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技術・工業および知的財産権供与に関わる制度

最終更新日:2019年07月25日

技術・工業および知的財産権供与に関わる制度

工業所有権の保護に関するパリ条約に加盟。特許の存続期間は20年で更新不可。実用新案、工業意匠、工業図案、集積回路図は10年で更新不可。商標は10年で、10年ごとに更新可能。地名表示・原産地表示は無期限。

工業所有権

工業所有権局
工業所有権法〔法19039号・1991年〕、〔法19996号・2005年〕、〔法20160号・2007年〕、〔工業所有権局決議55号・2015年〕

国家工業所有権院(Instituto Nacional de Propiedad Industrial:INAPI外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

工業所有権の保護に関するパリ条約に加盟しており、〔法19039号・1991年1月25日官報掲載〕により、工業特許および工業所有権保護にかかわる法律が発効。
その後、WTOマラケシュ協定批准書の中に含まれているTRIPSに関する付属書(外務省令16号・1995年5月17日官報掲載)、米国とのFTA条文17章(知的財産権に関する取決め、2004年1月1日より発効)など、チリが近年締結してきた知的財産権、あるいは工業所有権に関する国際的な取決めとの整合性を持たせ、グローバル化した経済活動の中で、チリの工業所有権制度を近代化し国際協調を図るため、法19996号(2005年3月11日官報掲載)により大幅に改正された。

主な改正点は次のとおりである。

  1. 商標、特許などのコンセプトを拡大

    文字、数字、像、図、表徴、色の組み合わせ、それらの組み合わせなど、書いて表せるすべての記号が商標の対象となる。また、商標に付随した広告、宣伝用の文句も登録できる。
    これら商標の対象となるのは製品、サービス、会社・商店、製造企業で、製品、サービスの性質、内容は問われない。
    特許においては、生体における処理方法、それによって得られた微生物などもその対象になる。

  2. 工業所有権のカテゴリーの拡大

    新しく工業図案(二次元)、集積回路図、地名表示・原産地表示が、工業所有権のカテゴリーに加えられる。
    また、企業秘密、公衆保健院(ISP)や農牧庁(SAG)に薬品、農化学品の登録、許可申請に添付したデータの秘密保持の保護を強化した。

  3. 工業所有権裁判所の改編

    国家工業所有権院(INAPI)の審査・決定に対する不服、工業所有権の有効性・効果などの訴えは、同院長の下で審議され、判定に不服がある場合は、工業所有権裁判所に訴えることができる。
    さらに、今回の法改正で、第二審に不服がある場合は、最高裁に訴えることができるようになった。
    また、これらの審議の迅速、円滑化を図るため、工業所有権裁判所の改編が行われた。

  4. 外国で既に登録されている商標、特許等の工業所有権に対し、一定の配慮を示すが、これは主に外国の有名ブランドや名の通った企業を対象としている。
  5. 工業所有権取得者の権利保護の強化とともに、その乱用を防止する。また、工業所有権取得者の権利を侵す者に対する罰則を強化する。

    工業所有権取得者の権利を侵す者に対し、従来は刑事訴訟だけが認められていたが、民事訴訟も行えるようになり、違反行為の停止、違反行為による損害賠償請求、違反行為防止手段の実行(違反物没収、検査官の指名、違反物の広告禁止、金融機関または第三者による違反物の販売から生じる財、金銭、証券類の差押え)、違反者負担による裁判結果の新聞での掲載などの請求を行えるようになった。

    商業目的で違反と知りながら、工業所有権取得者の許可なく同権利を使用、模造品を製造、輸入した者に対し、最高1,000UTM*の罰金が課せられ、それから5年以内に再違反行為をした場合、罰金は2,000UTMとなる。
    しかし、違反品と知らず、工業所有権取得済み製品の模造品を販売した者に対しては、その責任は問われない。

    *UTM(Unidad Tributario Mensual)は月間課税単位。
    2カ月前の消費者物価上昇率に応じて毎月改訂。2019年7月の1UTMは4万9,033ペソ。

  6. 経済的な事情で規定の期限に、工業所有権取得手続きに関する手続き料および鑑定料を国家工業所有権院(INAPI)に支払うことができない者は、同院にその延べ払いを申請できる。

〔法20160号・2007年1月26日官報掲載〕により、次の改訂が加えられた。

  1. 工業所有権登録無効手続きの短期化。
  2. 音による商標を可能にする。
  3. ある条件下において、特許の新規性の評価については、申請以前に公表された場合も、それを考慮しない(後述の「特許」5. 参照)。
  4. 製薬、または農化学製品の特許の独占性に対して、一定の制限を課す。

さらに、〔法20569号・2012年2月6日官報掲載〕により、次の改訂も加えられた。

  • 種々のカテゴリーの製品・サービスを含む申請、および商標は分割することができる。
  • 国際協力協定に基づくチリでの申請窓口はINAPIとなり、申請はスペイン語で行う。
特許

