている。国や国内資本の企業に限定される分野以外、基本的に外資への参入規制はない。石油および石油化学分野などは、外資比率などに関して規制がある(参入自体に規制があるわけではない)。

  1. 民間資本による出資規制
    石油および石油化学分野への民間出資比率は、50%未満に制限されている。
  2. 外資が規制されている部門
    外国投資法(政令1434号、2014年11月18日付特別官報6.152号公示)は、治安、国防上の理由により、政府は外資による出資を規制する部門を設けることができるとしている。
    鉄鉱石の開発については、内・外資を問わず、民間資本の参加は認められていない。
  3. 地域規制
    産業の地方分散化政策により、内・外資を問わず、地域によって規制される業種がある。

出資比率

2017年12月に発表された新しい法律は、炭化水素、鉱業、電気通信、ソーシャルメディアを含む特定分野への外国投資を規制する特別法が存在する場合、この特別法が優先されると明示している。
50%未満:石油、石油化学部門。55%未満:金開発部門。60%未満:鉄鉱石開発部門。

  1. 炭化水素部門
    「炭化水素組織法」(2006年5月)により、石油の探査、採掘、回収、輸送、初期貯蔵(第一次活動)を行う企業への民間資本参加は、50%未満に制限されている(超重質油田地帯であるオリノコベルトの開発を行う合弁企業は、実際には40%以下のケースが多い)。合弁企業については、国会による事前承認が必要。
    2009年5月の「炭化水素第一次活動に係る財・サービスの国家留保組織法」により、第一次活動に付随するサービスや財(ガスや蒸気注入、ガス圧縮、マラカイボ湖における輸送サービスなど)に関しても国が留保し、国、国営石油公社(PDVSA)あるいはその子会社、もしくはPDVSAの統制下で合弁企業が行う形に制限された。
    一方、ガスの探査、採掘、輸送、初期貯蔵については、100%民間企業の出資が認められている。
  2. 石油化学部門
    2009年6月の「石油化学活動の開発組織法」により、石油の場合と同様、民間企業の出資は50%未満に制限された。合弁企業は国会による事前承認が必要。2013年4月、石油化学公社の登録要件を規定した石油鉱業省は、財・サービスの有効活用を目的として、国の資本割合記載を石油化学公社に義務付けている。
  3. 鉄鉱石開発部門
    1974年12月の「鉄鉱石開発を国家に留保する政令」により、内・外資を問わず、鉄鉱石開発分野への民間投資は不可となっている。ガイアナ地域の製鉄についても、国の留保対象となっている。
  4. 金開発部門
    2014年11月の「金の探査・採掘活動および関連活動を国に留保する法律」により、金の探査、開発や貯蔵、輸送、流通、販売などの活動は国に留保され、国営企業あるいは国の出資比率が、55%以上の合弁企業のみが従事できる。合弁企業の設立には国会による承認が必要となり、また採掘によって得られた金は、中央銀行への販売義務を負わされる。
  5. 鉱業部門
    1999年の「鉱山法」により鉱物の開発は、[1] 国が直接行う、[2] 探査・開発コンセッション付与、[3] 小規模鉱山の開発許可、[4] 鉱業共同体、[5] 手工業鉱業という5方式に限られる。
  6. ニッケル部門
    2013年10月4日の「ニッケル開発を国家に留保する政令」により、サンアントニオ第一鉱区、カメダス第一鉱区を含む一部鉱区におけるニッケルおよびニッケル含有鉱物の探査・開発については、石油鉱業省に留保されている。また、同日付「タチラ州ロス・モロス ‐ エル・トマテ間の燐含有鉱物開発を国家に留保する政令」により、同地域の燐含有鉱物の探査・開発については、石油鉱業省に留保されている。

前記4.金開発部門および5.鉱業部門に影響を与える政令が、次のとおり2017年3月27日付官報に掲載された。

  • 「ダイヤモンドの探査・採掘活動および関連活動を留保する政令第2781号」
  • 「銅の探査・採掘活動および関連活動を留保する政令第2782号」
  • 「銀の探査・採掘活動および関連活動を留保する政令第2783号」

2017年3月30日付官報41125号に公示された政令2795号に基づき、廃棄物(アルミニウム、銅、鉄、青銅、鋼、ニッケルまたはその他金属などの固形廃棄物)、スクラップ、および非金属固体廃棄物(光ファイバー、リサイクル段ボールや紙などの二次繊維製品など)の購入を国家に保留する措置は、ベネズエラ産業の持続可能な開発にとって、戦略的かつ重要である旨の宣言がなされている。

