カナダ政府、デジタル経済パートナーシップ協定(DEPA)へ加盟申請

(カナダ、チリ、ニュージーランド、シンガポール)

米州課

2022年05月24日

カナダのメアリー・エング国際貿易・輸出振興・中小企業・経済開発相は5月22日、カナダ政府が「デジタル経済パートナーシップ協定(DEPA)」への加盟申請を行ったことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。今回の発表を踏まえて、カナダは今後、DEPA締約国と協力し、加盟に向けた作業部会を設置する予定だ。

DEPAは2020年6月、チリ、ニュージーランド、シンガポール間で締結され、2021年1月7日(ニュージーランド、シンガポール)および2021年11月23日(チリ)に発効したデジタル貿易協定。国境を越えたモノやビジネスの取引における電子書類の利用や個人情報保護、サイバーセキュリティー、デジタル身分証明、フィンテック、人工知能(AI)、ビッグデータのやり取り、中小企業のためのイノベーション、貿易、投資機会、デジタル格差の解消など、デジタル経済発展のための最新課題を盛り込んでいる(2021年12月2日記事参照)。

DEPA締約国3カ国による締結の後、カナダ政府は2020年12月9日、締約国に対し加盟への関心表明の通知を行い、その後、2021年2月16日および同4月20日の2度にわたり締約国と建設的な協議を行っていた。

カナダ政府の発表によると、2021年3月に開始された公開協議を経て、業界関係者、NGO、州・準州、女性、先住民、中小・零細企業などの諸団体から意見が寄せられ、今回の最終的な加盟申請へとつながったという。

DEPAへの加盟目的について、発表では「本協定は、国際貿易・投資の円滑化と多様化の手段として電子商取引を奨励するなど、カナダの国際貿易政策の目標に沿ったものとなっている」としたほか、「DEPAに加盟することで、カナダは世界のデジタル経済におけるリーダーとしての地位をさらに確立し、国際的なルール策定のテーブルに着くことができる」と述べた。加えて、「これにより、デジタルを活用した貿易に関する明確なルールを提供し、全ての人に利益をもたらす新たな経済機会を促進することで、カナダ国内のビジネスを支援することができる」としている。

なお、DEPAには他国も加盟意向を示しており、2021年9月には韓国が加盟の意向についてニュージーランドに通知したほか、2021年11月には中国が加盟申請を行っている。

(高山さわ)

(カナダ、チリ、ニュージーランド、シンガポール)

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