有効期間:申請日から20年で、更新不可。
取得料:特許取得手続き料8UTM+鑑定料47万3,000ペソで、うち4UTMは初めの有効期限(10年間)が切れる前に支払えばよい。別途、官報掲載料と弁護士に対する手続き代行料(弁護士を雇う義務はない)あり。

特許の対象とならないもの:

  1. 発見、科学的理論、算術方法、植物、動物(微生物は除く)、交配・選別などの生物的植物、動物生産方法(微生物生産方法は除く)。
  2. ビジネスや確認・監査のための経済・金融・商業システム、方法、原則、プラン。
  3. 精神や知的活動に関するもの、およびゲームに関するもの。
  4. 動物または人体の外科あるいは治療や診察方法。それらを実施するための製品は除く 。
  5. 新使用方法(ただし、製品や周知の物・構成物の新使用方法が、未解決の技術的問題の解決を含み、新しさがあり、発明性を有し、産業適応性があり、前述の問題を解決するために、形態、構成比率、あるいは周知の製品、物、構成物質の変更を必要とする場合は特許の対象となる)、形態変化、大きさ変更、比率変更、製品構成物質の変更。
  6. ある限定された目的に使用される周知の物や構成物、自然に存在する生物の部分、自然な生体活動、自然に存在する生体物質、染色体のように生体から分離できる物質。
  7. 発明の商品化が公共秩序、国家安全、道徳、良俗、人間・動物の健康、植物・環境保護を必然的に妨げる場合。
  8. 文学作品、芸術作品など。
商標
  1. 商標は、特定の製品、サービス、商店、生産または商業活動企業に適用される。
  2. 外国で商標登録をした者は、外国での商標登録申請から6カ月間。チリでの同じ商標登録申請において優先権を持つ。
  3. 製品、サービスはニース国際分類に依っており、分類ごとに商標が与えられる。
    商店の商標取得申請においては、取扱い商品の分類と商店が所在する(または商標のカバーを希望する)州ごとに、商標取得手続き料を支払わなければならない。
    製造企業の商標については、製品、サービスの分類ごとに取得した商標がチリ全国で効力を有する。
  4. 商標の有効期間は商標登録から10年で、この有効期間中、または満了後30日以内に10年の更新が可能。更新回数の制限はない。
  5. 料金は1件につき3UTM、更新料は10年間につき6UTM、商標の有効期間満了後6カ月以内に更新料を支払う。1カ月の滞納に対し20%の割増料金が賦課される。別途、官報掲載料と弁護士に対する手続き代行料(弁護士を雇う義務はない)あり。
  6. 商標の対象とならないもの(工業所有権法第20条)
    1. 国家、国際機関、国家公共機関の紋章、旗あるいは象徴を表すもの、それらの名称や略称。
    2. 承諾を得ていない人の名前(しかし、歴史的人物の名前は、名誉を毀損しない限り、彼らの死後50年後に登録可能)、ペンネーム、肖像。
    3. 許可なく、国家の検定保証のしるし、刻印をまねたものや、模造したもの。
    4. 当人以外のものによる、内、外地における展示会において授与されたメダル、表彰状、勲章をまねたものや、模造したもの。
    5. 製品、サービス、企業・商店の種別、性質、起源、国籍、原産地、用途、重量、価格、特徴を表す表現や記号。
    6. 製品、サービス、企業・商店の由来、品質、種別に関して、間違いを生じさせるものや、それらを欺くもの。
    7. 製品、サービス、企業・商店の各分野に関する商標で、外国でのそれらの各分野で、外国で登録され、それらの分野でよく知られている商標と同じ、または、表記、もしくは音声上類似しているもの。

      ※もし、これが原因で商標申請が却下されたり、商標が取り消された場合は、外国でその商標を登録しているものは90日以内に、チリ国内でその商標の登録申請をしないと、誰でもその商標の登録申請ができるようになる。
      この場合、次の90日以内は新しい商標登録の申請を却下されたり、商標を取り消された者に優先権が与えられる。
      同じく、チリで商標登録をして、その登録をしている各分野で名の通ったものは、それらの分野において、同じまたは類似の商標申請を阻むことができる。

    8. 製品、サービス、企業・商店の各分野で、既存の商標登録(申請中のものも含む)と、表記または音声上類似し、前者と混同を生じさせるもの。

      ※以前から登録はされていないが、国内で実際に使われている商標にもこの原理が適用される。
      もし、これが原因で、新しい商標登録が申請を却下されたり、取り消された場合、既存の登録していない商標の所持者が90日以内に、その商標登録申請をしなければ、誰でもその商標を登録できる。
      この場合、次の90日以内は新しい商標登録の申請を却下されたり、取り消された者に優先権が与えられる。