政令第3176号により、ガイアナ開発公社(CVG)および子会社(CVG Aluminio delCaroní S.A.、CVG Aluminio de Carabobo SA、Briquetera delCaroníC.A.など)は、副大統領府の管轄下におかれることになった(2017年11月24日付官報第41286号)。

外国企業の土地所有の可否

原則として、外国企業の不動産所有に関する制限はない。

外国企業の不動産所有に関する制限はないが、国境、軍事施設、海岸付近などでは、安全保障上の理由から、あるいは環境上の理由から、制限される場合がある。
また2011年5月の「都市部・都市部周辺の土地所有に関する統合規則を定めた大統領授権法」により、都市部・都市部周辺の集落では、低所得者向けの住宅建設が優先される。

資本金に関する規制

原則として、有限会社のみに最低払込資本金が定められている。

有限会社の場合のみ、最低払込資本金が定められているが(「商法」第315条)、株式会社などその他の形態については、法的な規定はない。
ただし、「公的登記・公証法」には資本金は十分でなければならないと規定されているため、資本金の額が少ない場合、会社の業態に見合っていないとして商業登記の受付を拒否される場合がある。なお書面による記載はないものの、当局からは大企業は5,000万ドル以上、小企業・家族企業は500万ドル以上と、最低資本金の目安が示されている。

その他規制

自動車については、国産化率の規定あり。

自動車分野

  1. ライセンス制の導入

    ベネズエラ政府は2007年10月、自動車の国内生産を高め、完成車輸入を制限するための「新自動車政策」を発表(2007年10月31日付官報38800号で公布された関係各省共同決議で規定)した。同政策では、完成車輸入はライセンス制としたほか、自動車企業や業界団体などと協議した上で、2013年までに国内部品調達率を50%にする計画を策定すると定めた。また2010年1月以降、エンジン輸入は組み立て前の状態で行い、国産部品を導入して国内でエンジン組み立てを行うことも明記された。その後、2013年12月4日の「自動車価格固定および個人外貨による自動車輸入令」(2013年12月4日付特別官報6117号で公布された政令625号)により、新車を投入する場合は国内部品調達率を35%以上にすること、その後の国内部品調達率目標については、産業省が毎年定めるとされた。

    また、新たに自動車組み立てメーカーを設立する場合、産業省(注)に登録して生産計画を提示することで、同省から18カ月間有効(6カ月延長可)の「設立中会社」の許可を得ることができ、CKD(Complete Knock Down)部品の扱いで半完成車を輸入する許可が与えられる(2014年1月30日付官報40.345号で公布された経済財務公共銀行省と産業省の共同決議により規定)。

    (注)以前の管轄省は科学技術・中間産業省(2010年5月3日付官報39415号で公布された企画財務省と科学技術・中間産業省の共同決議により規定されていた)。

    前記規制の多くは、2017年3月22付政令2.787号で発表された「Venezuela en Movimiento」計画で変更された。政令2.787号により、自動車産業再生プランが策定され、国内の自動車産業、特にディーラーや個人、自動車部品メーカー、金属加工関連企業の資源を活用している自動車や自動二輪の組み立て工場を強化するために、「個人利用の車両」、「商品運搬車両」、「生産的な自動二輪車」に関する再生プログラムを定めた。
    経済財務省は、自動車産業再生プランの第1条で定められている以下のプログラムの達成度合いを毎年評価する。

    目標 評価基準 1年目 2年目 3年目
    雇用創出 労働者数(直接/間接) 各組み立て工場で直接雇用している労働者数を維持する 各組み立て工場で直接雇用している労働者数を維持する 2,000人の新たな雇用(直接雇用1,100人、オートパーツメーカーで間接雇用900人)
    国内生産の活性化 プログラムに参加している車両数(組み立て工場) 一般車両5,800台、商品運搬車両2,068台、自動二輪2,161台 一般車両5,800台、商品運搬車両2,068台、自動二輪2,161台 一般車両1万台、商品運搬車両3,500台、自動二輪3,500台
    自動車保有者数の増加 プログラムに参加している車両数(販売) 一般車両5,800台、商品運搬車両2,068台、自動二輪2,161台 一般車両5,800台、商品運搬車両2,068台、自動二輪2,161台 一般車両1万台、商品運搬車両3,500台、自動二輪3,500台

