ベネズエラ議会が炭化水素法改正法案可決、石油産業への投資誘致狙う
(ベネズエラ、米国)
調査部米州課
2026年02月02日
ベネズエラ議会は1月29日、石油産業への投資誘致を目的とした炭化水素法の改正法案を全会一致で可決した。
2006年に公布された現行の炭化水素法は、原則石油の探査、採掘、回収、輸送、初期貯蔵を行う企業への民間資本の出資比率を50%未満に限定するなど、石油事業においては国営石油会社(PDVSA)を主導とするための規定が盛り込まれていた。今般の改正で、民間企業も国営企業との契約の枠組みにおいてであれば、石油産業における上流部門の事業の実施主体となり得ることが規定された。また、これまで民間企業が生産した原油はPDVSAに引き渡されていたため、民間企業は実質的に原油の販売権がない状態だったが、所管省の許可を得れば割り当て分を直接販売できると明記された。
税制面では、開発に係るロイヤルティーを最大30%とし、状況に応じて調整することも規定された。これまでは石油価格が下落しても、生産コストがかさんでも調整されることはなかったが、今後は調整の余地が生まれることになる。また、これまで複数存在していた石油関連の税を炭化水素統合税に一本化し、総収入に対して最大15%の税率を適用する。
紛争解決手段としても、国内裁判所に限定せず、調停や仲裁による解決ができると規定された。改正前は外国の仲裁機関を排除することが明記されていたところ、今般その記載がなくなったため、国際仲裁も認められ得る状態になったとみられている。
改正炭化水素法は投資環境改善に大きく寄与する内容となっているが、憲法との整合性の問題など課題は残っている。今回の法改正について、米国のマルコ・ルビオ国務長官は「3週間前と比べれば大きな前進だが、十分な投資を引き付けるには至っていない」と述べている。
(佐藤輝美)
(ベネズエラ、米国)
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