      INAPIは、既存の第三者の権利を侵さず、消費者に混乱を起こさない場合に限って、同じ分野での同じ商標登録を認め得る。
      色、製品、または容器の色。法的に保護された地名表示や原産地表示。公共秩序、道徳・良俗(正当な競争原理、商業道徳も含む)など。

    9. フランチャイズに関する規制は設けられていない。

その他、有効期間、更新、料金などに関する定めは、次のとおり。

工業所有権の有効期間、更新、料金
項目 有効期間 更新 出願時の料金*1 受諾時の料金 更新(継続)料 審査料*4
特許*2 20年 不可 1UTM 3UTM 4UTM 516,000ペソ
実用新案*3 10年 不可 1UTM 1UTM 2UTM 394,000ペソ
工業意匠、工業図案、集積回路 *3 10年 不可 1UTM 1UTM 2UTM 328,000ペソ
商標 10年 10年 1UTM 2UTM (6UTM) なし
地理的表示・原産地名称 無期限 1UTM 2UTM なし なし

*1 料金は出願時に1UTM、受諾時に残りを支払う。受諾されなかった場合でも、出願時の1UTMは返金されない。
*2 特許の料金:4UTM(10年分)×2
*3 実用新案、工業意匠、工業図案、集積回路の料金:2UTM(5年分)×2
*4 審査料は〔工業所有権局決議1号・2018年1月6日官報掲載〕規定による(定期的に更新される)。

ロイヤルティー(使用料)送金にかかる追加税率の変更

所得税法〔法令824号・1974年〕、〔法20154号・2007年〕、〔法20630号・2012年〕、日チリ租税条約

〔法20154号・2007年1月9日官報掲載〕により、所得税法〔法令824号59~60条〕が改正され、コンピュータ・プログラム購入対外支払い、工業所有権法〔法令19039号・1991年〕に規定された特許・実用新案・工業意匠・工業図案・集積回路図、植物新品種にかかわるロイヤルティー対外支払いに対し、追加税率が30%から15%に引き下げられた。

〔法20630号・2012年9月27日官報掲載〕により、非営業目的でのコンピュータ・プログラム購入対外支払いに対し、2013年1月1日から追加税15%が免除された。
しかし、ロイヤルティー支払いを受けるチリ非居住者が、ロイヤルティー支払い企業の資本、または利益の10%以上を所有するか、あるいは両者の共通株主が各社の10%以上の資本または利益を所有する場合、ロイヤルティー支払いにかかる追加税率は30%となる。
また、ロイヤルティー支払いを受ける者が、財務省で定めたタックスヘイブンに居住する場合も、その税率は30%となる。

チリ非居住者がチリ居住者に提供する技術指導料に課せられる追加税率が20%から15%に引き下げられた。ただし、両者間に資本関係がある場合や、非居住者がタックスヘイブンに移住する場合、その税率は20%となる。

外国へのロイヤルティー、技術料支払い等にかかる追加税は次のとおり。

  1. 商標:30%
  2. 特許、実用新案、工業意匠、工業デザイン、集積回路図、植物の新品種:15%(※30%)
  3. コンピュータ・プログラム:
    1. 非商業目的、社内使用:0%
    2. それ以外:15%(※30%)
  4. 映画やビデオの製作、配給:20%
  5. 著作権、出版権:15%
  6. 技術指導:15%(※20%)

※10%以上の資本・利益を所有する関連会社、共通株主や、タックスヘイブンへ支払う場合。

なお、日本へ送金の場合は、租税条約に基づき、次の税率が適用される。

  1. 産業上、商業上もしくは学術上の設備の使用または使用の権利に対するものである場合:2%
  2. その他の場合:10%
その他留意事項

チリ中央銀行外国為替規制、所得税法〔法令824号31条12、74条4・1974年〕

  1. 控除

    チリに所在する会社が、外国の関連会社(資本関係が存在)にロイヤルティーを支払う場合、ロイヤルティーの経費控除は法人所得税の課税所得から全販売額の最高4%まで。
    ただし、ロイヤルティーを支払う会社と受ける外国の会社間で資本関係がない場合や、資本関係があってもその外国の会社の所在国で30%以上の所得税が課せられる場合は、この制限は適用されない。

  2. ロイヤルティー送金に関する規定

    ロイヤルティー送金の外貨調達は、公式為替市場でも非公式為替市場でもできる。
    送金は公式市場を通して行わなければならない。
    ロイヤルティーにかかわる販売額証明書(CERTIFICADO DE VENTAS AFFCTAS A REGALIA)と、ロイヤルティー支払該当月の納付済申告書(FORMULARIO 50)とをいつでも提示できるよう、保存しておく必要がある。
    この申告書により、ロイヤルティー支払いに関する追加税の納付状況を確認できる。

ジェトロ 知的財産に関する情報(中南米):チリにおける模倣品・海賊版に関する活動調査報告書(2014年3月)

ご相談・お問い合わせ

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