    政令の第12条によると、このプログラムにおける企業活動に関し、以下の条件の下で、付加価値税および輸入税の支払いが免除される。

    1. 車両組立輸入材料(Material de Ensamblaje Importado para Vehículos:MEIV)の規定に関連する部品の輸入。
    2. 販売契約を締結している組み立て会社によって製造された自動車の販売。
    3. 本政令で定められている要件を満たす組み立て会社による許可を受けたディーラーが行った自動車の販売。

    決議第518号により、最小原材料を測定するための方法が定義され、自動車部品の原産地の定義および国別分類、自動車産業再生計画に割り当てられた車両および自動二輪の一般的な特性などのカテゴリー別に計算されることが定められた(2017年10月9日付官報第41.253号)。

  2. 個人輸入の許可
    原則として、個人には自動車の輸入ライセンスは発行されてこなかったが、2013年12月4日付特別官報6.117号に公示された政令625号により、ベネズエラ国内の国営銀行に外貨口座を有する個人に限り、自動車の輸入ライセンスが発行されることとなった。ただし、実際に自動車を輸入できるのは個人使用を目的とした場合に限られ、かつ自動車を輸入した後、36カ月間は第三者に転売することはできない。さらに2017年3月27日付特別官報41.122号に公示された政令2787号により、ベネズエラ国内で新モデルの組み立てを行う場合には、少なくとも35%以上の部品を国内で調達するか製造する必要があるとしている。

その他

  1. 国内非生産証明書・不十分証明書
    政府が定める固定為替レートで輸入決済用外貨を調達するにあたり、「国内非生産証明書・不十分証明書」の取得が必要な品目がある。これは、当該輸入品目が国内で生産されていない、あるいは生産されていても国内需要を満たすのに十分ではないため輸入してよいという証明書で、国内産業保護を目的としている。部品や原材料を含め広範な品目が対象となっているが、対象品目は不定期に見直される。本証明書は国家貿易センター(CENCOEX)が発行する。CENCOEXのすべての機能は、貿易・国際投資省に集約されている。
  2. 生産的な外国投資に関する新法律

    生産的な外国投資に関する新法律は、2014年の外国投資法に代わる法律として、2017年12月29日付官報第41.310号にて公示された。
    新たな法律は、旧法律同様、財およびサービスの外国投資に関する政策や手続きを定めているほか、(i)生産的な外国投資の促進、(ii)外国投資が技術移転、バリュー・チェーン、生産性マトリックスの多様化、輸入代替と輸出促進を生み出すことを確実にする、(iii)国家の独立と主権、領土保全、人権、環境保護、生命の保全に基づいて生産的な外国投資が開発されることを確保する、(iv)公正かつ生産的な雇用の創出、(v)外国資金へのアクセスが増加・改善し、外貨獲得や新市場へのアクセスを得る、(vi)伝統産業以外のセクターで外貨を産出する外国投資を呼び込むことを定めている。
    法人に関しては外国投資法と同様の適用対象を規定しているが、自然人には外国に所在する外国人に加え、ベネズエラに投資する海外在住外国人および、外国投資を行うベネズエラ在住外国人も含まれる。

    新たな法律は、外国投資がベネズエラの裁判所の管轄下にあることを示し、ベネズエラの裁判所は、南米・カリブ海地域の統合の枠組みの中で確立された他の紛争解決メカニズムに参加することができ、国内司法救済措置が疲弊し、事前に合意されていることを条件として、他の枠組みの中で確立された紛争解決メカニズムにも参加することができることを示している。

    新たな法律には、関連する用語の定義変更が含まれている。「投資」の定義を、合法的に入手し、原材料や中間製品、最終製品を含む財およびサービスへ投下された資金を含むと明確化している。
    また、新しい定義も追加されている。「外国投資による国内投資家」は、3年以上国外に居住する自然人または、外国からの資金を用いて投資を行う国内法人を指す。この投資のためには、外国にある財務的または物質的資本は、少なくとも3年以上前に取得されていなければならない。「優先投資」は、経済および社会発展のために内閣府が定めた優先分野における外国投資を指す。他のセクターよりも好条件のインセンティブを受けることができる。「直接外国投資」は、国内資産への外国投資であり、投資により生産プロセスに付加価値を生み出し、株式資本が10%以上となる投資を指す。「ポートフォリオ外国投資」は、10%未満の株式取得または、すべてのタイプの企業の株式保有を指す。

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